• 著者: Corinne Faivre-Finn, David R. Spigel, Suresh Senan, Corey Langer, Bradford A. Perez, Mustafa Özgüroğlu, Davey Daniel, Augusto Villegas, David Vicente, Rina Hui, Shuji Murakami, Luis Paz-Ares, Helen Broadhurst, Catherine Wadsworth, Phillip A. Dennis, Scott J. Antonia
  • Corresponding author: Corinne Faivre-Finn (The Christie NHS Foundation Trust, Manchester, UK)
  • 雑誌: Lung Cancer
  • 発行年: 2021
  • Epub日: N/A
  • Article種別: Original Article
  • PMID: 33285469

背景

切除不能なIII期非小細胞肺がん (NSCLC) の標準治療は、これまでプラチナ製剤ベースの同時化学放射線療法 (CRT) であった。しかし、この治療法を受けた患者の予後は依然として不良であり、無増悪生存期間 (PFS) の中央値は約8~10か月、5年生存率は15~32%に留まっていたことがYoon et alで報告されている。CRT完了後の化学療法の継続や、分子標的薬、モノクローナル抗体などの追加薬剤による生存期間の改善はこれまで示されていなかった。

近年、PD-1/PD-L1経路を標的とする免疫チェックポイント阻害薬 (ICI) が、転移性NSCLCを含む複数の癌種において、一次治療および二次治療の両方で生存期間を改善することが示されているBorghaei et al、Brahmer et al、Rittmeyer et al、Herbst et al、Reck et al、Gandhi et al。デュルバルマブは、PD-L1に結合し、PD-1受容体およびCD80 (B7-1) との相互作用を阻害することで、T細胞が腫瘍細胞を認識し排除するのを可能にする選択的かつ高親和性のヒトIgG1モノクローナル抗体であるPardoll et al。

第III相PACIFIC試験では、切除不能III期NSCLC患者において、プラチナ製剤ベースの同時CRT後に病勢安定または奏効を示した患者に対し、デュルバルマブ単剤維持療法 (最長12か月、2週毎10 mg/kg) を投与することで、プラセボと比較してPFS (層別ハザード比 [HR] 0.52; 95%信頼区間 [CI] 0.42–0.65; p<0.0001) および全生存期間 (OS) (HR 0.68; 95%CI 0.53–0.87; p=0.00251) を有意に改善し、忍容性のある安全性プロファイルを示したAntonia et al、Antonia et al。これらの結果に基づき、デュルバルマブは切除不能III期NSCLC患者に対する承認を受け、「PACIFICレジメン」として新たな標準治療が確立された。

しかし、実臨床においては、先行するCRTレジメンが多様であり、化学療法薬剤の種類 (例: シスプラチン/カルボプラチン、エトポシド/ビノレルビン/タキサン)、放射線治療 (RT) の総線量、RT終了からデュルバルマブ投与開始までの期間、導入化学療法 (CT) の有無など、様々な要因が存在する。これらのCRT関連変数がデュルバルマブの有効性にどの程度影響を与えるかは、重要な臨床的関心事である。特に、RTやCTが腫瘍微小環境に分子レベルの変化を引き起こし、PD-L1発現を上方制御するなど、腫瘍の免疫原性を変化させることでICIへの反応性を高める可能性が示唆されているが、その詳細なメカニズムや臨床的意義は未解明な部分が多い。また、ICIの有効性を最大化するためには、RTとできるだけ早期に併用することが前臨床データで示唆されているが、RTの線量やタイミング、CTの種類がICIの臨床反応に影響を与える可能性も指摘されている。

PACIFIC試験は、特定の臨床的または分子バイオマーカーで患者を層別化せずに実施されたため、PD-L1発現の有無にかかわらず患者が登録された。すべての患者が先行CRTを受けたものの、RT線量、RT終了からランダム化までの期間、CRT中に投与されたCT薬剤など、使用されたCTおよびRTレジメンは施設間および患者間で多様であった。さらに、一部の患者はCRT前に導入CTを受けていた。したがって、これらのCRT関連変数によって定義される患者サブグループ間でのデュルバルマブの有効性および安全性の一貫性を評価することは、実臨床におけるPACIFICレジメンの適用範囲を理解する上で重要である。本研究は、これらのCRT関連変数別のサブグループにおけるデュルバルマブの有効性と安全性を評価する事後探索的解析を実施し、実臨床におけるPACIFICレジメンの頑健性を検証することを目的とした。先行研究では、これらの多様なCRTレジメンがデュルバルマブの有効性に与える影響について、十分なデータが不足していた。

