- 著者: Schickwann Tsai, Steven J. Collins
- Corresponding author: Steven J. Collins (Program in Molecular Medicine, Fred Hutchinson Cancer Research Center, Seattle, WA 98104, USA)
- 雑誌: PNAS
- 発行年: 1993
- Epub日: 1993-05-03
- Article種別: Original Article
- PMID: 8394011
背景
レチノイン酸 (RA) は、ステロイド/甲状腺ホルモン受容体スーパーファミリーに属するレチノイン酸受容体 (RAR) を介して作用するリガンド誘導型転写因子である (Evans 1988)。RARにはα、β、γの3つのアイソフォームが存在し、特にRARα遺伝子は複数の造血系列で転写されることが知られている (Largman et al. 1989, de The et al. 1989)。急性前骨髄球性白血病 (APL) は、t(15;17) (q22;q12) 染色体転座によってPML-RARα融合遺伝子を保有する特徴的な白血病であり、薬理的用量のRA (1-10 μM) であるall-transレチノイン酸 (ATRA) 治療によって白血病細胞が成熟好中球へと分化誘導されるという臨床的にユニークな現象を示す (Borrows et al. 1990, Alcalay et al. 1991, de The et al. 1990)。このATRAによる分化誘導療法は1988年にHuangらによって確立され、APL治療に革命をもたらした。しかし、1993年当時、APLにおけるPML-RARαの分子病態機構(優性抑制、機能獲得、構成的活性化のいずれか)は未解明であり、また、正常な好中球の最終分化におけるRARαの直接的な遺伝学的役割も不明であった。この分野におけるRARの役割に関する知見が不足していた。
RAが正常好中球分化に果たす役割の研究には、血清中にRAが1-10 nMの生理的濃度で含まれるため、実験上の困難が伴う (DeRuyter et al. 1979)。血清からRAを除去する手法は存在するものの、同時に好中球の増殖や分化に重要な他の血清成分も除去してしまう可能性がある。この問題を回避し、RAの造血における役割を研究する代替アプローチとして、優性抑制活性を持つ変異型RAR構築体を用いて、造血前駆細胞の内因性RARの機能を抑制する方法が考えられた。このパラダイムの先駆けとして、v-erbA癌遺伝子産物が正常甲状腺ホルモン受容体の転写機能を抑制し、ニワトリ赤芽球の形質転換に寄与することが報告されている (Zenke et al. 1990, Damm et al. 1989)。v-ErbAのC末端の小さな欠失が、その優性抑制活性の大部分を担うと考えられていた (Sap et al. 1989)。
本研究では、Fred Hutchinson Cancer Research CenterのCollins研究グループが、このパラダイムに従い、C末端に小さな欠失を持つ403アミノ酸の短縮型RARα (RARα403) を構築し、その優性抑制機能を利用した。このRARα403は、DNA結合ドメインと二量体化ドメインを保持するが、転写活性化能を欠損している。先行研究 (Tsai et al. 1992) では、この優性抑制型RARα403をレトロウイルス遺伝子導入により多能性造血細胞株FDCP mix A4に導入すると、IL-3存在下で自発的な好中球/マクロファージ分化から好塩基球/肥満細胞系列への分化シフトが観察された。本研究は、この優性抑制型RARα403の遺伝子導入が、顆粒球/マクロファージコロニー刺激因子 (GM-CSF) 誘導性の好中球分化に与える影響を詳細に解析し、正常好中球の最終分化におけるRARαの不可欠な役割を遺伝学的に確立することを目的とした。また、このシステムがヒトAPLの病態研究モデルとして機能する可能性も探求された。
目的
本研究の目的は、優性抑制型レチノイン酸受容体α403 (RARα403) を用いた機能的遺伝学的アプローチにより、正常な好中球の最終分化におけるRARαの役割を解明することである。具体的には、以下の点を検証する。
