• 著者: 大坂瑞子
  • Corresponding author: 大坂瑞子 (東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科先進倫理医科学)
  • 雑誌: 血栓止血誌
  • 発行年: 2021
  • Epub日: N/A
  • Article種別: Review
  • DOI: N/A

背景

好中球はヒトの循環白血球において最大分画である約50%を占め、感染や組織傷害時にケモカインであるIL-8 (interleukin-8) 等の濃度勾配に従って遊走し、脱顆粒や活性酸素種の産生を介して病原体を排除する自然免疫応答の第一応答者である (Amulic et al. 2012)。2004年にBrinkmannらが、好中球が細菌刺激に反応してクロマチンDNAと好中球エラスターゼ (NE: neutrophil elastase) やミエロペルオキシダーゼ (MPO: myeloperoxidase) などの顆粒成分を細胞外に放出し、網目状の構造物である好中球細胞外トラップ (NETs: neutrophil extracellular traps) を形成することを発見して以来、その生理的・病理的役割に関する研究が急速に進展した (Brinkmann et al. 2004)。NETsは敗血症、動脈硬化症、深部静脈血栓症、および全身性エリテマトーデス (SLE: systemic lupus erythematosus) などの非感染性疾患や自己免疫疾患の病態形成に深く関与することが明らかになってきた (Camicia et al. 2014; Osaka et al. 2021; Brill et al. 2012; Yu et al. 2013)。さらに近年の腫瘍微小環境 (TME: tumor microenvironment) における研究から、NETsが循環腫瘍細胞 (CTC: circulating tumor cell) を物理的に捕捉して遠隔転移を助長するほか、血管新生や免疫抑制を介してがんの進展を促進することが相次いで報告されている (Rayes et al. 2019)。特に、NETsがEGFR/ERK経路の活性化を介して上皮間葉転換 (EMT: epithelial-mesenchymal transition) を誘導し、休眠状態にあるがん細胞を再活性化させる作用も示唆されている (Jin et al. 2012; Zhu et al. 2021; Albrengues et al. 2018)。

しかしながら、NETsががんの進展と転移に果たす役割の全容、特にその詳細な分子シグナル伝達経路や治療標的としての具体的な可能性については、血栓止血分野や腫瘍学の領域において体系的に整理された情報が不足している現状がある。PAD4 (peptidylarginine deiminase 4) の分子生物学から、CCDC25 (coiled-coil domain-containing protein 25) 受容体を介したDNA認識機構、DDR1 (discoidin domain receptor tyrosine kinase 1)-CXCL5-NET軸、さらには腫瘍関連好中球 (TAN: tumor-associated neutrophil) の分極化制御に至るまで、NETsとがんの相互作用に関する最新知見を包括的に解説した邦語文献は極めて少なく、この知識ギャップ (knowledge gap) を埋めるための体系的レビューが強く求められていた。また、NETsには一部で抗腫瘍作用を示すとする報告 (Schedel et al. 2019) も存在し、その二面性に関する分子メカニズムの解明は依然として未解明な課題として残されている。このように、がん微小環境におけるNETsの多面的な機能とその制御機構に関する体系的な理解は未だ不十分であり、基礎研究と臨床応用を繋ぐための包括的な知見の整理が決定的に不足している。

目的

本総説の目的は、がんの発症、進展、および転移における好中球細胞外トラップ (NETs) の多面的な役割を、最新の文献的知見に基づいて体系的にレビューすることである。具体的には、(1) PAD4依存的なヒストンシトルリン化を伴うNETs形成の分子機構 (suicidal NETosis、vital NETs、mitochondrial NETsの3形態)、(2) がん転移における具体的な受容体シグナル伝達機構 (CCDC25受容体を介したILK-β-parvin経路、およびコラーゲン受容体DDR1を起点とするDDR1-PKCθ-SYK-NFκB-CXCL5-NET軸)、(3) 腫瘍関連好中球 (TAN) のN1/N2分極化における腫瘍由来細胞外小胞 (EV: extracellular vesicle) の役割と腫瘍免疫微小環境 (TIME: tumor immune microenvironment) との関連、の3つの主要な軸から最新の知見を整理・統合する。これにより、血中MPO-DNA複合体などのバイオマーカーとしての有用性や、DNase I、PAD4阻害薬、DDR1阻害薬、CCDC25阻害薬などを用いた新規がん転移抑制治療の標的としての可能性を論じ、今後の基礎研究および臨床応用への明確な方向性を提示することを目的とする。