目的

本研究の目的は、第III相PACIFIC試験のデータを用いて、先行する化学放射線療法 (CRT) に関連する以下の変数別に定義された患者サブグループにおけるデュルバルマブ維持療法の有効性および安全性を評価することである。具体的には、プラチナ製剤の種類 (シスプラチンまたはカルボプラチン)、非プラチナ製剤の併用化学療法 (エトポシド、ビノレルビン、またはタキサン系薬剤の有無)、放射線治療 (RT) の総線量 (<60 Gy、60–66 Gy、>66 Gy)、RT終了からランダム化までの期間 (<14日または≥14日)、およびCRT前の導入化学療法 (CT) の有無といったベースライン変数に基づいてサブグループを設定した。これらのサブグループにおいて、デュルバルマブとプラセボを比較し、主要評価項目である無増悪生存期間 (PFS) および全生存期間 (OS) のハザード比 (HR) と95%信頼区間 (CI) を評価した。さらに、副次評価項目として客観的奏効率 (ORR) および安全性プロファイル (特に全原因の肺炎を含む有害事象) を評価し、デュルバルマブの治療効果の一貫性を検証することを目的とした。本解析は、実臨床における多様なCRTレジメンがデュルバルマブの有効性に与える影響を理解し、PACIFICレジメンの適用可能性を明確にすることを意図している。

結果

患者背景とCRT多様性: PACIFIC試験では、合計713例の患者が無作為化され、デュルバルマブ群にn=476例、プラセボ群にn=237例であった。このうち、デュルバルマブ群n=473例、プラセボ群n=236例が治療を受けた。導入CTを受けた患者は、デュルバルマブ群で123/476例 (25.8%)、プラセボ群で68/237例 (28.7%) であった。プラチナ製剤としては、シスプラチンがデュルバルマブ群で266/476例 (55.9%)、プラセボ群で129/237例 (54.4%) と最も多く使用され、カルボプラチンはそれぞれ199/476例 (41.8%)、102/237例 (43.0%) であった。カルボプラチン投与患者では、シスプラチン投与患者と比較して65歳以上の高齢患者の割合が有意に高かった (デュルバルマブ群55.3% vs 38.0%、プラセボ群55.9% vs 36.4%)。非プラチナ製剤としては、タキサン系薬剤 (デュルバルマブ群207/476例 [43.5%]、プラセボ群112/237例 [47.3%])、ビノレルビン (デュルバルマブ群124/476例 [26.1%]、プラセボ群59/237例 [24.9%])、エトポシド (デュルバルマブ群117/476例 [24.6%]、プラセボ群52/237例 [21.9%]) が多く用いられた。RT総線量は、デュルバルマブ群の85.5% (407/476例) とプラセボ群の85.2% (202/237例) が60~66 Gyの範囲であり、<60 Gyはそれぞれ8.0% (38/476例) と6.3% (15/237例)、>66 Gyはそれぞれ6.3% (30/476例) と8.0% (19/237例) であった。RT終了からランダム化までの期間が14日未満の患者は、デュルバルマブ群で25.2% (120/476例)、プラセボ群で26.2% (62/237例) であった。

