• 著者: Gridelli C, Peters S, Mok T, Forde PM, Reck M, Attili I, de Marinis F
  • Corresponding author: Cesare Gridelli, MD (Division of Medical Oncology, S.G. Moscati Hospital, Avellino, Italy)
  • 雑誌: ESMO Open
  • 発行年: 2022
  • Epub日: 2021-12-16
  • Article種別: Review
  • PMID: 34922299

背景

進行非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者において、免疫チェックポイント阻害薬 (ICI) は一次治療の標準として確立されている。PD-L1発現が50%以上の患者では、単剤のペムブロリズマブ、セミプリマブ、またはアテゾリズマブが推奨され、PD-L1発現にかかわらず、プラチナ製剤ベースの化学療法とICIの併用療法も標準治療となっている。具体的には、KEYNOTE-024IMpower150KEYNOTE-407などの主要な臨床試験により、化学療法とペムブロリズマブまたはアテゾリズマブの併用療法が有効であることが示されている。さらに、CheckMate 9LAおよびPOSEIDON試験では、ニボルマブとイピリムマブに2サイクルの化学療法を併用するデュアルICI+化学療法レジメンも承認された。これらの画期的な治療法の確立は、NSCLCの治療成績を大きく向上させた。

しかしながら、これらの主要な臨床試験は、ほとんどの場合、ECOG Performance Status (PS) が0または1の患者を対象としており、PS 2の患者はほとんど全ての試験から除外されてきた。PS 2の患者は、全進行NSCLC患者の20%から30%を占めるにもかかわらず、彼らに対するICIの安全性と有効性に関するエビデンスは極めて限られているのが現状である。この点が、臨床現場における大きな知識ギャップとなっている。PS 2という分類は、単一の均質な集団ではなく、腫瘍関連因子(癌による体力低下、疼痛、腫瘍負荷など)と併存疾患関連因子(心肺疾患、内分泌疾患など)が混在している。これらの異なる原因によるPS低下は、治療反応性や予後に大きく影響する可能性があるため、PS 2患者をさらに細分化して評価する必要がある。

これまでのところ、PS 2患者における一次免疫療法に関する利用可能なエビデンスは、少数の観察研究、後ろ向きコホート研究、および小規模な第II相試験(例: PePS2試験)に限定されており、データが不足している。これらの限定的なデータでは、PS 2患者におけるICIの安全性プロファイルは許容範囲内であることが示唆されているものの、PS 0-1患者と比較して治療成績が劣る傾向にあることが報告されている。特に、化学療法とICIの併用療法については、PS 2患者における毒性リスクへの懸念が強く、その安全性データが未確立である。Sweeney et al. Cancer 2001Scagliotti et al. J Clin Oncol 2002といった先行研究は、PS 2患者における化学療法の毒性リスクと劣悪な予後を指摘しており、免疫療法においても同様の懸念が未解明であった。

このようなエビデンスの不足は、PS 2の進行NSCLC患者に対する一次免疫療法の最適な使用法について、臨床現場で大きな課題と議論を生じさせている。このアンメット・ニーズに対応するため、国際的な専門家パネルによるコンセンサス形成が強く求められていた。本パネル会議は、既存の限られたエビデンスを体系的にレビューし、PS 2患者に対する一次免疫療法の適切な適用に関する国際的な推奨事項と、今後の臨床研究における優先課題を明確にすることを目的として開催された。これにより、PS 2患者の治療選択における知識ギャップを埋め、より良い臨床意思決定を支援することが期待される。

目的

本国際専門家パネル会議は、ECOG PS 2の進行NSCLC患者に対する一次免疫療法(単剤ICI、化学療法+ICI、デュアルICI)の安全性および有効性に関する利用可能なエビデンスをレビューすることを目的とした。具体的には、以下の主要な目標を設定した。

