• 著者: Joo-Yoon Chung, Jisu Hong, Su-Min Yee, Hye Won Lim, Dahye Lee, Sangwon Yoon, Seung-Hwan Lee, Yujin Jung, Seung Hun Shin, Song Cheol Kim, Chang-Han Lee, Mihue Jang
  • Corresponding author: Chang-Han Lee (chlee-antibody@snu.ac.kr) (Department of Biomedical Sciences, Seoul National University College of Medicine, Seoul, Republic of Korea); Mihue Jang (mihue@kist.re.kr) (Medicinal Materials Research Center, KIST, Seoul, Republic of Korea)
  • 雑誌: Signal Transduction and Targeted Therapy
  • 発行年: 2026
  • Epub日: N/A
  • Article種別: Original Article
  • PMID: 41963304

背景

固形がんに対するキメラ抗原受容体である CAR (chimeric antigen receptor) 療法は、腫瘍抗原の脱落 (shedding) によるデコイ効果と、免疫抑制的な腫瘍微小環境 (TME; tumor microenvironment) における免疫エフェクター細胞の持続性不足という二つの主要な課題に直面している。特に、メソテリン (MSLN; mesothelin) は中皮腫、卵巣がん、膵腺がん、トリプルネガティブ乳がんなど多くの悪性腫瘍で高発現する有望な標的抗原であるが、タンパク質分解によって可溶型メソテリン (solMSLN; soluble mesothelin) が放出され、CAR治療薬を中和するシンクとして機能し、治療効果を著しく減弱させるという根本的な問題がある。この抗原脱落の問題は、CAR-T細胞療法において特に顕著であり、治療効果を制限する主要な要因の一つであることが報告されている Liu et al. PNAS 2022

従来のCAR療法では、膜遠位エピトープ (Region I) を標的とする抗体が用いられてきたが、これらはsolMSLNの影響を受けやすく、その治療効果は限定的であった Morello et al. CancerDiscov 2016。この課題を克服するため、膜近位エピトープ (Region III) を標的とすることが理論的に優位であると考えられている。しかし、CAR-NK (chimeric antigen receptor-engineered natural killer) 細胞の免疫シナプス形成における幾何学的制約から、有効な膜近位結合因子 (binder) の同定は困難であった。最適な結合因子は、膜結合型抗原と可溶型抗原を識別し、かつ安定したシナプス形成を支持する必要があるが、このような特性を持つ抗体の迅速なスクリーニング方法はこれまで未確立であった。また、CARの親和性やエピトープ特異性がCAR-T細胞やCAR-NK細胞の性能に密接に関連することは知られているものの、過剰な親和性がシリアルキリングを妨げたり、抗原シンク効果を悪化させたりする可能性も指摘されており、最適なバランスの探索が不足していた Liao et al。

さらに、CAR-NK細胞の製造プロセスにも課題が存在する。従来のウイルスベクターを用いた遺伝子導入法は、NK細胞における効率が低く、コストが高く、時間もかかるため、迅速なCAR候補の最適化には不向きである。不死化細胞株 (例: NK-92) を用いたスクリーニングは、ドナー由来の一次NK細胞の複雑な生物学的特性を再現できず、臨床翻訳時に候補が失敗するリスクが高いという問題がある。このため、一次NK細胞で直接機能的スクリーニングを可能にする、迅速かつ非ウイルス性の遺伝子導入プラットフォームが強く求められていたが、技術的な障壁から未解明な点が多かった。

また、TMEはNK細胞の持続性を制限する代謝的および抑制的な障壁を課す。特に、がん関連線維芽細胞 (CAF; cancer-associated fibroblast) はTMEを積極的にリモデリングし、プロテアーゼ活性を調節することで抗原脱落を加速させる。したがって、堅牢な治療戦略は、腫瘍抗原との直接的な相互作用だけでなく、CAFによって促進されるデコイ効果の増強とTMEの代謝的制約にも対処する必要がある。これらの複合的な課題に対して、生理学的に関連性の高いスクリーニングプラットフォームと、安定した遺伝子発現を可能にする技術を統合したアプローチはこれまで研究が不足しており、最適な設計指針は未確立のままであった。