PFSサブグループ解析におけるデュルバルマブの一貫した効果: 全ITT集団におけるPFSは、デュルバルマブ群で中央値16.8か月 (95%CI 13.0–18.1)、プラセボ群で5.6か月 (95%CI 4.6–7.8) であり、デュルバルマブ群で有意な延長が認められた (HR 0.52; 95%CI 0.42–0.65; p<0.0001)。本解析では、先行CRT関連変数で定義されたすべてのサブグループにおいて、デュルバルマブはプラセボと比較してPFSの改善を示し、HRの範囲は0.34–0.63であった (図1)。導入CTの有無にかかわらず、PFSのHRは導入CTあり群でHR 0.54 (95%CI 0.39–0.76)、導入CTなし群でHR 0.52 (95%CI 0.41–0.65) であった。プラチナ製剤の種類別では、シスプラチン群でHR 0.56 (95%CI 0.43–0.73)、カルボプラチン群でHR 0.60 (95%CI 0.44–0.81) と、いずれもデュルバルマブの優位性が示された。非プラチナ製剤の併用CT別では、ビノレルビン併用群でHR 0.48 (95%CI 0.31–0.74)、タキサン併用群でHR 0.46 (95%CI 0.33–0.63)、エトポシド併用群でHR 0.53 (95%CI 0.35–0.80) と、一貫したPFS改善効果が認められた。RT線量別では、<60 Gy群でHR 0.63 (95%CI 0.32–1.24)、60–66 Gy群でHR 0.52 (95%CI 0.41–0.66)、>66 Gy群でHR 0.34 (95%CI 0.17–0.68) であった。RT終了からランダム化までの期間別では、<14日群でHR 0.43 (95%CI 0.28–0.67)、≥14日群でHR 0.53 (95%CI 0.41–0.68) と、いずれのサブグループでもデュルバルマブのPFS延長効果が確認された。サブグループ間で治療効果の相互作用は検出されず、デュルバルマブのPFS改善効果の頑健性が示唆された。

OSサブグループ解析における傾向と一部の信頼区間の横断: 全ITT集団におけるOSも、デュルバルマブ群で中央値未到達 (95%CI 34.7–NR)、プラセボ群で28.7か月 (95%CI 22.9–NR) であり、デュルバルマブ群で有意な延長が認められた (HR 0.68; 95%CI 0.53–0.87; p=0.00251)。OSも大半のサブグループでデュルバルマブが優位であったが、一部のサブグループではHRの95%CIが1を横断した (図2)。具体的には、導入CT群でHR 0.78 (95%CI 0.51–1.20)、カルボプラチン群でHR 0.86 (95%CI 0.60–1.23)、ビノレルビン併用群でHR 0.79 (95%CI 0.49–1.27)、タキサン併用群でHR 0.73 (95%CI 0.51–1.04)、RT後≥14日ランダム化群でHR 0.81 (95%CI 0.62–1.06) であった。これらのサブグループにおける95%CIの横断は、サンプルサイズの小ささやベースライン因子の不均衡に起因すると考えられ、PFSの結果と合わせてPACIFICレジメンの効果の一貫性は概ね保たれていると解釈された。RT線量別では、<60 Gy群でHR 0.35 (95%CI 0.14–0.86)、60–66 Gy群でHR 0.70 (95%CI 0.54–0.90)、>66 Gy群でHR 0.57 (95%CI 0.29–1.12) であった。

TTDMサブグループ解析: 全ITT集団におけるTTDMも、デュルバルマブ群で中央値23.2か月 (95%CI 23.2–NR)、プラセボ群で14.6か月 (95%CI 10.6–18.6) であり、デュルバルマブ群で有意な延長が認められた (HR 0.52; 95%CI 0.39–0.69; p<0.001)。TTDMもすべてのCRTサブグループでデュルバルマブが優位であったが、導入CT群でHR 0.61 (95%CI 0.37–1.01)、RT線量<60 Gy群でHR 0.45 (95%CI 0.18–1.10) のサブグループではHRの95%CIが1を横断した (図3)。

ORRサブグループ解析: 全ITT集団におけるORRは、デュルバルマブ群で28.4% (126/443例)、プラセボ群で16.0% (34/213例) であり、デュルバルマブ群で有意に高かった (p<0.001)。ほとんどのCRTサブグループにおいて、ORRはデュルバルマブ群で数値的に高かった (表1)。導入CTなし群ではデュルバルマブ群32.9% (95%CI 27.8–38.3) vs プラセボ群17.1% (95%CI 11.5–24.1) であった。シスプラチン群ではデュルバルマブ群29.4% (95%CI 23.8–35.4) vs プラセボ群18.6% (95%CI 11.9–27.0) であった。RT線量60–66 Gy群ではデュルバルマブ群28.6% (95%CI 24.1–33.4) vs プラセボ群15.1% (95%CI 10.2–21.2) であった。しかし、RT線量<60 Gy群 (デュルバルマブ群17.6% [6/34例] vs プラセボ群20.0% [3/15例]) および導入CT群 (デュルバルマブ群16.1% [19/118例] vs プラセボ群13.1% [8/61例]) では、両群間でORRが数値的に類似する傾向が認められた。これらのサブグループは症例数が少なかったため、解釈には注意が必要である。

