- 著者: Lauren K. Rochelle, Rachael S. Van, Richard J. Ottman, Daren F. Robinson, Ashley R. Dockham, Amy K. Smith, Daniel P. Keeley, Jia C. Wang, Darell W. McCoy, Tyler R. Zimmerman, Bryan A. Fioret, Ryan W. Bonvillain, Thomas H. Petersen, Sarah S. Hogan, Laila C. Roudsari
- Corresponding author: Laila C. Roudsari (Regenerative Medicine Lab, United Therapeutics, Research Triangle Park, NC, USA)
- 雑誌: Journal of Clinical Investigation
- 発行年: 2026
- Epub日: 2026-06-01
- Article種別: Original Article
- PMID: 42222891
背景
遠位肺における幹細胞である肺胞II型上皮細胞 (alveolar type 2 cells, AT2) は、肺傷害後の自己複製能および肺胞I型上皮細胞 (alveolar type 1 cells, AT1) への分化能を有しており、呼吸器疾患に対する再生医療や肺組織工学の極めて重要な細胞ソースとして期待されている。AT2細胞は、肺胞の虚脱を防ぐ肺胞表面活性物質 (サーファクタント) の分泌、肺胞内の水分バランスを維持する浸透圧勾配の制御、さらには免疫調節による生体防御など、肺機能の維持に不可欠な多面的な役割を担っている。実際に、急性肺傷害 (acute lung injury, ALI) や肺線維症の動物モデルにおいて、AT2細胞の気管内移植が肺機能の改善や線維化の抑制をもたらすことが実証されている。しかし、末期呼吸不全に対する根本的治療である肺移植のドナー不足は深刻であり、移植待機リストには常に約4,000名の患者が登録されている。このアンメット・メディカル・ニーズを解決するため、脱細胞化された肺スキャフォールド (生体組織骨格) にレシピエント由来の細胞を再播種して機能的な代替臓器を構築する「脱細胞化-再細胞化アプローチ」の研究が進められているが、遠位肺胞領域を十分に再細胞化するために必要な数百億から数千億個規模のヒト一次上皮細胞を確保する技術が確立されておらず、これが実用化への最大のボトルネックとなっていた。
従来のAT2細胞培養技術においては、細胞外マトリックス (extracellular matrix, ECM) であるMatrigelを用いた3Dオルガノイド培養法が標準的なプロトコルとして広く用いられてきた。しかし、この手法はスケールアップが極めて困難であり、臨床応用や全肺再細胞化に必要な数十億個以上の細胞数を供給することは不可能であった。バイオリアクターを用いたMatrigelディスクの浮遊培養によるスケールアップの試みもなされているが、手動操作の煩雑さや、動物由来材料であるMatrigelのロット間品質変動に伴う製造プロセスの不安定性が大規模製造における重大な障壁となっていた。また、生体内 (in vivo) では活発に増殖するAT2細胞が、標準的な2Dプラスチック培養皿の上では急速にその表現型を失い、増殖を停止してしまう現象のメカニズムは長年未解明であった。このAT2細胞のフェノタイプ維持と増殖制御において、基質組成、基質の物理的硬度 (弾性率)、および培地シグナル因子の三要素がどのように協調的に作用しているかという学術的問いに対して、体系的な検証モデルが不足していた。先行研究である Fox et al. NatCommun 2026 や Lu et al. NatBiotechnol 2026 においても、細胞の微小環境制御と大規模培養システムを両立させる技術的基盤の不足が指摘されており、臨床グレードの細胞を安定かつ大量に供給するためのスケーラブルな培養プラットフォームの開発において、依然として大きなgapが残されており、実用的な大量増殖技術は未確立であった。
目的
