- 著者: Myung-Ju Ahn, Chao-Hua Chiu, Ying Cheng, et al.
- Corresponding author: Myung-Ju Ahn (Samsung Medical Center, Sungkyunkwan University School of Medicine, Seoul, Korea)
- 雑誌: Journal of Thoracic Oncology
- 発行年: 2020
- Epub日: 2019-12-27
- Article種別: Original Article (retrospective pooled analysis)
- PMID: 31887431
背景
非小細胞肺がん (NSCLC) 患者において、軟膜転移 (LM: leptomeningeal metastases) は予後不良な合併症であり、全NSCLC患者の3〜4%に発症するが、EGFR変異陽性NSCLC患者では9〜16%と高頻度に認められることが報告されている Li et al. J Thorac Oncol 2016 Liao et al. J Thorac Oncol 2015。LMは脳脊髄液 (CSF) および軟膜への腫瘍細胞の浸潤を特徴とし、診断後の生存期間中央値は治療を行った場合でも3〜10ヶ月と極めて短く、患者の生活の質を著しく低下させる Umemura et al. Lung Cancer 2012。既存の治療法、例えば全脳放射線療法 (WBRT: whole brain radiotherapy) や髄腔内化学療法は、その有効性が確立されておらず、ランダム化比較試験によるエビデンスも不足している Mulvenna et al. Lancet 2016。これらの治療法は、疼痛緩和や神経症状の安定化には寄与するものの、生存期間の延長効果は限定的であり、さらに有意な毒性を伴うことが知られている Peters et al. Cancer Treat Rev 2016。このため、LMは高いアンメットメディカルニーズが存在する領域である。
第一世代および第二世代のEGFR-TKIは、全身性の効果は良好であるものの、血液脳関門 (BBB: blood-brain barrier) 透過性が不十分であり、LMに対する有効性は限定的であることが前臨床研究および臨床報告で示唆されていた Ballard et al. ClinCancerRes 2016 Togashi et al. Cancer Chemother Pharmacol 2012。LM患者におけるEGFR-TKIの有効性の評価は、ランダム化比較試験の不足と、LMの診断および奏効評価基準の標準化が遅れていたことにより妨げられてきた。この課題に対応するため、2017年にRANO-LM (Response Assessment in Neuro-Oncology LM Working Group) 基準が提案され、LM患者の奏効評価のための標準化された枠組みが提供された Chamberlain et al. Neuro Oncol 2017。しかし、これらの基準は本解析時点では前向き臨床試験で検証されておらず、その実用性にはまだ課題が残されていた。
Osimertinibは第三世代の不可逆的経口EGFR-TKIであり、EGFR-TKI感受性変異とEGFR T790M耐性変異の両方を強力かつ選択的に阻害する。Osimertinibは高いCNS浸透性を有し、NSCLCのCNS転移に対して有効性を示すことが報告されている Cross et al. CancerDiscov 2014 Wu et al. J Clin Oncol 2018。BLOOM試験 (NCT02228369) では、osimertinib 160mg 1日1回投与がEGFR変異陽性NSCLCのLM患者に対して全身性およびCNS活性を示すことが報告され、LM客観的奏効率 (ORR: objective response rate) は62%、OS中央値は11ヶ月であった Yang et al. J Clin Oncol 2020。しかし、このBLOOM試験で用いられた160mgという用量は、臨床で標準的に使用される80mgという用量よりも高用量であったため、標準用量でのLMに対する有効性は未解明であった。健康被験者を対象としたPET研究では、11C標識osimertinibがBBBを通過し、脳内に広範に分布することが確認されている Varrone et al. J Cereb Blood Flow Metab 2020。この薬理学的特性は、LMに対するosimertinibの潜在的な有効性の根拠となる。
