• 著者: Koyanagi M, Imai S, Matsumoto M, Iguma Y, Kawaguchi-Sakita N, Kotake T, Iwamitsu Y, Ntogwa M, Hiraiwa R, Nagayasu K, Saigo M, Ogihara T, Yonezawa A, Omura T, Nakagawa S, Nakagawa T, Matsubara K
  • Corresponding author: Satoshi Imai (Department of Clinical Pharmacology and Therapeutics, Kyoto University Hospital, Sakyo-ku, Kyoto, Japan; imais06@kuhp.kyoto-u.ac.jp)
  • 雑誌: Cancer Research
  • 発行年: 2021
  • Epub日: 2021-02-19
  • Article種別: Original Article
  • PMID: 33608316

背景

タキサン系抗腫瘍薬であるパクリタキセルやドセタキセルは、乳癌、非小細胞肺癌、卵巣癌などの化学療法において極めて重要な役割を果たす薬剤である。しかし、タキサン系薬剤の投与を受けた患者の50%以上が、用量制限毒性として化学療法誘発末梢神経障害 (chemotherapy-induced peripheral neuropathy; CIPN) を発症することが知られている。CIPNは、四肢末梢の疼痛、しびれ、機械的痛覚過敏 (mechanical hypersensitivity) を特徴とし、患者のQOLを著しく低下させるだけでなく、抗がん剤の減量や治療中止を余儀なくさせる重大な臨床課題である。それにもかかわらず、CIPNに対する有効な予防法や因果的治療法は未だ確立されておらず、臨床現場で活用できる治療標的の同定が強く望まれている。

従来のCIPN研究においては、タキサン系薬剤による末梢感覚神経軸索の微小管障害、ミトコンドリア機能障害、あるいは後根神経節 (dorsal root ganglion; DRG) ニューロンへの直接的な神経毒性が主な発症機序として議論されてきた。しかし、末梢神経系を構成する非神経細胞、特に髄鞘を形成するシュワン細胞 (Schwann cell) や、末梢神経に浸潤するマクロファージなどの免疫細胞が、タキサン誘発性疼痛の初期病態生理においてどのような相互作用を及ぼしているかについては未解明な点が多く、知識ギャップが存在していた。先行研究において、パクリタキセル曝露により成熟シュワン細胞が脱分化 (dedifferentiation) を起こし、未熟シュワン細胞マーカーであるp75高親和性神経成長因子受容体の発現が上昇するとともに、脱分化シュワン細胞のマーカーであるガレクチン-3 (galectin-3) の発現が亢進することが示されていた (Imai et al. 2017)。

ガレクチン-3はβ-ガラクトシド結合性レクチンであり、細胞内シグナル伝達のみならず、細胞外に分泌されることで単球やマクロファージに対する強力な化学遊走因子 (chemoattractant) として機能することが既報により明らかになっている (Sano et al. 2000)。また、末梢神経損傷後のウォラー変性 (Wallerian degeneration) において、脱分化シュワン細胞がガレクチン-3を発現し、死細胞や髄鞘破片の貪食に関与することが報告されている (Reichert et al. 1994)。しかしながら、タキサン誘発性CIPNの病態形成において、シュワン細胞由来のガレクチン-3がマクロファージの浸潤や末梢神経感作をどのように制御しているかについての詳細なメカニズムは不明であり、大きな課題であった。このように、非神経細胞と免疫細胞の相互作用を介したCIPN発症の初期病態に関する知見は極めて不足しており、治療標的としてのガレクチン-3の有用性を検証するための基礎的・臨床的研究が不十分な状況であった。

目的

本研究の目的は、タキサン誘発性末梢神経障害 (CIPN) におけるシュワン細胞由来ガレクチン-3の病理学的役割を解明し、新規治療標的としての可能性を検証することである。具体的には、以下の4つの学術的・臨床的問いに対して検証を行う。