本研究の目的は、ゼラチンマイクロキャリア、制御型バイオリアクターシステム、および独自に開発した無フィーダー細胞用AT2増殖培地「T2-Max (alveolar type 2 expansion culture medium)」を統合したスケーラブルな浮遊培養プラットフォームを構築し、ヒト一次AT2細胞を肺組織工学および細胞治療に適用可能な数千億個規模で大量増殖させることである。さらに、この大量増殖システムによって得られたAT2細胞が、新鮮分離された一次AT2細胞 (freshly isolated AT2, isoAT2) と同等の形態、遺伝子発現プロファイル、およびサーファクタント分泌能を維持していることを詳細に検証する。また、増殖後の細胞がAT1細胞への分化能を保持していることをin vitroで実証するとともに、脱細胞化ブタ肺スキャフォールドへの気道経由播種により、生体模倣環境下において効率的に生着し、機能的なAT1様細胞へと段階的に分化する能力を有していることを確認する。これにより、肺再生医療における最大の課題である「細胞供給源の確保」を克服し、臨床応用に向けた実用的な細胞製造技術の基盤を確立することを目指す。
結果
大量増殖システムの確立とスケールアップ: ゼラチンマイクロキャリアと独自開発したT2-Max培地を組み合わせたバイオリアクターシステムにより、ヒト一次AT2細胞の極めて効率的な大規模増殖に成功した。250 mLスピナーフラスコ、3 Lバイオリアクター、および10 Lバイオリアクターの各スケールにおいて細胞を培養した結果、10 Lバイオリアクターにおける1回あたりの平均細胞収率はP0からP2の継代において 6.43 × 10⁹ cells に達した (Figure 1I)。3名のドナー (R0G、D7V、9VX) から得られた細胞バンクを3-4継代まで拡張したところ、最終的な累積細胞数はそれぞれ 180 × 10⁹ cells、337 × 10⁹ cells、および 699 × 10⁹ cells に達し、ドナーD7Vの細胞をP2またはP3まで最大増殖させた場合の理論的予測収率は 1 × 10¹² cells を超えることが示された。これはヒト一次AT2細胞の培養において既知の報告の中で最高水準の収率である。継代および培養スケール全体における平均増殖倍率は 7.6-fold increase であった (Figure 1H)。長期継代試験では、n=4 donors 中 n=3 donors の細胞が少なくとも5-6継代 (59-76日間) にわたって増殖を維持し、累積集団倍加レベル (population doubling level, PDL) は30-31に達した。増殖能はP6に達するまで緩やかに低下するのみであり、高い増殖持続性が確認された。また、n=34 samples (7ドナー、複数継代) を用いた核型分析の結果、増殖後のAT2細胞はゲノム的に極めて安定であり、一部の細胞で観察された低頻度の染色体異常は継代によって維持されず、ランダムな分裂エラーであることが示された (Figure 1C)。
増殖後AT2細胞の表現型および機能の維持: バイオリアクターで大量増殖させたAT2細胞は、新鮮分離された一次AT2細胞 (isoAT2) と極めて類似した形態的・機能的特徴を維持していた。免疫染色の定量解析において、AT2特異的マーカーであるHT2-280およびpSP-Cの二重陽性細胞の割合は、増殖後AT2細胞とisoAT2との間で統計学的な有意差を認めなかった (p=0.22, Figure 2E)。さらに、肺特異的転写因子NKX2-1、層板小体マーカーLAMP3、および成熟型サーファクタントプロテインC (mSP-C) の発現も高度に維持されていた (Figure 2B, F)。n=3 donors の細胞を用いたscRNA-seq解析により、増殖過程における主な細胞状態の変化は、細胞周期が活性化したcycling AT2集団の増加と、炎症性サイトカイン応答性AT2集団の減少であることが明らかになった (Figure 3F)。呼吸器疾患や不完全な分化に関連する異常な基底膜様細胞 (KRT5- KRT17+ aberrant basaloid cells) の割合は、P2増殖後AT2細胞においてわずか 0.28% と極めて低レベルに抑えられていた (Figure 3I)。バルクmRNA発現解析においても、主要なAT2機能遺伝子であるSFTPC、SFTPB、NAPSAの発現レベルは継代を通じて有意な変化を示さず、新鮮分離細胞と同等であった (Figure 2H)。機能面においては、高速液体クロマトグラフィー (HPLC) 解析によりサーファクタントプロテインB (SP-B) の分泌が確認され、透過型電子顕微鏡 (TEM) 観察によって肺胞内のサーファクタント組織化構造である管状マイエリン (tubular myelin) 様の構造体が確認された (Figure 2K, L)。SP-D遺伝子の発現は低下したものの、タンパク質レベルでの発現量にはisoAT2と比較して有意な差は見られなかった (p=0.38, Figure 2I, J)。
