- 著者: Philip Chiu-Tsun Tang, Jeff Yat-Fai Chung, Jinyue Liao, Max Kam-Kwan Chan, Alex Siu-Wing Chan, Guangyao Cheng, Chunjie Li, Xiao-Ru Huang, Calvin Sze-Hang Ng, Eric W-F Lam, Dongmei Zhang, Yi-Ping Ho, Ka-Fai To, Kam-Tong Leung, Xiaohua Jiang, Ho Ko, Tin-Lap Lee, Hui-Yao Lan, Patrick Ming-Kuen Tang
- Corresponding author: Patrick Ming-Kuen Tang (The Chinese University of Hong Kong, State Key Laboratory of Translational Oncology, Department of Anatomical and Cellular Pathology; patrick.tang@cuhk.edu.hk)
- 雑誌: Science Advances
- 発行年: 2022
- Epub日: 2022-10-28
- Article種別: Original Article
- PMID: 36206343
背景
がん性疼痛 (cancer pain) は、がん患者の約50%が経験し、進行がんでは70-90%に達する主要な臨床問題である。しかし、約80%の患者が不十分な鎮痛管理を受けているのが現状である (1)。がん性疼痛の根本的なメカニズムは未解明な部分が多く、特に腫瘍微小環境 (TME) における炎症と組織損傷がどのように疼痛を引き起こすのかは不明である (4)。近年、非神経細胞が疼痛感覚において重要な役割を果たすことが示されており、特に腫瘍随伴マクロファージ (tumor-associated macrophages, TAM) の関与が注目されている (4)。マクロファージの枯渇が、マウスにおける切開および病原体誘発性の機械的・熱過敏性を効果的に減弱させることが報告されている (12)。これは、炎症部位におけるインターロイキン-1β (IL-1β) およびその他のプロアルゲシックメディエーターのダウンレギュレーションを伴う (13)。さらに、マクロファージはIL-10などの抗炎症性メディエーターを間接的に放出することで鎮痛効果にも影響を与えることが示唆されている (14, 15)。しかし、TAMががん性疼痛において果たす機能的役割と、その制御メカニズムについては依然として不明な点が多く、この領域には知識のギャップが残されている。
腫瘍神経支配 (tumor innervation) は、前立腺癌 (26)、膵臓癌 (27)、頭頸部癌 (Amit et al. Nature 2020) など、多くのがん種で報告されている現象であり、がんの進行と関連することが示されている。神経可塑性も慢性疼痛の発症と維持における重要なメカニズムとして確立されている (7, 8)。末梢組織損傷や炎症後に末梢性疼痛過敏が一般的に発生し、急性侵害受容から慢性疼痛への移行に不可欠である (9, 10)。TGF-β1/Smad3シグナルは、慢性膵炎における侵害受容性疼痛の制御や、前立腺癌・膵臓癌における神経形成促進に関与することが報告されている (28)。しかし、TAMが直接神経形成を促進したり、神経様表現型に形質転換するメカニズムはこれまで未解明であった。特に、マクロファージが神経様細胞へ直接分化する現象 (macrophage-to-neuron-like transformation, MNT) の存在と、その分子基盤についてはこれまで報告が不足していた。
単一細胞RNAシーケンス (scRNA-seq) は、ゲノムワイドなスケールで細胞の不均一性を解明するための強力なアプローチであり、集団レベルでは隠蔽されがちな時間的転写ネットワークを解き明かすことができる La et al. Nature 2018。香港中文大学のPatrick Tang研究グループは、マクロファージ特異的系統追跡 (LysM-Cre/ROSA-tdTomato) とscRNA-seq、RNA velocity解析を組み合わせることで、この未解明なメカニズムに迫る決定的なアプローチを試みた。特に、TGF-β1/Smad3 (transforming growth factor-β1/Smad3) 経路が骨髄由来マクロファージ (BMDM) の転写産物とがんおよび神経発生の間に強い関連性を持つことを以前の研究で発見しており (24)、この経路がTAMによる神経発生に果たす役割が注目された。