  1. PSスケールの妥当性評価: 免疫療法時代におけるECOG PSスケールの適用性、特にPS 2の定義と、PS低下の決定因子(腫瘍関連または併存疾患関連)が治療選択に与える影響について評価する。
  2. 単剤ICIの安全性と有効性: PD-L1高発現(≥50%)のPS 2患者における単剤ICI(主にペムブロリズマブ)の安全性プロファイルと臨床的有効性に関するエビデンスを検討し、その適用可能性についてコンセンサスを形成する。
  3. 化学療法+ICI併用療法の安全性と有効性: 扁平上皮癌および非扁平上皮癌のPS 2患者における化学療法と単剤ICIの併用療法の安全性および有効性に関するエビデンスを評価し、特に毒性リスクに焦点を当てて推奨を検討する。
  4. デュアルICI併用療法の安全性と有効性: PS 2患者における化学療法とデュアルICI(ニボルマブ+イピリムマブ)の併用療法の安全性と有効性について、限られたデータに基づき議論し、その適用可能性を評価する。
  5. PD-L1値による治療選択: PD-L1高発現(≥50%)のPS 2患者において、単剤ICIと化学療法+ICI併用療法のどちらを選択すべきか、PD-L1発現レベルが治療選択に影響を与えるか否かを検討する。
  6. 今後の研究優先事項の特定: PS 2患者における一次免疫療法に関するエビデンスの不足を補うため、高、中、低優先度の臨床研究課題を定義し、今後の研究の方向性を示す。

これらの目的を達成することで、PS 2の進行NSCLC患者に対する一次免疫療法の臨床的実践における課題を明確にし、より適切な治療戦略の策定に貢献することを目指した。

結果

PS 2の定義とECOG PSスケールの妥当性 (Q1・Q2): パネリスト全員が、ECOG PSスケールが免疫療法時代における患者の臨床状態評価に「不十分」であるとの懸念を表明した (Table 1)。ECOG PSスケールは、もともと化学療法の毒性予測のために開発されたものであり、PS 2という分類は、腫瘍関連因子と併存疾患関連因子の両方によって引き起こされる可能性がある。これらの決定因子によるPS低下の細分化が必要であるとの見解で一致した。例えば、Facchinetti et alの研究では、併存疾患由来のPS 2患者のmOSが11.8ヶ月であったのに対し、疾患負荷由来のPS 2患者ではmOSが2.8ヶ月と、原因によって予後に4倍もの差があることが示されている (HR 0.5, p=0.001)。また、医師報告PSと患者報告PSの間に乖離があることが確認されており (Malalasekera et al)、PS評価に主観的要素が含まれることが示唆された。年齢はPS評価とは独立した変数であり、PS 2と高齢を混同すべきではないという点でパネルは一致した (Quoix et alのIFCT-0501試験でも同様の知見が示されている)。免疫状態評価のための新しいPSスケール開発が、低・中優先度のリサーチイシューとして設定された (Table 2)。

単剤ICI (ペムブロリズマブ、PD-L1≥50%) の安全性 (Q3): PS 2患者における単剤ICIの安全性については、パネリスト間で特段の懸念は示されなかった。唯一利用可能な前向きデータは、PePS2試験 (Middleton et al. Lancet Respir Med 2020) である。この単腕第II相試験 (n=60、PS 2、全治療ライン) の一次治療コホート (n=24) では、全毒性率28%、Grade ≥3の治療関連有害事象 (TRAE) 15%、投与中止率10%と、許容範囲内の毒性プロファイルが示された。また、後ろ向き実臨床データの系統的レビューとメタ解析 (Tomasik et al. Lung Cancer 2021) では、PS ≥2 (n=1,339) とPS ≤1 (n=5,963) の間で有害事象発生率に差がないことが報告されており、有害事象プロファイルは同等であった。単剤ICIに対する特定の併存疾患(酸素需要、肺線維症、ステロイド依存など)による禁忌は、PS 2自体とは独立して存在するとされた。パネル全員が「PD-L1≥50%のPS 2患者への単剤ICI(ペムブロリズマブ)は安全である(Probably yes)」と結論した (Table 1)。