基質組成・物理的硬度・培地シグナルの協調作用: AT2細胞の増殖活性と未分化状態の維持における微小環境因子の役割を解明するため、2Dハイドロゲルシステムを用いて機構解析を行った。基準条件である「ゼラチン基質・T2-Max培地・軟性ハイドロゲル (12-16 kPa)」に対し、構成要素を1つずつ変更する実験を行った。その結果、基質をI型コラーゲンに変更する (col-T2-soft)、培地を増殖因子フリーのT1-Baseに変更する (gel-T1-soft)、または基質硬度を剛性ポリスチレンに変更する (gel-T2-stiff) のいずれの変更においても、HT2-280陽性かつEdU陽性の増殖期AT2細胞の割合が著しく減少した (すべての比較において p<0.01, Figure 4C)。この減少に伴い、HT2-280陰性かつEdU陽性の非上皮様または分化細胞の割合が有意に増加した。さらに、これらの要素を変更した条件では、AT1マーカー遺伝子 (AGER, ANKRD1, CLIC5, GPRC5A) および移行期/基底細胞マーカー遺伝子 (KRT8, KRT17) の発現が著しく上昇した (Figure 4F)。特に、基質の物理的硬度が増加するにつれて、細胞は球状から扁平な形態へと変化し、HT2-280およびpSP-Cの発現が減衰した。この結果は、AT2細胞の未分化維持と増殖制御には、適切な接着リガンド (ゼラチン)、生体模倣的な低弾性率 (軟性)、および適切な可溶性因子 (T2-Max) の三要素が協調的に作用することが不可欠であることを証明している。
in vitroにおけるAT1様細胞への分化誘導能: 増殖後のAT2細胞が機能的なAT1細胞へと分化する能力を保持しているかを検証するため、LATS阻害剤を含有するT1-Diff培地を用いて分化誘導を行った。分化開始後8日目 (Day 8) において、AT2マーカーであるHT2-280およびpSP-Cの発現はほぼ完全に消失し、代わりにAT1マーカーであるGPRC5A陽性率 97%、核内活性型YAP (aYAP) 陽性率 68%、HT1-56陽性率 61%、RAGE (AGER) 陽性率 66%、およびcaveolin-1陽性率 51% を示す極めて高純度なAT1様細胞集団が誘導された (Figure 5E)。細胞面積は分化誘導前のDay 1からDay 5にかけて 461% increase という劇的な増大を示し (p<0.0001, Figure 6A)、Day 8における平均細胞面積は 7,296 μm² に達した。これは生体内のヒト成人AT1細胞の報告平均面積である5,100 μm²を上回るサイズであり、極めて薄く扁平に広がったAT1特有の形態的特徴が再現された。走査電子顕微鏡 (SEM) 観察においても、微絨毛の消失と極薄の細胞質伸展構造が確認された (Figure 6C)。機能解析においては、AT1細胞特異的なタイトジャンクション構成因子であるCLDN18の発現が 3.5-fold increase に上昇した一方、AT2優位なCLDN3の発現は 1.2-fold decrease (0.8-fold) に低下し、バリア機能の再構築が示された (Figure 7A, B)。さらに、AT1特異的な分泌因子であるVEGF-Aの分泌量は、増殖培地条件と比較して平均 27-fold increase に増加し (Figure 7D, E)、PDGFA遺伝子は平均 24-fold increase、WNT7A遺伝子は平均 1,616-fold increase に著しくアップレギュレートされ、血管内皮細胞や間質細胞を制御するシグナル産生能が実証された (Figure 7C)。
