• 著者: Guoyang Zhang, Guanghui Zhu, Wei Yan, Xuelei Chu, Yuting Sun, Tianyu Shao, Xiaoming Jin, Manman Xu, Jie Li
  • Corresponding author: Jie Li (qfm2020jieli@yeah.net) (Department of Oncology, Guang’anmen Hospital, China Academy of Chinese Medical Sciences, Beijing, 100053, China), Manman Xu (xummjournal@163.com) (Department of Geriatrics, Guang’anmen Hospital, China Academy of Chinese Medical Sciences, Beijing, 100053, China)
  • 雑誌: Journal of Nanobiotechnology
  • 発行年: 2026
  • Epub日: 2026-05-09
  • Article種別: Original Article
  • PMID: 42106779

背景

非小細胞肺がん (NSCLC) は肺がん全体の約 85% を占め、進行期における 5 年生存率は 15% 未満と極めて予後不良である (Han et al. 2023; Papavassiliou et al. 2025; Alorfi et al. 2025)。現在の治療の中心は化学療法および免疫療法であるが、高度に免疫抑制的な腫瘍微小環境 (TME) によってその奏効率は著しく制限されている (Ponvilawan et al. 2023; Wu et al. 2022)。特に、腫瘍細胞の代謝リプログラミングに伴う好気性解糖の亢進と乳酸の過剰蓄積は、抗原提示を妨げ、細胞傷害性 T 細胞の機能を低下させることで免疫逃避を悪化させる (Gu et al. 2023; Cheng et al. 2024)。これらの要因が複合的に作用し、免疫応答の低い「コールド腫瘍」を形成することが、既存治療への反応性を低下させる大きな課題となっている (Kooshan et al. 2024)。

アピゲニンはフラボノイドの一種であり、解糖系阻害活性と免疫調節作用を持つことが報告されている (Chen et al. 2016; Wang et al. 2023)。アピゲニンはがん細胞の好気性解糖を抑制し、乳酸産生を減少させることで、腫瘍の酸性環境を緩和し、樹状細胞の成熟や T 細胞浸潤を促進して「コールド腫瘍」を「ホット腫瘍」へ転換する可能性を秘めている (Shan et al. 2017; Yu et al. 2025)。しかし、アピゲニンは水溶性が低く、腫瘍標的効率や体内動態が不良であるため、その臨床応用は困難であった (Khan et al. 2025; Hassani et al. 2023)。その治療可能性を最大限に引き出すための、生体利用能を高める合理的なナノ送達戦略はこれまで不足しており、効果的なドラッグデリバリーシステムの開発における大きなギャップとなっていた。

光線力学療法 (PDT) は、光増感剤を活性化して活性酸素種 (ROS) を産生し、局所的な腫瘍細胞死を誘導する非侵襲的治療法である (Guo et al. 2024; Zhang et al. 2025)。しかし、従来の PDT は腫瘍の低酸素環境と免疫抑制的な TME によりその有効性が制限されるという問題が指摘されている (Cao et al. 2025; Song et al. 2024)。従来の光増感剤における細胞内特異性の欠如も、最適な治療効果が得られない一因である。オルガネラ標的型 PDT は、細胞内の脆弱な部位で酸化障害を増幅し、免疫原性細胞死 (ICD) を増強できる点で注目されている (Liang et al. 2024; Lu et al. 2025)。特に、ミトコンドリアと小胞体 (ER) は細胞代謝とストレス応答の中心的オルガネラであり、これらを標的とすることで、エネルギー代謝の破壊、アポトーシスの誘導、ER ストレスの誘発が可能となる (Zhang et al. 2025; Zhao et al. 2025)。従来の PDT は Type II ROS (一重項酸素, ¹O₂) 依存型が主流であり、酸素依存性が高く低酸素腫瘍では不利であったが、Type I ROS (ヒドロキシルラジカル, ·OH およびスーパーオキシド陰イオン, ·O₂⁻) 産生型は酸素非依存的に作用するため、低酸素環境での有効性に優れる (Zhang et al. 2025; Lin et al. 2025; Niu et al. 2025)。しかし、これらの治療法を統合し、アピゲニンの課題を克服しつつ、NSCLC の免疫抑制的な TME を効果的に再構築する戦略は未だ確立されておらず、低酸素環境下での PDT 効率を大幅に向上させるアプローチには未解明な点が残されている。したがって、天然化合物による代謝阻害とオルガネラ標的型 PDT を高度に融合させた治療システムはこれまで不足しており、その治療メカニズムの解明も含めて学術的な課題であった。