- RARα403構築体の機能的特性評価: C末端欠失型RARα403が、DNA結合および二量体化能を保持しつつ、転写活性化能を欠損し、内因性RARαに対して優性抑制活性を示すことを確認する。
- 造血細胞分化への影響解析: RARα403をレトロウイルス遺伝子導入したマウス多能性造血細胞株FDCP mix A4および正常マウス骨髄細胞において、GM-CSF誘導性の好中球分化がどのように影響を受けるかを解析する。
- 分化ブロックの特性評価: 分化がブロックされた細胞の形態学的特徴、細胞表面マーカー、および系統特異的遺伝子発現パターンを詳細に解析し、好中球系列特異的な分化ブロックであることを証明する。特に、前骨髄球段階でのブロックを同定する。
- RA応答性の検証: 優性抑制型RARα403を発現する細胞が、生理的濃度のRAに対して応答性を失い、薬理的濃度 (1-10 μM) のRAによって分化ブロックが解除され、成熟好中球へと分化誘導されるかを検証する。
- APL病態モデルとしての妥当性評価: 優性抑制型RARα403によって誘導される分化ブロックが、ヒトAPL細胞の表現型と類似しているかを評価し、APLの病態を研究するための実験モデルとしての有用性を示唆する。
これらの目的を達成することで、RARαが造血増殖因子と協調して正常好中球前駆細胞の最終分化に不可欠な役割を果たすことを遺伝学的に証明し、APLの分子病態機構解明への重要な示唆を提供することを目指す。
結果
RARα403優性抑制活性による前骨髄球分化停止 (FDCP mix A4細胞からGMB細胞株の樹立): LRARα403SNレトロウイルスベクターを導入したFDCP mix A4細胞をGM-CSF (5 ng/ml) で刺激すると、多数の細胞が前骨髄球段階で分化停止した。対照ウイルスLXSNを導入したn=2 culturesの細胞は、GM-CSF存在下で2-3週間後に分化を完了し死滅したが、RARα403を発現するFDCP mix A4細胞は1年以上GM-CSF依存性に増殖を継続した (Fig. 1)。これらの細胞は、GM-CSF誘導後8-14日頃から未熟な細胞のクラスターとして出現し、培養中の主要な細胞タイプとなり、GMB (GM-CSF-dependent promyelocyte block) 細胞株として樹立された。このGMB細胞株は、n=5 independent experimentsで再現性良く樹立された。
GMB細胞の形態学的・分子生物学的特性: GMB細胞は形態学的に前骨髄球または初期骨髄球に類似しており (Fig. 2A)、核はくぼみ、一次顆粒やアズール顆粒が豊富に観察された。これらの細胞は、マウス好中球特異的7/4抗原 (Hirsch and Gordon 1983) に対して強陽性であり、クロロアセテートエステラーゼ染色も陽性であった。ノーザンブロット解析では、GMB細胞はRARα403メッセージを含む4.7 kbのレトロウイルスRNAを高レベルで発現していた (内因性RARαの少なくとも10倍以上)。一方、単球系マーカーであるc-fms mRNAや、赤芽球、巨核球、肥満細胞系に発現が限定されるGATA-1転写因子mRNA (Tsai et al. 1989) は発現していなかった。また、GMB細胞は表面IgE受容体やトルイジンブルーメタクロマティック染色などの肥満細胞/好塩基球マーカーも陰性であった。これらの結果は、GMB細胞が最終分化を完了できない好中球性前骨髄球であることを強く示唆している。GMB様細胞は、LRARα403SN感染FDCP mix A4細胞から繰り返し樹立されたが、未感染または対照ベクター (LXSNまたは正常ヒトRARα cDNAを含むLRARαSN) 感染細胞からは樹立されなかった。これは、GMB細胞の発生に優性抑制型RARα403が必須であることを示している。
