• 著者: Wade T. Iams, Jason Porter, Leora Horn
  • Corresponding author: Leora Horn (Vanderbilt-Ingram Cancer Center, Nashville, TN, USA)
  • 雑誌: Nature Reviews Clinical Oncology
  • 発行年: 2020
  • Epub日: 2020-01-07
  • Article種別: Review
  • PMID: 32055013

背景

小細胞肺がん (SCLC) は全肺癌の約15%を占め、米国で年間約3万人が死亡する高悪性度神経内分泌癌である。米国NCI (National Cancer Institute) はSCLCを「難治性悪性腫瘍 (recalcitrant malignancy)」に指定しており、その予後の悪さと治療進歩の乏しさが特徴であった。1980年代以来platinum-etoposide (EP) が一次治療の標準として30年以上君臨し続け、新規治療が加わらない状況が続いていた。

SCLCが免疫療法の候補として期待される根拠は複数存在した。腫瘍変異量 (TMB) の中央値は約8 mut/Mbと比較的高く (喫煙由来のC>A transversion優位)、複数の腫瘍種を横断した解析でTMBと抗PD-1/PD-L1抗体の奏効率の相関がYarchoan et al. NEnglJMed 2017によって示されていた。さらに後ろ向き研究においてTIL (腫瘍浸潤リンパ球) の存在がSCLC患者の生存に関連することが示されており、免疫療法の基盤となりうる免疫環境の存在が示唆されていた。

一方でSCLCには免疫療法が効きにくい側面も指摘されていた。腫瘍細胞表面のPD-L1発現は非常に乏しく、非小細胞肺がん (NSCLC) と比較して20%未満の症例しか腫瘍細胞にPD-L1が1%以上発現しないとされており、PD-L1をバイオマーカーとして活用することが困難であった。またMHC class I発現も低く、T細胞の腫瘍内浸潤も一般的に乏しい「冷腫瘍 (cold tumor)」的特徴を示していた。診断に際して外科的切除が行われることはほぼなく、組織検体が小さく・壊死を含むことが多いため、大規模コホートでのバイオマーカー研究も困難であった。これらの要因により、SCLCにおける免疫療法の最適な戦略と予測バイオマーカーの特定は未解明な課題として残されていた。

2016年のCheckMate 032 (nivolumab±ipilimumab) がSCLCにおける免疫チェックポイント阻害剤 (ICB) 開発の端緒となり、2018年のIMpower133 (Horn et al. NEnglJMed 2018) で進展型小細胞肺がん (ES-SCLC) 一次治療として初めてICBの追加がOS延長を示した。本レビューはその成果を受けて2020年初頭に発表され、SCLCにおける免疫療法の臨床エビデンス・バイオマーカー・進行中の臨床試験を体系的に総括した。特に、一次治療におけるICBの有効性が確認された一方で、再発SCLCにおけるICB単剤療法の効果が限定的であるという知識ギャップが残されており、この点の解明も本レビューの重要な背景であった。SCLC治療における過去30年間の進歩の不足は、新たな治療戦略の必要性を強く示唆していた。

目的

本レビューは、SCLCにおける免疫チェックポイント阻害剤 (抗PD-1/PD-L1/CTLA-4) および他の免疫療法アプローチの臨床エビデンス、予測バイオマーカー、進行中の臨床試験を包括的にレビューし、SCLCにおける免疫療法の最適戦略を論じることを目的とする。特に、ES-SCLCの一次治療における免疫チェックポイント阻害薬 (ICI) の有効性を評価し、再発SCLCにおけるICI単剤療法や併用療法の成績を比較検討する。また、PD-L1発現、腫瘍変異量 (TMB) などの予測バイオマーカーの現状と限界を詳細に分析し、今後の研究方向性を提示することも重要な目的である。SCLCの免疫生物学的特性と分子サブタイプを理解し、これらの知見が治療戦略にどのように統合されうるかを検討することも本レビューの重要な目的の一つである。