脱細胞化ブタ肺スキャフォールドにおける生着と三次元分化: 肺組織工学への応用性を実証するため、2×10⁹個の増殖後AT2細胞を脱細胞化ブタ肺スキャフォールドの遠位気道内に播種し、三次元還流バイオリアクター内で9日間培養した。組織学的解析の結果、播種された細胞は肺胞壁の三次元構造に沿って効率的に生着し、Day 9にはスキャフォールド全体の 51% の面積が再上皮化された (Figure 8B)。細胞増殖マーカーKi-67の陽性率は、増殖培地を使用したDay 3時点で 12% であったが、分化・成熟培地へと移行したDay 9時点では 1% にまで低下し、細胞が速やかに増殖期から分化期へと移行したことが示された。免疫染色およびRNAscope解析により、播種されたAT2細胞はスキャフォールド内で段階的にAT1細胞へと分化し、Day 9には平均 36% の細胞がRAGEタンパク質を発現し、AGER (RAGE) mRNA陽性細胞率は 76%-99% に達した (Figure 8C)。snRNA-seq解析により、スキャフォールド内の細胞がAT2マーカー (SFTPC, SFTPA1) の発現を減衰させながら、AT1マーカー (AGER, CLIC5) を段階的に獲得していく一方向性の分化軌跡が確認された (Figure 8F)。また、再細胞化された肺組織からのVEGF-A分泌量も培養経過に伴って段階的に増加し、生体模倣環境下における機能的成熟が実証された (Figure 8G)。本システムを用いて、n=2 donors の細胞からそれぞれ131個および120個以上の脱細胞化ブタ肺スキャフォールドの遠位気道を再細胞化することに成功し、高い再現性とスケーラビリティが証明された。
考察/結論
先行研究との違い: 本研究は、従来のMatrigelを用いたスケール制限のある3Dオルガノイド培養法や、ロット間差が大きく臨床応用に適さない動物由来マトリックス依存的な培養システムと異なり、完全にMatrigelフリーかつ完全に制御されたバイオリアクターベースの大規模細胞製造プラットフォームを確立した点で決定的に異なる。先行研究では達成し得なかった「単一ドナーから数千億個規模の高品質なヒト一次AT2細胞を供給する」という、実際のヒト肺再細胞化や細胞治療に必要な細胞数を現実的にカバーできるシステムを初めて提示した。
新規性: 本研究で初めて、ゼラチンマイクロキャリアの適用により、接着リガンドの提示様式がAT2細胞の形態を球状に維持させ、不要な自発的分化を抑制するという細胞運命制御機構を新規に解明した。コラーゲン基質と比較して、ゼラチン上では細胞の過度な伸展が制限され、これが物理的なメカノトランスダクションを介して未分化状態の維持に寄与するという知見は学術的に極めて新規性が高い。また、増殖培地T2-Maxによる増殖活性化は、傷害修復に伴う病的な移行状態 (aberrant basaloid) を経由せず、肺切除後の代償性成長に類似した生理的な再生応答を模倣していることを単一細胞レベルで初めて明らかにした。
臨床応用: 本研究で開発された大量増殖技術は、ドナー不足が深刻な肺移植医療における代替臓器作製 (肺組織工学) や、急性呼吸窮迫症候群 (ARDS) および特発性肺線維症 (IPF) に対するAT2細胞療法の臨床応用に直結する極めて高い実用性を持つ。特に、スキャフォールド内で再構築されたAT1様細胞から分泌される高濃度のVEGF-Aは、移植後の遠位肺胞における宿主血管内皮細胞の遊走および微小血管網の再構築を促進する可能性を示唆しており、機能的な人工肺の構築に向けた極めて重要なマイルストーンを達成した。
残された課題: 今後の検討課題として、スキャフォールド内におけるAT1細胞への完全な成熟および長期的な機能維持には、上皮-間質相互作用を担うAxin2陽性間葉系幹細胞などの支持細胞種との共培養システムの導入が必要である点が挙げられる。また、本システムで得られたAT1様細胞の一部は依然として移行期マーカーを発現しており、完全成熟に向けた培地組成のさらなる最適化が求められる。さらに、今後は肺胞領域のみならず、近位気道上皮や肺血管内皮細胞の再細胞化技術と統合し、ガス交換能を有する完全な人工肺のin vivo移植モデルでの長期的な安全性および有効性の検証が不可欠である。
方法
