• 著者: Redin E, Garrido-Martin EM, Valencia K, Redrado M, Solorzano JL, Carias R, Exposito F, Serrano D, Cicin I, Balague O, Morcillo MA, Montuenga LM, Calvo A
  • Corresponding author: Calvo A (Program in Solid Tumors, Center for Applied Medical Research (CIMA), University of Navarra, Pamplona, Spain)
  • 雑誌: Journal of Thoracic Oncology
  • 発行年: 2022
  • Epub日: 2022-08-27
  • Article種別: Original Article
  • PMID: 35988891

背景

SCLCは、全肺がんの約15%を占める極めて悪性度の高い肺がんサブタイプであり、その5年生存率は6%以下と予後が極めて不良である Rudin et al. NatRevDisPrimers 2021。標準治療は、早期病期では手術または放射線療法に続く白金製剤ベースの化学療法、進行期または転移性病期(全患者の約3分の2)では白金製剤ベースの化学療法に免疫チェックポイント阻害薬を併用する治療が中心である Horn et al. NEnglJMed 2018。しかし、初回治療に対する奏効率は60%から80%と高いものの、ほとんどの患者が急速に再発し、有効な分子標的療法は未だ確立されていないのが現状である。

SCLCは、RB1およびTP53遺伝子の両方喪失が特徴的な遺伝的背景を持つ George et al. Nature 2015。神経内分泌型SCLC腫瘍は、ASCL1(約75%、Aサブタイプ)またはNEUROD1(Nサブタイプ)を主要な転写因子として発現するが、全SCLC症例の15%はこれらのマーカーのいずれも陰性である Borromeo et al. CellRep 2016。近年、非神経内分泌型SCLCのマーカーとして、YAP1(Yサブタイプ)およびPOU2F3(Pサブタイプ)が新たに提唱されている Rudin et al. NatRevCancer 2019

過去数年間にSCLCの深い遺伝的特性解析が行われたにもかかわらず、遺伝子変異と治療反応との関連性は依然として未解明な点が多い。これまでに臨床試験で評価された有望な標的としては、DLL3(ロバルピツズマブ・テシリン、TRINITY試験で開発中止)、PARP阻害薬、BCL-2阻害薬(ナビットクラクス)などがあるが、いずれも限定的な有効性しか示せず、適切な患者選択のための予測バイオマーカーの欠如が課題であった。これまでに探索された遺伝子ドライバーの多くが標的化困難であるか、治療反応の予測因子として不十分であったこと、および臨床試験での成功が限られていることは、SCLCにおける新たな標的治療候補の探索が喫緊の課題であり、有効な分子標的療法の開発が不足していることを示唆している。

YES1は、SRCファミリーキナーゼ(SFK)の一員である非受容体型チロシンキナーゼであり、11q23.3領域の増幅により、NSCLC、食道癌、肺扁平上皮癌など多種の癌腫で過剰発現または増幅が報告されており、細胞増殖、生存、転移に重要な役割を果たすことが知られている。YES1の活性化は、Y416のリン酸化によって起こり、フィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病に承認されているマルチチロシンキナーゼ阻害薬であるダサチニブによって薬理学的に阻害されうる。NSCLCにおいては、YES1がダサチニブに対する反応予測因子であることが報告されている。また、YES1はEGFR阻害薬、トラスツズマブ、ネラチニブに対する耐性因子でもあり、その阻害が耐性を克服することが示されている。本研究以前には、SCLCにおけるYES1の役割は未検討であった。本研究は、SCLCにおけるYES1の役割を包括的に評価し、新たな治療標的としての可能性を検証することを目的とした。

目的

本研究の目的は、SCLCにおけるYES1の発現および遺伝子増幅の頻度とその予後との関連性を明らかにすることである。さらに、YES1を新規の薬剤標的として、遺伝学的および薬理学的なアプローチを用いてその抗腫瘍効果を検証することを目指した。具体的には、in vitroおよびin vivoモデルを用いてYES1阻害がSCLCの細胞増殖、アポトーシス、細胞周期、腫瘍増殖、および転移に与える影響を評価した。また、YES1阻害の作用機序として、DNA複製および修復経路への影響を解析した。加えて、液体生検バイオマーカーとしての血漿エクソソームYES1の可能性を探索し、腫瘍組織内のYES1レベルとの相関を評価することも目的とした。これらの知見を通じて、SCLC患者のサブポピュレーションに対する新たな治療戦略およびバイオマーカー開発に貢献することを目指した。