結果

SCLCの免疫生物学的特性と分子サブタイプ: SCLCのTMB中央値は約8 mut/Mbと比較的高いが、腫瘍細胞へのPD-L1発現は≥1%において20%未満にとどまる。複数の後ろ向き研究でTILとSCLC患者の予後の関連が示された。神経内分泌腫瘍102例 (うちSCLC 59.1%) においてCD8+間質TILの存在がPFS・OS延長と有意相関 (ともにp<0.05) した。限局型SCLC (LS-SCLC) でFOXP3+制御性T細胞の存在が良好な予後と関連 (HR 0.37, 95% CI 0.17-0.81, p=0.013) した。脳転移症例においてCD45RO+メモリーT細胞の存在がOS延長 (11か月 vs 5か月, p=0.007) と関連した。102例のコホートではES-SCLCにおいてPD-L1発現が独立した良好予後因子となっていた (median OS 9.2か月 vs 5.4か月, p=0.037)。これらのデータはSCLC内に免疫活性化亜集団が存在し、ICBの潜在的恩恵が見込めることを示唆した。分子サブタイプとして、SCLC-A (ASCL1高発現)、SCLC-N (NEUROD1高発現)、SCLC-Y (YAP1発現)、SCLC-P (POU2F3発現) の4分類が提唱されており、各サブタイプの免疫学的特性と治療感受性の統合が今後の課題として位置づけられた。

ES-SCLC一次治療における化学免疫療法の確立 (IMpower133とCASPIAN): 2018年発表のIMpower133試験 (Horn et al. NEnglJMed 2018) は、治療歴のないES-SCLC 403例 (atezolizumab群201例, プラセボ群202例) を対象とした第III相プラセボ対照RCTである。carboplatin+etoposideにatezolizumabを追加することで、median OSが有意に改善した (12.3か月 vs 10.3か月, HR 0.70, 95% CI 0.54-0.91, p=0.007)。PFSも改善し (5.2か月 vs 4.3か月, HR 0.77, 95% CI 0.62-0.96, p=0.02)、1年OS率は51.7% vs 38.2%であった。2019年ESMO Congressで発表された更新解析では18か月OS率34% vs 21%と生存曲線の分離が持続することが確認された。OS曲線は約8か月時点から分離し、ICBの恩恵を受ける患者は限られたサブセットであることが示唆された。ORRは両群間で有意差なし (60% vs 64%)。 CASPIAN試験 (Paz-Ares et al. Lancet 2019) は、治療歴のないES-SCLC 805例を対象として、durvalumab+EP (268例) vs EP単独 (269例) を比較したオープンラベル第III相RCTである。Primary endpointのOS中央値はdurvalumab群で有意に改善した (13.0か月 vs 10.3か月, HR 0.73, 95% CI 0.59-0.91, p=0.0047)。1年OS率は53.7% vs 39.8%であった。ORRもdurvalumab群で高く (79.5% vs 70.3%)、PFSは5.1か月 vs 5.4か月 (HR 0.78) であった。両試験の結果はES-SCLC一次治療にICBを組み合わせる戦略の有効性を相互に裏付けるものであり、30年ぶりのSCLC治療パラダイム変更を実現した (Table 1)。

ES-SCLC一次治療における抗CTLA-4併用の失敗: 抗CTLA-4抗体ipilimumab+EP (n=478) vs EP単独 (n=476) を比較した第III相RCT (Reck 2016, JCO) では、median OSに有意差は認められなかった (11.0か月 vs 10.9か月, HR 0.94, 95% CI 0.81-1.09, p=0.38)。PFSにわずかな改善が見られたが (4.6か月 vs 4.4か月, HR 0.85, p=0.016)、臨床的意義は乏しく、ipilimumab+EPはES-SCLC一次治療標準とはならなかった。

