• 著者: Kailiu Wu, Zhen Zhang, Xing Qin, Guanying Feng, Huasheng Li, Ruiyu Guo, Yuhua Hu, Yikang Ji, Yang Wang, Ming Yan, Chenping Zhang
  • Corresponding author: Yang Wang (Fudan University); Ming Yan, Chenping Zhang (Shanghai Ninth People’s Hospital/Shanghai Jiao Tong University)
  • 雑誌: Journal for ImmunoTherapy of Cancer
  • 発行年: 2026
  • Epub日: N/A
  • Article種別: Original Article
  • PMID: 42103358

背景

口腔扁平上皮がん (OSCC) は頭頸部がんの中で最も頻度の高い悪性腫瘍であり、頭頸部がん全体の 90% 以上を占める。進行期 OSCC 患者の 5 年生存率は特に低く、喫煙、飲酒、ビンロウ咀嚼、口腔衛生不良が主要なリスク因子として知られている (Ren et al., 2020; Siegel et al., 2022)。近年、免疫チェックポイント阻害 (ICB) 療法は進行期 OSCC 患者において有望な治療効果を示しているが、その恩恵を受けられる患者は約 15% に限定される (Burtness et al., 2019)。この治療効果の限定性は、腫瘍免疫微小環境 (TME) における複雑な免疫抑制メカニズムの存在を示唆している。

神経周囲浸潤 (PNI) は OSCC を含む多くの固形腫瘍において悪性度の指標とされ、不良予後と強く関連することが報告されている (Zhang et al., 2025)。PNI は腫瘍細胞と神経系の密接な相互作用を反映する現象であるが、PNI と TME との具体的な関連性、特に免疫抑制性細胞の動態については、これまでほとんど解明されていなかった (Baruch et al., 2025)。腫瘍関連神経は局所炎症を誘導し、抗 PD-1 療法への抵抗性を促進することが報告されており、非応答者では PNI、神経損傷、M2 マクロファージおよび制御性 T 細胞 (Treg) の高浸潤が認められることが示されている (Baruch et al., 2023)。

Treg は免疫応答の抑制と免疫寛容の維持において中心的な役割を果たす細胞集団である (Huppert et al., 2022)。がん微小環境では、Treg は CTLA-4 などの共阻害シグナルや IL-10、TGF-β などの抑制性サイトカインの分泌を通じて、細胞傷害性 CD8+ T 細胞の活性を抑制する。このため、Treg はがん免疫療法の有望な標的と考えられているが、その機能制御メカニズムは転写、翻訳後修飾、代謝を含む複雑な過程を経る (Tay et al., 2023; Montauti et al., 2022)。侵害受容性神経からのシグナルがマクロファージや T 細胞を介した抑制的微小環境形成に関与することが報告されているが (Zhang et al., 2022; Hou et al., 2024; Balood et al., 2022)、神経による Treg 機能の直接的な制御に関する知見は依然として不足していた。

CGRP (カルシトニン遺伝子関連ペプチド) は感覚神経や侵害受容性ニューロンから産生される神経ペプチドであり、OSCC において不良予後や栄養飢餓療法への耐性誘導に関連することが示されている (Zhang et al., 2022)。CGRP 受容体複合体である RAMP1 (receptor activity modifying protein 1) が Treg 上に発現し、免疫チェックポイントの上方制御に関与する可能性が示唆されていたが、神経-Treg 軸における CGRP-RAMP1 シグナルの詳細な機序は未解明であった。本研究は、OSCC における PNI 領域での神経と免疫細胞の相互作用、特に感覚神経が CCL5-Treg-CGRP/RAMP1 軸を通じて免疫抑制ニッチを形成するメカニズムを解明し、この軸を標的とした新たな併用免疫療法の可能性を探ることを目的とした。これまでの研究では、神経と免疫細胞の相互作用が十分に解明されておらず、特に PNI 領域における Treg の動態とその機能制御メカニズムに関する知識にはギャップが残されていた。

