- 著者: Saskia C.C.M. Teunissen, Wouter Wesker, Carmen Kruitwagen, Hans C.J.M. de Haes, Els G. Voest, Antoinette de Graeff
- Corresponding author: Saskia C.C.M. Teunissen (University Medical Center Utrecht)
- 雑誌: Journal of Pain and Symptom Management
- 発行年: 2007
- Epub日: 2006-12-01
- Article種別: Review (Systematic Review)
- PMID: 17509812
背景
治癒不能がん患者は疾患経過を通じて多様な身体的・心理的症状を経験するが、症状の種類と有病率は研究により大きく異なることが知られていた。緩和ケアの質的向上・症状管理の計画立案のためには、症状有病率の包括的なエビデンスが必要であった。先行研究は単一施設・単一癌種・特定の症状のみを対象とすることが多く、患者数が少なく選択バイアスも大きかった。世界保健機関 (WHO) は緩和ケアを「生命を脅かす疾患に直面する患者・家族に対し、疼痛その他の身体的・心理社会的・スピリチュアルな問題の予防と苦痛の緩和を通じて生活の質を向上させるアプローチ」と定義しており、症状の正確な把握は緩和ケア提供者が最も頻度の高い症状に注意を向け、ケア計画を立て、医療ニーズを評価するために不可欠とされる。しかし、治癒不能がん全体を対象とした系統的なデータが不足していた。
過去の研究では、がん患者の症状有病率に関する報告は多数存在するものの、その多くは特定の癌種や治療段階に焦点を当てたものであった。例えば、肺がん患者における呼吸困難の有病率や、消化器がん患者における悪心・嘔吐の有病率など、個別の症状や癌種に特化した研究は一定の知見を提供してきた。しかし、治癒不能がん患者全体を対象とした包括的な症状プロファイルを明らかにするための大規模な系統的レビューは不足しており、異なる研究間の結果を比較・統合することの困難さが指摘されていた。このような状況では、緩和ケアのガイドライン策定や臨床実践において、どの症状に優先的に介入すべきかという問いに対する明確なエビデンスが不足していたのである。
また、症状の評価方法も研究間で一貫性がなく、問診票、標準化面接、診療録など多様な方法が用いられてきた。これらの評価方法の違いが症状有病率の推定に与える影響についても、十分に検討されていなかった。例えば、患者が自ら記入する問診票と、医師や看護師による面接や診療録の記録では、患者が訴える症状の種類や頻度が異なる可能性が指摘されていた。このような方法論的な異質性は、異なる研究結果を統合する上での大きな課題であり、信頼性の高い有病率の推定を妨げる要因となっていた。Portenoy et al. (1994) はがん患者における症状の有病率、特性、苦痛度について報告し、症状評価の重要性を強調している。また、Chang et al. (2000) はエドモントン症状評価尺度 (Edmonton Symptom Assessment Scale) の妥当性を検証し、症状評価の標準化の必要性を示唆した。しかし、これらの研究を含め、治癒不能がん患者全体を対象とした包括的な症状プロファイルを明らかにするための大規模な系統的レビューは不足しており、異なる研究間の結果を比較・統合することの困難さが指摘されていた。
さらに、疾患の進行度合い、特に終末期における症状プロファイルの変化についても、系統的なデータが不足していた。患者が死亡に近づくにつれて、症状の種類や強度、有病率がどのように変化するのかを理解することは、終末期ケアの計画立案において極めて重要である。しかし、終末期に特化した症状有病率に関する研究は少なく、その結果も断片的であった。Reuben et al. (1988) は終末期がん患者の臨床症状と生存期間の関係を調査したが、症状の有病率の経時的変化については未解明な点が多かった。これらの知識のギャップを埋めることは、患者の苦痛を軽減し、生活の質を向上させるための個別化された緩和ケアを提供するために不可欠であった。本研究は、これらの課題に対処し、治癒不能がん患者の症状有病率に関する包括的かつ信頼性の高いエビデンスを提供することを目的とした。