GMB細胞のRA応答性低下と薬理的RAによる分化誘導: GMB細胞は、RA応答性が2-3桁低下していることが示された。pRRE4-CATレポーターを用いた一過性発現アッセイでは、RA誘導性転写活性化の半最適濃度が約1 μM、最適濃度が10 μMであった (Fig. 3B)。これは、未感染またはLXSN感染FDCP mix A4細胞における半最適濃度0.1-1 nM、最適濃度10 nMと比較して、RA感受性が著しく低下していることを示している (Fig. 3A)。しかし、この分化ブロックは、超生理的濃度のRA (1-10 μM) をGM-CSF存在下で72-96時間処理することにより、ほぼ全てのGMB細胞 (95%以上) が成熟好中球へと迅速かつ同期的に分化することで克服された (Fig. 2B)。このRA誘導性分化の用量反応曲線は、pRRE4-CATレポーターの転写活性化の用量反応曲線とほぼ一致した (Fig. 3)。これは、RARα403がGMB細胞の内因性RARに対して優性抑制効果を発揮していることを裏付けている。
正常マウス骨髄細胞における前骨髄球分化ブロック (MPRO細胞株の樹立): 優性抑制型RARα403が正常マウス好中球前駆細胞の分化もブロックできるかを検証するため、新鮮なマウス骨髄細胞にLRARα403SNまたはLXSNを感染させた。n=3 experimentsで、LXSN感染骨髄細胞は増殖し、好中球、マクロファージ、好酸球へと最終分化したが、10-14日後には全ての細胞が死滅した (Fig. 4)。対照的に、LRARα403SN感染骨髄培養では、14日後も多数の細胞が増殖を続け、未熟な形態を維持した。これらの増殖細胞は前骨髄球の特徴を示し (Fig. 5A)、多数のアズール顆粒、マウス好中球特異的7/4抗原の細胞表面発現、クロロアセテートエステラーゼ陽性を示した。これらの細胞は8ヶ月以上にわたりGM-CSF依存性に増殖を継続し、MPRO (mouse promyelocyte) 細胞株と命名された。ノーザンブロット解析により、MPRO細胞は短縮型RARα403配列を含むレトロウイルスmRNAを高レベルで発現していることが示された (Fig. 6A)。LXSN感染培養からは細胞株は樹立されなかった。
MPRO細胞のRA応答性と多クローン性起源: MPRO細胞もGMB細胞と同様に、pRRE4-CATレポーターを用いた一過性発現アッセイでRA応答性が著しく低下しており、RA誘導性転写活性化の半最適濃度が約2 μM、最適濃度が10 μMであった (Fig. 7)。GMB細胞と同様に、MPRO細胞も10 μMのRA処理により成熟好中球へと最終分化することが示された (Fig. 5B)。LRARα403SN感染GM-CSF刺激正常マウス骨髄細胞において、20日目までに多数の前骨髄球が急速に出現したことは、これらのMPRO細胞が多クローン性起源であることを示唆した。ゲノムDNAをEcoRIで消化し、プロウイルス特異的プローブ (Neo) を用いたサザンブロット解析では、感染後20日目および46日目の細胞から複数のバンド (少なくとも7本) が検出され、MPRO前骨髄球の多クローン性起源が確認された (Fig. 6B)。この多クローン性起源は、稀な遺伝的イベントではなく、優性抑制型RARα403構築体の導入自体が好中球分化ブロックの原因であることを強く示している。
考察/結論
本研究は、優性抑制型RARα403を導入することにより、多能性造血細胞株FDCP mix A4および正常マウス骨髄細胞 (BDF1マウス由来) の両方において、GM-CSF誘導性の好中球分化が前骨髄球段階で特異的にブロックされることを再現性高く示した、RARαの正常機能確立に関する基礎的な遺伝学的論文である。この結果は、RARαが造血増殖因子と協働し、正常好中球前駆細胞の最終分化に不可欠な役割を果たすことを、遺伝学的証拠をもって確立した。優性抑制型RARα403は、内因性RARとヘテロ二量体を形成し、RXRの利用可能性を競合的に減少させることで、内因性RARの機能を抑制すると考えられる (Yu et al. 1992, Zhang et al. 1992)。
先行研究との違い: 過去20年間の研究は造血増殖因子が造血前駆細胞の生存、増殖、分化に重要であることを示してきたが (Metcalf 1988)、本研究はステロイド/甲状腺ホルモン受容体スーパーファミリーのメンバーであるRARが、正常好中球の分化においても重要な役割を果たすことを強く示唆した点で、これまでの研究とは異なる視点を提供した。特に、生理的濃度のRAがGM-CSF誘導性好中球分化に必要であるという観察は、血清中のRAが分化に影響を与えるという困難を克服し、RARの直接的な役割を明らかにした。