目的

本研究の目的は、口腔扁平上皮がん (OSCC) の神経周囲浸潤 (PNI) 領域における神経浸潤と免疫調節の相互作用を詳細に解明することである。特に、感覚神経が CCL5 (C-C motif chemokine ligand 5)-Treg-CGRP (calcitonin gene-related peptide)/RAMP1 (receptor activity modifying protein 1) 軸を通じて免疫抑制性ニッチを形成するメカニズムを、空間トランスクリプトーム解析、in vitro および in vivo 実験、ならびに臨床検体を用いた検証により明らかにすることを目指した。さらに、この神経-Treg 軸を標的とした組み合わせ免疫療法の抗腫瘍効果を評価し、OSCC 患者に対する新たな治療戦略の開発に貢献することを目的とした。具体的には、神経ニッチにおける CCL5 を介した Treg 動員メカニズムと、CGRP-RAMP1 軸を介した Treg の免疫抑制機能増強メカニズムを分子レベルで解明し、CCL5 遮断と抗 CTLA-4 (cytotoxic T-lymphocyte-associated protein 4) 抗体、および RAMP1 遮断と抗 PD-1 (programmed cell death protein 1) 抗体の併用療法が、それぞれ相乗的な抗腫瘍効果を示すかを検証する。

結果

PNI 領域の空間トランスクリプトーム特性と予後への影響: 4 例の OSCC 検体から得られた 18,527 スポットの空間トランスクリプトーム解析により、23 のクラスターが同定され、神経ニッチ、神経非依存性腫瘍、上皮、間質、筋肉、免疫細胞濃縮領域に分類された (図1C, D)。PNI 陽性例 (TN1-3) では神経ニッチ関連領域がより広く分布していたのに対し、PNI なし例 (TN0) では神経非依存性腫瘍領域が大きかった (図1E)。感覚神経マーカーである S100A および TRPV1 の転写レベルは、神経ニッチ領域で腫瘍領域よりも有意に高かった (図2A)。CellChat による細胞間シグナル解析では、腫瘍領域で EGF (epidermal growth factor) シグナル経路が優位であったのに対し、神経ニッチ領域では TGF-β (transforming growth factor-beta) シグナル経路などのサイトカイン・ケモカイン関連シグナルが優位であり、神経ニッチ領域が免疫細胞とのより活発な相互作用を持つことが示された (図2F, G)。コピー数変異 (CNV) の分布では、腫瘍領域の CNV レベルが神経ニッチ領域よりも有意に高く、病理組織診断と一致した (図2E)。また、TCGA-HNSC の 448 例の生存解析では、PNI 陽性患者は非 PNI 患者と比較して有意に不良な予後を示した (p<0.001)。

PNI による Treg 優位の抑制的免疫微小環境形成: RCTD 細胞組成解析により、PNI 陽性例の神経ニッチ領域が最も豊富な免疫細胞浸潤を示し、その中で Treg が最も優位な細胞集団であることが明らかになった (図3A, B, C)。非 PNI 例では Treg 浸潤がより乏しかった。空間 Visium データでは、Treg 特徴スコアが神経ニッチ領域で腫瘍領域よりも高かった (図3D)。免疫チェックポイント遺伝子 (PDCD1, CTLA-4, TIGIT, HAVCR2, LAG3, FOXP3, IL2RA) は主に神経ニッチ領域で発現しており、反応性酸素種関連経路は腫瘍領域で優位であった。IHC 解析では、FOXP3 陽性細胞数が神経周囲から腫瘍内非浸潤神経、腫瘍内浸潤神経の順に漸増した (p<0.05) (図3E)。PNI 陽性組織では非 PNI 組織と比較して Treg 割合が有意に高く (図3F)、深部浸潤 (DOI) が深いほど Treg 割合と神経周囲 Treg 割合がともに増加した (図3G, H)。mIF 解析では、神経筋線維 (PGP9.5 陽性) からの距離が離れるにつれて FOXP3 陽性細胞数が有意に漸減し (<150 μm、150-300 μm、300-450 μm で有意差あり、p<0.0001)、神経近傍への Treg の選択的集積が示された (図3I, J)。

