- 著者: Han JY, Lee DH, Kim HY, Hong EK, Yoon SM, Lee JS
- Corresponding author: Jin-Soo Lee (National Cancer Center, Goyang, Korea)
- 雑誌: Medical Oncology
- 発行年: 2005
- Epub日: N/A
- Article種別: Original Article
- PMID: 16110139
背景
Extensive-disease small-cell lung cancer (ED-SCLC) の標準初期治療は、長年シスプラチンとエトポシド (PE) 療法であった。このPE療法は奏効率 (ORR) 60-70%、全生存期間中央値 (mOS) 8-10か月と、その効果は頭打ちの状態が続いていた。SCLC治療の進展のためには、新たな治療戦略と、既存薬の最適化が喫緊の課題であった。イリノテカンとシスプラチンの併用療法 (IP療法) は、単剤としての有望な活性、非重複性の毒性プロファイル、および異なる作用機序を持つことから、SCLCに対する魅力的なレジメンとして注目されていた。
複数の臨床試験がこの併用療法の有効性を支持しており、特に日本の研究グループによる第II相試験では、ED-SCLC患者においてIP療法が86%のORRと26%の完全奏効 (CR) 率を示し、mOSは13か月であったと報告された (Kudoh et al. 1998)。さらに、2002年に発表されたJCOG9511試験では、日本のNodaらが、IP療法がPE療法に対して統計学的に有意なOSの優越性 (12.8か月 vs 9.4か月、ハザード比 [HR] 0.60、p=0.002) を示すことを明らかにし、IP療法がED-SCLCの新たな標準治療候補として確立された (Noda et al. 2002)。
これらの研究では、イリノテカン60 mg/m²を1、8、15日目に、シスプラチン60 mg/m²を1日目に投与する4週サイクルが用いられ、イリノテカンがシスプラチンより先に投与されることが多かった。しかし、IP療法の最適な用量とスケジュールは未解明であり、さらなる検討が必要とされていた。化学療法の用量強化がSCLCの治療成績を改善する可能性は議論の余地があるものの、依然として研究の価値があると考えられていた。用量強化は、サイクルあたりの化学療法薬の用量を増やすか、または用量密度、すなわち投与間隔を短縮することによって達成できる。
前臨床研究では、イリノテカンとシスプラチンの併用において、シーケンス依存性の細胞毒性が観察されており、同時投与がより活性が高いとする報告や、シスプラチン後にイリノテカンを投与する方が最も活性が高いとする報告が存在した (Fukuda et al. 1996; Ma et al. 1998)。ヒトSCLC細胞では、シスプラチンとイリノテカンの相乗効果が、シスプラチン-DNA付加体のDNA修復の減少を伴うことが示された (Fukuda et al. 1996)。また、シスプラチンはイリノテカンの活性代謝物であるSN-38のトポイソメラーゼI阻害活性を増強する可能性も示唆されていた (de Jonge et al. 2000)。これらの前臨床データに基づき、シスプラチン投与後に同日イリノテカンを投与するシーケンスが最も相乗的な抗腫瘍活性を発揮すると仮説が立てられた。
本研究は、従来のIP療法よりも高い用量密度と用量強度を目指し、イリノテカンとシスプラチンの週1回同時投与による用量強化レジメンの有効性と安全性を評価する第II相試験として計画された。特に、韓国の患者集団における本レジメンの臨床的意義と、既存の治療法と比較した優位性を検証することが目的であった。従来の治療法では奏効率やCR率が不足しており、より強力な初期治療が求められていた背景がある。
目的
本研究の目的は、未治療の進展型小細胞肺がん (ED-SCLC) 患者を対象に、用量強化された週1回同時投与のシスプラチンおよびイリノテカン併用レジメンの有効性(客観的奏効率 [ORR]、完全奏効 [CR] 率、無増悪生存期間 [PFS]、全生存期間 [OS])と安全性(毒性プロファイル)を評価することである。さらに、CR達成が患者の予後に与える影響を検討し、本レジメンの臨床的有用性と、将来的なSCLC治療戦略における位置づけを明らかにすることを目指した。特に、従来の標準治療やIP療法と比較して、用量強化による奏効の改善と、それに伴う生存期間の延長の可能性を探ることを重要な目的とした。
結果