目的
治癒不能がん患者における症状有病率を系統的レビューによって包括的に評価し、治療全経過 (Group 1) および死亡前1-2週間の終末期 (Group 2) における症状プロファイルを明らかにすること。さらに評価方法 (問診票・標準化面接・診療録) ・性別・年齢・診断名が症状有病率に与える影響を副次的に検討すること。
本研究の主要な目的は、治癒不能がん患者が経験する多様な症状の有病率について、既存の文献を系統的に統合し、信頼性の高い推定値を得ることであった。これにより、緩和ケアの提供者が最も頻繁に遭遇する症状を特定し、それらに焦点を当てたケア計画を立案するための基礎情報を提供することを目指した。特に、疾患の進行度合いによって症状プロファイルがどのように変化するかを明らかにすることは、患者の病期に応じた適切な介入を検討する上で重要であると考えられた。
副次的な目的としては、症状の評価方法が有病率の推定に与える影響を詳細に分析することが挙げられる。問診票、標準化面接、診療録といった異なる評価方法が、特定の症状の報告頻度にどのような差異をもたらすのかを明らかにすることで、将来の研究における症状評価ツールの選択や、臨床現場での症状スクリーニングの最適化に貢献することを目指した。また、患者の性別、年齢、および原発腫瘍の種類といった患者特性が症状有病率に与える影響についても検討し、個別化された緩和ケアの必要性を裏付けるエビデンスを収集することも目的とした。これらの目的を達成することで、治癒不能がん患者の苦痛を軽減し、生活の質を向上させるためのより効果的な緩和ケア戦略の開発に寄与することを目指した。
結果
包含研究の概要と患者特性: 最終的に46研究・n=26,223例が包含基準を満たした。一部の研究は同一患者集団を報告しており、統合後Group 1 (全経過) は40研究・n=25,074 (平均年齢65歳、設定:ホスピス入院45%・病院入院25%・外来16%・在宅4%)、Group 2 (死亡前1-2週間) は6研究・n=2,219 (平均年齢64歳、ホスピス入院51%・在宅14%) となった。腫瘍種はGroup 1では胃腸癌17%・不明29%・肺癌13%・乳癌9%の順、Group 2では胃腸癌26%・肺癌25%・乳癌11%の順であった (Table 1)。両グループとも全Q検定が有意であり、高度の研究間異質性が確認された。Group 1の患者集団は、主にホスピス入院患者と病院入院患者で構成され、外来患者や在宅患者も含まれていた。Group 2の患者集団は、より終末期に特化したホスピス入院患者が中心であった。これらの患者特性の差異は、症状有病率の比較解析において考慮すべき点である。
Group 1 (全経過) :37症状のプール有病率: 5研究以上で評価された症状は37種類 (評価研究数の範囲5〜40) で、ほぼ全ての症状が患者の10%以上に認められた。有病率50%超の症状 (上位5症状) は以下の通りであった:倦怠感74% (95% CI 63–83%、17研究・n=6,727)、疼痛71% (95% CI 67–74%、37研究・n=21,917)、エネルギー不足69% (95% CI 57–79%、6研究・n=1,827)、筋力低下60% (95% CI 51–68%、18研究・n=14,910)、食欲不振53% (95% CI 48–59%、37研究・n=23,112) (Table 2)。これらの症状は、治癒不能がん患者のQOLに最も大きな影響を与える主要な症状であると考えられる。特に倦怠感と疼痛は、ほぼ全ての研究で高頻度に報告されており、緩和ケアにおける優先的な介入対象となることが示唆された。
