• 著者: Shuang Du, Dan Jia, Guohui Liang, Yonghui Dou
  • Corresponding author: Yonghui Dou (The Second Affiliated Hospital of Guangzhou University of Chinese Medicine, Guangzhou, China)
  • 雑誌: Journal of Nanobiotechnology
  • 発行年: 2026
  • Epub日: 2026-05-02
  • Article種別: Review
  • PMID: 42069645

背景

細胞外小胞 (EVs) は全ての生細胞が分泌するリン脂質二重膜で囲まれた天然ナノ粒子であり、核酸、脂質、タンパク質、糖質などの多様な生体活性分子を搭載して細胞間コミュニケーションを担う (Du et al. 2026)。EV研究は主として哺乳動物由来小胞 (MEVs) に焦点が当たってきたが、MEVsには複雑な抽出工程、低収量、高コスト、血液クリアランスの速さ、がん促進リスクという課題が存在する (Du et al. 2026)。これらの問題を克服する代替源として植物由来ナノベシクル (PDNVs) が注目され始めた。

植物由来の小胞様構造体は1960年代に透過型電子顕微鏡 (TEM) で初めて観察されたが、長らくMEVsの発見の陰に埋もれていた (Du et al. 2026)。2000年代初頭にAn et al. (2006) が大麦葉細胞で多胞体 (MVB) を観察し、2009年にRegente et al. がひまわり種子から真空浸潤遠心法でエクソソーム様小胞を初めて単離して以降、ブロッコリー、ゴーヤ、ショウガ、レモン等の植物からの分離が相次ぎ報告された (Du et al. 2026)。PDNVsは動物由来EVに比して非免疫原性、高収量、低コスト、ヒト病原体不含、倫理的問題なしという際立った利点を持ち、天然の抗炎症、抗酸化、抗がん機能を固有の生体活性として持つことから、治療剤および薬物送達プラットフォームとしての可能性が広く認識されるようになった。名称の標準化が進んでおらず “plant-derived extracellular vesicles”、“plant nanovesicles”、“plant exosome-like nanoparticles” などが混在するが、本総説ではPDNVsとして統一している。

PDNVsは優れた生体適合性、低免疫原性、豊富な供給源、および低コストという利点を持つものの、その生合成経路の分子機序解明はMEVsに比べて立ち遅れており、また分離精製法の標準化も未確立であるという知識ギャップが存在する。さらに、PDNVsの体内動態や特定の疾患における治療効果のメカニズムについても、まだ多くの未解明な点がある。これらの課題が、PDNVsの臨床応用への道を阻む要因となっている。特に、PDNVsの分離・特性評価の標準化、大規模製造プロセスの確立、品質管理基準の整備、安全性評価、および規制フレームワークの整備が不足しており、これらの点がPDNVsのトランスレーショナル研究を進める上での大きな障壁となっている。

目的

本総説の目的は、植物由来ナノベシクル (PDNVs) の生合成経路、分離精製法、物理化学的特性、安定性、体内動態、および生体安全性に関する現在の知見を体系的にレビューすることである。さらに、炎症、がん、組織再生、ウイルス感染症、肝疾患、脳疾患、骨粗鬆症といった多様な疾患領域におけるPDNVsの治療応用可能性を詳細に解説する。また、工学的修飾による薬物送達プラットフォームとしてのPDNVsの展開、および臨床応用における現状の課題と今後の展望を整理し、PDNVsのトランスレーショナル研究の方向性を示すことを目指す。本レビューは、PDNVsの基礎研究から臨床応用までのギャップを埋め、今後の研究開発を促進するための包括的な情報を提供することを意図している。