患者背景と治療実施状況: 2001年10月から2003年2月までに合計37名の患者が登録された。全患者が毒性評価の対象となった。奏効評価からは3名の患者が除外された。内訳は、1名が初回投与後に患者の希望により治療を拒否したため、2名が初回投与後2週間以内の早期死亡であったためである。早期死亡の1名はコース1の20日目に発熱性好中球減少症を伴う敗血症で死亡した。もう1名のECOG PS 3の患者は、コース1の11日目に肝腎不全で死亡したが、これは治療薬とは関連がないと判断された。この患者は韓国の伝統的な薬草であるニレの樹皮エキスを服用していた既往があり、それが肝腎不全を合併することが報告されている (Yoon et al. 2003)。登録された37名の患者特性は、男性29名(78%)、女性8名(22%)であった。年齢中央値は62歳(範囲37-82歳)で、21名(57%)が60歳以上であった。ECOG PSは、PS 0または1が21名(57%)、PS 2または3が16名(43%)であった。遠隔転移部位数は、0部位が11名(30%)、1部位が14名(38%)、2部位が7名(19%)、3部位以上が5名(13%)であった (Table 1)。
治療実施状況と用量強度: 投与されたサイクル数の中央値は6サイクル(範囲1-6サイクル)であり、25名の患者が6サイクルの化学療法を完遂した。治療投与は、その後の183サイクル中79サイクル(43%)で中央値7日間遅延した。サイクル遅延の最も一般的な原因は好中球減少症(43サイクル、54%)であった。さらに79サイクル(43%)で用量減量が必要となり、主な原因は好中球減少症(48サイクル)と下痢(4サイクル)であった。用量レベルIにおける平均実効用量強度 (DI) は、シスプラチンで23.0 mg/m²/週(計画用量の69.1%)、イリノテカンで44.2 mg/m²/週(計画用量の73.6%)であった。用量レベルIIでは、平均実効DIはシスプラチンで20.0 mg/m²/週(計画用量の74.5%)、イリノテカンで40.0 mg/m²/週(計画用量の74.1%)であった。
主要評価項目(奏効率): 評価可能な34名の患者のうち、9名(26%)が完全奏効 (CR) を達成し、24名(71%)が部分奏効 (PR) を達成した。病勢進行 (PD) を示した患者はわずか1名(3%)であった。したがって、全奏効率 (ORR) は97% (95% CI 91.3-100%) と極めて高い値を示した (Table 3)。奏効期間の中央値は6.4か月(範囲1.6-13.1か月)であった。この奏効率とCR率は、従来のPE療法(ORR 60-70%、CR 10-15%)やNoda et al. NEnglJMed 2002のIP療法(ORR 84.4%、CR 2.5%)と比較して著しく高く、本用量強化週1回レジメンの強力な腫瘍縮小効果を実証した。
生存成績: 中央値27.3か月の追跡期間において、全生存期間中央値 (mOS) は11.1か月 (95% CI 9.2-13.0か月) であった。1年生存率は44.1% (95% CI 27.4-60.8%)、2年生存率は11.8% (95% CI 1.0-22.6%) であった。無増悪生存期間中央値 (mPFS) は6.0か月(範囲1.5-13.1か月)であり、1年PFS率は7.0% (95% CI 0.0-16.3%) であった (Figure 1)。mOS 11.1か月は、Noda et al. NEnglJMed 2002のIP療法におけるmOS 12.8か月と比較して同等であり、統計的な優越性は認められなかった。
予後因子解析: 生存を予測する因子を特定するため、複数の前治療前特性と治療に対する最良奏効が単変量および多変量Cox比例ハザードモデルで解析された。最終的な多変量モデルでは、CR達成がより良好な生存の唯一の独立予後因子であることが示された (HR 2.427, 95% CI 1.309-6.677, p=0.03)。CR達成患者(n=9)のmOSは19.4か月 (95% CI 17.0-21.9か月) であったのに対し、PR患者(n=24)のmOSは10.4か月 (95% CI 8.4-12.5か月) であった (Figure 2)。PSと脳転移は、統計的に有意ではないものの、生存をわずかに予測する傾向を示した(それぞれp=0.05およびp=0.06)。CR達成を予測する因子を特定するため、前治療前特性、用量強度、サイクル数、サイクル間隔を含む単変量および多変量ロジスティック回帰モデルが解析されたが、この小規模な患者群では統計的に有意な因子は見出されなかった (Table 4)。