安全性サブグループ解析: 全CRTサブグループにおいて、デュルバルマブ群の治療関連有害事象 (AE) 頻度はプラセボ群と類似しており、Grade ≥ 3のAE頻度もほぼ同等であった。全治療実施集団では、全原因のあらゆるグレードのAE発生率はデュルバルマブ群で96.8% (460/475例)、プラセボ群で94.9% (222/234例) であった。Grade 3/4のAE発生率は、デュルバルマブ群で32.6% (155/475例)、プラセボ群で28.2% (66/234例) であった。特に注目される全原因の肺炎 (all-cause pneumonitis) 頻度もサブグループ間で大きな差は認められず、プラチナ種類、RT線量、RT後期間などによる肺炎の増悪は観察されなかった。全治療実施集団における全原因のあらゆるグレードの肺炎発生率は、デュルバルマブ群で33.9% (161/475例)、プラセボ群で24.8% (58/234例) であった。Grade 3の肺炎発生率は低く、デュルバルマブ群で3.6% (17/475例)、プラセボ群で3.0% (7/234例) であった (Grade 4イベントはなし)。RT線量>66 Gy群では、デュルバルマブ群で13.3% (4/30例)、プラセボ群で21.1% (4/19例) と、プラセボ群で肺炎発生率が数値的に高かった。導入CTを受けた患者では、導入CTを受けなかった患者と比較して、全原因の肺炎発生率が低かった (デュルバルマブ群22.8% [28/123例] vs 37.8% [133/352例]、プラセボ群17.6% [12/68例] vs 27.7% [46/166例])。治療中止に至ったAEの発生率は、デュルバルマブ群で15.4% (73/475例)、プラセボ群で9.8% (23/234例) であった。

治療完遂率: 12か月間のプロトコル規定治療完遂率は、デュルバルマブ群で46.7–50.9%、プラセボ群で20.0–37.6%であり、すべてのCRTサブグループでデュルバルマブ群の方が高かった。病勢進行による治療中止の割合も、デュルバルマブ群でプラセボ群より低かった。

考察/結論

本PACIFIC試験の事後解析は、切除不能III期NSCLC患者に対するCRT後のデュルバルマブ維持療法の有効性が、先行CRTに関連する変数(プラチナ製剤の種類、併用CT薬剤、RT総線量、RT終了からランダム化までの期間、導入CTの有無)の違いにかかわらず、PFS、OS、およびORRの改善として一貫していることを示した。PFSのHRは全サブグループで0.34–0.63の範囲であり、OSのHRは0.35–0.86の範囲であった。

先行研究との違い: これまでのPACIFIC試験の主要解析では、CRT後のデュルバルマブの有効性が示されていたが、本解析は、多様なCRTレジメンがデュルバルマブの有効性に与える影響を詳細に評価した点で、先行研究とは異なる。特に、実臨床で用いられる様々な化学療法薬剤の組み合わせやRT線量、RT後のデュルバルマブ開始時期といった具体的なCRT関連変数別に効果の一貫性を検証した点は、臨床現場での意思決定に重要な情報を提供する。

新規性: 本研究で初めて、デュルバルマブのPFSおよびOS改善効果が、導入CTの有無、プラチナ製剤の種類(シスプラチンまたはカルボプラチン)、非プラチナ製剤の併用CT(エトポシド、ビノレルビン、タキサン)、RT総線量(<60 Gy、60–66 Gy、>66 Gy)、RT終了からランダム化までの期間(<14日または≥14日)といった多様なCRT関連変数によらず、概ね一貫していることを示した。これは、PACIFICレジメンの頑健性を裏付ける新規の知見である。

臨床応用: 本知見は、PACIFICレジメンの臨床応用における汎用性を支持するものである。実臨床では、患者の全身状態や併存疾患、施設の方針などにより、様々なCRTレジメンが選択される。本解析の結果は、これらのCRTレジメンの違いがデュルバルマブの有効性を大きく減弱させるものではないことを示唆しており、より広範な患者群にPACIFICレジメンを適用できる可能性を支持する。特に、シスプラチン不適応例でカルボプラチンが使用された場合や、様々な非プラチナ製剤が併用された場合でもデュルバルマブが有効であること、またRT線量やRT終了からデュルバルマブ開始までの期間が異なっても効果が維持されることは、臨床現場での柔軟な対応を可能にする。安全性プロファイルもCRTサブグループ間で一貫しており、実臨床での広範な適応を支持する。