続いて有病率30〜50%の症状として、不安傾向 (nervousness) 48% (95% CI 39–57%)、体重減少46% (95% CI 34–59%)、口腔乾燥40% (95% CI 29–52%)、抑うつ気分39% (95% CI 33–45%)、便秘37% (95% CI 33–40%)、心配 (worrying) 36% (95% CI 21–55%)、不眠36% (95% CI 30–43%)、呼吸困難35% (95% CI 30–39%)、悪心31% (95% CI 27–35%)、不安 (anxiety) 30% (95% CI 17–46%)、易刺激性30% (95% CI 22–40%) が続いた。さらに腹部膨満29%、咳嗽28%、認知症状28%、早期満腹感23%、味覚変化22%、口腔内炎症20%、嘔吐20%、傾眠20%、浮腫19%、排尿症状18%、めまい17%、嚥下障害17%、錯乱16%、出血15%、神経症状15%、嗄声14%、消化不良12%、皮膚症状11%、下痢11%、瘙痒10%、しゃっくり7%であった。体重減少・口腔乾燥・心配・不安・早期満腹感・口腔内炎症では95% CIが20%超と広く、推定の不確かさが大きかった。これらの症状も患者の苦痛に寄与するが、有病率は上位5症状と比較して低い傾向にある。
Group 2 (終末期1-2週間) :26症状の有病率と全経過との比較: Group 2では6研究 (n=2,219) で26症状が評価された。50%超の症状は倦怠感88% (95% CI 12–100%、2研究・n=120)、体重減少86% (95% CI 77–92%、2研究・n=1,149)、筋力低下74% (95% CI 50–89%、3研究・n=477)、食欲不振56% (95% CI 13–92%、5研究・n=2,008) の4症状であった。呼吸困難39%、傾眠38%、口腔乾燥34%、神経症状32%、不安30%、便秘29%、錯乱24%も高い有病率を示した。一方、終末期における疼痛は45% (95% CI 32–59%)、悪心は17% (95% CI 8–31%)、排尿症状6% (95% CI 5–8%) と全経過より低値であった (Table 3)。終末期では倦怠感と体重減少が特に高頻度で認められ、患者の身体的衰弱が進行していることを示唆している。
Mann-Whitney U検定によるGroup 1とGroup 2の統計的比較では、体重減少がGroup 2でGroup 1より有意に多かった (86% vs 46%、p=0.023)。これは終末期における悪液質の進行を強く示唆する結果である。一方、疼痛 (45% vs 71%、p=0.004)、悪心 (17% vs 31%、p=0.047)、排尿症状 (6% vs 18%、p=0.017) はGroup 2で有意に少なかった。これらの症状の減少は、緩和ケアによる症状コントロールの成功、または患者の意識レベルの低下による自己報告能力の喪失が影響している可能性がある。他の症状については有意差が認められなかった (倦怠感p=0.506、筋力低下p=0.262、呼吸困難p=0.695、便秘p=0.747など)。
評価方法による有病率の差異: 26症状について評価方法別 (問診票17研究・標準化面接18研究・診療録8研究) の比較が可能であった。口腔乾燥 (p=0.008)、不眠 (p=0.018)、抑うつ気分 (p=0.044)、味覚変化 (p=0.043)、錯乱 (p=0.023)、瘙痒 (p=0.035) の6症状で評価方法間に有意差が認められた。これら6症状はいずれも問診票による評価で最も高い有病率を示した。具体的には口腔乾燥:問診票69% vs 標準化面接36% vs 診療録9%、不眠:問診票48% vs 標準化面接37% vs 診療録17%など顕著な差があった (Table 4)。問診票は患者が自ら記入するため、面接では報告しにくい症状も拾い上げやすいと考えられる。一方、疼痛・呼吸困難・悪心・嘔吐・便秘・皮膚症状については評価方法間に有意差がなく (いずれもp>0.05)、これらの症状は患者が自発的に訴えるか、医師・看護師によって日常的に評価されているためと考えられる。この結果は、症状評価ツールの選択が有病率の推定に大きな影響を与えることを示している。