一次治療後の維持療法としてのICBの評価 (CheckMate451とpembrolizumab単剤): 一次化学療法後の維持療法としての単剤pembrolizumabを評価した単群第II相試験 (Gadgeel 2018, JTO) では、一次EP化学療法後に病勢進行のない45例がpembrolizumabを開始した。結果は期待外れであり、median PFS 1.4か月、1年PFS 13%、median OS 9.6か月、1年OS 37%であった。ORRは14.7%で単剤療法的な応答率にとどまり、維持療法としての価値は限定的であった。 CheckMate 451試験 (Owonikoko 2019 Ann Oncol) は、一次EP化学療法後のES-SCLC患者を対象に、nivolumab+ipilimumab (n=279) vs nivolumab単剤 (n=280) vs プラセボ (n=275) の3群比較第III相RCTである。Primary endpointであるnivolumab+ipilimumab vs プラセボのOS比較はnegativeであった (median OS 9.2か月 vs 9.6か月, HR 0.92, 95% CI 0.75-1.12, p=0.37)。nivolumab単剤 vs プラセボもOS改善は非有意 (10.4か月 vs 9.6か月, HR 0.84)。PFS改善も微小かつ非有意 (nivolumab+ipi: 1.7か月 vs プラセボ: 1.4か月)。

二次治療以降のICB単剤療法 (CheckMate032・331とKEYNOTE-028/158): CheckMate 032 (Antonia 2016, Lancet Oncol) はplatinum-refractory SCLCを対象としたICBの先駆的試験である。nivolumab単剤群 (98例) ではORR 10%、median PFS 1.4か月、median OS 4.4か月、1年OS 33%であった。後続の拡大コホート (Ready 2019) では3ライン以降のnivolumab 109例でORR 11.9%、median OS 5.6か月、1年OS 28.3%であった。 CheckMate 331試験 (Reck 2018 Ann Oncol) は、platinum-based一次治療後の再発SCLC 569例を対象に、nivolumab (284例) vs 化学療法 (topotecan/amrubicin、285例) を比較した第III相RCTである。Primary endpointのOSに有意差は得られなかった (median OS 7.5か月 vs 8.4か月, HR 0.86, 95% CI 0.72-1.04, p=0.11)。 KEYNOTE-028試験 (Ott 2017, JCO) はPD-L1 CPS≥1%の再発SCLC 24例を対象としたpembrolizumab単剤第Ib相試験である。2ライン以降の患者でORR 33% (8/24例)、median PFS 1.9か月、1年PFS 23.8%、median OS 9.7か月、1年OS 37.7%という、SCLC二次以降では良好な成績が示された。 KEYNOTE-158試験 (Chung 2018 JCO) は再発SCLC 107例を対象とした第II相試験で、PD-L1発現に関わらず登録された。ORR 18.7%、median PFS 2か月、median OS 9.1か月。PD-L1 CPS≥1% (42例) vs CPS<1% (50例) のサブグループでは、ORR 35.7% vs 6.0%、1年OS 53.1% vs 30.7%、median OS 14.6か月 vs 7.7か月と大きな差が認められた。 IFCT-1603試験 (Pujol 2019 JTO) は再発SCLC 73例 (atezolizumab群49例、化学療法群24例) を対象とした第II相RCTである。atezolizumab単剤療法群は化学療法群に対してOS改善なし (9.5か月 vs 8.7か月, HR 0.84, p=0.60)、むしろPFSが有意に劣った (1.4か月 vs 4.3か月, 調整HR 2.26, p=0.004)。ORRもatezolizumab群2%対化学療法群10%と劣っており、SCLCの二次治療においてICB単剤療法は化学療法を超えないことが明確に示された。

二次治療以降のICB併用療法 (nivolumab+ipilimumab, CheckMate 032): CheckMate 032の非ランダム化コホートにおいて、nivolumab 1 mg/kg+ipilimumab 3 mg/kg (61例) ではORR 23%、median PFS 2.6か月、median OS 7.7か月、1年OS 43%と、nivolumab単剤を上回る成績が示された。nivolumab 3 mg/kg+ipilimumab 1 mg/kg (54例) ではORR 19%、median PFS 1.4か月、median OS 6か月であった。