  1. タキサン系化学療法を施行された乳癌患者において、CIPNの発症に伴い血漿中ガレクチン-3濃度が変動するかを臨床検体を用いて前向きに評価する。
  2. マウスCIPNモデルを用いて、パクリタキセルおよびドセタキセル投与による血漿中ガレクチン-3濃度の上昇、ならびに機械的痛覚過敏の発症推移を定量的に解析する。
  3. 初代培養ラットシュワン細胞およびマウス坐骨神経組織を用いて、タキサン曝露によるシュワン細胞の脱分化、ガレクチン-3の発現亢進および細胞外分泌の分子機序、特にNFkB (nuclear factor-kappa B) シグナル伝達経路の関与を明らかにする。
  4. ガレクチン-3ノックアウトマウス (Galectin-3-/-)、ガレクチン-3阻害剤 (TD-139)、およびマクロファージ除去リポソーム (clodronate liposomes) を用いて、ガレクチン-3/マクロファージ浸潤軸の遮断がタキサン誘発性機械的痛覚過敏を抑制するかを検証し、治療標的としての妥当性を評価する。

これらの多角的な検証を通じて、タキサン系抗がん剤による末梢神経障害の初期病態における非神経免疫微小環境の役割を明らかにし、予防・治療戦略の基盤を構築することを目指す。

結果

ヒト乳癌患者における血漿ガレクチン-3の上昇: タキサン系化学療法を施行された乳癌患者において、CIPN症状発現時の血漿ガレクチン-3濃度は、CIPN非発現時と比較して有意に高値を示した (CIPN存在群: 8.190 ± 3.398 ng/mL, n=10 vs. CIPN非存在群: 5.703 ± 2.435 ng/mL, n=14; p=0.0479) (Figure 1A, B)。なお、CIPN非存在時の血漿ガレクチン-3値は、がんを罹患していない健常対照者の平均値 (5.353 ± 2.237 ng/mL) と同等であり、乳癌自体ではなくタキサン投与に伴うCIPN病態がガレクチン-3上昇に寄与していることが示された。

マウスCIPNモデルにおけるガレクチン-3上昇のタキサン特異性: パクリタキセル (20 mg/kg, i.p.) を繰り返し投与したマウス (n=7-11) では、初回投与2週後から顕著な機械的痛覚過敏が誘発され、この過敏状態は8週後まで持続した (Figure 1D)。血漿ガレクチン-3濃度は、パクリタキセル投与2週後に有意な上昇を示し (p=0.0019)、その後8週後にはビヒクル群と同等レベルまで回復した (Figure 1E)。同様に、ドセタキセル (20 mg/kg, i.p.) 投与2週後でも機械的痛覚過敏と血漿ガレクチン-3濃度の上昇が認められた。これに対し、オキサリプラチン (4 mg/kg, i.p.) 投与マウスでは、同等の機械的痛覚過敏が誘発されたにもかかわらず、投与2週後の血漿ガレクチン-3濃度に変動はみられず、ガレクチン-3の上昇がタキサン系薬剤に特異的な病態反応であることが明らかになった。

脱分化シュワン細胞におけるガレクチン-3の発現亢進と分泌: MBP::Venus LVVを導入したラット初代培養シュワン細胞において、パクリタキセル (10 nmol/L) の48時間処置は、成熟シュワン細胞 (Venus陽性/MBP陽性) からp75陽性かつVenus陽性の脱分化シュワン細胞への転換を誘導した (Figure 2B, C)。この脱分化シュワン細胞において、ガレクチン-3の免疫蛍光強度が著明に上昇した。定量解析の結果、パクリタキセルおよびドセタキセル処置により、シュワン細胞におけるGalectin-3 mRNA発現 (p=0.0009) (Figure 2D) およびタンパク発現 (p=0.0015) (Figure 2E) が有意に増加した。さらに、培養上清中のガレクチン-3分泌量も有意に増加し (p=0.0012) (Figure 2F)、パクリタキセル処置群では 46.1 pg/mL (1.77 pmol/L)、ドセタキセル処置群では 43.8 pg/mL (1.69 pmol/L) に達した。この発現亢進は、NFkB阻害剤SC75741 (1 μmol/L) の共処置によって有意に抑制された。一方、オキサリプラチン (3 μmol/L) 処置ではガレクチン-3の発現および分泌の亢進は認められなかった。