ヒト肺組織は、移植不適と判定されたドナー臓器から、ドナー年齢13-65歳、喫煙歴20 pack-years未満、肺疾患の既往なしという厳格な適格基準のもとで調達した。AT2細胞の単離は、気管カニューレを介した遠位肺へのエラスターゼ (20 U/mL) およびIV型コラゲナーゼ (300 U/mL) の注入・消化により実施した。得られた細胞懸濁液から、磁気細胞分離装置 (CliniMACS Plus) を用いてCD45、CD90、およびCD271陽性細胞を磁気ビーズ法により除去 (ネガティブセレクション) することでAT2細胞を濃縮し、CryoStor CS10 (cryopreservation medium CS10) を用いて凍結保存した。
大量増殖培養は、250 mLスピナーフラスコ (作業容量200 mL)、3.75 Lバイオリアクター、および10 Lバイオリアクターを用い、ゼラチンマイクロキャリアを懸濁させた状態で実施した。AT2増殖培地T2-Maxは、DMEM/F12をベースとし、5% FBS (fetal bovine serum)、2 μM A-83-01 (transforming growth factor-beta inhibitor)、2 μM CHIR99021 (Wnt signaling activator)、1 μM DMH-1 (bone morphogenetic protein inhibitor)、10 μM Y-27632 (Rho-associated protein kinase inhibitor)、50-100 ng/mL FGF-7 (fibroblast growth factor-7)、および50 ng/mL EGF (epidermal growth factor) を添加して調製した。マイクロキャリアへの細胞播種密度は10,000 cells/cm²とし、8-14日間の培養後にTrypLEを用いて細胞を回収し、継代を行った。AT1分化誘導培地T1-Diff (alveolar type 1 differentiation medium) は、DMEM/F12ベースに5% FBSおよび10 μM Lats-IN-1 (LATS1/2 inhibitor) を添加して作製した。AT1成熟維持培地T1-Baseは、DMEM/F12に5% FBSのみを添加したものである。
細胞増殖能の評価には、EdU (5-ethynyl-2’-deoxyuridine) 取り込みアッセイおよびKi-67免疫染色を用いた。表現型解析として、HT2-280 (AT2 apical membrane-specific marker)、pSP-C (prosurfactant protein C)、LAMP3 (lysosome-associated membrane glycoprotein 3)、およびmSP-C (mature surfactant protein C) の免疫染色、バルクRNAシークエンシング、ならびに10x Genomicsプラットフォームを用いた単一細胞RNAシークエンシング (single-cell RNA-seq, scRNA-seq) および単一核RNAシークエンシング (single-nucleus RNA-seq, snRNA-seq) を実施した。基質・硬度・培地の三要素による機構解析では、ゼラチン vs. I型コラーゲン基質、T2-Max vs. T1-Base培地、軟性ハイドロゲル (12-16 kPa) vs. 剛性ポリスチレン (~1 GPa) の各条件を比較した。VEGF-A (vascular endothelial growth factor A) の定量にはELISA (enzyme-linked immunosorbent assay) 法を用いた。
脱細胞化ブタ肺スキャフォールドへの再細胞化実験では、2×10⁹個の増殖AT2細胞を気道から播種し、カスタムバイオリアクター内でT2-Max (day 0-2) → T1-Diff (day 3-5) → T1-Base (day 6-9) の順に培地を移行させるプロトコルを適用した。統計解析にはGraphPad Prismを使用し、多群比較には一元配置ANOVA (one-way ANOVA) によるDunnettまたはTukeyの事後検定、および混合効果モデル解析を用いた。また、二群比較には不対t検定 (Student t-test) を、単一細胞解析における遺伝子発現比較には一般化線形モデル準尤度F検定を用いた。p値が0.05未満を統計学的有意とした。なお、本研究ではヒト一次細胞のみを使用しており、特定の細胞株 (A549やH1299など) やマウス系統 (C57BL/6JやBALB/cなど) は使用していない。