目的
本研究の目的は、以下の包括的なアプローチを通じて、腫瘍関連マクロファージ (TAM) ががん性疼痛を促進する新規メカニズムを解明することである。
- 神経様TAMサブセットの同定: LLC肺癌モデルマウスの腫瘍から分離したマクロファージ系統細胞に対し、scRNA-seqを実施し、神経分化マーカーであるTubb3 (βIII-tubulin) を高発現する神経様表現型を示すTAMサブセットを同定する。
- MNTの系統軌跡解析: RNA velocity、pseudotime、およびMuTrans解析を用いて、マクロファージから神経様細胞への直接的な分化経路 (macrophage-to-neuron-like transformation, MNT) の系統軌跡を解明する。
- MNTの神経様機能検証: 2光子Ca2+イメージングとカプサイシン、GSK1016790Aなどの刺激応答を用いて、MNT細胞の神経活動および機能的特性をin vivoおよびin vitroで検証する。
- MNTのがん性疼痛誘導能の検証: BMDM由来MNT細胞をNOD/SCIDマウスに養子移入し、がん性疼痛関連の侵害受容行動を誘導する能力を評価する。
- ヒト腫瘍でのMNTサブセットの検証と予後相関: 非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者の生検組織、腎細胞癌、肝細胞癌組織において、TUBB3+CD68+ TAMサブセットの存在を検証し、NSCLC患者におけるその臨床的意義、特に予後との相関を評価する。
- TGF-β1/Smad3シグナルのMNT駆動因子としての役割の確立: Smad3 (Smad family member 3) の遺伝的欠損 (Smad3-KO) および薬理学的阻害剤 (SIS3) を用いて、TGF-β1/Smad3シグナルがMNTの主要な駆動因子であることを確立し、Smad3が神経形成関連遺伝子の転写を直接制御することをChIP-seq解析により明らかにする。
これらの目的を達成することで、がん性疼痛に対する新たな治療標的としてのSmad3の可能性を確立することを目指した。
結果
MNTサブセットのscRNA-seqによる同定と系統追跡: LLC腫瘍内のマクロファージ系統細胞の10x scRNA-seq解析により、神経分化マーカーであるTubb3 (βIII-tubulin) を高発現するTAMサブセットが同定された (Fig 1A)。このサブセットの差次的に発現する遺伝子 (DEG) のGO解析では、「Development_Neurogenesis_Synaptogenesis」(p=0.01980) および「Development_Neurogenesis_in_general」(p=0.02536) との強い関連性が示された (Fig 1B)。さらに、Shank、Map1b、Syt13、Cyb5d2、Pax6、Cdon、Wnt5a、Pex2などの神経関連遺伝子、Trpv1、Trpv4、Ano1、Trpc1などの侵害受容イオンチャネル、Cacna1a/b/cなどの電位依存性Ca2+チャネル、Syt13、Syt14などのシナプス前センサー、Aldh9a1、Daglaなどの神経伝達物質合成関連遺伝子、および末梢侵害受容体マーカーであるTrkA、Prphが高発現していることが確認された (Fig 1C, figs. S1B, S2)。
RNA velocityとpseudotime軌跡解析により、F4/80+マクロファージからTubb3+Cd68-神経様細胞への段階的な形質転換 (MNT) が示された (Fig 3A, D, fig. S7)。LLC腫瘍内のTubb3+細胞の90%以上がLysM-tdTomato+マクロファージ系統由来であることが系統追跡研究により確認された (Fig 3E, fig. S8A, B)。GFP発現BMDMの養子移入実験でも、LLC腫瘍内でGFP+Tubb3+細胞が産生されることが確認され (Fig 3F, fig. S8C)、MNT現象が直接的な腫瘍神経形成の新たな供給源となる可能性が示唆された。この実験では、n=5 miceでGFP+Tubb3+細胞の産生が確認された。