性別・年齢・診断別の解析: 性別差を検討した6研究では、嚥下障害と不眠が男性でより多く、悪心・嘔吐が女性でより多い傾向が認められた (いずれも複数研究で一貫した傾向)。年齢と症状の関係を検討した4研究では、疼痛と嚥下障害が高齢になるほど少なくなる傾向が認められた (少なくとも2研究で一致)。ただし性別・年齢のいずれの解析も診断名による補正が実施されておらず、確定的な結論を導くことはできない。癌種別の傾向として、肺癌患者では咳嗽・呼吸困難の割合が他の癌種より高く、胃腸癌では悪心・嘔吐・腹痛が多い傾向があった (個別研究のデータより)。これらの知見は、特定の患者群における症状管理の個別化の必要性を示唆するが、さらなる研究が必要である。例えば、肺癌患者に対する緩和ケアでは、呼吸器症状への重点的な介入が求められる。
症状のカテゴリー分類に関する考察: 本レビューでは、異なる研究で多様に表現された症状を統合するために、症状のカテゴリー分類を行った。例えば、「倦怠感」には「疲労」や「だるさ」が含まれ、「エネルギー不足」や「筋力低下」と区別された。しかし、これらの症状は臨床的には重複する部分が多く、患者の主観的な訴えも多様であるため、厳密な区別は困難であった。同様に、「不安」と「抑うつ気分」も、複数の関連用語を統合して分類された。このような分類は、プール有病率の算出には不可欠であったが、症状の定義の曖昧さが研究間の異質性の一因となっている可能性が示唆された。特に、95% CIが20%を超える症状(例:体重減少、口腔乾燥、心配、不安、早期満腹感、口腔内炎症)では、この分類の不確かさが有病率の推定精度に影響を与えていると考えられる。
終末期における症状プロファイルの特異性: Group 2(終末期)の分析では、体重減少がGroup 1と比較して有意に増加した一方で、疼痛、悪心、尿路症状が有意に減少するという興味深い結果が得られた。体重減少の増加は、終末期における悪液質の進行を強く示唆するものであり、栄養サポートや悪液質に対する早期介入の重要性を強調する。一方、疼痛や悪心の減少は、緩和ケアによる症状コントロールの成功、あるいは患者の意識レベルの低下や自己報告能力の喪失による過小評価の可能性が考えられる。終末期患者では、せん妄や意識障害が頻繁に発生するため、症状の自己報告が困難になる場合がある。このため、終末期の症状評価には、患者の自己報告だけでなく、家族や医療従事者による観察、および客観的な指標を組み合わせた多角的なアプローチがより重要であると考えられる。
考察/結論
本系統的レビューは治癒不能がん患者の症状有病率に関する初の包括的な系統的レビューであり、46研究・n=26,223例という大規模な統合によって選択バイアスとサンプルサイズの影響を最小限に抑えた点で重要な意義を持つ。倦怠感・疼痛・食欲不振が全経過を通じて最も多く経験される症状であり (いずれも有病率50%超)、緩和ケアの主要介入対象であることが改めて確認された。
先行研究との違い: これまでの多くの研究が単一施設や特定の癌種に限定されていたのに対し、本研究は広範な治癒不能がん患者集団を対象とし、多様な評価方法や疾患経過段階を横断的に分析した点で、これまでの報告と異なる包括的な視点を提供している。特に、終末期における症状プロファイルの変化を定量的に比較した点は、先行研究では十分に検討されていなかった側面である。これにより、疾患の進行に伴う症状の動態に関する新規な知見が得られた。
新規性: 本研究で初めて、治癒不能がんの全経過と終末期における症状有病率の統計的に有意な変化を明らかにした。体重減少が終末期に急増する (46%→86%、p=0.023) という知見は、悪液質・栄養障害が死亡前期に加速することを示しており、早期からの悪液質介入の重要性を支持する。一方、終末期に疼痛 (45% vs 71%、p=0.004)・悪心 (17% vs 31%、p=0.047) の報告率が有意に低下するという反直観的な結果は、患者の自己報告能力の低下 (意識障害・終末期錯乱) または緩和ケアによる症状コントロールの改善を反映する可能性があり、解釈には注意が必要である。これらの結果は、終末期ケアにおける症状管理戦略の再考を促す新規な示唆を与える。