本研究は、AURAプログラム (AURA extension, AURA2, AURA17, AURA3) における大規模な臨床試験データを後ろ向きに解析し、EGFR T790M陽性進行NSCLCのLM患者に対するosimertinib 80mg 1日1回投与の有効性を評価することを目的とした。これにより、臨床標準用量である80mgでのLM治療におけるosimertinibの活性に関する最初の系統的なエビデンスを提供することが期待された。LMという予後不良な病態に対する有効な治療法の不足が、本研究の重要な背景にある。
目的
本研究の目的は、AURA extension (NCT01802632)、AURA2 (NCT02094261)、AURA17 (NCT02442349)、およびAURA3 (NCT02151981) の各試験にわたるEGFR T790M陽性進行NSCLC患者において、osimertinib 80mg 1日1回投与がLMに対して示す治療効果を後ろ向きに評価することである。主要評価項目としてLM客観的奏効率 (ORR)、LM奏効期間 (DoR: duration of response)、LM無増悪生存期間 (PFS: progression-free survival)、および全生存期間 (OS: overall survival) を設定した。これらの評価項目は、RANO-LM基準に基づく独立画像評価 (BICR: blinded, independent central review) によって評価された。また、BLOOM試験 (160mg) のデータとの比較を通じて、osimertinibの用量とLM治療効果の関係についても検討することを目的とした。これにより、臨床標準用量である80mgがLM治療において十分な有効性を持つか否かを明らかにすることを目指した。最終的に、EGFR T790M陽性NSCLCのLM患者に対するosimertinib 80mgの最適な治療戦略を確立するためのエビデンスを提供することが本研究の重要な目的であった。
結果
患者背景と試験別分布 (n=22): LMが確定された22例の患者背景は以下の通りであった。女性が59% (13例)、アジア人が82% (18例) を占め、中央年齢は58歳 (範囲: 36〜80歳) であった (Table 1)。全患者がEGFR T790M陽性であり、EGFR-TKIによる前治療歴を有していた (中央値2ライン)。WHO PS (Performance Status) は0が18% (4例)、1が82% (18例) であり、PS 2以上の患者はいなかった。試験別の登録数は、AURA17から8例、AURA3から7例、AURA extensionおよびAURA2のプールデータから7例であった (Figure 1)。前WBRT (whole brain radiotherapy) 施行例は3例 (14%) であった。EGFR変異タイプの内訳は、exon 19 delが13例 (59%)、L858Rが8例 (36%)、その他 (G719X、S768I、exon 20挿入) が3例 (14%) であった。LMの病態はMRIで軟膜増強効果や病変が確認され、多くの患者で神経症状を伴っていた。全22例は、BICR (blinded, independent central review) 専門の神経放射線科医によるRANO-LM基準に基づく独立確認を経てLM確定と判定された。Osimertinibの治療曝露期間中央値は7.3ヶ月 (範囲: 2.3〜16.5ヶ月) であった。
LM有効性 (RANO-LM基準によるORR): LM ORR (RANO-LM基準) は55% (12/22例、95% CI: 32〜76%) であった (Table 2)。内訳は、CR (complete response) が6例 (27%)、PR (partial response) が6例 (27%) であった。LM非奏効例は10例 (45%) であり、そのうち8例 (36%) が6週間以上のSD (stable disease)、2例 (9%) がPD (progressive disease) であった。LM奏効発現までの中央期間は8.7週であった。奏効を示した12例のDoR (duration of response) 中央値は未到達であった (95% CI: 2.8ヶ月〜NC)。これは追跡期間が不十分であったため中央値が算出されなかったが、奏効が持続する傾向にあることを示唆した (Figure 3A)。LMの自然史 (未治療でのOS中央値1〜3ヶ月) や第一世代TKIでのLM奏効率 (10〜20%程度) と比較して、ORR 55%という結果は著しく良好な成績であった。特に、CRが6例 (27%) 達成されたことは、T790M陽性LMに対するosimertinibの強力な活性を示す注目すべき知見である。前WBRT施行例3例のうち、1例がCR (osimertinib開始732日前にWBRT施行)、2例が非奏効 (SD 1例、PD 1例) であった。CNS ORRは23% (5/22例、95% CI: 8〜45%)、全体全身性ORRは46% (95% CI: 24〜68%) であった。