目的

本研究の目的は、光線力学療法 (PDT) と代謝・免疫調節を統合した多機能アピゲニンベースのナノプラットフォームである MAFE (mesoporous silica nanoparticle-based apigenin-Fe3+ platform) を設計し、NSCLC における原発腫瘍と遠隔腫瘍の両方に対する抗腫瘍効果と全身免疫活性化を評価することである。具体的には、MAFE が低酸素環境下での Type I ROS 産生を介したオルガネラ標的 PDT と、アピゲニンによる解糖系阻害を組み合わせることで、NSCLC の免疫抑制的な腫瘍微小環境を改善し、全身性の抗腫瘍免疫応答を誘導できるかを検証する。

MAFE は、AIE (aggregation-induced emission: 凝集誘起発光) 活性を持つ新規光増感剤 MTSB (mitochondria/endoplasmic reticulum-targeted photosensitizer) を MSN (mesoporous silica nanoparticle: メソポーラスシリカナノ粒子) に内包し、その表面を Fe³⁺-アピゲニン MPN (metal-phenolic network: 金属フェノールネットワーク) シェルでコーティングすることで構築された。この設計により、MTSB のミトコンドリアおよび小胞体 (ER) への同時標的化と、アピゲニンの解糖系阻害作用が相乗的に働き、腫瘍細胞死と免疫応答の活性化を促進することが期待される。さらに、MAFE の生体内での薬物動態、腫瘍標的性、およびバイオセーフティプロファイルを評価し、NSCLC 治療における新たな統合的治療戦略としての可能性を探る。

結果

MAFE の調製と特性評価: DFT 計算により、MTSB の HOMO-LUMO ギャップは TPA の 4.53 eV から 1.27 eV へ大幅に縮小し、NIR 領域での発光が示唆された。MTSB は 566 nm に吸収ピーク、673 nm に発光ピークを示し、107 nm の大きなストークスシフトを有した。グリセロール添加により蛍光強度が 4.44-fold 増加し、AIE 活性が確認された (Figure 1)。MAFE は均一な球形形態 (平均径約 45 nm) を示し、10 日間有意な粒径変動なく安定したコロイド性を示した (Figure 1B, 1C)。XRD および FT-IR により、MTSB の MSN への充填と Fe³⁺-アピゲニン MPN シェルの形成が確認された (Figure 1D, 1F)。XPS 分析では Fe³⁺ が優位であり、酸性 H₂O₂ 条件下で Fe²⁺ に還元されるフェントン様サイクルを形成し、POD 様および GSHOx 様のナノザイム活性を持つことが示唆された (Figure 1H)。

in vitro ROS 産生と細胞傷害性: DCFH-DA を用いた ROS 検出では、MAFE は 635 nm レーザー照射 20 秒以内に蛍光が急増し、Ce6 (市販光増感剤) の 4.58-fold の ROS 産生能を示した (Figure 2D)。ABDA 解析では ¹O₂ 産生は最小限であり、主に Type I ROS (·OH および ·O₂⁻) を生成し、低酸素環境でも有効な PDT を可能にすることが示された (Figure 2E, 2F, 2G)。MTT アッセイでは、MAFE + レーザー群の IC50 は A549 細胞 (n=3 cells) で 31.60 µg/mL、LLC 細胞 (n=3 cells) で 33.23 µg/mL であった (Figure 3)。共焦点レーザー走査顕微鏡 (CLSM) により、MAFE はミトコンドリア (Pearson 係数 R = 0.90) および ER (R = 0.92) への高い共局在を示した (Figure 3A, 3B)。3D スフェロイドモデルでは、MAFE + レーザー群のみが強い赤色蛍光 (細胞死) を示し、優れた光療法効果を実証した (Figure 3D)。