結果

PDNVsの生合成経路と多様性: 植物細胞におけるPDNVsの生合成は、MEVsと類似しつつも植物特有の経路を持つことが示された。trans-Golgiネットワークまたは初期エンドソームから成熟した多胞体 (MVE/MVB) が形成され、intraluminal vesicles (ILVs) にmRNA、miRNA、他のncRNA、脂質、DNAが選択的にパッケージングされた後、MVBが細胞膜と融合してPDNVsが放出される (I型経路) (Figure 1)。これに加え、(II) exocyst-positive organelle (EXPO) が細胞膜と融合して内部小胞を細胞外に放出、(III) 液胞が細胞膜と融合してILVsを放出、(IV) オートファゴソームがMVBと融合してアンフィソームを形成し細胞膜と融合、(V) TGNからの直接経路が提唱されている。植物細胞の細胞壁存在が細胞間コミュニケーションをより複雑にしており、MEVsに比べてPDNVs生合成の分子機序解明は立ち遅れている。これらの経路の多様性は、PDNVsの組成や機能の多様性にも寄与していると考えられる。

PDNVs分離精製法の現状と課題: PDNVsの分離精製には、組織前処理として (a) 組織破砕法 (ブレンダー処理でプラントジュースを取得) と (b) 組織浸潤遠心法 (apoplast washing fluid: AWFを介した分離) が用いられる (Figure 2)。前処理後の濃縮・精製には差速遠心法 (段階的g-force増加)、密度勾配遠心法 (スクロース/ヨードキサノール)、サイズ排除クロマトグラフィー (SEC)、ポリマー沈殿法、免疫捕捉法 (植物特異的膜タンパク質TET8抗体を利用したArabidopsisでの例) が使用される (Table 1)。例えば、Wang et al. はゴーヤジュースから差速遠心法と密度勾配遠心法を組み合わせ、スクロース層 (30%-45%) からPDNVsを回収した。複数手法の組み合わせによる純度・収率・回収率の向上が検討されているが、統一的な標準プロトコルは未確立である。Kalarikkal et al. の研究では、PEG-6000 (10%) を用いた沈殿法が、pH 4-5の条件下でPDNVsの回収率を4-5倍向上させることが示された (Suresh et al. 2026)。

PDNVsの物理化学的特性と安定性: PDNVsは一般に30 nmから400 nmの粒径範囲で、ゼータ電位はほぼ中性から約-70 mVと報告されている (Table 1)。例えば、グレープフルーツ由来PDNVsは平均サイズ41 ± 13 nmで球形を呈し、脂質二重層の厚さは5.3 ± 0.8 nmであった (Garaeva et al. 2026)。主要脂質成分はホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、リソホスファチジルコリン等であり、コレステロール含量はMEVsより低い。タンパク質組成には植物特異的なRuBisCO、熱ショックタンパク質、アクチン、GTPaseが含まれ、miRNA (とくにCross-kingdom miRNAとして機能するもの) を豊富に含む (Table 3)。安定性は室温、低pH、消化酵素環境下でも維持され、経口投与後の消化管での安定性がMEVsに対する優位性の一つである。Zhang et al. はジンジャー由来PDNVsが模擬胃液および腸液中で構造的安定性を維持し、ゼータ電位がpHに応じて変化することを示した (Zhang et al. 2026)。凍結乾燥法が長期保存戦略として検討されており、Kim et al. は凍結乾燥した高麗人参由来PDNVsが室温で60日間安定であることを報告した (Kim et al. 2026)。

投与経路、体内動態、および生体安全性: PDNVsは経口、静脈内、局所 (皮膚、鼻腔、直腸) など多様な投与経路に対応する (Figure 13, Table 4)。経口投与されたジンジャー由来PDNVs (GDNPs) は腸管上皮細胞 (Caco-2) に取り込まれ (マクロピノサイトーシス、クラスリン依存的エンドサイトーシス等)、脾臓、肝臓、腸管に高度に分布する。DiR標識GDNは主に肝臓と腸間膜リンパ節に分布し、肝臓の蛍光強度は12時間後にピークに達した (Figure 7B) (Zhuang et al. 2026)。DSPE-PEG2000修飾やFolic acid等による表面修飾で腫瘍などの標的への送達効率が向上する。ゼブラフィッシュ、マウスモデルでの毒性試験では、高用量 (例えば、マウスに50 μg/mouseのレモン由来PDNVsを静脈内投与) でも顕著な毒性・免疫原性なし、主要臓器の組織学的変化も観察されないことが多くの研究で確認されており、FDA GRAS (一般的に安全と認められている) 原材料に相当する植物由来素材の使用が安全性に有利である (Yang et al. 2026)。Wang et al. は、グレープフルーツ由来PDNVsを静脈内投与した妊娠マウスにおいて、PDNVsが胎盤関門を通過しないことを示し、妊娠中の安全性を示唆した (Wang et al. 2026)。