結果

NETs形成の多様な分子機構とPAD4によるヒストンシトルリン化: 好中球細胞外トラップ (NETs) の形成は、刺激後約10分というアポトーシス (数時間) よりも極めて早期に惹起される能動的な細胞プログラムであり、受動的な細胞崩壊に伴うDNA漏出とは明確に区別される。NETsの形成様式は主に3種類に分類される。(1) Suicidal NETosisは、PMA (phorbol 12-myristate 13-acetate) などの刺激によりNADPH (nicotinamide adenine dinucleotide phosphate) オキシダーゼが活性化され、細胞質構成成分 (p47phox、p67phox、p40phox、Rac) と細胞膜成分 (gp91phox、p22phox) が集合してスーパーアニオンを産生し、活性酸素種 (ROS: reactive oxygen species) 依存的にクロマチン脱凝集、核膜・細胞膜の破壊を経て細胞死に至る最も典型的な形態である (Panday et al. 2015)。(2) Vital NETsは、補体受容体やTLR2 (Toll-like receptor 2)/TLR4リガンドを介して酸化ストレス非依存的に誘導され、好中球は死滅せず、貪食能や遊走能を維持したままNETsを放出する (Jorch et al. 2017)。(3) Mitochondrial NETsは、ミトコンドリアROSによりミトコンドリアDNA (mtDNA) が放出される形態であり、SLE患者の低密度顆粒球などで観察されるが、がん微小環境においては核由来DNAによるNETsが主流であり稀な現象とされる (Lood et al. 2016)。これらすべての形態において、ペプチジルアルギニンデイミナーゼ4 (PAD4) の活性化が必須である。PAD4は細胞内Ca2+濃度の上昇に伴い5つのCa2+結合部位が占有されることで活性化し、コンセンサス配列「ΦXRXX」(Φは小さな側鎖を持つアミノ酸、Xは任意のアミノ酸を示す) のアルギニン残基をシトルリン残基に変換 (脱イミノ化) する (Rohrbach et al. 2012) (図4)。ヒストンH3のArg-8 (アルギニン8番残基)、Arg-17 (アルギニン17番残基)、Arg-26 (アルギニン26番残基)、およびヒストンH2AのArg-3 (アルギニン3番残基) が主要な基質であり、シトルリン化ヒストンH3 (cit-H3) はNETs形成の特異的マーカーとして広く用いられる (Arita et al. 2006) (図2)。好中球のアズロフィリック顆粒に貯蔵されたMPOやNEなどのセリンプロテアーゼ、特定顆粒のラクトフェリン、ゼラチナーゼ顆粒のロイコライシンなどのメタロプロテアーゼが、この放出されたDNA網目構造に結合してNETsを構成する (図3)。

