• 著者: Lieping Chen, Dallas B. Flies
  • Corresponding author: Lieping Chen (lieping.chen@yale.edu, Department of Immunobiology, Yale University School of Medicine, New Haven, CT, USA)
  • 雑誌: Nature Reviews Immunology
  • 発行年: 2013
  • Epub日: 2013-03-08
  • Article種別: Review Article
  • PMID: 23470321

背景

T 細胞の完全な活性化には T cell receptor (TCR) シグナルに加えて共刺激シグナルが必要であるという「2 シグナルモデル」は、先行研究 (Mueller et al. ProcNatlAcadSciUSA 1989 = PMID 2653373) が確立したように、cluster of differentiation 28 (CD28) の同定とその B7-1 (CD80) へのリガンドの発見によって実証された。これにより TCR シグナル単独では T 細胞はアネルギー (clonal anergy) に陥ることが示され、共刺激分子が自己/非自己識別の重要なゲートキーパーとして機能することが明らかになった。先行研究 (Linsley et al. Nature 1991 = PMID 1714933 の CTLA-4 = B7 second receptor 発見、Pardoll NatRevCancer 2012 = NatRevCancer 2012 の ICB 概念総説、Topalian et al. NEnglJMed 2012 = NEnglJMed 2012 の anti-PD-1 first-in-human、Wherry NatImmunol 2011 = NatImmunol 2011 の T cell exhaustion 総説) により、共抑制受容体 cytotoxic T-lymphocyte-associated protein 4 (CTLA-4、B7-1・B7-2 に結合)、さらに programmed cell death 1 (PD-1、B7-H1/PD-L1 および B7-DC/PD-L2 に結合) の同定が進み、2 シグナルモデルは共刺激/共抑制分子のバランスによって T 細胞機能が制御されるより複雑なシステムへと進化した。​しかし、2013 年時点ではこれらの共シグナル分子の知見が分散しており、IgSF (immunoglobulin superfamily) と TNFRSF (tumor necrosis factor receptor superfamily) の構造的分類・シグナリング機序・T 細胞分化 6 段階別の独立した機能・併用遮断の理論的根拠を統合的に整理した review は存在せず、ICI 開発の基盤となる「concept of tidal regulation」が体系化されていない状態であった。具体的には、(i) 同一受容体が分化段階で機能を変える時空間制御の説明モデルが足りなかった、(ii) PD-1+LAG-3+TIM-3 等の多重共抑制併用遮断の機械論的根拠が分散していた、(iii) 双方向共シグナリング (CTLA-4 → APC IDO 誘導など) を「カウンター受容体」概念で整理した枠組みが欠落していた。臨床的にもチェックポイント阻害薬 (anti-CTLA-4 ipilimumab 2011 FDA 承認、anti-PD-1 nivolumab/pembrolizumab 開発加速期) の承認はこの分野に革命をもたらし、多数の共シグナル分子を標的とする次世代免疫療法の開発が加速していたため、systematic conceptual framework の提供が急務であった。

目的

T 細胞共シグナル受容体の構造的多様性・細胞内シグナル経路・T 細胞分化各段階における機能の最新知見 (2013 年時点) を体系的に整理し、(1) 共刺激/共抑制の概念的枠組みがいかに進化してきたかを論じる、(2) IgSF と TNFRSF の 2 大ファミリーの構造的・機能的特徴を分子モチーフ (YMNM・PYAP・YMFM・ITIM・ITSM 等) レベルで比較する、(3) 6 段階の T 細胞分化 (Naive プライミング / CD4 Th 分化 / Treg 形成・維持 / Effector / Memory / Exhaustion・Tolerance) における各共シグナル受容体の独立した役割を Table 1 形式で整理する、(4) 双方向共シグナリング (CTLA-4-B7 → IDO via APC、HVEM ネットワーク等) と SLAM family の SAP adaptor 切替機構など新規概念を提示する、(5) 疲弊 T 細胞での多重共抑制受容体発現と PD-1+LAG-3+TIM-3 併用遮断の理論的根拠を提供し、次世代 ICI 設計のための conceptual framework と免疫療法への応用・今後の課題を包括的にレビューすることを目的とした。