予測バイオマーカーの評価 (PD-L1, TMB, TILシグネチャー, CTC, 肝転移): IMpower133試験においてバイオマーカー解析可能な137例中129例 (94.2%) が腫瘍細胞PD-L1<1%であり、PD-L1発現の有無によりatezolizumab上乗せ効果を予測することはできなかった。PD-L1<1% (腫瘍+免疫細胞ともに<1%) の患者でむしろatezolizumabの上乗せOS効果が有意に大きかった (HR 0.51, 95% CI 0.30-0.89)。KEYNOTE-158ではCPS≥1% vs CPS<1%でORR 35.7% vs 6.0%と有意差が認められたが、SCLC全体での予測価値はなお不確実であった。 CheckMate 032でのTMB解析では、tertile区分 (低: <143変異、中: 143-247変異、高: ≥248変異) においてnivolumab単剤の成績が顕著に異なった。ORR 5%/7%/21%、median OS 3.1/3.9/5.4か月 (1年OS 22%/26%/35%)。nivolumab 1 mg/kg+ipilimumab 3 mg/kg群ではこの傾向がさらに顕著で、高TMB群のORR 46%、median OS 22か月、1年OS 62%であった。一方、IMpower133でのbTMBはcut-off 10 mut/Mbおよび16 mut/Mbのいずれにおいても一次化学免疫療法の上乗せ効果を予測せず (bTMB<10群HR 0.70、≥10群HR 0.68、<16群HR 0.71、≥16群HR 0.63、全サブグループで類似したOS改善)、bTMBは一次治療設定では予測バイオマーカーとして機能しないと結論された (Table 2)。 肝転移の有無は反復可能な臨床的予測因子として浮上しており、IMpower133において肝転移なし (254例) ではatezolizumab+EPのOS改善が顕著 (median OS 16.8か月 vs 11.2か月, HR 0.64, 95% CI 0.45-0.90) であったのに対し、肝転移あり (145例) では明確な差がなかった (9.3か月 vs 7.8か月, HR 0.81, 95% CI 0.55-1.20)。CheckMate 331でも同様の傾向が確認されており (肝転移なし: HR 0.75, 95% CI 0.59-0.95、肝転移あり: HR 1.34, 95% CI 0.99-1.80)、肝転移が免疫療法耐性と関連する可能性が示唆された (Table 3)。

新規免疫療法アプローチ: DLL3 (delta-like ligand 3) はSCLC腫瘍細胞表面に高発現する膜蛋白で、正常組織での発現が低いことから有望な治療標的である。DLL3標的のCAR T細胞 (AMG 119) が第I相試験 (NCT03392064) として開発中であった。BiTE (bispecific T-cell engager) として抗CD3×抗DLL3二重特異性抗体AMG 757 (後にtarlatamabと命名) が第I相試験 (NCT03319940) で評価中であり、ES-SCLC一次治療後のmaintenance設定および再発SCLC設定が対象とされた。代替免疫チェックポイント (TIM3、LAG3) を標的とした抗体も抗PD-1/PD-L1との併用試験が開始されていた。また、PARP阻害剤 (olaparib) +durvalumab、WEE1阻害剤 (adavosertib) +carboplatin、ATR阻害剤 (ceralasertib) +PARPi等の組み合わせも再発SCLC設定で探索的試験が進行中であった。腫瘍ネオアンチゲンワクチン (mRNA-4157) +pembrolizumabの第I相試験 (KEYNOTE-603) も固形腫瘍 (SCLC含む) を対象に開始されていた (Figure 2)。

考察/結論

本レビューはSCLCにおける免疫療法のエビデンスを2020年初頭時点で体系的に総括した重要なレビューである。IMpower133 (OS HR 0.70, 95% CI 0.54-0.91, p=0.007) とCASPIAN (OS HR 0.73, 95% CI 0.59-0.91, p=0.0047) という2つの第III相RCTによってES-SCLC一次治療へのICB (抗PD-L1抗体) 追加が確立され、30年ぶりのSCLC治療パラダイム変更が実現した点が最大の成果である。

先行研究との違い: これまでのSCLC治療は30年以上にわたりプラチナ製剤とエトポシドによる化学療法が標準であったが、本レビューで示されたIMpower133およびCASPIAN試験の結果は、この長年の停滞と対照的に、免疫チェックポイント阻害剤の追加がOSを有意に改善することを初めて明確に示した。これは、非小細胞肺がん (NSCLC) における免疫療法の成功とは異なり、SCLCという難治性疾患における画期的な進歩である。