安全性(毒性プロファイル): 血液毒性が本研究で最も頻繁に観察された毒性であった (Table 2)。グレード3または4の好中球減少症は、用量レベルIの6名中5名(83%)および用量レベルIIの31名中28名(90%)で発生した。発熱性好中球減少症 (FN) は、用量レベルIの6名中3名(50%)および用量レベルIIの31名中6名(19%)で発生した。予防的なG-CSF投与は行われず、発熱時またはグレード4好中球減少症時に治療的にG-CSFが投与された。グレード3または4の貧血は、用量レベルIの6名中3名(50%)および用量レベルIIの31名中19名(61%)で観察された。赤血球輸血は、用量レベルIの6名中2名(33%)および用量レベルIIの31名中8名(26%)で実施された。血小板減少症は比較的少なく、血小板輸血を必要とした患者はいなかった。
非血液毒性で最も顕著であったのは下痢であった (Table 2)。全体で10名(27%)の患者がグレード3の下痢を合併した。これには用量レベルIの2名と用量レベルIIの8名が含まれる。しかし、グレード3または4の悪心・嘔吐は比較的まれであり、用量レベルIIで3名のみであった。脱毛症は軽度であり、グレード2の脱毛症を示したのは11名(30%)のみであった。
本研究では3名の治療関連死が発生した。用量レベルIで2名、用量レベルIIで1名である。1名の患者はコース5の6日目に、重度の下痢に関連する電解質異常による心不整脈で死亡した。他の2名の患者は、コース1の20日目とコース2の42日目に、好中球減少症を伴う敗血症で死亡した。これらの治療関連死は、用量強化レジメンの安全性に関する懸念を浮き彫りにした。
患者のPSと年齢が毒性の重症度に影響するかどうかも評価された。70歳以上の患者は、グレード3または4の好中球減少症(100% [5/5] vs 81.2% [26/32])および下痢(60% [3/5] vs 18.8% [6/32])の発生率が高い傾向にあった。PS 2または3の患者も、グレード3または4の好中球減少症(75.0% [12/16] vs 52.3% [11/21])および下痢(87.5% [14/16] vs 66.7% [14/21])の発生率が高い傾向にあった。しかし、患者数が少ないため、統計的に有意な差は認められなかった。
Post-protocol治療: 進行後にサルベージ化学療法を受けた患者は33名の奏効患者中23名(70%)であった。そのうち15名が、本研究と同じ週1回シスプラチンとイリノテカンレジメンをサルベージ療法として受け、6名(40%)が部分奏効を経験した。
考察/結論
本第II相試験は、未治療のED-SCLC患者において、用量強化された週1回同時投与のシスプラチンおよびイリノテカンレジメンが、97%という極めて高い客観的奏効率 (ORR) と26%の完全奏効 (CR) 率を達成することを示した。この奏効率は、従来のシスプラチン+エトポシド (PE) 療法や、日本のJCOG9511試験で報告された標準的なイリノテカン+シスプラチン (IP) 療法と比較しても著しく高いものであった。特にCR率の高さは、本レジメンが強力な初期腫瘍縮小効果を持つことを明確に示している。
しかしながら、全生存期間中央値 (mOS) は11.1か月であり、Noda et al. NEnglJMed 2002で報告された標準IP療法の12.8か月と同等にとどまり、統計的な優越性は認められなかった。この結果は、高い初期奏効率が必ずしも長期生存の改善に直結しないというSCLCの生物学的特性を浮き彫りにするものである。本研究で達成された高いCR率が、多変量解析において独立した予後良好因子 (HR 2.427, 95% CI 1.309-6.677, p=0.03) であったことは注目に値する。CR達成群のmOSは19.4か月と、PR群の10.4か月と比較して有意に良好であった。このことから、CR達成が長期生存の決定的な因子であることが示唆される。
先行研究との違い: 本研究は、従来のIP療法がイリノテカンを1、8、15日目に、シスプラチンを1日目に投与する4週サイクルであったのに対し、シスプラチンとイリノテカンを3週サイクルの1日目と8日目に同日投与する、より用量強化された週1回レジメンを採用した点でこれまでと異なる。また、シスプラチンをイリノテカンより先に投与するシーケンスを採用した点も、先行研究とは対照的である。この用量強化とシーケンスの変更により、従来のIP療法と比較して著しく高いCR率 (26% vs 2.5%) を達成したことは、本レジメンの強力な抗腫瘍活性を示す新規な知見である。