MNTの神経様機能のin vivoおよびin vitroでの検証: 2光子共焦点顕微鏡によるin vivo OGB-1 Ca2+イメージングでは、マクロファージ系統由来 (tdTomato+) の神経様形態細胞がCa2+流出を示すことが実証された (Fig 1D, movie S1)。in vitroで誘導したBMDM由来MNT細胞は、カプサイシン (TRPV1アゴニスト)、GSK1016790A (TRPV4アゴニスト)、およびKCl刺激に対してCa2+流出応答を示し、神経Ca2+シグナリング (p-CREB, Camk2d活性化) が活性化されることが確認された (Fig 4E, F, movie S2, figs. S10B-D, S11, S12)。クロドロネートリポソームによるマクロファージ枯渇は、LLC腫瘍内のTubb3+ TAMと自発的侵害受容行動 (flinching/licking) を有意に減少させた (n=4 mice, p<0.001) (Fig 1E, F)。MNT細胞をNOD/SCIDマウスに養子移入すると、自発的侵害受容行動が顕著に増加し (p<0.001)、LLC腫瘍内でシナプトフィジン+ MNT細胞による神経回路形成が検出された (Fig 4G, fig. S13)。MNT細胞はAno1とTrpc1といった疼痛メディエーターも高発現していた (Fig 4H)。in vitro実験では、n=3 replicatesでMNT細胞のCa2+流出応答が観察された。
ヒト腫瘍におけるMNTサブセットの存在と予後相関: ヒト非小細胞肺癌 (NSCLC) の生検組織の10x scRNA-seqデータセットにおいて、TUBB3+CD68+ TAMサブセットが検出され、BMP7、SHANK、CHL1、PAX6などの神経遺伝子を強く発現していた (Fig 2A)。このサブセットは、TUBB3+神経細胞に類似した神経様トランスクリプトームシグネチャーを示し、ヒト神経疾患との強い関連性が示唆された (fig. S3, file S2)。腎細胞癌および肝細胞癌の患者生検組織でもこの神経様TAMサブセットの存在が確認され (Fig 2B, fig. S4B)、これは汎がん的なTME現象であることが示唆された。NSCLC患者102例のコホート解析では、TUBB3+CD68+ TAMサブセットが検出され、その存在は腺癌NSCLCで高く、TUBB3発現と正の相関を示した (r=0.4707, p<0.0001, n=102 patients) (Fig 2E, fig. S4A)。特に、高齢 (60歳超) のNSCLC患者94例において、TUBB3+ TAMの割合が30%を超える場合に予後不良と有意に関連することが示された (p<0.033, ログランク検定) (Fig 2F)。ヒトNSCLC生検組織では、Smad3の過剰活性化 (phospho-Smad3) が免疫組織化学的に検出された (Fig 5A)。
Smad3がMNTの駆動因子であり、SIS3による治療効果: Smad3-KOマウスでは、MNTの形成と自発的侵害受容行動が大幅に抑制された (Fig 5C-E)。これは、MNTの発達にSmad3が不可欠であることを示唆している。Smad3-KO miceでは、Tubb3+F4/80+ MNTsがSmad3-WT miceと比較して有意に減少した (p<0.001)。ChIP-PCR解析により、Smad3がTubb3遺伝子の5’UTRに直接結合することが確認された (Fig 6A, B)。さらに、in vivo ChIP-seq解析では、MNT細胞においてSmad3がPou4f1、Nefm、Syt13、Stmn3など多数の神経形成関連遺伝子に直接結合することが同定された (Fig 6C-G, fig. S14)。Smad3-KO BMDMを養子移入したNOD/SCID miceでは、MNTと疼痛行動が抑制され (Fig 5G, H)、MNTにおける細胞自律的なSmad3依存性が示唆された。Smad3選択的阻害剤SIS3 (5-10 μg/g i.p.) の投与により、MNT、腫瘍神経支配、およびがん性疼痛関連の侵害受容行動が顕著に抑制された (Fig 6H, I)。SIS3 (10 μg/g) 投与群では、溶媒対照群と比較してMNTsが約3.5-fold減少した (p<0.001)。これらの結果は、Smad3がMNT駆動型神経形成における治療標的となる可能性を示唆している。
考察/結論
