CHEK2 (Checkpoint Kinase 2 / CHK2)

一行要約

CHEK2 は ATM 下流の effector checkpoint kinase で、DNA 二本鎖切断時に活性化して p53・CDC25・BRCA1 をリン酸化し、細胞周期停止・DNA 修復・アポトーシスを制御する DNA-damage response (DDR) 因子。germline CHEK2 変異 (1100delC 等) は乳がん・前立腺がんを含む中等度浸透度のがん素因をもたらし、肺がん (特に never smoker の germline 解析) や DDR・ctDNA 解析の文脈で wiki に登場する。

主要エビデンス

メカニズム

DNA 二本鎖切断で ATM が活性化し CHK2 (CHEK2) を Thr68 でリン酸化、CHK2 が二量体化・自己リン酸化して活性化する。活性 CHK2 は CDC25A/C をリン酸化して分解/不活化し CDK 活性を抑えて G1/S・G2/M 停止を起こす。さらに p53 (Ser20) を安定化して p21・アポトーシスを誘導し、BRCA1 をリン酸化して相同組換え修復を促す。CHEK2 機能喪失は checkpoint 不全・genomic instability・修復異常を招き、発がん感受性を高める。

臨床位置づけ

germline CHEK2 病的変異は乳がん・前立腺がん等で中等度浸透度のがん素因として遺伝カウンセリング/サーベイランス対象。DDR 欠損は PARP 阻害・プラチナ感受性と関連しうるが BRCA に比べエビデンスは限定的。肺がんでは never smoker の germline 解析や ctDNA で検出される DDR 遺伝子の一つで、確立した治療標的というより素因・genomic instability マーカーとしての位置づけが中心。

Open Questions

  • CHEK2 変異が肺がんで PARP 阻害/プラチナ感受性を規定するか
  • germline CHEK2 キャリアの肺がんリスク・スクリーニング意義