神経ニッチ由来 CCL5 による Treg 動員と抗腫瘍効果: COMMOT による空間シグナル解析で、CCL シグナル経路が神経ニッチ領域において腫瘍領域と比較して顕著に亢進していることが示された (図4A)。CCL5 がリガンドとして最も強力に神経ニッチから分泌され、その受容体 ACKR1 が神経ニッチに高発現することが確認された (図4B, C)。mIF では CCL5 が感覚神経マーカー CGRP との空間的共局在を示し、線維芽細胞マーカーとの共局在は限定的であった。Transwell 遊走アッセイでは、組み換え CCL5 が Treg の遊走を有意に促進し (p<0.01)、中和抗 CCL5 抗体の前処置でこの効果が有意に阻害された (図4D, E)。ACKR1-CCL5-Treg の共局在が mIF で確認された (図4F)。In vivo 実験では、マウス舌腫瘍モデルでの抗 CCL5 抗体単独投与が PBS 対照と比較して有意に腫瘍体積を減少させた (図4G)。抗 CTLA-4 抗体単独は CCL5 抗体単独よりも有効であった。抗 CCL5 + 抗 CTLA-4 の組み合わせは、いずれの単独療法よりも大きな腫瘍抑制効果を示し (p<0.05)、腫瘍内 Treg 割合も最も有意に低下させた (図4H, I)。この実験には n=5 mice/group が用いられた。

神経による CGRP-RAMP1 軸を介した Treg 抑制機能増強: 空間 Visium データでは RAMP1 が PNI 陽性例の神経ニッチ領域で有意に高発現し、Treg レベルとの共局在が確認された (図6A, B)。mIF では PNI 陽性領域が PNI 陰性領域と比較して FOXP3 と CGRP のシグナルが顕著に強く、FOXP3 と CGRP の蛍光強度に正の相関が認められた (図6C, D)。RAMP1 陽性 Treg は全 Treg 集団と比較して TIM-3, PD-L1, PD-1 など免疫チェックポイント分子の発現が有意に高かった。TG (三叉神経節) と Tregs の共培養実験では、共培養後に RAMP1 陽性 Treg 割合が有意に増加し (p<0.001)、CAP による神経活性阻害でこの増加が消失した (図6E)。Treg 上の RAMP1, FOXP3, CTLA-4, PD-1, TIM-3 の MFI (平均蛍光強度) は TG との共培養で増強し、CAP 添加により減弱した (図6F-J)。In vivo では、マウス舌腫瘍モデルに CAP 皮下注射により腫瘍体積が PBS 群と比較して有意に減少し (図6K-M)、全 Treg 割合に変化はなかったが RAMP1 陽性 Treg 割合が有意に低下した (p<0.001) (図6N, O)。CD8+ T 細胞浸潤は CAP 治療後に有意に増加した (図6P)。CGRP + rimegepant (RAMP1 拮抗薬) の in vitro 実験では、CGRP 単独で Treg の RAMP1, FOXP3, CTLA-4 等の免疫チェックポイント分子と IL-10, TGF-β1 が有意に増加し、CD8+ T 細胞の GZMB, IFN-γ が低下した。これらの変化は CGRP+rimegepant 群で有意に逆転し、RAMP1-CGRP 軸が Treg 活性化・免疫チェックポイント上方制御の鍵となる機序であることが示された (図6Q-U)。これらの in vitro 実験は n=3 replicates で行われた。

CGRP-RAMP1 シグナル軸遮断による免疫抑制性 TME の緩和: mIF 結果は、PNI 症例において、CGRP シグナルが高いほど FOXP3 シグナルが強く、CGRP 発現と Treg 浸潤の間に正の相関があることを示した (図5B)。CGRP または CGRP + rimegepant 処理マウスの T 細胞の RNA シーケンス解析では、CGRP 処理単独で免疫チェックポイント分子、Ramp1、および Treg の免疫抑制性サイトカイン (Il10, Tgfb1) の発現が有意に上方制御された。一方、CD8+ T 細胞の細胞傷害性エフェクター分子 (Gzmb, Ifng) は著しく下方制御された。これらの変化は CGRP + rimegepant 群で部分的に逆転した (図5C)。In vivo 実験では、rimegepant 単独、抗 PD-1 単独それぞれが腫瘍増殖を有意に抑制し、rimegepant + 抗 PD-1 の組み合わせが最も顕著な抗腫瘍効果 (腫瘍重量で評価) を示した (図5D, E)。組み合わせ治療群では Treg 浸潤と Treg 上の RAMP1 および複数 ICI 分子発現が有意に低下する一方 (図5F-K)、CD8+ T 細胞浸潤、GZMB、IFN-γ 発現が有意に増加し、PD-1 発現が低下した (図5L-O)。これらの結果は、CGRP-RAMP1 遮断と PD-1 阻害の併用が腫瘍免疫微小環境の再構築において相乗効果を持つことを示唆している。この in vivo 実験では n=5 mice/group が用いられ、腫瘍重量は rimegepant + 抗 PD-1 群で顕著な減少 (p<0.001) を示した。