LM PFS・全体OS (生存転帰): LM PFS (progression-free survival) 中央値は11.1ヶ月 (95% CI: 4.6ヶ月〜NC) であった (Table 2, Figure 3B)。これはLMという極めて予後不良な病態としては非常に良好なPFSである。9ヶ月時点でのLM病勢進行のない患者の割合は60% (95% CI: 33〜79%) であった。非CNS部位も含む全体PFS中央値は4.4ヶ月 (95% CI: 2.9〜15.5ヶ月) であり、LM PFSより短かった。これは、頭蓋外 (全身性) 病変の進行がLMの進行よりも先に生じる場合があることを反映している。全体OS (overall survival) 中央値は18.8ヶ月 (95% CI: 6.3ヶ月〜NC) であった (Figure 3C)。6ヶ月、12ヶ月、18ヶ月時点での生存率はそれぞれ76% (95% CI: 51〜89%)、65% (95% CI: 40〜82%)、52% (95% CI: 22〜75%) であった。AURA3試験におけるT790M陽性患者全体のOS中央値26ヶ月と比較すると短いが、LM診断時の一般的な予後 (OS中央値3〜10ヶ月) を大幅に上回る結果であった。なお、AURA3試験でのOS計算の基準日は無作為化日であり、LMはその後のいずれかの時点で診断されているため、LM診断後のOSは実際にはさらに短い可能性がある点に注意が必要である。全患者の生存に関する追跡期間中央値は11.7ヶ月であり、10例 (45%) がDCO日までに死亡した。
BLOOM試験 (160mg) との縦断比較: 非CNS腫瘍サイズ変化 (waterfallプロット) の解析では、AURA LM (80mg) 群 (n=18) とBLOOM試験 (osimertinib 160mg) 群 (n=17) の間で、非CNS腫瘍縮小パターンが類似していることが示された (Figure 4)。両群ともに、非CNS腫瘍の縮小を示した患者の割合や縮小率の分布に大きな違いはなかった。LM応答率もBLOOM試験 (160mgでORR 62%) とAURA LM解析 (80mgでORR 55%) でほぼ同等レベルであった。この比較は、BLOOM試験で用いられた160mgという増量用量が80mgと比較して臨床的に意義のある有効性の上乗せをもたらさない可能性を示唆しており、LM治療に増量が必ずしも必要でないことへの支持データとなった。非CNS腫瘍サイズのベースラインからの変化率中央値は、AURA LM研究の患者 (n=21) で-37%、BLOOM研究の患者 (n=31) で-36%であった。
薬物動態・薬力学モデリング (標準用量支持): Osimertinibの既知のPK (pharmacokinetic) パラメータとして、活性体osimertinibの脳/血漿非結合濃度比 (Kp,uu) は0.16、代謝物AZ5104のKp,uuは0.07であった。PK/PDモデリングによる80mg 1日1回定常状態での脳内遊離濃度推算では、脳内osimertinib遊離濃度がEGFR変異細胞のEGFRリン酸化IC50 (1〜4nM) を上回ることが計算上確認された。この理論的根拠は、80mgという臨床標準用量でLM治療に薬力学的に十分な脳内薬物濃度が達成されることを支持した。シミュレーションデータは、80mgの用量で50%以上の患者が最大の腫瘍増殖抑制を達成するのに十分なLM遊離薬物曝露を得ると予測されることを示唆する。160mgでは、ほぼ全ての患者が最大の抑制を達成する可能性が高いとされたが、LM用量反応の中央値は80mg以上で飽和しているように見えた。他の第一・第二世代EGFR-TKI (Kp,uu 0.066〜0.29) と比較してosimertinibのBBB透過性が相対的に高く、LMへの臨床活性の薬理学的根拠を提供した。