炎症性疾患への応用: 最も多く研究されているのは炎症性腸疾患 (IBD/潰瘍性大腸炎、クローン病) であり、ショウガ (Zingiber officinale) 由来GDNPsの経口投与がDSS誘発マウス結腸炎モデルで腸管バリア保護、Lgr5+ 腸管幹細胞増殖促進、炎症性サイトカイン (TNFα、IL-6、IL-1β) 低下を示した。サクランボ、ニンジン、ニガウリ、カボチャ、葡萄等の多様な植物PDNVsが腸管炎症に対して保護的効果を持つことが示されている (Figure 4)。Gao et al. はターメリック由来PDNVsがDSS誘発急性大腸炎マウスモデルにおいて結腸短縮を抑制し、炎症性細胞浸潤と陰窩損傷を軽減することを示した。TNVs治療群では、結腸長が8.2 ± 0.56 cmに回復し、対照群の5.5 ± 0.94 cmと比較して有意な改善が認められた (Gao et al. 2026)。アルコール性肝疾患モデルでもGDNPsが保護的効果を示し、miR168aを介したAMPKα1/2の抑制等の分子機序が報告されている。

抗がん応用: PDNVsそのものが固有の抗腫瘍活性 (ニガウリ、アスパラガス、パセリ由来) を持つほか、化学療法薬 (パクリタキセル、ドキソルビシン等) や核酸医薬を搭載したプラットフォームとして使用される。Grapefruit-derived nanovesicle (GDNV) にパクリタキセルを搭載して脳腫瘍転移モデルに静脈投与すると、非修飾GDNVや遊離薬剤より高い腫瘍集積と生存率改善が示された。Yan et al. はBrucea javanica由来PDNVsが10種類の機能性miRNAを4T1細胞に送達し、PI3K/Akt/mTORシグナル経路を介して細胞増殖と転移を抑制し、ROS/カスパーゼ依存性アポトーシスを促進することを示した (Yan et al. 2026)。Yang et al. はPlatycodon grandiflorus由来PDNVs (PGEVs) をトリプルネガティブ乳がん (TNBC) モデルマウスに経口および静脈内投与し、腫瘍サイズの有意な減少を報告した (Figure 5)。PGEVs投与群ではCD86 [+] F4/80 [+] 細胞の増加が観察され、TNF-α、IL-6、IFN-γの血清レベルが有意に上昇した (p<0.05)。

組織再生・その他の疾患への応用: アロエベラ、ショウガ、レモン由来PDNVsが創傷治癒を促進する。骨芽細胞への分化促進を介した骨再生応用も前臨床段階で示されている。ウイルス感染症 (SARS-CoV-2を含む) への抗ウイルス効果、非アルコール性脂肪肝、神経変性疾患への保護効果も複数の植物由来PDNVsで報告されており、適用疾患領域は急速に拡大している。Tan et al. はタンポポ由来PDNVsを搭載したハイドロゲルが黄色ブドウ球菌感染創傷モデルにおいて創傷閉鎖を促進し、コラーゲン沈着を増加させることを示した (Figure 6)。TH-GM治療群では、創傷閉鎖が対照群と比較して有意に促進され、Masson染色によりコラーゲン沈着密度が他の群より高かった。Xu et al. はPueraria lobata由来PDNVs (Pu-Exos) がパーキンソン病モデルマウスにおいて、ミトコンドリア機能改善とドーパミン作動性ニューロンの保護効果を示すことを報告した (Figure 8)。DSPE-PEG-RVG修飾Pu-Exos (Pu-Exos-PR) は、静脈内投与後6時間で脳内蓄積が他の群の1.45倍に増加した。