PAD4の多機能性とがん関連シグナル伝達の制御: PADファミリーには5つのアイソフォームが存在するが、免疫細胞 (顆粒球・単球) で発現するのはPAD2とPAD4のみである (Alghamdi et al. 2019)。PAD2が全身に遍在するのに対し、PAD4は唯一の核局在化シグナル (NLS: nuclear localization signal) を保有して通常は核内に局在する。PAD4はヒストンシトルリン化によるNETs形成以外にも、複数のがん関連シグナルを直接的・間接的に制御する。(1) 核内転写因子p53と物理的に結合し、p53依存的な細胞周期停止 (G1/S期) およびアポトーシス誘導を強力に抑制する (Li et al. 2008)。(2) がん抑制因子であるING4 (inhibitor of growth 4) をシトルリン化することで、ING4とp53の結合を阻害し、p53のアセチル化を低下させてp53を不活性化・不安定化し、がんの活性化を誘導する (Guo et al. 2011)。(3) 腎細胞等において、IKKγ (NEMO: NF-κB essential modulator) をシトルリン化することにより、IκBαのリン酸化を介してNF-κBの核移行および活性化を促進する (Rabadi et al. 2019)。これらの知見は、PAD4が単なるNETs形成酵素にとどまらず、細胞死、炎症、およびがん化のシグナルネットワークにおける多機能なエピジェネティック・レギュレーターであることを示している。なお、PAD4は関節リウマチ (RA: rheumatoid arthritis) における自己抗体 (ACPA: 抗シトルリン化ペプチド抗体) の標的でもあり、自己免疫疾患の病因とも深く関わっている (Curran et al. 2020)。

NETs-CTC相互作用とCCDC25受容体を介したがん転移促進機構: がん細胞の遠隔転移において、NETsは極めて重要な役割を果たす。肺がん細胞株を移植したマウス肝転移モデルにおいて、DNase Iの投与により転移が有意に抑制され、in vivoイメージングにより循環好中球由来の細胞外DNA (NETs) がCTCを物理的にトラップして運搬する様子が可視化された (Cools-Lartigue et al. 2013; n=60 mice)。また、NE阻害剤の投与によってもこの捕捉現象が抑制された。さらに、転移性の高い4T1乳がん細胞株を用いたモデルでは、がん細胞がCXCL1を介して感染非依存的に肺組織へ好中球を浸潤させ (好中球浸潤数: 4T1群 約50/視野 vs 非転移性4T07群 約10/視野、p=0.0009)、NETs形成を誘導して肺転移数を有意に増加させること (Cxcl1ノックダウン群で転移数が有意に減少、p=0.0008)、およびDNase Iをコーティングしたナノ粒子が転移を顕著に抑制することが示された (Park et al. 2016)。Yangら (2020) は、多くの細胞の細胞膜に発現する膜貫通型タンパク質であるCCDC25が、NETs-DNAの特異的な細胞表面受容体であることを初めて同定した (Yang et al. 2020)。NETs-DNAがCCDC25のN末端に結合すると、細胞運動性を制御するILK (integrin-linked kinase)-β-parvin経路が活性化され、がん細胞の遊走・浸潤能が亢進する。in vitroの浸潤アッセイにおいて、NETs処置により腫瘍細胞の遊走能は対照群と比較して約2.3-foldに増大したが、CCDC25ノックアウト (KO) 細胞ではこの増大効果が完全に消失した。CCDC25-KOマウスを用いたin vivo実験 (n=10 mice) では、肝転移巣の数が野生型マウスの約1/3〜1/5に減少し、転移能が著明に低下した。さらに、乳がんおよび大腸がん患者の臨床コホート解析 (n=200 patients) において、原発巣におけるCCDC25の高発現は予後不良と有意に相関することが示された (log-rank p<0.05) (図5)。