安全性: 全患者が有害事象 (AE: adverse event) を報告し、22例中20例 (91%) で治験責任医師によりosimertinibとの関連性が「可能性あり」と判断された (Supplementary Table 2)。最も頻繁に報告されたAEは、osimertinibの既知の安全性プロファイルと一致しており、下痢および皮膚乾燥がそれぞれ6例 (27%)、食欲減退および頭痛がそれぞれ5例 (23%) であった。CTCAE (Common Terminology Criteria for Adverse Events) version 4.0に基づくグレード3以上のAEは10例 (45%) に認められ、そのうち4例 (18%) は治験責任医師によりosimertinibとの関連性が「可能性あり」と判断された。グレード3以上のAEで複数患者に報告された唯一のものは食欲減退 (2例、9%) であった。その他のグレード3以上のAEは、それぞれ1例 (5%) に発生した (胃腸炎、尿路敗血症、鉄欠乏性貧血、血小板減少症、低ナトリウム血症、頭痛、心嚢液貯留、低血圧、下痢、無力症、QT延長)。重篤な有害事象 (SAE: serious adverse event) は6例 (27%) に認められ、頭痛、尿路敗血症、胃腸炎、発熱、食欲減退、心嚢液貯留、結核が含まれた (1例は2つのSAEを報告)。これらのSAEのうち、食欲減退の1件のみが治験責任医師によりosimertinibとの関連性が「可能性あり」と判断された。治療中止に至ったAEは1例 (5%) で報告された (異常行動) が、治験責任医師によりosimertinibとは関連がないと判断された。死亡に至ったAEは報告されなかった。
考察/結論
本AURA LM後ろ向き解析は、EGFR T790M陽性NSCLCのLM患者において、osimertinib 80mg 1日1回投与 (臨床標準用量) が、LM ORR 55% (95% CI: 32〜76%)、LM PFS中央値11.1ヶ月 (95% CI: 4.6ヶ月〜NC)、OS中央値18.8ヶ月 (95% CI: 6.3ヶ月〜NC) という顕著な臨床的活性を示すことを明らかにした。これは、標準用量でのLM治療におけるosimertinibの有効性に関する最初の系統的なエビデンスを提供するものである。
先行研究との違い: BLOOM試験ではosimertinib 160mgが用いられ、LM ORR 62%、OS中央値11ヶ月が報告されたが Yang et al. J Clin Oncol 2020、本研究の80mg投与群の結果 (ORR 55%、OS中央値18.8ヶ月) はBLOOM試験の有効性と同等レベルであり、LM治療においてBLOOM試験のような増量用量が必ずしも必要でない可能性を示唆する。非CNS腫瘍サイズ変化およびLM応答の縦断的比較においても、80mgと160mgの活性パターンが類似していることが示された点は、これまでの知見と対照的であり、用量反応関係が飽和している可能性を支持する。また、先行研究では第一世代および第二世代EGFR-TKIのLMに対するORRが10〜35%、OS中央値が3.5〜7.6ヶ月と報告されているのに対し、osimertinib 80mgの有効性はこれらを大きく上回る。
新規性: 本研究は、EGFR T790M陽性NSCLCのLM患者に対するosimertinib 80mgの有効性を、RANO-LM基準に基づく独立画像評価を用いて系統的に評価した点で新規性がある。特に、LMという予後不良な病態において、標準用量で55%という高いORRと11.1ヶ月という良好なLM PFSを達成したことは、これまで報告されていない重要な臨床的意義を持つ。CRが27%の患者で達成されたことは、osimertinibの強力なLM活性を裏付ける。薬物動態モデリングにより、80mgの用量でも脳内遊離薬物濃度がEGFRリン酸化IC50を上回ることが予測され、臨床効果の薬理学的根拠を初めて提供した。
臨床応用: 本知見は、EGFR T790M陽性NSCLCのLM患者に対するosimertinib 80mgが、臨床的に意義のある治療選択肢であることを強く支持する。osimertinibの優れたCNS浸透性と、標準用量での有効性が確認されたことで、LM患者の治療戦略に大きな影響を与える可能性がある。特に、一次治療としての高CNS浸透性osimertinib (FLAURA試験でのCNS PFS HR 0.48) がLM発症頻度そのものを低下させる可能性も示唆されており Reungwetwattana et al. JClinOncol 2018、本研究はosimertinibのCNS活性の総合的なエビデンスの一部として位置づけられる。これにより、LM患者の予後改善と生活の質の向上が期待される。