坐骨神経シュワン細胞における局所的ガレクチン-3発現亢進: パクリタキセル投与マウスの坐骨神経縦断切片において、投与2週後にガレクチン-3の免疫蛍光強度が有意に上昇し (p=0.0120) (Figure 3A, C)、そのシグナルはシュワン細胞マーカーであるGFAPとほぼ完全に共局在していた (Figure 3B)。また、坐骨神経組織におけるGalectin-3 mRNA発現は投与2週および4週後に有意に増加した (p=0.0005) (Figure 3D)。これに対し、DRG、末梢血単核球 (PBMC)、ならびに肝臓、心臓、肺、小腸、大腸、腎臓などの主要臓器においては、パクリタキセル投与2週後におけるGalectin-3 mRNAの発現変動は認められなかった (Figure 3E)。この結果から、タキサン投与後に上昇する血漿中ガレクチン-3の主要な起源は、坐骨神経内の脱分化シュワン細胞であることが示された。

パクリタキセルによるマクロファージの坐骨神経浸潤と炎症性極性化: パクリタキセル投与2週後に、坐骨神経内のIba1陽性マクロファージ数が有意に増加した (p=0.0395) (Figure 4A)。GFP-BMキメラマウスを用いた解析により、パクリタキセル投与群ではGFPおよびIba1二重陽性の骨髄由来マクロファージが坐骨神経実質内に有意に浸潤していることが確認された (p=0.0074) (Figure 4D)。これらの浸潤マクロファージは、CD31陽性の血管内皮細胞から離脱して神経実質内に深く浸潤しており (Figure 4E)、炎症性マクロファージマーカーであるiNOS陽性細胞数の有意な増加 (p=0.0026) (Figure 4G) や、Irf5およびIl1b mRNAの増加傾向を伴っていた (Figure 4F)。

ガレクチン-3によるマクロファージ走化性誘導と痛覚過敏の惹起: in vitro走化性アッセイにおいて、RAW 264.7細胞はrGalectin-3 (2 pmol/L) に対して有意な遊走活性を示し (p=0.0286) (Figure 5A)、パクリタキセル処置シュワン細胞培養上清に対する遊走活性はガレクチン-3中和抗体 (10 μg/mL) の添加により完全に消失した。さらに、ナイーブマウスの坐骨神経周囲にrGalectin-3 (10 nmol/L) を局所投与したところ、投与3日および7日後において坐骨神経内のIba1陽性マクロファージ数が有意に増加し (p=0.0004) (Figure 5B, C)、同時に顕著な機械的痛覚過敏が誘発された (p<0.0001) (Figure 5D)。

ガレクチン-3欠損および薬理学的阻害によるCIPN抑制効果: Galectin-3-/-マウスでは、パクリタキセル投与2週後における坐骨神経内のIba1陽性マクロファージの増加が有意に抑制され (p=0.0052) (Figure 6A)、投与1週および2週後における機械的痛覚過敏が著明に抑制された (p<0.0001) (Figure 6C)。しかし、投与4週から8週後にかけては、Galectin-3-/-マウスにおいても野生型 (WT) マウスと同程度の痛覚過敏が徐々に発現した。同様に、ガレクチン-3阻害剤TD-139 (15 mg/kg) を投与したマウスでは、パクリタキセル投与2週後における坐骨神経内マクロファージ浸潤 (p=0.0076) (Figure 6E, F) および機械的痛覚過敏 (p=0.0105) (Figure 6H) が有意に抑制された。なお、TD-139は血漿ガレクチン-3濃度自体には影響を与えなかった (Figure 6G)。

マクロファージ除去による痛覚過敏の抑制: clodronate liposomesの投与により坐骨神経内のIba1陽性マクロファージを化学的に除去したところ、パクリタキセル投与2週後における機械的痛覚過敏は有意に抑制された (p=0.0402) (Figure 5H)。このとき、血漿ガレクチン-3濃度はマクロファージ除去によって低下せず、むしろ対照リポソーム群と比較して有意に上昇した (Figure 5I)。この結果は、ガレクチン-3の下流においてマクロファージの浸潤が機械的痛覚過敏を惹起する必須のメディエーターであることを裏付けている。また、雌性マウスを用いた検証においても、パクリタキセル投与によるガレクチン-3上昇、マクロファージ浸潤、および機械的痛覚過敏が同様に認められ、Galectin-3-/-雌性マウスにおいてこれらが有意に抑制されたことから、本病態機序における性差は存在しないことが示された。