膵がんにおけるDDR1-CXCL5-TAN-NET転移軸と好中球の分極化: 膵管腺がん (PDAC: pancreatic ductal adenocarcinoma) は膵がんの約90%を占め、高密度のコラーゲン沈着を伴う類腱形成反応 (desmoplastic reaction) を特徴とする極めて悪性度の高いがん種である (Valiathan et al. 2021)。コラーゲン特異的な受容体チロシンキナーゼであるDDR1は、コラーゲン結合により活性化されると、DDR1-PKCθ (protein kinase C theta)-SYK (spleen associated tyrosine kinase)-NFκBシグナル伝達経路を介してがん細胞からのCXCL5産生を強力に誘導する (Deng et al. 2021)。産生されたCXCL5は、腫瘍関連好中球 (TAN) の腫瘍内浸潤を促進し、浸潤した好中球がNETsを形成することで、さらなるがん細胞の浸潤と転移を駆動する悪循環 (DDR1-CXCL5-NET軸) を形成する。DDR1の遺伝的ノックアウトまたは薬理学的阻害により、PDACの腫瘍形成および肝転移は有意に減少した (n=8 mice/群、p<0.01) (Jin et al. 2018)。TANは、微小環境内のサイトカインやケモカインの刺激に応じて、抗腫瘍活性を示すN1型 (TNF-αやNOを産生) と、促腫瘍活性を示すN2型 (免疫抑制、血管新生、転移を促進) に分極化する (Masucci et al. 2019)。臨床的には、多くの固形がんにおいて好中球-リンパ球比 (NLR: neutrophil-to-lymphocyte ratio) が高値であることが予後不良因子として確立されており、NLR > 5を閾値とする予後解析が広く用いられている。近年、ヒトメラノーマ由来の細胞外小胞 (EV) が、好中球のCXCR2およびPI3K-AKT経路を活性化することで好中球をN2型へと分極させ、アルギナーゼ、CXCR4、VEGFの発現を増加させて細胞毒性を低下させ、がん細胞の生存と増殖を支持することが報告された (Guimarães-Bastos et al. 2021)。

NETsの抗腫瘍作用と二面性に関する知見: NETsががんの進展を促進する報告が多数を占める一方で、一部の研究では抗腫瘍効果も報告されている。Schedelら (2019) によるメラノーマ細胞株を用いた実験では、NETsとの共培養によりがん細胞の増殖および転移能が低下することが示された。興味深いことに、このモデルにおいてDNase I処置によりDNAを分解しても抗腫瘍効果が維持されたことから、この抑制効果は細胞外DNAそのものではなく、NETsに付着している特定のタンパク質成分 (MPOやNEなど) の直接的な細胞毒性に起因することが示唆されている (Schedel et al. 2019; n=10 mice/群)。このように、NETsはがん種、病期、あるいは微小環境のコンテキストに応じて、促腫瘍性と抗腫瘍性の両面的な活性を発揮し得るため、治療介入に際してはその二面性を十分に考慮する必要がある。

考察/結論

先行研究との違い: これまでのNETs関連レビューの多くは、敗血症や血栓症などの急性炎症・血管内皮障害における役割に焦点を当てたものが主流であった。これに対し、本総説は腫瘍微小環境 (TME) および動的腫瘍免疫微小環境 (TIME) における好中球の不均一性と可塑性に深く踏み込んでいる点で従来の文献と一線画している。特に、単に「NETsがCTCを物理的に捕捉する」という初期の概念から進んで、CCDC25やDDR1といった特異的受容体を介した細胞内シグナル伝達カスケードを詳細に論じた点は、がん転移研究における新たなパラダイムシフトを明確に示している。

新規性: 本総説は、NETsとがんの相互作用に関する複雑な分子メカニズムを、(i) PAD4の分子生物学と3つのNETosis形態、(ii) CCDC25を介したNETs-DNA受容体経路 (Yang et al. 2020)、(iii) 膵がんにおけるDDR1-PKCθ-SYK-NFκB-CXCL5-NET転移軸 (Deng et al. 2021)、(iv) TANのN1/N2分極化と腫瘍由来EVの関与、という4つの学術的柱に基づいて邦語で初めて体系的に統合・整理した点に極めて高い新規性がある。先行するCools-Lartigue et al. (2013) やPark et al. (2016) などの記念碑的な原著論文の知見を網羅し、血栓止血学と腫瘍免疫学の境界領域における知識ギャップを埋める総合的なリファレンスを新規に提供している。