解糖阻害と ER ストレス: MAFE + レーザー処理は PFKFB2 発現を著明に低下させ (解糖フラックス低下)、p-AMPK レベルを顕著に上昇させた (エネルギーストレスセンサー活性化) (Figure 4C)。LDHA 蛍光が最も強く低下し、乳酸量が最大低減した (Figure 4D)。JC-1 アッセイでは、MAFE + レーザー群で 60.6% のミトコンドリア膜電位喪失が認められた (アピゲニン単独 24.8%、MAFE 単独 49.7%) (Figure 4E)。PERK 発現低下と CHOP 発現増加により、MAFE + レーザーで最も強い ER ストレスが誘導された (Figure 4B)。LDHA 阻害によりピルビン酸がミトコンドリアへリダイレクトされ、PDH を介したアセチル CoA から TCA サイクルへの流入増大、ミトコンドリア酸化ストレス亢進、ER ストレスという統合的な細胞死機構が明らかになった (Figure 4A)。

免疫原性細胞死と in vivo 免疫活性化: NSCLC マウスモデルにおいて、MAFE + レーザー処理後、腫瘍細胞表面のカルレティキュリン (CRT) 露出増加、HMGB1 の核外放出、ATP 放出増加 (PBS + レーザー群の 3.75-fold) が確認され、ICD 誘導が実証された (Figure 5)。脾臓での成熟樹状細胞 (DC) (CD80⁺CD86⁺) 比率は、PBS + レーザー群の 4.76% から MAFE + レーザー群で 19.40% へ上昇した (p<0.0001) (Figure 5D, 5G)。腫瘍内でも同様に DC 成熟率が増加した (8.91% vs 17.72%, p<0.001)。脾臓での CD3⁺CD4⁺ T 細胞は 11.40% から 25.10% へ、CD3⁺CD8⁺ T 細胞は 7.49% から 16.10% へ増加した (Figure 5E, 5F, 5H, 5I)。腫瘍内でも CD4⁺ T 細胞は 5.59% から 11.64% へ、CD8⁺ T 細胞は 2.58% から 9.58% へ増加した。血清では IL-6 および TNF-α が上昇し、CXCL1、VEGF、乳酸が低下した (Figure 5J-5N)。

in vivo 治療効果: 両側 LLC 腫瘍モデル (n=5 mice/group) において、PBS + レーザー群および MTMSN 群の腫瘍は 12 日間で 11.3〜11.5 倍増殖したのに対し、MAFE + レーザー群のみが有意な腫瘍抑制を達成し、原発腫瘍は初期サイズの 65% まで縮小した (Figure 6D)。ex vivo 定量では、MAFE + レーザー群の原発腫瘍阻害率は 97% (p<0.0001)、遠隔腫瘍阻害率は 80% (8.0-fold decrease, p<0.0001) であった (Figure 6C)。遠隔腫瘍でも MAFE + レーザー群のみが退縮を示した。TEM により、MAFE + レーザー群の腫瘍ではミトコンドリアおよび ER の広範な破壊 (膜崩壊、液胞化) が確認された (Figure 6E)。H&E および TUNEL 染色では広範なアポトーシスと Ki-67 発現低下が認められた (Figure 6F)。免疫蛍光染色では、遠隔腫瘍への CD3⁺ T 細胞浸潤が 8.22-fold 増加、CD4⁺ T 細胞が 6.68-fold、CD8⁺ T 細胞が 4.18-fold 増加し、FOXP3⁺ Treg は 17% 減少した (Figure 7A-7E)。ウエスタンブロットでは、NF-κB p65、GLUT1、LDHA、p16 の抑制と p-STING の著明な上昇が確認され、cGAS-STING 経路の活性化が示された (Figure 7F)。バイオセーフティ評価では、体重、血液学的指標、肝腎機能指標、主要臓器病理に異常はなく、溶血率は 100 µg/mL でも 10% 未満であった。