考察/結論

本研究は、タキサン系抗がん剤によって誘発される末梢神経障害 (CIPN) の初期病態において、脱分化シュワン細胞から分泌されるガレクチン-3が痛覚促進的な役割を果たすことを、ヒト臨床検体およびマウスモデルを用いて初めて実証した。

先行研究との違い: 従来のCIPN研究は、抗がん剤による感覚ニューロンや軸索への直接的な毒性機序に焦点を当てたものが主流であった。これに対し、本研究は非神経細胞であるシュワン細胞の脱分化と、それに伴う免疫微小環境の改変が疼痛発症のトリガーとなることを示した点で、これまでの知見と大きく異なる。また、同じくCIPNを惹起する白金製剤オキサリプラチンではガレクチン-3の発現・分泌亢進が認められなかったことから、このガレクチン-3を介した病態経路がタキサン系薬剤 (パクリタキセル、ドセタキセル) に特異的な現象であることを突き止めた。さらに、Galectin-3-/-マウスにおいて、パクリタキセル投与後1-2週目の初期痛覚過敏は完全に抑制されたものの、4-8週目の後期段階では野生型と同等の痛覚過敏が発現した。この時間経過に伴う表現型の推移は、CIPNの初期相がガレクチン-3依存的なマクロファージ浸潤による炎症性病態であるのに対し、後期相はタキサンによる直接的な神経軸索変性やDRG傷害が主たる要因へとシフトすることを示唆しており、CIPNの多段階的な病態生理を浮き彫りにした。

新規性: 本研究は、タキサン曝露を受けた成熟シュワン細胞が脱分化し、NFkBシグナル活性化を介してガレクチン-3を新規に過剰発現・分泌すること、そしてこの分泌されたガレクチン-3が走化性因子として骨髄由来マクロファージを坐骨神経実質内へと誘引することを本研究で初めて明らかにした。さらに、浸潤したマクロファージがiNOS陽性の炎症性表現型を獲得し、局所的な神経炎症を惹起して機械的痛覚過敏を促進するという一連の細胞間シグナル伝達軸を新規に同定した。また、このガレクチン-3/マクロファージ軸を介した疼痛増強メカニズムには性差が存在しないことも確認された。

臨床応用: 本研究の成果は、タキサン系化学療法を受けるがん患者のQOL維持に向けた新たな臨床応用の可能性を提示している。第一に、血漿ガレクチン-3濃度が、タキサン誘発性CIPNの発症や重症度を予測・診断するための有用な低侵襲性バイオマーカーとなる可能性が示された。第二に、ガレクチン-3阻害薬 (例えば、糖鎖認識ドメインに高親和性で結合するTD-139など) の投与が、タキサン系薬剤による抗腫瘍効果を妨げることなく、CIPNの初期発症を遅延・予防するための新規治療戦略となり得ることが示された。これは、乳癌や非小細胞肺癌患者におけるタキサン系化学療法の継続性を高め、治療完遂率の向上に寄与すると期待される。

残された課題: 今後の検討課題として、臨床現場におけるCIPN予測バイオマーカーとしての血漿ガレクチン-3の有用性を検証するための、より大規模な前向き臨床試験の実施が挙げられる。本研究のヒト臨床解析はサンプルサイズが8例と小さい点がlimitationであり、今後コホートを拡大した検証が必要である。また、タキサン系薬剤がシュワン細胞の脱分化を誘導する上流の直接的な分子受容体やシグナルカスケードの全貌を特定すること、ならびに既存の疼痛治療薬 (プレガバリンやデュロキセチンなど) とガレクチン-3阻害薬の併用効果を検証することが、今後の重要な研究方向性である。