本研究は、MSLNを標的とするCAR-NK療法におけるこれらの中心的な課題、すなわち「抗原脱落問題」と「CAR-NK製造の非効率性」を克服するため、生理学的に関連性の高いスクリーニングプラットフォームと環状RNA (circRNA; circular RNA) エンジニアリングを統合するメカニズム的アプローチを確立した。これにより、solMSLNデコイ効果に耐性を持ち、かつ固形腫瘍微小環境下でも持続的な活性を維持できるCAR-NK細胞療法の開発を目指した。

目的

本研究の目的は、固形がんにおけるCAR-NK細胞療法の主要な障壁である抗原脱落によるデコイ効果と、免疫エフェクターの持続性不足を克服するための包括的な戦略を確立することである。具体的には、以下の二つの目標を掲げた。

第一に、酵母ディスプレイライブラリーとmRNAベースの迅速スクリーニングプラットフォームを統合することにより、可溶性メソテリン (solMSLN) の影響を受けにくい、膜近傍エピトープを標的とする新規のshed-resistant抗メソセリン (MSLN) scFv (single-chain variable fragment; 単鎖可変領域フラグメント) を同定することである。従来のスクリーニング法では見過ごされがちであった、免疫シナプス形成の構造的制約下で機能する結合因子を、ヒト一次NK細胞で直接評価することで、臨床翻訳性の高い候補を選出することを目指した。これにより、抗原脱落によるデコイ効果を構造的に回避し、かつCAR-NK細胞が腫瘍細胞と安定した免疫シナプスを形成できるような最適な抗体デザインを確立する。

第二に、同定された最適なCAR構造を、circRNA (circular RNA) とサイトカイン (特にIL-21; interleukin-21) の共発現と組み合わせることで、CAR発現の安定性とNK細胞の機能的持続性を飛躍的に向上させる非ウイルス性製造プラットフォームを開発することである。これにより、がん関連線維芽細胞 (CAF) が誘導する抗原脱落条件下や免疫抑制的な腫瘍微小環境においても、強力かつ持続的な抗腫瘍効果を発揮するCAR-NK細胞療法コンセプトを確立し、in vitroおよびin vivoモデルでその有効性を検証することを目指した。この統合された戦略により、製造のスケーラビリティとコスト効率に優れ、臨床応用可能な次世代CAR-NK細胞療法の基盤を構築し、固形がんに対するCAR-NK細胞療法の有効性と安全性を向上させることを目指す。

結果

酵母ディスプレイによるshed-resistant scFv「CLMS10」の同定: Fabライブラリーのスクリーニングにより、7つの有望な抗体クローン (CLMS10, CLMS20, CLMS32, CLMS36, CLMS76, CLMS88, CLMS95) が選択された。ELISA分析の結果、CLMS10はmatMSLNに対して高い結合親和性 (EC50 = 18.6 ± 1.1 nM) を示したが、solMSLNに対する結合は最小限 (EC50 > 1 μM) であった (Fig. 2c, d)。SPR (表面プラズモン共鳴) により、CLMS10のmatMSLNに対する親和性Kdは8.22 ± 0.40 nMであることが確認された (Supplementary Fig. 5)。競合ELISAの結果、CLMS10はDomain IIIのC末端領域に結合するエピトープを認識することが示唆された。この領域はsolMSLNには存在しないか、タンパク質分解切断部位の近傍に位置するため、shed-resistantな特性を持つことが示唆された (Fig. 2g, h)。これらの結果は、CLMS10が膜結合型MSLNを選択的に認識し、可溶型MSLNによるデコイ効果を回避できる可能性を示している。