単剤ICIの有効性 (Q4): PePS2試験の一次治療コホート (n=24) では、mOS 7.9ヶ月 (95% CI 2.6ヶ月-NR)、客観的奏効率 (ORR) 21%であり、38%の患者で持続的臨床的ベネフィットが達成された。PD-L1≥50%のサブグループ (n=15) では、mOS 14.6ヶ月と良好な成績が示された。しかし、PS 2はPS 0-1と比較して治療成績が劣る強力な陰性予後因子であることが確認された。Facchinetti et alの後ろ向き研究では、併存疾患由来のPS 2患者でmOS 11.8ヶ月、疾患負荷由来のPS 2患者でmOS 2.8ヶ月 (HR 0.5, p=0.001) と、PS低下の原因によって効果が大きく異なることが示された。mPFSの比較でも同様に、併存疾患由来で5.6ヶ月、疾患負荷由来で1.8ヶ月 (HR 0.5, p=0.001) であった。他の後ろ向き研究 (Sehgal et al. JAMA Netw Open 2021; Cortellini et al. Cancer Immunol Immunother 2020; Alessi et al. J Immunother Cancer 2020) でも、PS 2がペムブロリズマブの応答率、PFS、OSを悪化させる独立予後因子であることが一貫して確認された。実臨床でのORRは20–25%で一貫していた。CheckMate 153試験 (ニボルマブ、二次治療、PS 2 n=57) ではmOS約5ヶ月、症状改善が確認されたが、PS 0-1のmOSの半分以下であった。CheckMate 171試験 (扁平上皮癌二次治療、PS 2 n=103/811) ではGrade ≥3 AE 5.9%と低率であったが、mOSはPS 0-1の約半分 (5.2ヶ月 vs 11.0ヶ月) であった。パネルは「PS 2への単剤ICIの有効性は推測可能(Probably yes)だが、前向き試験データが必要」とコンセンサスした (Table 1)。

化学療法+単剤ICI (扁平上皮癌:Q5・Q6): 扁平上皮癌のPS 2患者における化学療法と単剤ICIの併用療法に関する前向き試験データは存在しない。評価は後ろ向き研究 (Waterhouse et al. Lung Cancer 2021; Gan et al. Eur J Cancer 2021) のみに基づいている。Waterhouse et al. (2021) の実臨床データでは、PS ≥2患者 (全体の16%) において、良好PS患者と比較してOS中央値が著明に短縮していた(扁平上皮癌:8ヶ月 vs 11.6ヶ月;非扁平上皮癌:6.3ヶ月 vs 14.2ヶ月)。Gan et al. (2021) では、試験適格外患者(PS >1が61%を占める)でmOS 5.3ヶ月 vs 20.4ヶ月 (p<0.0001) と劣った成績が示された。毒性データは利用不可能であった。KEYNOTE-407試験 (カルボプラチン+nab/パクリタキセル) およびKEYNOTE-189試験 (カルボプラチン+ペメトレキセド) のGrade ≥3 TRAE頻度はそれぞれ69.8%および67.2%と、PS 0-1患者でも高率であったため、PS 2患者では毒性リスクがさらに高いと判断された (Table 3)。扁平上皮癌向けのレジメンは、非扁平上皮癌向けのペメトレキセドベースのレジメンよりも毒性が高い傾向にある。パネルは「扁平上皮癌のPS 2患者での化学療法+ICI組み合わせは、安全性データが揃うまで推奨困難(Probably no)」と判断した (Table 1)。

化学療法+単剤ICI (非扁平上皮癌:Q7・Q8): 非扁平上皮癌のPS 2患者における化学療法と単剤ICIの併用療法についても、前向き試験データは存在しない。ペメトレキセドベースの化学療法は、PS 2患者において過去に許容されてきた経緯があり (Zukin et al. J Clin Oncol 2013; Morabito et al. Lung Cancer 2013)、パネリストはペメトレキセドベースの併用療法の毒性は扁平上皮癌向けレジメンよりも「一般的によりよく耐容される」と評価した。有効性については「おそらく有益(Probably yes)」であろうが、安全性データが揃うまでは「Probably no」と判断された。ただし、国際的に単剤ICI(PD-L1 ≥1%)が承認されている地域では、PD-L1陰性患者にのみ化学療法+ICI組み合わせを検討するよう推奨された (Table 1)。

デュアルICI (ニボルマブ+イピリムマブ:Q9・Q10): PS 2患者専用のデュアルICIに関する直接データは、CheckMate 817試験 (コホートA1、n=139、PS 2) のみである (Barlesi et al. J Thorac Oncol 2019)。初期結果では、ORR 20%であり、PD-L1高発現サブグループでmPFS 8.2ヶ月 (95% CI 1.4-14.18ヶ月) と興味深い有効性が示された。しかし、Grade 3-4 TRAEが24%という毒性率は、PS 2の高リスク集団において「非常に懸念される (highly relevant)」と評価された。抗CTLA-4抗体(イピリムマブ)の追加によりTRAEが顕著に増加することが主要な第III相試験 (Table 3) で示されており(Hellmann et al. NEnglJMed 2019:Grade ≥3 TRAE 32.8%、投与中止率18.1%;CheckMate 9LA:Grade ≥3 TRAE 47%)、PS 2患者へのリスクは重大であると評価された。CheckMate 817の最終データが未公開であること、および米国以外ではニボルマブ+イピリムマブのPD-L1陽性NSCLC適応が未承認であることから、深い議論は見送られた。パネルコンセンサスは「安全性データが揃うまで推奨困難(Probably no)」であった (Table 1)。