新規性: 本研究は、未治療ED-SCLC患者において、用量強化された週1回同時投与のシスプラチンおよびイリノテカンレジメンの有効性と安全性を評価した初めての第II相試験である。特に、97%という極めて高いORRと26%のCR率を達成したことは、本研究で初めて示された強力な腫瘍縮小効果であり、SCLC治療における用量強化戦略の可能性を新規に提示した。また、CR達成が独立した予後良好因子であることを明確に同定した点も、これまで報告されていない重要な知見である。
臨床応用: 本研究の結果は、用量強化戦略がSCLCにおいて強力な初期腫瘍縮小効果をもたらす可能性を示唆するものである。しかし、その高い毒性プロファイルと、標準IP療法と同程度のmOSであったことから、本レジメンをそのまま臨床現場に導入するには慎重な患者選択と、より効果的な支持療法が不可欠である。特に、CR達成が長期生存に寄与するという知見は、SCLC治療においてCRを目指すことの臨床的意義を強調する。将来的な臨床応用としては、UGT1A1遺伝子多型スクリーニングによるイリノテカン個別化用量設定や、G-CSFの一次予防的投与、より効果的な抗下痢薬の使用など、支持療法の最適化が考えられる。
残された課題: 本研究は、用量強化戦略の限界を明確に示した研究であり、単純な用量増加だけでは必ずしも生存期間の改善につながらないことを示唆している。今後の検討課題として、以下の点が挙げられる。(1) UGT1A1*28多型などの遺伝子多型に基づいたイリノテカン用量の個別化により、毒性を軽減しつつ有効性を維持する戦略の確立。(2) G-CSFの一次予防的投与の系統的導入による好中球減少症および発熱性好中球減少症の発生率低減。(3) 免疫チェックポイント阻害薬(アテゾリズマブやデュルバルマブなど)が標準治療となった現在のSCLC治療において、用量強化化学療法と免疫療法の併用戦略の開発。(4) CR達成群における維持療法戦略(ICI維持療法、ルルビネクテジン維持療法など)の検討。(5) 韓国やアジア集団特有の薬物動態や毒性プロファイルを考慮した最適な用量設定のさらなる最適化。本研究は2000年代初期のSCLC化学療法強化の試みとして歴史的意義を持ち、現在の化学免疫療法時代の出発点となる重要な対照データを提供したと言える。
方法
デザイン: 本研究は、単群オープンラベルの第II相臨床試験として実施された。単一施設(韓国国立がんセンター)で、2001年10月から2003年2月にかけて患者登録が行われた (NCT N/A)。本試験は、用量設定の段階で2つの用量レベルを設定するデザインを採用した。
対象患者: 組織学的に確定されたED-SCLC患者が対象とされた。主要な適格基準は以下の通りである。(1) 組織学的にSCLCが確認されていること。(2) 広範な病期(ED-SCLC)であること。これは、片側の胸郭を超えて病変が広がっているか、対側の縦隔・肺門リンパ節、同側の鎖骨上リンパ節、または胸水に陽性細胞が認められる場合と定義された。(3) ECOGパフォーマンスステータス (PS) が3以下であること。(4) 年齢が18歳以上であること。(5) 十分な骨髄機能(白血球数 ≥ 4000/µL、血小板数 ≥ 100,000/µL)、肝機能(ビリルビン ≤ 1.5 mg/dL)、腎機能(クレアチニン ≤ 1.5 mg%)を有すること。(6) 少なくとも1つの二次元的に測定可能な病変があること。(7) 活動性の感染症がないこと。(8) 事前の化学療法、放射線療法、手術歴がないこと。(9) 過去6か月以内に心筋梗塞の既往がないこと。(10) うっ血性心不全または重篤な不整脈がないこと。(11) 皮膚がんを除く二次がんの既往がないこと。脳転移を有する患者も、有意な神経症状がない限りは適格とされた (Lee et al. 1989)。全ての患者は書面によるインフォームドコンセントを提出し、本研究は施設倫理委員会によって承認され、ヘルシンキ宣言およびGCPガイドラインに従って実施された。
治療レジメン: シスプラチンは150 mLの生理食塩水に希釈され、60分間の静脈内投与が行われた。その後、イリノテカンは5%ブドウ糖水溶液に希釈され、90分間の静脈内投与が同日に行われた。投与は3週サイクルの1日目と8日目に実施された。シスプラチン投与前には、1000 mLの5%ブドウ糖生理食塩水または生理食塩水による2時間の静脈内水分補給がルーチンで実施された。制吐剤として、デキサメタゾン20 mgとオンダンセトロン8 mgがシスプラチン投与30分前にルーチンで投与された。治療は外来で行われた。