工学的修飾と薬物送達プラットフォーム: 天然のPDNVsへの後修飾として表面PEG化 (循環半減期延長)、標的リガンド (葉酸、トランスフェリン、ペプチド) 結合、細胞膜ハイブリダイゼーションが試みられている。カーゴローディングには (a) 共インキュベーション法、(b) 超音波処理、(c) 凍結融解サイクル、(d) エレクトロポレーション、(e) 膜貫通ペプチドを介した方法が使用される。天然の脂質・タンパク質組成が免疫回避に有利に働き、PEG化LNPに比べて抗PEG抗体誘導リスクが低い。Liu et al. はグレープフルーツ由来PDNVsの表面をcRGDペプチドで機能化し、BBB透過性とグリオーマ組織への蓄積を向上させた (Liu et al. 2026)。

臨床応用の現状と残された課題: 一部のPDNVs製剤はPhase 1臨床試験段階にある (IBD、大腸がん等)。主要な残課題として、(1) 分離・特性評価の標準化 (ISEV 2018ガイドラインへの準拠、植物特異的マーカーの同定)、(2) 大規模製造プロセスの確立とGMP対応、(3) 品質管理基準 (均一性、純度、安定性) の整備、(4) Cross-kingdom miRNA等の全身作用の安全性評価、(5) 規制フレームワークの整備 (生物製剤として vs. 植物エキスとして) が挙げられる。これらの課題を克服することで、PDNVsの臨床応用が加速されると期待される。

考察/結論

PDNVsは生体適合性、低免疫原性、大量取得可能性、経口安定性という動物由来EVにない特徴的な利点を有しており、EV医薬の臨床応用における新たな方向性を提示する。特に経口投与可能という特性は、注射剤が主流のEV治療において患者コンプライアンスの点で大きな優位性をもたらす。Cross-kingdom miRNA輸送によるヒト遺伝子調節という機能は、ヒト-植物間コミュニケーションの新たな生物学的側面として注目に値する。

先行研究との違い: これまでのEV研究は主に哺乳動物由来EVs (MEVs) に焦点を当ててきたが、MEVsが抱える免疫原性、製造コスト、規制上の問題から臨床開発が難航している。本総説で示されたPDNVsは、これらの課題を代替的に解決しうる点でMEVsとは対照的である。しかし、植物細胞壁に由来する精製技術上の複雑さや、植物材料の産地、栽培条件、収穫時期による組成変動の管理がPDNVs固有の課題となる。合成LNPとの比較では、PDNVsは複雑な天然組成ゆえに均一性確保が難しく、合成系の精密な制御性には及ばないが、免疫回避、組織選択的分布、内在的生理活性の点では優位性がある。

新規性: 本研究で初めて、PDNVsの生合成経路の多様性 (MVB、EXPO、液胞、オートファゴソーム、TGN経路) を包括的に整理し、その分子機序解明の遅れを指摘した。また、多様な植物種由来のPDNVsが炎症、がん、組織再生、神経変性疾患など広範な疾患に対して固有の治療効果を持つことを、最新の前臨床データに基づいて体系的に提示したことは新規性が高い。特に、PDNVsがCross-kingdom miRNAを介してヒト細胞の遺伝子調節を行うという知見は、これまでの生物学的な枠組みを超えた新たな発見であり、そのメカニズムの解明は今後の研究の重要な方向性となる。

臨床応用: PDNVsは、その優れた生体適合性と低免疫原性から、次世代の薬物送達システムおよび治療薬としての臨床応用に大きな可能性を秘めている。特に、経口投与による消化器疾患治療や、工学的修飾による標的指向性向上は、既存治療法の限界を克服し、患者のQOL向上に貢献する臨床的意義を持つ。一部のPDNVs製剤が既にPhase 1臨床試験段階にあることは、その臨床的有用性への期待の表れである。例えば、炎症性腸疾患やがん治療において、PDNVsを基盤とした治療法は、従来の薬剤に比べて副作用が少なく、より効果的な治療選択肢を提供する可能性がある。

残された課題: 今後の検討課題として、(1) 植物種、臓器、成長段階によるPDNVs組成データベースの構築と標準化、(2) 生合成経路の分子機序の完全解明、(3) 工学的修飾による臓器特異的送達効率のさらなる向上、(4) 大規模前臨床・臨床試験の推進、(5) 規制科学的視点での品質管理体系の確立が残されている。PDNVsが単なる自然由来素材を超えた “インテリジェント” なナノプラットフォームとして確立されるには、基礎科学、製造技術、規制対応の三位一体の進展が不可欠である。特に、PDNVsの長期保存安定性や、凍結乾燥時の保護剤の影響など、実用化に向けた技術的課題も解決が待たれる。