結果

YES1発現・増幅頻度と予後との関連: SCLC腫瘍におけるYES1 mRNAレベルは、非腫瘍肺組織や他の健康な組織と比較して有意に高発現していた(p < 0.0001)。商業的SCLCコホート(Biomax TMA、n=50)では、31%(16/50例)の症例でYES1タンパク質が高発現(H-score ≥ 150)しており、26%(13/50例)でYES1遺伝子ポリソミーが認められた。ポリソミーを有する症例は、CNVが2.5未満の症例と比較して有意に高いYES1タンパク質発現を示した(Fig. 1C)。OMFコホート(n=80)では、24%の症例でYES1タンパク質が高レベル(H-score ≥ 150)であった。YES1高発現は、対応する隣接非悪性組織と比較して腫瘍組織で高かった(Fig. 1D)。ログランク検定により、YES1高発現はPFS(n=71、p=0.0003)およびOS(n=80、p=0.0026)の両方において有意な予後不良因子であることが示された(Fig. 1E, F)。多変量Cox解析では、YES1高発現がPFS(HR 3.104, 95% CI 1.56-6.15, p=0.001)およびOS(HR 2.554, 95% CI 1.264-5.161, p=0.009)の独立した予後不良因子であることが確認された。YES1は、特定のSCLCサブタイプ(A、N、Y、P)に優先的に発現しているわけではなく、Hippo経路との軽度の関連(p=0.01)を除いて、神経内分泌経路や非神経内分泌経路(EMT、NOTCH)との強い関連は認められなかった(Fig. 1H, I)。

遺伝的YES1ノックダウンのin vitro機能的影響: SCLC細胞株DMS53およびH209において、ドキシサイクリン誘導性shRNAによるYES1の安定的なノックダウンは、細胞増殖をMTS法でコントロール比70〜85%抑制した(p < 0.001)(Fig. 2D, E)。コロニー形成アッセイでは、YES1阻害DMS53細胞で平均87.5%の減少が認められた。この増殖抑制は、サイクリンD1-3およびB1の有意な減少を伴った(Fig. 2F)。細胞周期解析では、G0/G1期での停止とG2/M期細胞の割合の減少が認められた。アポトーシス細胞の割合はYES1枯渇後に有意に増加した(Fig. 2G, H)。さらに、3Dオルガノイド形成アッセイでは、YES1阻害により腫瘍スフェロイド/オルガノイド形成能がほぼ完全に阻害された(Fig. 2I, J)。

遺伝的YES1ノックダウンのin vivo抗腫瘍効果: DMS53皮下異種移植モデル(NSGマウス)では、YES1ノックダウンにより腫瘍増殖が平均94.7%抑制され、生存率が有意に増加した(p < 0.001)(Fig. 3A-C)。特筆すべきは、14匹中9匹で部分的な腫瘍退縮、4匹で完全な腫瘍退縮(腫瘍の消失)が認められたことである(Fig. 3B)。H209モデルでも同様の結果が観察され、腫瘍増殖はsh1-YES1で64%、sh2-YES1で98.8%抑制された(Fig. 3D, E)。YES1ノックダウン腫瘍ではKi67陽性細胞数が少なく、活性型カスパーゼ-3陽性細胞数が多かった(Fig. 3F, G)。転移アッセイでは、YES1阻害により肺、肝臓、後肢への転移負荷が劇的に減少した。5匹中4匹(80%)のマウスで生物発光シグナルが完全に消失し、組織学的解析でも転移結節は認められなかった(Fig. 3H-K)。