本研究では、用量設定の段階で2つの用量レベルが設定された。最初の6名の患者は用量レベルI(シスプラチン50 mg/m²、イリノテカン90 mg/m²を3週サイクルの1日目と8日目に投与)で治療された。この用量レベルで、1例の治療関連死(重度の下痢に続く低カリウム血症による不整脈)、3例の発熱性好中球減少症が発生したため、その後の31名の患者ではイリノテカンとシスプラチンの用量をそれぞれ80 mg/m²と40 mg/m²に減量し、用量レベルIIとして治療が継続された。
用量レベルIIの患者には、イリノテカン誘発性の遅発性下痢を予防するため、経口アルカリ化療法と排便コントロール治療がルーチンで実施された (Takeda et al. 2001)。これはイリノテカン点滴開始日から4日間継続された。経口アルカリ化療法は、重炭酸ナトリウムと酸化マグネシウム(各0.5 g)を毎食後および就寝前に1日合計4回経口投与することを含んだ。ウルソデオキシコール酸 (UDCA: Ursodeoxycholic acid) 100 mgは食後に1日3回経口投与され、pH7.2以上のアルカリ水が1日1500-2000 mL継続的に摂取された。便秘を予防し、1日1回以上の排便を確保するため、酸化マグネシウムが最大4.0 g/日まで、アルカリ水が最大2000 mL/日まで投与された。経口アルカリ化および排便コントロール中に水様性下痢を経験した患者では、症状が解決するまで酸化マグネシウムは中止された。イリノテカン投与中または投与後1時間以内に発生したコリン作動性症状は、アトロピン(1 mgまたは必要に応じて)で治療された。遅発性下痢の治療にはロペラミドが処方され、患者は下痢の最初の兆候(不完全便または軟便、または通常の排便回数より1-2回多い場合)でロペラミドを4 mg服用し、その後下痢が12時間以上停止するまで2時間ごとに2 mgを服用するよう指示された。夜間は4時間ごとに4 mgの服用が許可された。
用量調整: 治療サイクル中、予定された治療日に白血球数 < 3 × 10⁹/L、好中球絶対数 (ANC) < 1 × 10⁹/L、血小板数 < 100 × 10⁹/L、またはグレード2以上の非血液毒性が存在する場合、シスプラチンとイリノテカンの両方が1週間延期された。次の化学療法サイクルに進むには、十分な白血球数 (≥ 3 × 10⁹/L) および血小板数 (≥ 100 × 10⁹/L)、血清クレアチニン濃度 < 1.5 mg/dL、および非血液毒性の完全回復が必要とされた。シスプラチン用量は治療中に調整されなかった。血清クレアチニン濃度が1.5 mg/dLを超えた場合、全ての化学療法は1週間中止され、血清クレアチニン濃度が1.5 mg/dL以下に戻った場合に治療が再開された。
評価項目: 主要評価項目は客観的奏効率 (ORR) であり、WHO基準 (World Health Organization 1979) に基づいて評価された。副次評価項目には、CR率、PFS、OS、および毒性(NCI-CTC v2.0)が含まれた。
統計解析: サンプルサイズはSimonの2段階ミニマックスデザイン (Simon 1989) に基づいて計算された。目標ORRを80%、関心のないORRを60%とし、検出力0.80、片側有意水準0.05で、34名の評価可能な患者の登録が計画された。少なくとも1コースの治療を受けた全ての患者が毒性評価の対象とされた。奏効評価には、少なくとも1サイクル治療を受けた患者のみが含まれた。奏効率は、奏効した患者数と腫瘍奏効が評価可能な患者数の比率として算出された。奏効期間および生存期間は、Kaplan-Meier法 (Kaplan and Meier 1958) を用いて推定された。生存期間は治療開始日から死亡日までとされ、生存中の患者は最終確認生存日までデータが記録された。奏効期間は、全ての奏効患者について、初回治療日から病勢進行が確認された日までとされた。生存期間の信頼区間 (CI) はGreenwoodの分散式を用いてKaplan-Meier推定値の周囲に構築され、奏効率の95% CIは正確二項信頼区間法を用いて計算された(SPSSソフトウェア、バージョン9.0)。用量強度 (DI) はHryniuk and Bush (1984) の方法を用いて計算された。前治療前の患者特性は、客観的奏効を予測する能力について単変量および多変量ロジスティック回帰モデルで解析され、生存を予測する能力について単変量および多変量Cox比例ハザードモデルで解析された。多変量モデルはステップワイズ変数選択法を用いて構築された。全ての解析はSAS/STAT User’s Guide version 8.2 for Windows (SAS Institute, Cary, NC) を用いて実施された。