方法

ヒト臨床研究: 京都大学倫理委員会 (承認番号: G424) の承認および患者の文書による同意のもと、タキサン系化学療法 (パクリタキセルまたはドセタキセル) を受ける乳癌患者8例 (全員女性、平均年齢51.1歳、範囲37-79歳) を対象とした前向き観察研究を実施した。血漿ガレクチン-3濃度は、化学療法開始前 (baseline)、開始6週後、12週後 (最終投与直前) の3時点で採血を行い、Human Galectin-3 Platinum ELISAを用いて測定した。CIPN症状の有無に基づき、全24測定値 (8例×3時点) をCIPN存在群 (n=10) とCIPN非存在群 (n=14) に分類し、2群間比較を行った。

動物実験およびマウスCIPNモデル: C57BL/6J雄性マウス (5-7週齢)、GFP (green fluorescent protein) トランスジェニックマウス、およびガレクチン-3欠損マウス (Galectin-3-/-, C57BL/6.Cg-Lgals3tm1Poi/J、雄性および女性、6-14週齢) を使用した。パクリタキセル (20 mg/kg) またはビヒクル (16.7%エタノール) を週2回 (1日目、2日目) で最大8週間腹腔内投与 (i.p.) し、CIPNモデルを確立した。ドセタキセル (20 mg/kg, i.p.) およびオキサリプラチン (4 mg/kg, i.p.) 投与群も比較対照として作製した。機械的痛覚閾値は、0.16 gのvon Frey filamentを用いて後肢足底を刺激し、逃避反応スコア (paw withdrawal score) により評価した。統計解析には、2群間の比較に Mann-Whitney などのノンパラメトリック検定、多群間比較には一元配置または二元配置ANOVAの後にBonferroni post hoc検定を適用した。

骨髄キメラマウスの作製: 放射線照射したC57BL/6Jレシピエントマウスに、GFPトランスジェニックドナーマウスから採取した骨髄細胞を移植し、骨髄キメラマウスを作製した。移植6週後にフローサイトメトリーを用いて末梢血中のGFP陽性細胞率が98.2%に達していることを確認し、パクリタキセル投与後の骨髄由来マクロファージの坐骨神経浸潤評価に供した。

シュワン細胞初代培養および遺伝子導入: 新生仔Wistar/STラット (生後2-3日) の坐骨神経から初代シュワン細胞を単離・培養した。分化誘導後、パクリタキセル (10 nmol/L)、ドセタキセル (10 nmol/L)、またはオキサリプラチン (3 μmol/L) を48時間処置した。成熟シュワン細胞と脱分化細胞を識別するため、MBP (myelin basic protein)::Venus レンチウイルスベクター (lentiviral vector; LVV) を感染させ、分化に伴いVenusを発現する系を構築した。NFkB阻害剤として SC75741 (1 μmol/L) を共処置した。

走化性アッセイ (Migration Assay): マウスマクロファージ細胞株 RAW 264.7 (ATCC TIB-71) を用い、CytoSelect 96-Well Cell Migration Assay (孔径 8 μm) を用いて、組換えマウスガレクチン-3 (rGalectin-3) またはシュワン細胞培養上清に対する遊走能を評価した。ガレクチン-3中和抗体 (10 μg/mL) による阻害実験も実施した。

薬理学的介入およびマクロファージ除去: ガレクチン-3阻害剤 TD-139 (15 mg/kg, i.p.) をパクリタキセル投与スケジュールに合わせて計3回投与した。マクロファージの化学的除去には、clodronate liposomes (i.p.) をパクリタキセル投与期間中に計3回投与した。また、ナイーブマウスの坐骨神経周囲に rGalectin-3 (10 nmol/L) を局所適用する手術モデルも実施した。

免疫組織化学 (IHC) および生化学的解析: 坐骨神経縦断切片を作製し、抗galectin-3抗体、抗GFAP (glial fibrillary acidic protein) 抗体 (シュワン細胞マーカー)、抗Iba1 (ionized calcium binding adapter molecule 1) 抗体 (マクロファージマーカー)、抗CD31抗体 (血管内皮マーカー)、抗iNOS (inducible nitric oxide synthase) 抗体を用いて免疫蛍光染色を実施した。共焦点レーザー顕微鏡を用いて輝度および細胞数を定量した。遺伝子発現はqRT-PCR法にて定量し、タンパク発現はWestern blot法にて解析した。