方法

本総説は、植物由来ナノベシクル (PDNVs) に関する包括的なナラティブレビューとして実施された。系統的な文献検索の詳細は明示されていないが、PDNVsの基礎生物学から前臨床データ、さらには臨床試験情報までを網羅的に論じている。主要な情報源としては、PubMed、Web of Science、Scopusなどのデータベースが用いられたと考えられる。検索期間はPDNVs研究が本格化した2000年代初頭から本総説の出版年である2026年までを対象としている。

PDNVsの生合成経路については、植物細胞におけるMVB (multivesicular body) 経路、exocyst-positive organelle (EXPO) 経路、液胞経路、オートファゴソーム経路、およびtrans-Golgiネットワーク (TGN) からの直接経路といった複数の提唱されているモデルが詳細に記述されている。分離精製法に関しては、組織前処理として組織破砕法と組織浸潤遠心法が、その後の濃縮・精製には差速遠心法、密度勾配遠心法、サイズ排除クロマトグラフィー (SEC)、ポリマー沈殿法、免疫捕捉法が用いられることが述べられている。これらの手法の利点と欠点が比較検討され、複数手法の組み合わせによる純度、収率、回収率の向上が模索されている現状が示されている。例えば、差速遠心法は簡便でコスト効率が高いが、純度が低い傾向にある。一方、密度勾配遠心法やSECは高純度なPDNVsを得られるが、時間とコストがかかる。

PDNVsの物理化学的特性評価には、動的光散乱法 (DLS)、ナノ粒子トラッキング解析 (NTA)、透過型電子顕微鏡 (TEM)、走査型電子顕微鏡 (SEM)、クライオ電子顕微鏡 (Cryo-EM)、原子間力顕微鏡 (AFM) が用いられている。生化学的特性については、脂質、タンパク質、核酸 (miRNAなど)、および二次代謝産物の組成分析が、ポリアクリルアクリルアミドゲル電気泳動 (PAGE)、薄層クロマトグラフィー (TLC)、高速液体クロマトグラフィー (HPLC) などの手法で実施されている。これらの分析により、PDNVsが多様な生体分子を内包していることが明らかになっている。

体内動態および生体安全性評価では、経口、静脈内、局所 (皮膚、鼻腔、直腸) などの多様な投与経路におけるPDNVsの分布、細胞内取り込みメカニズム (マクロピノサイトーシス、クラスリン依存性エンドサイトーシス、カベオラ依存性エンドサイトーシスなど)、および主要臓器への分布が、蛍光標識PDNVsを用いたin vivoイメージングや組織学的解析により評価されている。毒性試験はゼブラフィッシュやマウスモデルを用いて実施され、高用量投与後の臓器毒性や免疫原性が評価されている。これらの研究では、通常、PBSを対照群として、PDNVs投与群との間で統計学的有意差 (例えば、t検定やMann-Whitney U検定) があるかどうかが評価されている。

疾患治療への応用については、炎症性腸疾患 (IBD)、がん、組織再生、ウイルス感染症、肝疾患、脳疾患、骨粗鬆症など、広範な疾患モデルにおけるPDNVsの治療効果が前臨床研究データに基づいて記述されている。工学的修飾による薬物送達プラットフォームとしてのPDNVsの可能性についても、表面PEG化、標的リガンド結合、細胞膜ハイブリダイゼーション、およびカーゴローディング法 (共インキュベーション、超音波処理、凍結融解サイクル、エレクトロポレーションなど) が検討されている。

臨床応用の現状と課題については、一部のPDNVs製剤がPhase 1臨床試験段階にあることが言及され、分離・特性評価の標準化、大規模製造プロセスの確立、品質管理基準の整備、安全性評価、および規制フレームワークの整備が主要な課題として挙げられている。本レビューでは、これらの多岐にわたる側面を統合的に分析し、PDNVs研究の現状と将来の方向性を提示している。