残された課題: 本解析は事後探索的解析であり、サブグループ間のベースライン因子の不均衡や患者数の少なさ(特にRT線量<60 Gyおよび>66 Gy群、エトポシドおよびビノレルビン併用群のプラセボアーム)により、堅牢な結論を導き出すことはできないというlimitationがある。一部のOSサブグループで95%CIが1を横断したことは、これらの要因による統計的検出力の限界を反映していると考えられる。また、PD-L1発現レベル別のサブグループ解析は本報告では扱われておらず、PD-L1 TPS <1%の患者におけるOS利益については引き続き議論が必要である。最新の寡分割RTや定位放射線治療 (SBRT) との併用に関するエビデンスは不足しており、今後の検討課題である。さらに、consolidation CTやTKI併用など、新規治療戦略との比較も今後の研究で必要とされる。本研究は同時CRT後のエビデンスを提供するものであり、sequential CRT後のデュルバルマブの有効性に関するエビデンス拡張も今後の方向性として重要である。進行中のPACIFIC-R (リアルワールドデータ研究) は、CRT関連変数がデュルバルマブの臨床的利益に与える影響を評価する機会を提供するであろう。

方法

PACIFIC試験 (ClinicalTrials.gov: NCT02125461) は、国際多施設共同無作為化二重盲検第III相試験である。本試験では、切除不能なIII期NSCLC患者を対象とし、プラチナ製剤ベースの同時CRT後に病勢安定または奏効を示した患者が登録された。患者は、CRT完了後1~42日以内 (プロトコル改訂前は1~14日以内) に、デュルバルマブ群 (10 mg/kgを2週毎に静脈内投与、最長12か月) またはプラセボ群に2:1の比率で無作為に割り付けられた。無作為化は、年齢 (<65歳 vs ≥65歳)、性別 (男性 vs 女性)、喫煙歴 (現在または過去の喫煙者 vs 非喫煙者) によって層別化された。

本研究は、PACIFIC試験のデータを用いた探索的、事後解析である。有効性評価はintention-to-treat (ITT) 集団に基づき、安全性評価は治療実施集団 (as-treated population) に基づいて実施された。PFSの解析は2017年2月13日のデータカットオフ (DCO) 時点、OSおよび有害事象 (AE) の解析は2018年3月22日のDCO時点のデータを用いた。OS解析における中央値フォローアップ期間は25.2か月であった。

サブグループ解析は、以下のCRT関連ベースライン変数に基づいて定義された患者群で実施された:

  1. 導入CTの有無: あり/なし
  2. プラチナ製剤の種類: シスプラチン/カルボプラチン
  3. 非プラチナ製剤の併用CT: エトポシド、ビノレルビン、タキサン系薬剤 (それぞれ有無で分類)
  4. RT総線量: <60 Gy、60–66 Gy、>66 Gy
  5. RT終了からランダム化までの期間: <14日、≥14日

PFS、OS、および遠隔転移または死亡までの期間 (TTDM) の時間依存性エンドポイントに対する治療効果は、非層別Cox比例ハザードモデルを用いてハザード比 (HR) および95%CIを算出した。これは、ITT集団全体での主要解析で用いられた層別ログランク検定とは異なる。客観的奏効率 (ORR) は、Clopper-Pearson法を用いて95%CIを推定し、記述的に要約された。奏効期間 (DoR) は、ほとんどのサブグループでデータが十分に成熟していなかったため、意味のある評価は不可能であった。

安全性評価では、Common Terminology Criteria for Adverse Events (CTCAE) version 4.03を用いて有害事象をグレード分類した。特に、全原因の肺炎 (all-cause pneumonitis) は、急性間質性肺炎、間質性肺疾患、肺炎、肺線維症、肺胞炎、びまん性肺胞傷害、放射線肺炎を含むグループ化された用語として評価された。

統計解析は、サブグループ間のベースライン因子の不均衡が結果に影響を与える可能性を考慮し、慎重に解釈する必要がある。特に、一部のサブグループでは患者数が少なく、統計的検出力に限界があるため、堅牢な結論を導き出すことはできない。本解析は探索的性質のものであり、統計的有意水準の調整は行われていない。