代謝経路解析: メタボロミクス解析により、MAFE + レーザー群と PBS + レーザー群の間で明確な代謝プロファイルの変化が示された (Figure 8A, 8B)。火山プロット分析では、515 の代謝物が有意に上方制御され、271 の代謝物が下方制御されており、広範な代謝リプログラミングが示唆された (Figure 8C)。KEGG パスウェイ濃縮分析では、グルタチオン代謝、アミノ酸代謝、膜輸送、ヌクレオチド代謝、脂質異化作用、フェロトーシス、中心炭素代謝など、複数の経路が有意に変動していることが明らかになった (Figure 8D, 8E)。特に、グリセロール 3-リン酸やグリセロリン酸誘導体などの主要代謝物が著しく変化しており、エネルギー代謝の障害と光線力学的な膜酸化が示唆された (Figure 8F)。

考察/結論

MAFE は、Type I PDT による低酸素腫瘍での優れた ROS 産生、アピゲニンによる解糖阻害 (PFKFB2/LDHA の下方制御および AMPK 活性化) を介した乳酸産生抑制と TME 免疫抑制解除、そしてミトコンドリア・ER の二重オルガネラ障害によるミトコンドリア代謝攪乱・ER ストレス・ICD 誘導という三つのメカニズムを相乗的に統合した多機能ナノプラットフォームである。

先行研究との違い: これまでの研究では、PDT と解糖阻害を組み合わせた治療戦略が報告されているが、本研究は Type I ROS 産生能を持つ AIE 光増感剤と、二重オルガネラ標的化を組み合わせることで、低酸素環境下での PDT 効率を大幅に向上させた点で、既存の治療法とは異なる。また、アピゲニンの水溶性や体内動態の課題をナノ封入により解決し、腫瘍特異的な薬物送達を実現した点も新規性が高い。

新規性: 本研究で初めて、AIE 活性を持つ Type I 光増感剤 MTSB と、Fe³⁺-アピゲニン MPN シェルを統合したナノプラットフォーム MAFE を開発した。MAFE は、635 nm レーザー照射下でミトコンドリアと ER の両方を標的とし、効率的に Type I ROS を産生することで、低酸素腫瘍環境下でも強力な光線力学的細胞死を誘導できることを新規に示した。さらに、アピゲニンによる解糖系阻害が、腫瘍微小環境の免疫抑制を解除し、cGAS-STING 経路の活性化を介して全身性の抗腫瘍免疫応答を賦活化するメカニズムを詳細に解明した点も本研究の新規な知見である。メタボロミクス解析により、MAFE 治療がグルタチオン代謝、フェロトーシス、中心炭素代謝など、広範な代謝経路に影響を与えることが明らかになった。

臨床応用: 本研究の知見は、NSCLC の治療困難性、特に免疫チェックポイント阻害剤に抵抗性を示す「コールド腫瘍」に対する新たな治療戦略として、高い臨床的有用性および臨床的意義を持つ。MAFE は、局所的な腫瘍細胞死を誘導するだけでなく、遠隔腫瘍の抑制や全身性抗腫瘍免疫の活性化を達成しており、転移性 NSCLC 患者への臨床応用が期待される。自然産物であるアピゲニンを基盤とすることで、比較的安全性の高い治療薬の開発につながる可能性もある。

残された課題: 今後の検討課題として、臨床応用に向けたレーザー光の深部組織到達性の向上が挙げられる。635 nm の近赤外光は生体組織を数 mm から 1 cm 程度透過するため、表在性または内視鏡アクセス可能な肺腫瘍では将来的な応用が期待されるが、深部腫瘍に対しては光ファイバー導光や二光子吸収型の超深部 PDT 技術との統合が求められる。また、本研究は免疫不全マウスモデルではなく同系免疫能を有する C57BL/6J マウスモデルを用いているが、より複雑なヒト TME (Treg や MDSC が豊富な環境) で MAFE が同等の免疫活性化を達成できるかは、今後の研究課題として残された課題である。さらに、NSCLC 以外の肺腫瘍への適用可能性、腫瘍サイズや位置による光照射条件の個別最適化も今後の検討課題である。

結論: MAFE は、AIE 光増感剤 (MTSB) と Fe³⁺-アピゲニンを統合した多機能ナノプラットフォームであり、635 nm レーザー照射下に NSCLC 治療において原発腫瘍阻害率 97%、遠隔腫瘍阻害率 80% を達成した。解糖阻害と二重オルガネラ標的 PDT の相乗作用により、アピゲニンの生物学的利用能の向上、代謝リプログラミング、T 細胞浸潤増強が実現し、全身抗腫瘍免疫が誘導された。自然産物ベースの代謝制御とオルガネラ標的 PDT を融合した先進的 NSCLC 免疫療法戦略として、高い臨床的意義を持つ。