考察/結論

本研究は、OSCC における神経周囲浸潤 (PNI) が、感覚神経由来の CCL5 を介した制御性 T 細胞 (Treg) の動員と、CGRP-RAMP1 軸を介した Treg の免疫抑制機能増強という二つの協調的なメカニズムを通じて、免疫抑制性ニッチを形成し、腫瘍の進行を促進することを明らかにした。これは、これまで神経と免疫細胞の相互作用が十分に解明されていなかった PNI 領域における、神経-Treg 軸の重要な役割を新規に提示するものである。

先行研究との違い: 既報では、侵害受容性神経からのシグナルがマクロファージや T 細胞を介して抑制的微小環境を形成することが報告されていたが (Zhang et al., 2022; Hou et al., 2024; Balood et al., 2022)、本研究は、感覚神経が直接的に CCL5 を分泌して Treg を動員し、さらに CGRP-RAMP1 軸を介して Treg の免疫抑制機能を増強するという、より詳細な神経-Treg 相互作用メカニズムを解明した点で、これまでの知見と異なっている。特に、Treg の RAMP1 発現が神経刺激によって上昇し、免疫チェックポイント分子の発現を促進するという発見は新規である。

新規性: 本研究で初めて、OSCC の PNI 領域において、感覚神経が CCL5 を介して Treg を神経ニッチに選択的に集積させるメカニズムを空間トランスクリプトーム解析により同定した。さらに、神経由来の CGRP が Treg 上の RAMP1 を介して、FOXP3、CTLA-4、PD-1、TIM-3 (T-cell immunoglobulin and mucin domain-containing protein 3) などの免疫チェックポイント分子の発現を増強し、Treg の免疫抑制機能を強化するという新規の神経-Treg 軸を明らかにした。この軸の同定は、腫瘍微小環境における神経と免疫細胞の相互作用に関する理解を深めるものである。

臨床応用: 本研究の知見は、OSCC における免疫療法の効果を向上させるための新たな治療戦略の臨床応用に直結する。CCL5 遮断と抗 CTLA-4 抗体の併用、および RAMP1 遮断と抗 PD-1 抗体の併用が、マウスモデルにおいて相乗的な抗腫瘍効果を示したことは、PNI を有する OSCC 患者に対する併用免疫療法の可能性を強く示唆する。特に、抗 CTLA-4 療法に伴う重篤な免疫関連有害事象のリスクが高いことを考慮すると (Martins et al., 2019; Skoulidis et al., 2024)、Rimegepant と抗 PD-1 抗体の併用は、より安全で効果的な治療選択肢となる臨床的意義を持つ可能性がある。

残された課題: 今後の検討課題として、本研究で示された神経-Treg 軸が、OSCC 以外の固形腫瘍における PNI や免疫抑制にも普遍的に関与するのかを検証する必要がある。また、高解像度空間トランスクリプトーム解析やシングルセル RNA シーケンス技術のさらなる進展により、神経細胞自体の詳細な分子プロファイルと、Treg との直接的な相互作用をより微細なレベルで解明することが求められる。さらに、臨床試験を通じて、本研究で提案された併用免疫療法の安全性と有効性をヒト患者で検証することが、最終的な臨床応用への重要なステップとして残されている。Limitation として、本研究は主にマウスモデルと限られた数の臨床検体に基づいているため、より大規模な患者コホートでの検証が必要である。