本研究は、LysM-Cre/ROSA-tdTomato系統追跡、scRNA-seq、RNA velocity、2光子Ca2+イメージング、および養子移入といった多角的なアプローチを駆使し、腫瘍関連マクロファージ (TAM) が直接神経様細胞 (MNT) へと形質転換し、腫瘍神経形成とがん性疼痛を駆動するという新規メカニズムを確立した画期的な研究である。
先行研究との違い: これまでの研究では、がん細胞が神経形成を促進するメカニズム (26, 27) や、マクロファージが間接的に疼痛を制御する役割 (12, 13) が示唆されてきた。しかし、TAMが直接神経様細胞へと分化し、腫瘍神経形成を促進するという直接的なメカニズムはこれまで報告されていなかった。本研究は、この直接的な細胞形質転換現象 (MNT) を初めて同定し、その機能的役割と分子メカニズムを詳細に解明した点で、これまでの知見と対照的である。
新規性: 本研究で初めて、scRNA-seqと系統追跡を用いて、TME内にTubb3を高発現する神経様TAMサブセットが存在することを明らかにした。さらに、RNA velocityとpseudotime解析により、マクロファージから神経様細胞への段階的な分化経路 (MNT) をin vivoで実証した。MNT細胞がカプサイシンやKClなどの侵害受容刺激に応答してCa2+流出を示す神経活動を有すること、およびSmad3がTubb3を含む神経形成関連遺伝子群を直接転写制御する主要な駆動因子であることを同定した点は、本研究の新規な発見である。Smad3が神経形成関連遺伝子に直接結合するメカニズムは、ChIP-seq解析によって初めて明らかになった。
臨床応用: 本知見は、がん性疼痛管理の精密医療に直結する重要な臨床的含意を持つ。現在のオピオイド、NSAID、抗うつ薬中心の治療に加え、Smad3阻害剤やマクロファージを標的とした新たな治療経路を追加する可能性を示唆する。特に、進行NSCLCの疼痛患者において、TUBB3+CD68+ TAMの免疫組織化学的バイオマーカーとしての有用性が示され、Smad3阻害剤の候補患者層別化に役立つ可能性がある。SIS3のようなSmad3小分子阻害剤の開発は、選択的な細胞タイプや経路を標的とすることで副作用を最小限に抑えつつ、がん性疼痛を効果的に管理する新たな治療戦略となる。また、前立腺癌、膵臓癌、頭頸部癌など、神経支配が腫瘍進行を媒介する他のがん種にも、この腫瘍神経支配標的戦略を拡張できる可能性がある。
残された課題: 今後の検討課題として、LLC肺癌モデルのヒトNSCLCへの翻訳可能性の限界が挙げられる。MNTにおけるエピジェネティックな再プログラミング (クロマチンアクセシビリティ、ヒストン修飾、DNAメチル化) の詳細なメカニズムは未解明である。Smad3は広範な遺伝子制御に関与するため、選択的な下流経路の同定が必要であり、副作用の最小化が課題となる。ヒトMNTの直接的な機能証明 (ヒト組織でのCa2+イメージングなど) はまだ実施されていない。また、脳転移や神経周囲浸潤など、他のがん関連神経様TAMの表現型の多様性も未解明である。さらに、神経支配と疼痛が腫瘍進行を促進するメカニズム (アドレナリン作動性/コリン作動性神経伝達物質による腫瘍シグナルなど) についても、さらなる解明が必要である。Smad3の全身的な標的化はT細胞の抗がん免疫を損なう可能性があり (82)、その臨床開発を制限する可能性があるため、疾患および細胞タイプ特異的なSmad3下流シグナル経路の阻害剤開発が求められる。
方法
動物モデル: マクロファージ系統追跡のためにLysM-Cre/ROSA-tdTomato (recombination-activating gene 1-Cre/red fluorescent protein-tdTomato) マウスを使用し、Lewis肺癌 (LLC) 細胞を皮下接種して同系肺癌モデルを確立した。Smad3の機能的役割を評価するため、Smad3-KO (Smad3 knockout) マウスおよびマクロファージ特異的ジフテリア毒素受容体 (iDTR) を発現するLysM-Cre/iDTRマウスを用いた。