薬理学的YES1阻害の抗腫瘍活性: YES1選択的阻害薬CH6953755およびマルチSFK(SRCファミリーキナーゼ)阻害薬ダサチニブは、YES1高発現細胞株(DMS53、H209)において用量依存的な増殖抑制を示した(CH6953755のIC50: DMS53 640 nM、H209 900 nM;ダサチニブのIC50: DMS53 480 nM、H209 4.7 μM)(Fig. 4A, B)。一方、YES1低発現株(H69)では両薬剤に対するIC50が高く、YES1依存的な活性が示唆された。in vitroオルガノイドモデルでも、YES1阻害薬はH209、DMS53、およびPDX YU-16由来オルガノイドの増殖を阻害した(Fig. 4C-G)。遺伝的または薬理学的YES1阻害により、pFAK(Y816)レベルの一貫した下方制御が認められた(Fig. 4H, I)。 in vivo薬理学的阻害実験では、H69モデル(YES1低発現)ではダサチニブによる腫瘍増殖抑制は認められず、CH6953755ではわずかな有意な減少が見られた(Fig. 5B)。対照的に、YES1高発現モデルでは、ダサチニブはDMS53で39%、H209で65%の腫瘍増殖を抑制し、CH6953755はDMS53で55%、H209で85%の腫瘍増殖を抑制した(Fig. 5C, D)。CH6953755はDMS53モデルで1例の完全退縮、H209異種移植モデルで6例(66.6%)の部分退縮を誘導した。PDXモデル(TP-135、YU-16)でもCH6953755は顕著な抗腫瘍効果を示し、TP-135で57%の腫瘍縮小と1例の完全退縮、YU-16で67.5%の腫瘍縮小と34%の部分退縮が認められた(Fig. 5E, F)。ダサチニブもYU-16 PDXで67.5%の腫瘍縮小と14%の部分退縮を示した。

YES1阻害の作用機序(プロテオミクス解析): RNAシーケンスによるトランスクリプトーム解析では、YES1枯渇により418遺伝子が下方制御され、417遺伝子が上方制御された。YES1枯渇は、DNA複製、有糸分裂、DNA損傷、DNA修復に有意な影響を与えた。遺伝子セット濃縮解析では、ミニ染色体維持タンパク質複合体(MCM3/4/5/6/7/8/10)やDNAポリメラーゼ(POLE2/E3/D1/D4/D2/G/Q)の多くのメンバーを含む、これらのプロセスに関連する25の遺伝子セットで有意な負の正規化濃縮スコアが示された。YES1ノックダウンはDNA損傷マーカーであるリン酸化H2A(γH2A)の増加を誘導し、細胞を放射線に感受性させ、アポトーシス細胞の割合を有意に増加させた。 また、YES1阻害により、細胞接着/転移および血管新生に関与するITGB8およびTHBS1が下方制御され、アポトーシス誘導因子であるTRADDおよび腫瘍抑制遺伝子(TSG)であるRCAN1が上方制御された。RCAN1の遺伝的過剰発現は、in vitroで細胞増殖を抑制し、細胞死を促進し、DMS53腫瘍増殖を40%減少させた。

エクソソームYES1(液体生検バイオマーカー): SCLC細胞株DMS53およびH209の培養上清から単離されたエクソソームは、エクソソームマーカー(Alix、TSG101、CD63、CD9)を発現し、YES1タンパク質を含んでいた(Fig. 6B)。H209皮下腫瘍を有するマウスの血漿由来エクソソームでは、YES1ノックダウンによりYES1タンパク質レベルが低下した(Fig. 6C)。PDX YU-16モデルマウスの血漿エクソソームでは、ダサチニブおよびCH6953755による治療後にpSFKsレベルが減少し、これは腫瘍組織内のpSFKsレベルと相関していた(Fig. 6D)。SCLCおよびNSCLC患者の血漿由来エクソソーム中のYES1レベルを解析した結果、腫瘍組織内でYES1高発現を示す患者は、低発現または陰性の患者および健常ドナーと比較して、エクソソームYES1レベルが高かった(Fig. 6E, F)。これらの結果は、循環YES1がSCLCにおける非侵襲的なバイオマーカーとして機能する可能性を示唆する。