linRNAベースの一次NK細胞直接スクリーニングによるCLMS10の機能的優位性: linRNA (1 µg/10^6 NK cells) のエレクトロポレーションにより、87%を超えるCAR発現率が達成され、CAR発現は最大5日間持続した (Supplementary Fig. 6b, c)。リアルタイムCaspase-3/7アッセイでは、CAR-MS10-NK細胞はCapan-2細胞 (n=3 replicates) に対してmock-NK細胞と比較して1.5-fold increaseの細胞死を誘発した (p<0.001) (Fig. 3c)。ルシフェラーゼベースの細胞傷害アッセイでは、CAR-MS10-NK細胞はCapan-2-LucおよびSK-OV-3-Luc細胞に対して、全候補中で最も強力な殺傷効率を示した (Supplementary Fig. 8b, c)。solMSLN存在下では、CAR-SS1-NK、CAR-MS32-NK、CAR-MS36-NK細胞の細胞傷害活性が用量依存的に低下したのに対し、CAR-MS10-NK細胞は活性を維持し、shed-resistantな特性を示した (Fig. 3d)。CD107a脱顆粒もsolMSLN処理によって影響を受けなかった (Fig. 3e)。CAR-MS10-NK細胞はCAR-SS1-NK細胞と比較して、trogocytosisが有意に低減しており (p<0.001) (Supplementary Fig. 8d)、最大の細胞avidityを示したことから、堅固な免疫シナプス形成が示唆された (Fig. 3f)。in silicoドッキング解析では、CLMS10がDomain III of MSLNの膜近傍エピトープに結合し、プロテアーゼによる切断部位と重複または近接していることが示され、そのshed-resistantな特性の構造的基盤が明らかになった (Fig. 3h)。

CAR構造最適化とIL-21共発現による機能強化: linRNAベースのスクリーニングにより、CAR-MS10-OX40ζ構造がCapan-2-Luc細胞 (n=3 replicates) に対して最も強力な細胞傷害活性を示すことが明らかになった (Fig. 4b)。CAR-MS10-OX40ζは、CAR-MS10-4-1BBζと比較してCD107a活性化とIFNγ分泌を顕著に増加させ (p<0.001) (Fig. 4c, d)、さらに抗原刺激時のミトコンドリア呼吸を強化し、代謝的フィットネスを向上させた (Fig. 4e, f)。ウェスタンブロッティングにより、OX40ζグループではPLCγおよびERKのリン酸化が4-1BBζグループよりも大きいことが示され、CD3ζシグナル伝達の下流分子の活性化が示唆された (Fig. 4g)。サイトカイン共発現の評価では、IL-21とCAR-MS10-OX40ζを共発現するNK細胞が、Capan-2-Luc細胞に対して最も強力な抗腫瘍活性とCD107a発現の有意な増加を示した (p<0.001) (Fig. 4i, j)。これらの結果は、IL-21とOX40ζの組み合わせがCAR-NK細胞の機能的持続性と抗腫瘍効果を相乗的に強化することを示している。

circRNA+IL-21による持続的CAR発現と機能: circRNA (circCAR-MS10) はlinRNA (mRNA) と比較して、CAR発現の安定性と持続期間を顕著に延長させた (Fig. 5b, c)。例えば、circCAR-NK細胞 (n=5 replicates) はDay 5においても高いCAR発現を維持したが、linCAR-NK細胞では大幅に低下した (p<0.0001)。IL-21コデリバリーにより、NK細胞の増殖能と細胞傷害活性がさらに強化された。がん関連線維芽細胞 (CAF) 存在下 (持続的な抗原脱落誘発条件) においても、circCAR-MS10-NK細胞はlinCAR-MS10-NK細胞よりも高いCAR発現維持率と細胞傷害活性を保持した (Fig. 6c)。連続殺傷アッセイでは、circCAR-NK細胞 (n=3 replicates) はlinRNAベースのCAR-NK細胞よりも優れた活性を維持し、IFNγ分泌も堅牢であった (p<0.001) (Fig. 5f, g)。circCAR-MS10-NK細胞はsolMSLN存在下でも強力な細胞傷害活性を保持し、抗原脱落デコイ効果への耐性を示した (Fig. 5h)。

in vivo転移性膵がんモデルでの有効性: circCAR-MS10-NK細胞 (IL-21コデリバリー) は、in vivo転移性膵がんモデルにおいて、レンチウイルスエンジニアリングCAR-NK細胞と同等の腫瘍制御効果を示した (p<0.0001) (Fig. 6f-i)。この実験にはn=4 mice/groupが用いられた。特に、CAFが共存するTME模倣モデルにおいて、circCAR-MS10-NK細胞は強力な抗腫瘍活性を維持した。一方、linCAR-NK細胞は腫瘍サイズのわずかな減少にとどまり、有意な差は認められなかった (Fig. 6h, i)。IL-21コデリバリーによる全身毒性は認められず、体重、肝臓・腎臓の形態、肝機能・腎機能マーカーに有意な変化はなかった (Supplementary Fig. 13)。in vivoでのCAR+NK細胞の持続性評価では、IL-21を搭載したcircCAR-NK細胞が最も堅牢な持続性を示し、脾臓で7日後も明確に検出された (Supplementary Fig. 14)。これは、IL-21がNK細胞の生存と増殖をサポートする機能を持つことを裏付けている。