残された課題: 本研究の限界は、n=22という小規模な後ろ向き解析である点である。LMの希少性と前向き試験の実施の困難さを考慮すると重要なエビデンスではあるが、結果の一般化には注意が必要である。また、AURAプログラムではLM患者の登録に際し、無症状のCNS転移患者に限定されており、臨床現場で遭遇するような不良なPSや神経症状を伴う患者群を正確に反映していない可能性がある。さらに、T790M変異ステータスは非CNS腫瘍の検査結果に基づいており、CNS病変と非CNS病変の間でT790Mステータスに不一致がある可能性も残された課題である。今後の検討課題として、より大規模な前向き研究やCSF薬物動態データの収集が望まれる。
方法
本研究は、EGFR-TKI前治療歴のあるEGFR T790M陽性進行NSCLC患者を対象としたAURAプログラム (AURA extension, AURA2, AURA17, AURA3) の4つの臨床試験のデータを統合した後ろ向きプール解析である。対象患者はosimertinib 80mgを1日1回経口投与された。AURAプログラムの適格基準では、LMを含むCNS転移を有する患者は、病変が無症状で安定しており、初回投与前4週間ステロイドを必要としない場合に登録が許可された。WHO PS (Performance Status) は0または1の患者が対象であった。
LMの同定は、ベースライン時のCTまたはMRI脳スキャンに基づく独立画像評価 (BICR) によって行われた。さらに、RANO-LM (Response Assessment in Neuro-Oncology LM Working Group) 基準に準拠した専門の神経放射線科医による二次確認を経て、LMの存在が確定された。当初25例にLMが疑われたが、LM BICRにより3例が除外された (1例は化学療法群、2例はLMが否定された) 結果、最終的に22例が解析対象となった。
LMの奏効評価は、修正RANO-LM放射線学的基準に基づいて行われた。評価項目には、LM ORR、LM DoR、LM PFS、およびOSが含まれた。ORRは、少なくとも1回の確定された完全奏効 (CR: complete response) または部分奏効 (PR: partial response) を示した患者の割合と定義された。DoRは、CRまたはPRが最初に確認された日から、LMの病勢進行またはLM病勢進行がない場合の死亡までの期間と定義された。PFSは、初回投与日 (AURA3では無作為化日) から、客観的な病勢進行または死亡 (病勢進行がない場合のあらゆる原因による死亡) までの期間と定義された。OSは、初回投与日 (AURA3では無作為化日) から、あらゆる原因による死亡までの期間と定義された。DoR、PFS、およびOSの推定には、Kaplan-Meier法が用いられた。これらのエンドポイントの結果は、各試験に適用された個別のデータカットオフ (DCO: data cutoff) 日に基づいて測定された。DCO日は、プールされたAURA extensionおよびAURA2試験では2015年11月1日、AURA3試験では2016年4月15日、AURA17試験では2016年11月4日であった。OS解析のDCO日はそれぞれ2016年11月1日、2016年9月2日、2016年11月4日であった。
非CNS腫瘍サイズ変化とLM応答の関係を評価するため、AURA LM解析の患者 (osimertinib 80mg) とBLOOM試験の患者 (osimertinib 160mg) の間で、ベースラインからの非CNS腫瘍サイズ変化とLM応答の縦断的比較がグラフを用いて行われた。この比較には、ベースラインからのパーセンテージ変化測定値とベースライン後のLM応答の両方を提供した患者のみが含まれた。
薬物動態 (PK: pharmacokinetic) および薬力学 (PD: pharmacodynamic) モデリングアプローチを用いて、ヒトにおけるosimertinibの活性用量を予測した。これには、臨床PKデータを、以前に開発された非臨床マウスPK/PD有効性モデルに組み込み、CNS領域における分布と標的で利用可能な遊離濃度を考慮した。ヒトLM用量反応シミュレーションは、osimertinib (0.16) およびその活性代謝物AZ5104 (0.07) のCSFにおける非結合分配係数 (Kp,uu) を補正して生成された。CNSシミュレーションは、osimertinib (0.21) およびAZ5104 (0.015) のラット脳Kp,uuに基づいている。このモデルは、遊離薬物のみが標的に結合可能であること、pEGFR阻害が腫瘍体積の減少を予測すること、pEGFR阻害が細胞死のみをもたらすこと、および動物モデルが臨床反応を予測することという仮定に基づいていた。統計解析は、RANO-LM放射線学的基準に基づき、CNSおよび全身性応答はRECIST 1.1に従って評価された。