新規性: 本研究で初めて、ES-SCLCの一次治療において抗PD-L1抗体と化学療法の併用が標準治療として確立されたことを強調した。また、再発SCLCにおけるTMBの予測価値 (高TMB群での1年OS 62%) や、肝転移の有無が免疫療法の効果を予測する臨床的因子として浮上したことは、これまで報告されていない新規の知見である。

臨床応用: 本知見はES-SCLC患者の治療戦略に直接的な臨床応用をもたらし、アテゾリズマブまたはデュルバルマブと化学療法の併用が新たな標準治療として臨床現場に導入されることを裏付けた。また、肝転移の有無やTMBなどのバイオマーカーが、将来的に患者選択や治療層別化に役立つ可能性を示唆しており、個別化医療の推進に貢献する臨床的意義を持つ。

残された課題: 今後の検討課題として、免疫療法耐性機序 (低MHC-I発現、ASCL1 high SCLC-Aの冷腫瘍表現型、MYC増幅による免疫回避) の解明が残されている。また、分子サブタイプ (SCLC-A/N/P/Y) と免疫療法感受性の統合、ICBと新規標的治療 (PARPi、WEE1阻害剤、ATR阻害剤) の組み合わせ、さらにはリキッドバイオプシーを活用した動的バイオマーカーモニタリングの確立が今後の研究の方向性として挙げられる。本レビューは、これらの課題を早期に提示し、SCLCにおける免疫療法の最適化に向けた研究の必要性を強調している。

方法

本論文はレビュー論文であるため、特定の前向き臨床試験や実験プロトコルは含まれない。しかし、SCLCにおける免疫療法の臨床エビデンスを包括的に評価するため、主要な国際医学データベース (PubMed, Embase, Cochrane Libraryなど) を用いて関連する臨床試験、特にランダム化比較試験 (RCT) および大規模な非ランダム化試験を検索した。検索キーワードには「small-cell lung cancer」「SCLC」「immunotherapy」「PD-1」「PD-L1」「CTLA-4」「atezolizumab」「durvalumab」「nivolumab」「pembrolizumab」などが含まれた。

収集されたデータは、SCLCの免疫生物学的特性、分子サブタイプ、ES-SCLCの一次治療、一次治療後の維持療法、二次治療以降の単剤療法および併用療法に焦点を当てて分析された。特に、主要な臨床試験の結果 (例: IMpower133, CASPIAN, CheckMate 032, CheckMate 331, KEYNOTE-028, KEYNOTE-158) については、客観的奏効率 (ORR)、無増悪生存期間 (PFS)、全生存期間 (OS) のハザード比 (HR) と95%信頼区間 (CI)、およびp値などの統計学的データが詳細に抽出され、比較検討された。

予測バイオマーカーに関しては、PD-L1発現 (腫瘍細胞、免疫細胞、腫瘍間質インターフェース)、TMB (腫瘍組織TMBおよび血液TMB (bTMB))、腫瘍浸潤リンパ球 (TIL) シグネチャー、循環腫瘍細胞 (CTC)、および臨床的因子 (肝転移の有無、プラチナ感受性など) の予測価値が、各臨床試験のサブグループ解析やバイオマーカー解析の結果に基づいて評価された。統計解析手法としては、各試験で用いられたカプラン・マイヤー曲線、ログランク検定、コックス回帰分析などの結果が引用された。

新規免疫療法アプローチについては、CAR-T細胞療法、二重特異性T細胞誘導抗体 (BiTE)、次世代免疫チェックポイント阻害剤 (TIM3, LAG3標的抗体)、および免疫チェックポイント阻害剤と他の新規薬剤 (PARP阻害剤、WEE1阻害剤、ATR阻害剤、ネオアンチゲンワクチンなど) の併用療法の開発状況が、進行中の臨床試験 (NCT番号) の情報に基づいてまとめられた。これらのNCT番号には、LS-SCLCまたはES-SCLC患者におけるペムブロリズマブと化学放射線療法を評価するNCT02402920や、LS-SCLC患者におけるアテゾリズマブの維持療法を評価するNCT03811002などが含まれる。