考察/結論

先行研究との違い: 本研究は、SCLCにおいてYES1が約26〜31%の頻度で過剰発現・増幅する重要な癌遺伝子であり、独立した予後不良因子(PFS HR 3.104, 95% CI 1.56-6.15, p=0.001; OS HR 2.554, 95% CI 1.264-5.161, p=0.009)として機能することを初めて示した点で、これまでのSCLC研究で検討されてきたDLL3、PARP、BCL-2などの標的が限定的な有効性しか示せていなかったこととは異なる新規性を持つ。NSCLC研究ではYES1増幅が化学療法耐性と関連することが示されており(Yamaoka T et al., 2018)、SCLCでも白金製剤耐性発現にYES1が関与する可能性が示唆される。

新規性: 本研究で初めて、YES1がSCLCの腫瘍維持と転移を駆動する新規の標的可能な癌遺伝子であることを同定した。特に、遺伝的YES1枯渇がin vivoモデルで原発腫瘍および転移病変の両方において劇的な退縮を引き起こしたことは、YES1依存性がSCLCにおける癌遺伝子依存症(oncogene addiction)の可能性を示唆する。さらに、YES1阻害がDNA複製および修復プロセスに影響を与え、放射線感受性を高めることを明らかにした点も新規の知見である。また、血漿エクソソーム中のYES1が腫瘍内発現と相関し、非侵襲的なバイオマーカーとして有用である可能性を示唆したことも、SCLC患者の液体生検バイオマーカーとしてこれまで報告されていない新規性を持つ。

臨床応用: 本研究の知見は、SCLC患者のサブポピュレーションに対する新たな治療戦略の開発に直結する臨床的意義を持つ。YES1選択的阻害薬CH6953755が、SFK全体を阻害するダサチニブに比べてPDXモデルで優れた抗腫瘍効果(腫瘍縮小55〜85% vs 39〜65%)を示したことは、オフターゲット毒性を低減しつつ高い抗腫瘍活性を維持できる選択的阻害の有用性を示す。ダサチニブはFDA承認済みであり、YES1増幅SCLCへの開発は現実的な近道となりうる。また、血漿エクソソーム中のYES1タンパク質が腫瘍内発現と相関したことは、生検困難なSCLC患者における治療前スクリーニングや治療中モニタリングに非侵襲的手法として応用できる可能性を示唆し、臨床現場での有用性が期待される。

残された課題: 今後の検討課題として、前臨床モデルで示されたYES1阻害の有効性を臨床へ翻訳することが最優先される。YES1増幅または高発現を組入れ基準とした臨床試験(YES1 IHC/FISH陽性患者へのダサチニブまたは新規YES1選択的阻害薬)の設計が必要である。CH6953755は前臨床化合物であり、その臨床開発への道筋は未確立である。また、YAP1/Hippoシグナルとの軽度の関連が示された点は興味深いが、SCLCの分子サブタイプ(A、N、Y、P)とYES1阻害の有効性との関連については、さらなる詳細な検討が必要である。本研究ではサブタイプ別の有効性差は統計的に評価されておらず、サブタイプ選択的な治療応答は今後の検討課題である。

方法

患者コホートと倫理承認: SCLC患者の臨床検体として、Biomax社製の組織マイクロアレイ(TMA、n=50)と、スペインの複数の病院(Hospital Universitario 12 de Octubre、MD Anderson Cancer Center Madrid、Hospital Universitario Fundacion Jimenez Diaz)から収集された独自コホート(OMFコホート、n=80)の合計130症例を用いた。エクソソーム解析には、SCLCおよびNSCLC患者の血漿と対応する腫瘍組織を用いた。本研究は各施設の倫理委員会によって承認され、全患者から書面によるインフォームドコンセントを得た。

YES1遺伝子コピー数変異(CNV)評価: ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織検体に対し、FISH(fluorescence in situ hybridization)法を用いてYES1遺伝子CNVを評価した。YES1/CEN18qプローブ(Abnovas, FG0035)を使用し、少なくとも50個の細胞核におけるFISHシグナルをNikon E800顕微鏡で計数した。CNVは、セントロメアとYES1の平均CNVが2.5以上の場合をポリソミー、2.5以上でかつYES1/CEN18q比が2.0以上の場合を増幅と定義した。