新規性: 本研究で初めて、優性抑制型RARα403の導入が、多能性造血細胞および正常マウス骨髄細胞において、好中球分化を前骨髄球段階で特異的にブロックすることを遺伝学的に証明した。この分化ブロックされた前骨髄球がGM-CSF依存的に増殖し、超生理的濃度のRAによって成熟好中球へと分化誘導されるという現象は、これまで報告されていない新規な知見であった。特に、正常マウス骨髄細胞からMPRO細胞株を樹立し、その多クローン性起源をサザンブロット解析で示したことは、RARα403の導入自体が分化ブロックに十分であることを明確に示した点で新規性が高い。
臨床応用: 本研究は、急性前骨髄球性白血病 (APL) の病態理解と治療戦略に重要な臨床的含意を持つ。第一に、優性抑制型RARα403によって誘導されたGMBおよびMPRO細胞は、ヒトAPL細胞と類似した表現型(前骨髄球段階での分化ブロック、超生理的濃度のRAによる分化誘導)を示し、APLの実験モデル細胞株として確立された。これは、PML-RARα融合タンパク質が同様の優性抑制機能を持つという仮説を支持するものであり、その後のAPL研究における標準的なツールとなった。第二に、薬理的RA (ATRA) によるAPL分化療法の分子基盤を、前臨床レベルで確立した。本研究で示されたRA応答性の2-3桁の低下と、超生理的RA濃度による分化ブロックの克服は、APL患者に対するATRA療法 (Degos et al. 1988, Wang et al. 1988) の作用機序を理解する上で極めて重要な知見である。この基礎研究は、現在のAPL標準治療であるATRAと三酸化ヒ素 (ATO) の併用療法 (Lo-Coco et al. 2013) の分子背景にも繋がる。
残された課題: 本研究にはいくつかの残された課題と限界がある。第一に、RARα403は人工的な短縮型受容体であり、APLにおけるPML-RARα融合タンパク質との機能的等価性は仮説段階であった。PML-RARαが同様の優性抑制機能を持つことは、その後の研究 (Grignani et al. 1994, Kastner et al. 1992) で直接的に証明された。第二に、RARが最適に機能するためにはレチノイドX受容体 (RXRα/β/γ) とヘテロ二量体を形成する必要があるが、RXRの役割は本研究では詳細に解析されていない。第三に、RARαが好中球分化において制御する転写標的遺伝子 (RARE含有遺伝子) の同定は未完であった。第四に、前骨髄球のクロマチン状態やエピジェネティックな解析は、当時の技術的限界から行われていない (現代のChIP-seqなどの視点)。第五に、ヒトの初代APL細胞 (PML-RARα発現細胞) は本論文では直接解析されていない。最後に、G-CSF依存性顆粒球分化との詳細な相互作用についても、さらなる解析が求められる。
本論文は、de The et al. (1990) によるPML-RARαのクローニング、Kastner et al. (1992) によるRARαノックアウトマウスの研究、Degos et al. (1988) によるATRAのAPL臨床応用といったAPLおよびレチノイドシグナル伝達研究の系譜において、1993年時点で正常好中球分化におけるRARαの機能的遺伝学的証拠を加える画期的な論文である。Collins研究グループとFred Hutchinson Cancer Research CenterのAPL分子生物学における権威を示す代表作の一つであり、GMBおよびMPRO細胞株は今日までAPL研究の標準ツールとして広く利用されている。本研究は、1993年時点で、その後のAPL治療の進歩(ATRAとATOの併用療法による95%以上の完全寛解達成)の分子基盤を先駆的に確立した歴史的なマイルストーンである。
方法