方法

臨床検体収集と病理診断:上海第九人民病院で手術を受けた OSCC 患者 60 例 (女性 17 例、男性 43 例、年齢 27-84 歳) から新鮮な腫瘍組織を収集した。PNI 陽性例 30 例と PNI 陰性例 30 例が含まれた。全ての診断は経験豊富な病理医によって確認され、術前治療を受けていない患者が対象とされた。倫理委員会承認 (SH9H-2025-T323-1) および患者からの書面によるインフォームドコンセントを得た。

空間トランスクリプトーム解析:4 例の OSCC 検体 (PNI なし 1 例: TN0、PNI あり 3 例: TN1-3) を 10×Visium 空間遺伝子発現技術でシーケンシングし、合計 18,527 スポットのデータを取得した。RNA 抽出後、RNA 完全性数 (RIN) が 7 以上のサンプルが解析に適格とされた。組織最適化スライドを用いて最適な透過処理条件を決定し、その後、各患者から 10 µm 厚のクリオセクション 3 枚を空間スライドにマウントした。SpaceRanger (V.1.1.0) を用いてデータ処理を行い、Seurat パッケージ (V.4.1.1) でスポットの正規化と統合を実施した。スポットの細胞組成は robust cell type decomposition (RCTD) 法で解析し、参照シングルセル RNA シーケンスデータは GSE200996 を使用した。細胞間シグナル伝達は COMMOT アルゴリズムと CellChat データベースを用いて解析した。TCGA (The Cancer Genome Atlas)-HNSC (Head and Neck Squamous Cell Carcinoma) データ (n=448) を用いた生存解析も実施された。

機能経路濃縮解析とシングルセルデータ解析:ClusterProfiler を用いて遺伝子セット濃縮解析 (GSEA) および遺伝子セット変動解析を実施した。Seurat パッケージを用いてシングルセルトランスクリプトームデータを前処理し、細胞型アノテーションは SingleR (V.1.8.1) および CellMarker (V.2.0) を使用した。

組織学的解析:ヘマトキシリン・エオシン (H&E) 染色および免疫組織化学 (IHC) 染色をパラフィン包埋組織切片に対して実施した。IHC では S100 (ORIGENE, ZM-0224, 1:100) および FOXP3 (ABCAM, ab20034; 1:200) 抗体を用いた。多重免疫蛍光 (mIF) 染色には TSA Plus キットを使用し、PGP9.5 (神経マーカー)、FOXP3 (Treg マーカー)、CGRP (感覚神経マーカー)、CCL5、ACKR1 (atypical chemokine receptor 1) などの抗体を用いた。画像解析は ImageJ ソフトウェアで実施した。

In vitro 実験:マウス三叉神経節 (TG) を摘出し、カプサイシン (CAP, 1 mM) で神経活動を阻害した条件付き培地を作製した。末梢血から精製した Treg との共培養系を構築し、RAMP1 陽性 Treg の割合や免疫チェックポイント分子の発現をフローサイトメトリーで評価した。CCL5 誘発 Treg 走化性は Transwell 移行アッセイで評価し、組み換え CCL5 と中和抗 CCL5 抗体を用いた。RAMP1 阻害は rimegepant (10 mg/kg) で実施した。

In vivo 実験:C57BL/6 (MOC1 細胞) および C3H/HE (SCC7 細胞) マウス舌腫瘍モデルを用いた。腫瘍細胞 (5×10^4 個) を Matrigel と混合して舌粘膜下に注射した。治療群は PBS (phosphate-buffered saline)、抗 CCL5 抗体 (5 mg/kg, 3 日毎)、抗 CTLA-4 抗体 (5 mg/kg, 3 日毎)、抗 PD-1 抗体 (10 mg/kg, 3 日毎)、rimegepant (10 mg/kg, 毎日)、および各種併用投与とした。腫瘍体積、腫瘍重量、腫瘍内免疫細胞浸潤 (フローサイトメトリー、mIF、IHC) を評価した。動物実験は上海交通大学付属第九人民医院の動物倫理委員会 (SH9H-2025-A1609-1) のガイドラインに従って実施された。

統計解析:全ての統計解析は R ソフトウェア (V.4.1.2) を用いて実施された。2 群間の遺伝子発現差は Wilcoxon 順位和検定で評価し、p<0.05 を統計的有意差とした。