PD-L1値による治療選択 (Q11): PD-L1≥50%のPS 2患者で単剤ICIと化学療法+ICI組み合わせのどちらを選択すべきかについて、Flatiron実臨床データ (Peters et al. Ann Oncol 2021) では、PS 0-1の非扁平上皮癌患者において、PD-L1高発現患者への化学療法+ICIと単剤ICIのOS差がないことが示された(neverスモーカーを除く)。パネルは、PD-L1値(50–89% vs ≥90%)がPS 2患者での治療選択を規定するほどのエビデンスはないと判断した(全員「No」)。ただし、PD-L1≥90%では単剤ペムブロリズマブのORRが60%であったのに対し、PD-L1 50–89%では32.7% (p<0.001) と有意差があり、PFS (14.5ヶ月 vs 4.1ヶ月) およびOS (NR vs 15.9ヶ月, p=0.002) でも同様の有意差が注目された (Aguilar et al. Ann Oncol 2019)。しかし、これらのデータはPS 0-1患者が主であり、PS 2患者での明確なエビデンスは不足している。

リサーチ優先事項 (Table 2): 高優先度として、以下の3点が挙げられた。(1) PS 2患者を層別化因子または専用コホートとして組み込んだ前向き第III相試験への参加(最高優先)、(2) 単剤化学療法+ICI試験、(3) 減量/個別化プラチナ双剤療法+ICI試験。中優先度として、PS 2専用のPD-1/PD-L1+CTLA-4(デュアルICI)試験、ICI治療期間研究、代替投与スケジュール/用量検討、PD-L1≥50%でのICI単剤対化学療法+ICI比較研究が挙げられた。低優先度として、PS 2患者の免疫活性化血液バイオマーカー研究が設定された。PD-1受容体結合持続時間を考慮した投与間隔延長 (Brahmer et al. JClinOncol 2010) も中優先度として言及された。

考察/結論

本エキスパートパネル会議は、ECOG PS 2の進行NSCLC患者に対する一次免疫療法に関する現時点でのエビデンスの限界を明確にし、今後の臨床実践と研究の方向性を示す重要なコンセンサス文書である。PS 2患者は、主要な臨床試験から除外されてきたアンメット・ニーズの高い集団であり、その治療選択はこれまで困難であった。

先行研究との違い: これまでの研究はPS 0-1患者に焦点を当ててきたが、本パネルはPS 2患者に特化し、PS低下の原因(腫瘍関連 vs 併存疾患関連)が予後に大きく影響するというFacchinetti et alの知見を強調した点で、これまでの議論と異なる。特に、併存疾患由来のPS 2患者では単剤ICIのベネフィットが期待される一方で、疾患由来のPS 2患者ではmOSが2.8ヶ月と極めて限定的であるという具体的な数値を示し、PS 2を一括りに扱うことの限界を明確に指摘した。

新規性: 本研究で初めて、PS 2患者における各免疫療法レジメン(単剤ICI、化学療法+ICI、デュアルICI)の安全性と有効性に関する利用可能なエビデンスを体系的にレビューし、国際的な専門家パネルによる推奨を形成した。特に、化学療法併用ICIやデュアルICIの毒性リスクを詳細に評価し、PS 2患者におけるこれらの治療の推奨困難性を明確に示した点は新規性がある。また、PS 2の細分化の必要性を強く提唱し、今後の臨床研究の優先課題を具体的に提示したことも、これまでにないアプローチである。

臨床応用: 本コンセンサスは、PD-L1≥50%のPS 2患者(特に併存疾患由来)に対する単剤ペムブロリズマブの妥当性を支持し、臨床現場での意思決定に直接的な指針を提供する。一方で、化学療法併用ICIやデュアルICIについては、安全性データが不足している現状では推奨困難であるとの見解を示し、過度な治療による毒性リスクを回避するよう促している。これにより、PS 2患者の治療選択における医師の判断を支援し、より個別化された治療戦略の導入を促進する臨床的意義がある。