臨床応用: 本知見は、緩和ケア実践において症状管理の優先順位を設定するための具体的な指針を提供する。倦怠感、疼痛、食欲不振といった高頻度症状への早期介入は、患者のQOL向上に直結すると考えられる。また、問診票による評価が口腔乾燥・不眠・抑うつ気分などで標準化面接・診療録より有意に高い有病率を示したことは、緩和ケアにおける標準化症状スクリーニングツールの重要性を示唆する。自己記入式問診票は患者が自ら考える時間・機会を持つため、面接では言い出しにくい症状を拾い上げることができ、臨床現場での症状評価の精度向上に貢献する。これにより、より個別化されたケアの提供が可能となる。
残された課題: 今後の検討課題として、各研究間での症状定義・測定ツール・患者集団の高度な異質性 (全Q検定が有意) が挙げられる。倦怠感・エネルギー不足・筋力低下、不安・抑うつ気分などのカテゴリー分類は恣意的な判断を含み、有病率数値に影響する可能性がある。また、個別患者データが入手できなかったため、性別・年齢の影響についての結論は限定的である。終末期研究が6件しか含まれていないため、Group 2の推定値の信頼区間は極めて広く (倦怠感95% CI 12–100%など)、終末期の症状変化に関する結論は暫定的なものにとどまる。これらの限界を克服するためには、より大規模で標準化された前向きコホート研究が必要である。さらに、症状の強度や苦痛度に関するデータが不足しており、単なる有病率だけでなく、患者の生活の質に与える影響を評価する研究が今後の方向性として重要である。
方法
MEDLINE、EMBASE、CINAHL (Cumulative Index to Nursing and Allied Health Literature) の電子データベースを系統的に検索し、英語論文に限定した。検索期間は設定せず、関連する全ての論文を対象とした。文献のスクリーニングとデータ抽出は、複数の著者 (WW、ST、AdG) が独立して行い、意見の不一致は議論によって解決した。
複数の除外基準を適用した。具体的には、原著論文でないもの、単一の特定症状のみを評価し他の症状の有病率データがないもの、代理評価 (proxy assessment) による症状評価を行ったもの、症状の強度のみを報告し有病率データがないもの、がん以外の患者が10%を超えて含まれる研究でかつ診断別のデータが提供されていないもの、根治的治療中または治療後の患者を含む研究は除外した。症状の有病率データは、対象の10% (5研究) 以上の研究で評価された症状のみを集計対象とした。これにより、報告頻度の低い症状や、特定の研究に偏った症状の過大評価を防ぐことを意図した。
抽出されたデータは、治癒不能がん患者の治療全経過における症状有病率を評価した研究 (Group 1) と、死亡前1-2週間の終末期における症状有病率を評価した研究 (Group 2) に分けて解析した。同一研究内で異なる時点で症状が評価されている場合、Group 1にはベースラインデータのみを使用し、Group 2には死亡前1-2週間の最終評価データを使用した。
統計解析には、各症状の有病率をlog oddsに変換し、ランダム効果モデルを用いてプール有病率と95%信頼区間 (CI) を算出した。この変換は、有病率データが正規分布に近似するようにするためである。研究間の異質性 (heterogeneity) はQ検定を用いて評価し、p<0.05を有意な異質性とした。Group 1とGroup 2間の症状有病率の比較には、ノンパラメトリック検定であるMann-Whitney U検定を使用した。これは、データが正規分布に従わない可能性や、グループ間のサンプルサイズの違いを考慮したためである。統計解析には、Statistical Package for the Social Sciences (SPSS) バージョン12.0とR統計パッケージ (R version 2.2.0, library “meta”) を使用した。統計的有意水準はp<0.05とした。
評価方法 (問診票、標準化面接、診療録) による有病率の差異を検討するためには、Kruskal-Wallis検定を用いて平均パーセンテージの差を検出した。性別、年齢、診断名が症状有病率に与える影響については、各研究の報告に基づき記述的に評価したが、個別患者データが利用できなかったため、多変量解析による詳細な検討は行えなかった。これらの方法論は、治癒不能がん患者の症状有病率に関する包括的かつ信頼性の高いエビデンスを収集するために設計された。