方法

ナノプラットフォームの合成と特性評価: AIE 活性を持つ新規光増感剤 MTSB を TPA (triphenylamine: トリフェニルアミン) スキャフォールドから合成した。MTSB は、ピリジニウムカチオンによるミトコンドリア局在化 (負荷電ミトコンドリア膜電位への静電引力) と、疎水性ヘキサデシルアルキル鎖による小胞体 (ER) 標的化を付与した二重オルガネラ標的型光増感剤である。MTSB を MSN に充填 (充填効率 92.38%) した後、Fe³⁺-アピゲニン MPN シェルをコーティングし、最終的な MAFE を完成させた (粒径約 45 nm)。MAFE の構造は透過型電子顕微鏡 (TEM)、元素マッピング、フーリエ変換赤外分光法 (FT-IR)、X線回折 (XRD)、X線光電子分光法 (XPS) により確認した。MTSB およびその中間体の化学構造は、¹H NMR、¹³C NMR、および質量分析法により完全に特性評価された。密度汎関数理論 (DFT) 計算も実施し、電子構造に関する洞察を得た。

in vitro 評価: A549 細胞 (ヒト肺腺癌細胞株) および LLC (Lewis lung carcinoma) 細胞を用いて、MAFE の細胞毒性、オルガネラ標的性、ROS 産生能、解糖阻害効果、および免疫原性細胞死 (ICD) 誘導能を評価した。ROS 産生は DCFH-DA 蛍光プローブ、一重項酸素 (¹O₂) は ABDA 法、ヒドロキシルラジカル (·OH) は HPF、スーパーオキシド陰イオン (·O₂⁻) は DHR 123 を用いて定量した。ミトコンドリア膜電位は JC-1 アッセイ、解糖マーカー (LDHA, PFKFB2, p-AMPK) および ER ストレスマーカー (PERK, CHOP) はウエスタンブロット法で評価した。細胞増殖は MTT アッセイおよび EdU アッセイで測定し、3D スフェロイドモデルを用いて MAFE の光療法効果と浸透性を評価した。3D スフェロイドはハンギングドロップ法により作製し、Calcein-AM と PI の二重染色を用いて細胞生存率を評価した。

in vivo 評価: 両側 LLC 腫瘍モデル C57BL/6J マウス (n=5 mice/group) を用い、MAFE の生体内薬物動態、腫瘍標的性、抗腫瘍効果、および免疫応答を検討した。動物実験は、広安門病院実験動物倫理委員会 (承認番号 IACUC-GAMH-2025-025) の承認を得て実施された。一次腫瘍に 635 nm レーザー照射 (0.5 W cm⁻², 5 min) を行い、対側腫瘍で遠隔効果を評価した。腫瘍増殖は腫瘍体積 (V (mm³) = (width)² × 1/2 length) を毎日測定することで記録した。免疫応答はフローサイトメトリー (脾臓および腫瘍内の成熟樹状細胞 (CD80⁺CD86⁺)、CD4⁺ T 細胞、CD8⁺ T 細胞、FOXP3⁺ Treg) および免疫蛍光染色 (CRT, HMGB1, CD3, CD4, CD8, FOXP3, Ki-67) で評価した。血清中のサイトカイン (IL-6, TNF-α, CXCL1, VEGF) および乳酸レベルは ELISA で測定した。分子機序はウエスタンブロット (NF-κB p65, GLUT1, LDHA, p16, p-STING) で解析した。バイオセーフティ評価として、体重、血液学的指標、肝腎機能指標、主要臓器の病理組織学的検査 (H&E 染色) を行った。溶血率は in vitro で評価した。統計解析には Student’s t-test および ANOVA が用いられた。

代謝経路解析: MAFE 治療による代謝変化を特徴づけるため、非標的メタボロミクス解析を実施した。主成分分析 (PCA)、直交部分最小二乗判別分析 (OPLS-DA)、火山プロット分析、KEGG パスウェイ濃縮分析を用いて、代謝物の変動と関連経路を同定した。