臨床応用: 本総説が提示する知見は、以下のような多角的な臨床応用の可能性を秘めている。(1) 血中のMPO-DNA複合体、NE-DNA複合体、あるいはシトルリン化ヒストンH3 (cit-H3) を測定することによる、がんの早期肝転移や予後予測のための低侵襲なバイオマーカー開発。(2) DNase I (またはDNase Iコーティングナノ粒子) の投与による循環NETsの分解とCTC捕捉の阻害。(3) Cl-amidineやGSK484などのPAD4阻害薬を用いた、NETs形成そのものの根源的遮断。(4) CCDC25を標的とした中和抗体や小分子阻害薬による、がん細胞の遊走・浸潤能の抑制。(5) DDR1阻害薬によるCXCL5-TAN-NET軸の上流遮断。特に、CCDC25高発現が乳がん・大腸がん患者の予後不良と有意に相関する (p<0.05) というデータは、これらの分子標的治療が臨床現場において極めて有望な転移予防戦略になり得ることを示唆している。

残された課題: 今後の検討課題およびLimitationとして、以下の点が挙げられる。(1) 遠隔転移ニッチにおけるNETsの役割に関する報告が多いのに対し、原発巣内におけるNETs形成のトリガーや局所的な役割についての知見が依然として不足していること。(2) Schedelら (2019) が報告したNETsの抗腫瘍作用の具体的な分子機構が未解明であり、どのような条件下で促腫瘍性と抗腫瘍性のバランスが決定されるのかが不明であること。(3) TIMEの動態における時間的・空間的な好中球制御メカニズムの解明。(4) がん種や病期によるNETs-がん相互作用の多様性の存在。(5) 基礎研究における動物モデル (マウス) の知見が多く、ヒト臨床試験レベルへのトランスレーショナルリサーチ (translational research) が遅れていること。今後は、原発巣におけるNETs制御機構の解明とともに、PAD4、CCDC25、DDR1などの複数標的を組み合わせた複合的転移予防療法の開発が期待される。

方法

本論文は総合的なレビュー (総説) であり、著者らによる特定の新規実験方法論は含まれない。2004年のBrinkmannらによるNETsの発見から2021年までに発表された、好中球およびNETsとがんの関連に関する学術文献を主要データベースであるPubMedを用いて広範に検索・収集した。検索キーワードには「neutrophil extracellular traps」「NETs」「cancer」「metastasis」「PAD4」「CCDC25」「DDR1」「TAN」「tumor immune microenvironment」などが使用された。文献の選定に際しては、事前に設定したインクルージョン基準 (好中球細胞外トラップとがんの進展・転移との直接的な関連を検証したin vitroおよびin vivoの基礎研究、ならびにがん患者を対象とした臨床コホート研究) およびエクスクルージョン基準 (がん以外の炎症性疾患のみを対象とした研究、および十分な統計学的解析がなされていない報告) に基づいて厳格なフィルタリングを実施した。

収集された文献から、NETs形成の分子生物学的機序、がん細胞の捕捉および転移促進メカニズム、腫瘍微小環境における好中球の表現型変化に関する重要な原著論文を厳選し、それらの知見を論理的に再構成した。主要な引用・解析対象となった文献には、感染依存的なNETsによるCTC捕捉を示したCools-Lartigue et al. (J Clin Invest 2013)、NETs-DNAの受容体としてCCDC25を同定したYang et al. (Nature 2020)、休眠がん細胞の再活性化を実証したAlbrengues et al. (Science 2018)、膵がんにおけるDDR1を介したNETs形成ループを解明したDeng et al. (JCI Insight 2021)、腫瘍由来EVによる好中球分極化を報告したGuimarães-Bastos et al. (Leukoc Biol 2021) などが含まれる。これらの基礎研究および臨床コホート研究で用いられた統計解析手法 (Mann-Whitney U検定、t検定、log-rank検定、コックス比例ハザードモデルなど) の妥当性についてもレビューの過程で評価し、信頼性の高いデータのみを抽出して統合的な解説を行った。なお、本総説におけるエビデンスの評価にあたっては、研究デザインの質やバイアスのリスクを体系的に検証するため、GRADE (Grading of Recommendations Assessment, Development and Evaluation) システムに準拠したエビデンスレベルのグレーディング手法を一部導入し、各報告の科学的信頼性を担保した。