考察/結論

本研究は、MSLNを標的とするCAR-NK細胞療法における「抗原脱落問題」と「CAR-NK製造の非効率性」という二つの主要な障壁に対し、エピトープ選択と製造技術の統合というメカニズム的アプローチにより同時解決策を提示した。

先行研究との違い: 従来のMSLN標的CAR療法がDomain Iなどの膜遠位エピトープを標的とし、solMSLNによるデコイ効果に脆弱であったのとは対照的に、本研究で同定されたCLMS10はDomain IIIの膜近位エピトープを標的とする。この結合様式は、solMSLNの影響を回避し、堅固な免疫シナプス形成を可能にする。また、不死化細胞株を用いる従来のスクリーニング法と異なり、ヒト一次NK細胞を直接用いた迅速機能的スクリーニングは、生理学的関連性の高いCAR候補を選出する。特に、CLMS10はtrogocytosisを大幅に低減させ、CARの内在化やエフェクター細胞の疲弊を防ぐ。

新規性: 本研究で初めて、酵母ディスプレイとlinRNAベースの一次NK細胞スクリーニングを組み合わせることで、抗原脱落に耐性を持つ新規scFv「CLMS10」を同定した。CLMS10の膜近位結合は、solMSLNによるCARの捕捉を最小限に抑え、trogocytosisを低減させるという新規のメカニズム的利点を持つ。さらに、circRNAとIL-21の共発現によるCAR-NK細胞の製造プラットフォームは、非ウイルス性でありながらレンチウイルスに匹敵するin vivo有効性を達成し、CAR発現の持続性とNK細胞の代謝的フィットネスを向上させるという点で、これまで報告されていない。IL-21とOX40ζの組み合わせがNK細胞の代謝を再プログラムし、栄養不足のTMEでも機能を持続させるという発見も新規である。

臨床応用: 本研究の知見は、MSLNが高発現する膵がん、中皮腫、卵巣がんなどの固形がんに対するCAR-NK細胞療法の臨床応用基盤を提供する。shed-resistantなCAR設計と持続的なCAR発現を可能にするcircRNA+IL-21プラットフォームは、製造コストの削減、スケーラビリティの向上、およびオフザシェルフ製品化の可能性を高める。IL-21コデリバリーによる全身毒性が認められなかったことは、その臨床的有用性を示唆する。このアプローチは、抗原脱落や免疫抑制的なTMEといった固形がんCAR療法の主要な課題を克服し、患者への安全かつ効果的な治療法提供に貢献する臨床的意義を持つ。

残された課題: 今後の検討課題として、他のシェディング抗原 (例: HER2, EpCAM) への本プラットフォームの汎用性検証が残されている。また、より大規模なin vivo試験でのcircCAR-NK細胞の長期的な安全性、腫瘍ホーミング、および有効性の確認が必要である。製造スケールアップと凍結保存条件の最適化も、商業的実用化に向けた重要な課題である。さらに、膵がんのような難治性がんでは、抗原ダウンレギュレーションやTGFβなどの免疫抑制因子の分泌といった追加の抵抗性メカニズムが存在するため、免疫チェックポイント阻害剤やTGFβ阻害剤など、他の免疫逃避経路を標的とする薬剤との併用療法も今後の研究方向性として考えられる。circRNAベースのCAR発現は依然として一過性であるため、さらなるRNAエンジニアリング戦略により、安定化要素や翻訳促進モチーフの組み込みを通じて耐久性を高めることが期待される。