残された課題: 今後の検討課題として、PS 2患者を層別化因子または専用コホートとして組み込んだ前向き第III相試験の実施が最優先事項として挙げられた。現在進行中のIPSOS試験(アテゾリズマブ対単剤化学療法)やeNERGY試験(ニボルマブ+イピリムマブ対化学療法)に期待が寄せられるが、これらの試験はPS 2と高齢患者を混在させており、結果の解釈には限界がある可能性が指摘された。また、単剤化学療法+ICIや減量/個別化プラチナ双剤療法+ICIといった、毒性軽減と有効性確保を両立するアプローチの評価も重要な今後の研究方向性である。PS 2患者の免疫活性化バイオマーカー研究も低優先度ながら、免疫療法の効果予測に資する可能性を秘めている。本パネルは、PS 2患者という「アンメット・ニーズ」の大きい集団に対するエビデンス構築の必要性を国際的に提唱した重要な論文であり、今後の研究の方向性を明確に示した。

方法

本研究は、イタリア胸部腫瘍学会 (AIOT: Associazione Italiana di Oncologia Toracica) が主催する第13回国際専門家パネル会議の結果をまとめたレビュー記事である。会議は2021年7月にバーチャル形式で開催され、「PS 2の進行NSCLC患者における一次治療としての免疫療法」をテーマに議論が行われた。

専門家パネル: パネルは、中国、ドイツ、イタリア、スイス、米国の6カ国から集まった6名の医療腫瘍学専門家で構成された。これらの専門家は、NSCLC治療における豊富な臨床経験と研究経験を有している。

文献レビュー: 会議の第一部では、PS 2のECOG患者における一次免疫療法の使用に関する利用可能なエビデンスを正式にレビューした。文献検索はPubMedを用いて、「non-small-cell lung cancer」と「PS 2」の組み合わせで実施された。英語で書かれた記事のみが議論の対象とされた。また、2000年から2021年までの主要な国際会議(米国臨床腫瘍学会 (ASCO)、欧州臨床腫瘍学会 (ESMO)、国際肺癌学会 (IASLC))で発表された抄録も検索対象に含まれた。本記事の作成にあたり、2021年のASCOおよびESMO会議の議事録で検索が更新された。選択された記事からの関連参考文献も含まれ、パネルメンバーの個人コレクションからも追加の記事が選択された。この文献レビューは、特定の包含・除外基準を設け、PS 2患者に焦点を当てた研究のみを対象とすることで、関連性の高いエビデンスを抽出した。

臨床的質問とコンセンサス形成: 会議の第二部では、事前にパネリスト間で合意された11の臨床的質問(Q1-Q11)について、活発な議論が行われた。これらの質問は、PS 2患者の評価、単剤ICI、化学療法+ICI併用療法、デュアルICI併用療法、およびPD-L1値に基づく治療選択に関するものであった。国際的な適用性を考慮し、米国食品医薬品局 (FDA) および欧州医薬品庁 (EMA) によって承認されたICI治療レジメンに議論は限定された。そのため、KEYNOTE-042およびCheckMate 227試験のスケジュールに基づくPD-L1 ≥1% NSCLC患者における一次単剤ペムブロリズマブおよびニボルマブとイピリムマブの併用療法は、パネリストの議論の対象とはされなかった。各質問に対する専門家の結論は、コンセンサスに基づいて「Yes」「Probably yes」「Probably no」「No」のいずれかで表明された (Table 1)。このコンセンサス形成プロセスは、Delphi法に準拠し、専門家の意見を集約する手法を採用した。

臨床研究の優先事項: 臨床研究に関しては、各パネリストから課題が提案され、パネルの投票によって高、中、低の優先度が割り当てられた (Table 2)。

報告書の作成: 会議中にライブで共有された議事録がまとめられ、全てのパネリストによって合意された。この議事録が本稿の基礎となり、全てのパネリストが各質問に対する共有された声明を確認し、最終原稿を承認した。本レビューは、既存の臨床試験データ、リアルワールドデータ、および専門家の意見を統合し、PS 2の進行NSCLC患者に対する一次免疫療法の最適なアプローチに関するコンセンサスを形成することを目的とした。統計解析は本レビューの性質上実施されず、既存のエビデンスの定性的な評価と専門家の合意形成に重点が置かれた。