単一細胞RNAシーケンス (scRNA-seq) とバイオインフォマティクス解析: LLC腫瘍内のマクロファージ系統細胞 (CD11b+ F4/80+ tdTomato+) をフローサイトメトリーでソーティングし、10x Genomics Chromiumプラットフォームを用いてscRNA-seqライブラリを構築した。得られたデータはCell Ranger v3.0.2で処理され、Loupe Cell Browserソフトウェアで差次的に発現する遺伝子 (DEG) を同定した。細胞の分化軌跡を解析するため、RNA velocity (velocyto.py) とpseudotime (Monocle2) およびMuTransパッケージを用いた。GO (Gene Ontology) 解析にはMetaCoreバイオインフォマティクスプラットフォームおよびDAVID v6.8を使用した。ダブルレット解析にはScrubletを用いた。
2光子Ca2+イメージング: LLC腫瘍組織をex vivoでOregon-Green-BAPTA-1 (OGB-1) で標識し、カスタム改変2光子顕微鏡を用いてCa2+流出をライブイメージングした。in vitroでは、BMDM由来MNT細胞をOGB-1でプレロードし、カプサイシン (TRPV1アゴニスト)、GSK1016790A (TRPV4アゴニスト)、およびKCl刺激に対するCa2+流出応答を評価した。
疼痛行動アッセイ: LLC担癌マウスの自発的侵害受容行動 (flinching, licking) を30分間観察し、その総数を記録した。von Freyフィラメントによる機械的閾値測定やHargreaves法による熱過敏性評価も実施した。
養子移入研究: BMDM由来MNT細胞をin vitroで誘導し、NOD/SCID (nonobese diabetic/severe combined immunodeficient) マウスに局所的に養子移入して、がん性疼痛関連の侵害受容行動への影響を評価した。また、Smad3-WT (Smad3 wild-type) またはSmad3-KO BMDMをマクロファージ機能不全のNOD/SCIDマウスに養子移入し、MNT形成と疼痛行動におけるマクロファージ特異的Smad3の役割を検討した。
クロマチン免疫沈降 (ChIP) とChIP-seq: Smad3抗体を用いたChIP-PCR (chromatin immunoprecipitation-polymerase chain reaction) により、Smad3がTubb3遺伝子の5’UTRに直接結合するかをin vitroで検証した。in vivoでは、FACS (fluorescence-activated cell sorting) でソーティングしたTubb3+ LysM-tdTomato+ MNT細胞からSmad3結合クロマチンDNA断片をプルダウンし、ChIP-seq (chromatin immunoprecipitation sequencing) 解析を実施した。MACS (Model-based Analysis of ChIP-Seq) プログラムでSmad3結合ピークを同定し、GO解析で神経形成関連遺伝子との関連を評価した。
治療介入: Smad3選択的阻害剤SIS3 (5-10 μg/g) をLLC担癌マウスに腹腔内投与し、MNT、腫瘍神経支配、およびがん性疼痛関連の侵害受容行動への影響を評価した。
ヒト検体での検証: 非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者102例の生検組織、腎細胞癌、肝細胞癌組織を用いて、免疫組織化学染色 (IHC) およびフローサイトメトリーによりTUBB3+ CD68+ TAMサブセットの存在を検証した。多重免疫組織化学染色 (Opal multiplex immunohistostaining) を用いて、NSCLCにおけるp-SMAD3+ CD68+ TAMとMNTの豊富さの相関を解析した。NSCLC患者の予後との関連は、ログランク検定を用いて評価した。
細胞培養: Lewis肺癌 (LLC) 細胞、骨髄由来マクロファージ (BMDM)、およびマウス初代神経細胞を培養した。BMDMはM-CSF (macrophage colony-stimulating factor) で7日間分化させ、その後TGF-β1とLLC細胞のコンディショニング培地 (LLC-CM) で刺激してMNT細胞を誘導した。
統計解析: Studentのt検定またはBonferroni事後検定を伴う分散分析 (ANOVA) をPrismプログラムで実施した。NSCLCコホートデータには、PearsonおよびSpearman相関分析、ログランク検定による生存曲線比較を用いた。p値が0.05未満を有意とした。