RARα403構築体と優性抑制機能: 本研究で用いられたRARα403構築体は、C末端に小さな欠失を有する403アミノ酸の短縮型RARαである。この構築体は、DNA結合ドメインと二量体化ドメインを保持しているが、転写活性化ドメインの一部が欠損している。これにより、RARα403は内因性RARとヘテロ二量体を形成し、レチノイドX受容体 (RXR) の利用可能性を競合的に減少させることで、内因性RARの転写活性を抑制する優性抑制機能を発揮する。この構築体は、レトロウイルスベクターLRARα403SNに挿入された。
細胞株と骨髄細胞: マウス多能性造血細胞株FDCP mix A4 (Spooncer et al. 1984) は、Iscove’s modified Dulbecco’s medium (IMDM) に20%ウマ血清と10% WEHI-3B馴化培地 (IL-3源) を添加して維持された。正常マウス骨髄細胞は、6週齢の雄BDF1マウス (The Jackson Laboratory) に5-フルオロウラシル (100 mg/kg) を腹腔内投与し、5日後に骨髄を採取した。低密度骨髄細胞画分は、Nycodenz (比重1.080) 密度勾配遠心分離により回収された。
レトロウイルスベクターと感染: レトロウイルスベクターLXSN (ネオマイシン耐性遺伝子neoを含む対照ベクター)、LRARαSN (正常ヒトRARα cDNAを含む)、およびLRARα403SNの構築と、ヘルパーウイルスフリーの両親媒性レトロウイルス産生細胞株PA317/LXSN、PA317/LRARαSN、PA317/LRARα403SNの樹立は既報である (Tsai et al. 1992, Miller and Rosman 1989)。FDCP mix A4細胞は、放射線照射したレトロウイルス産生細胞株との24時間共培養後、G418 (300 μg/ml) で8-10日間選択された。5-フルオロウラシル処理後のBDF1骨髄細胞は、未照射のコンフルエント前の産生細胞との3日間共培養により感染させ、その後IMDMに20%ウマ血清、20% WEHI-3B馴化培地、Polybrene (4 μg/ml)、マウスGM-CSF (2.5 ng/ml; Immunex)、ヒトIL-1β (10 ng/ml; Amgen)、ヒトIL-6 (20 ng/ml; Amgen) を添加した培地で培養した。感染細胞はG418 (400 μg/ml) で選択された。コロニーアッセイにより、LXSN感染骨髄細胞の少なくとも13%、LRARα403SN感染骨髄細胞の5%がG418耐性であることが確認された。
分化評価: 細胞の分化は、メチルセルロースコロニーアッセイ (IL-3 + GM-CSF存在下)、Wright-Giemsa染色による形態学的解析、好中球特異的7/4抗原およびクロロアセテートエステラーゼ染色 (顆粒球系マーカー)、c-fms mRNA (マクロファージ系マーカー) のNorthern blot解析によって評価された。GATA-1転写因子 (赤芽球、巨核球、肥満細胞系に発現) のmRNA発現もNorthern blotで確認された。
RA応答性評価: RA応答性は、RARβ遺伝子のRA応答エレメント (RRE) とクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ (CAT) 遺伝子を含むレポーター構築体pRRE4-CATを用いた一過性発現アッセイで評価された。トランスフェクション効率の正規化には、サイトメガロウイルス (CMV) の即時初期遺伝子プロモーターによって駆動されるヒト成長ホルモン遺伝子を含むpCMV-GHが用いられた。GMB細胞およびMPRO細胞のRA誘導性分化の半最適濃度および最適濃度を決定するため、様々な濃度のRA (10⁻¹⁰ Mから10⁻⁵ M) で72-96時間処理し、分化誘導を評価した。
分子生物学的解析: ゲノムDNAはEcoRIで消化し、サザンブロット解析によりプロウイルス挿入部位の多様性を評価した。プローブにはネオマイシン耐性遺伝子 (neo) が用いられた。全RNAはノーザンブロット解析により、ヒトRARαプローブを用いてRARα403のレトロウイルスRNAおよび内因性RARα mRNAの発現を検出した。統計解析には、各実験の用量反応曲線や発現レベルの比較にStudent t-testが用いられた。