免疫組織化学(IHC)および免疫蛍光: YES1タンパク質発現はIHC法により評価し、H-score(染色強度と陽性細胞の割合に基づくスコア)を算出した。H-scoreが150以上の場合を高発現と定義した。

細胞培養と安定発現細胞株の樹立: ヒトSCLC細胞株(DMS53、H209、H446、H82、H187、H1963、N417、CORL88、H1436、H69)をAmerican Type Culture Collection(ATCC)から入手し、推奨される培地と条件で培養した。YES1のサイレンシングは、ドキシサイクリン誘導性shRNA(sh1-YES1およびsh2-YES1)を用いて安定的にノックダウン細胞株を樹立した。対照としてshGFPを用いた。ルシフェラーゼ発現H209細胞株は、pLenti CMV V5-LUC Blastプラスミドを用いて樹立した。RCAN1.1の過剰発現は、テトラサイクリン誘導性pcw57.1プラスミドを用いて行った。

定量的リアルタイムPCRおよびウェスタンブロット: mRNA発現は定量的リアルタイムPCRで、タンパク質発現はウェスタンブロットで評価した。

細胞増殖、細胞周期、アポトーシスアッセイ: 細胞増殖はMTSアッセイおよびコロニー形成アッセイで評価した。細胞周期はBrdU/PI染色とフローサイトメトリーで解析した。アポトーシスはAnnexin V/SYTOX Green染色およびTUNELアッセイで評価した。

in vitro 3D腫瘍スフェロイド/オルガノイド形成アッセイ: SCLC細胞の3D腫瘍スフェロイド/オルガノイド形成能を評価した。ドキシサイクリンおよび薬剤(ダサチニブまたはCH6953755)を添加し、マトリゲル上で培養した。形成されたスフェロイド/オルガノイドの数とサイズを測定した。

in vivo実験: 全ての動物実験は、施設の動物倫理委員会によって承認された。

  • 異種移植モデル: DMS53(7×10^6個)またはH209(6×10^6個)のshRNA導入細胞を8週齢の雌Rag2-/-マウスの皮下に注射した。腫瘍が100mm^3に達した後、ドキシサイクリン(2μg/mL)を飲水に添加してshRNA発現を誘導した。
  • 転移モデル: ルシフェラーゼ発現H209 sh1-YES1細胞(500,000個)を8週齢の雌Rag2-/-マウスの尾静脈に心臓内注射した。ドキシサイクリン(0.5mg/日)を腹腔内投与し、生物発光イメージング(BLI)で転移を定量した。
  • 薬理学的阻害: H209、DMS53、またはH69細胞(10×10^6個)をヌードマウスに皮下注射し、ダサチニブ(45mg/kg、経口、週6日)またはYES1選択的阻害薬CH6953755(30mg/kg、経口、週3回)を投与した。
  • 患者由来異種移植(PDX)モデル: 患者由来腫瘍を皮下移植し、上記と同様にダサチニブまたはCH6953755を投与した。

エクソソーム単離と解析: 細胞培養上清、マウス血漿、患者血漿から超遠心法によりエクソソームを単離した。エクソソームは、Alix、TSG101、CD63、CD9などのマーカーのウェスタンブロット解析および電子顕微鏡観察により特性評価した。エクソソーム中のYES1タンパク質レベルをウェスタンブロットで検出した。

RNAシーケンスおよびバイオインフォマティクス解析: YES1ノックダウン細胞のトランスクリプトーム解析をRNAシーケンスで行い、遺伝子発現の変化を評価した。遺伝子セット濃縮解析(GSEA)を用いて、関連する経路を同定した。

統計解析: データの正規性はD’AgostinoまたはShapiro-Wilk検定で解析した。統計解析には、Student’s t検定、Mann-Whitney U検定、または二元配置分散分析(ANOVA)を用いた。データ相関はSpearmanまたはPearson検定で決定した。全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)のKaplan-Meier曲線における統計的差はログランク検定を用いて算出した。単変量および多変量解析はCox比例ハザードモデルを用いて行った。統計的有意性はp値が0.05未満と定義した。