方法

抗体スクリーニングと特性評価: BALB/cマウスを組換え成熟メソセリン (matMSLN; mature mesothelin、残基296-606) で免疫し、脾臓および骨髄から可変重鎖 (VH) および可変軽鎖 (VL) 遺伝子を増幅した。これらの遺伝子を用いて酵母 (Saccharomyces cerevisiae) Fabコンビナトリアルライブラリー (4×10^7クローン以上) を構築した。フローサイトメトリーによる抗原結合活性の高いクローンの選択と、MSLN陽性およびMSLN陰性AsPC-1細胞を用いたセルベースパニングにより、96のユニークなFabクローンに絞り込んだ。これらのクローンについて、ELISAおよびSPR (表面プラズモン共鳴) を用いてmatMSLNとsolMSLNに対する選択性および結合親和性を定量的に評価した。競合ELISAにより、参照抗体 (SS1: Domain I、15B6: C末端領域) とのエピトープ競合を評価し、結合部位を特定した。

linRNA (linear RNA) ベースの迅速CAR-NK細胞スクリーニング: 各scFv-CARをin vitro転写 (IVT; in vitro transcription) によりlinRNAとして合成し、ヒト一次NK細胞にエレクトロポレーションで導入した。CAR発現率 (例: CAR-SS1-NK細胞で1 µg linRNA/10^6細胞あたり87%以上) と持続期間を評価した。Capan-2 (膵がん細胞株) およびSK-OV-3 (卵巣がん細胞株) 細胞に対するCaspase-3/7活性、ルシフェラーゼ細胞傷害アッセイ、CD107a脱顆粒アッセイを用いてCAR-NK細胞の機能を評価した。特に、solMSLN存在下での細胞傷害活性の維持率を比較し、shed-resistantな候補を特定した。Trogocytosis (トロゴサイトーシス) の程度と細胞avidity (結合多価) を測定し、免疫シナプス形成の質を評価した。

CAR構造最適化とサイトカイン共発現: linRNAベースのシステムを用いて、CAR-MS10 (CLMS10 scFvを用いたCAR構造) の最適な膜貫通ドメイン (CD8, NKG2D) と共刺激ドメイン (4-1BB, OX40, DAP10, 2B4) の組み合わせをスクリーニングした。特に、CAR-MS10-OX40ζが最も強力な細胞傷害活性と代謝的フィットネス (ミトコンドリア呼吸の増加) を示すことを確認した。さらに、IL-2、IL-15、IL-21などのサイトカインをコードするlinRNAをCAR-MS10-OX40ζ細胞に共導入し、細胞傷害活性と機能的持続性の相乗効果を評価した。IL-21とCAR-MS10-OX40ζの共発現が最も優れた抗腫瘍活性とCD107a発現増加をもたらすことを確認した。

circRNA製造と持続性評価: circRNA (circCAR-MS10) をIVTと環状化により作製し、IL-21コデリバリーの条件を最適化した。linRNA (mRNA) と比較して、CAR発現の持続期間、増殖能、および細胞傷害活性を評価した。がん関連線維芽細胞 (CAF) 存在下 (持続的な抗原脱落条件) での抗腫瘍活性を比較した。

in vivo有効性評価: 免疫抑制的な腫瘍微小環境とCAFが媒介するMSLN脱落を模倣するため、AsPC-1-MSLN-Luc腫瘍細胞とCAF6細胞をNOD-Prkdc^em1Baek Il2rg^em1Baek (NSG) マウスの腹腔内に共注入し、転移性膵がんモデルを確立した。このモデルにおいて、linCAR-NK細胞 (SS1, 15B6, MS10)、circCAR-MS10-NK細胞、およびレンチウイルスCAR-MS10-NK細胞のin vivo治療効果を比較した。すべてのmRNAベースのCAR-NK群にはIL-21 linRNAを共エレクトロポレーションした。腫瘍の進行はIVIS Spectrumイメージングシステムを用いたin vivoルシフェラーゼイメージングによりモニタリングし、腫瘍負荷を定量化した。また、CAR-NK細胞のin vivoにおける分布と持続性、およびIL-21コデリバリーによる全身毒性の可能性を評価した。統計解析にはGraphPad Prism 10を用い、一元配置分散分析 (one-way ANOVA) または二元配置分散分析 (two-way ANOVA) を実施し、Tukeyの事後検定を用いた。p値が0.05未満を統計的に有意な差と判断した。