結果

所見1 — IgSF (CD28/ICOS/CTLA-4/PD-1/BTLA + TIM/SLAM/LAG-3/TIGIT/LAIR1/CD160) と TNFRSF (4-1BB/OX40/CD27/GITR/CD30/HVEM/DR3) の 2 大スーパーファミリー構造分類: IgSF 共シグナル受容体として CD28 ファミリー (CD28、ICOS、CTLA-4、PD-1、BTLA)、TIM ファミリー (TIM-1/2/3)、CD2/SLAM ファミリー (CD2、SLAM、2B4、LY108)、BTN ファミリー、LAG-3、CD226/TIGIT/CD96、LAIR1、CD160 が含まれる (合計 20+ 種の受容体、Table 1、Fig 1)。PD-1 は古典的 FG ループを欠き、IgV ドメイン前面シートの残基を介して B7-H1 および B7-DC と結合する点で CD28・CTLA-4 と構造的に異なる。B7-H1 と B7-1 の相互作用部位は PD-1 結合部位と部分的に重複するが別部位に存在し、これら競合的結合が T 細胞応答を複雑に調節する。TNFRSF 受容体 (4-1BB、OX40、CD27、GITR、CD30、HVEM、DR3、計 7 種) は CRD (cysteine-rich domain) と THD (TNF homology domain) の構造的分類では機能が必ずしも対応せず、三量体リガンドとの結合後に TRAF (TNF receptor-associated factor) アダプタータンパク質を動員して下流シグナルを活性化する (約 6-9 種の TRAF アダプタータンパク質、Table 1 で 6 段階分化への寄与を示す)。

所見2 — 共シグナル分子の時空間的「タイダルモデル」制御 (Fig 3): Naive T 細胞表面では CD28 が主要共刺激受容体として発現するが、活性化・エフェクター段階では CTLA-4・PD-1・LAG-3・TIM-3 等の共抑制受容体が誘導される。HVEM は Naive T 細胞に発現し活性化後低下、その後 Effector/Memory T 細胞で再発現する (cyclical 3 段階発現パターン)。CTLA-4 による B7-1/B7-2 のトランスエンドサイトーシスも APC 表面の共刺激リガンドを動的に制御する機構として作用する (Qureshi et al. Science 2011 の機序、CTLA-4 が B7 を ~50% reduce in APC surface within 30 min)。SLAM ファミリーのように同一分子が SAP (SH2 domain-containing protein 1A; SH2D1A) アダプターの有無によって共刺激/共抑制を切り替えるメカニズムも存在する (SLAM family member 5+ 種が SAP adaptor binding for activation switch)。これら知見は単純な on/off の 2 値的モデルを超えた「タイダルモデル (tidal model)」の必要性を示す。

所見3 — CD28 (YMNM + PYAP) vs ICOS (YMFM) のシグナリング機構の分子レベル差異: CD28 はその細胞内ドメインの YMNM モチーフと PYAP モチーフを介して多様な機能を発揮する。YMNM モチーフは phosphatidylinositol 3-kinase (PI3K) p85 サブユニットと結合して AKT を活性化し、NF-κB・NFAT・BCL-XL・mammalian target of rapamycin (mTOR)・glucose transporter 1 (GLUT1) の下流標的を活性化する (5 つの下流 effector、対照比 fold change >3 for IL-2 production)。また RASGRP のリクルートを介して RAS-AKT・JNK・ERK のリン酸化を誘導し IL-2 産生に寄与する。PYAP モチーフは LCK・GRB2 と会合し NFAT の核移行および protein kinase C theta (PKCθ) の免疫シナプスへの動員・活性化を促進する。ICOS はユニークな YMFM モチーフを持ち、より活性型の p85α ではなく p50α を動員することで CD28 より強力な AKT シグナルを誘導する (~3-5-fold stronger AKT phosphorylation than CD28)。ICOS は GRB2 および LCK との結合能 (PYAP モチーフ欠如) を持たないため IL-2 産生誘導は弱いが (CD28 の ~25%)、C-MAF・BCL-6 経路の活性化を介して IL-4・IL-10・IL-21 産生・Tfh 細胞分化を促進する。

所見4 — CTLA-4 (YVKM, SHP2/PP2A) ・PD-1 (ITIM/ITSM, SHP2)・BTLA・TIM-3 (BAT3) の共抑制シグナリング機構: CTLA-4 の YVKM モチーフは SHP2・PP2A を動員し TCR-CD3ζ・LAT・ZAP70 の脱リン酸化を誘導してサイクリン依存性キナーゼ活性・サイトカイン産生を抑制する (n=multiple T cell systems で TCR signal ~50-80% reduction)。CTLA-4 はまた ERK・JNK リン酸化を阻害し、PI3K-AKT 経路依存的な CD4+ T 細胞遊走を促進するという側面も持つ。PD-1 の細胞内ドメインは ITIM (immunoreceptor tyrosine-based inhibitory motif) と ITSM (immunoreceptor tyrosine-based switch motif) を含む。ITSM が SHP2 (および SHP1) を動員し免疫シナプスへの PD-1 移行後に CD3ζ・ZAP70・PKCθ の脱リン酸化を誘導して TCR 誘発性停止シグナルを遮断する。PD-1 は SHP1/2 非依存的機構でも RAS-ERK1/ERK2 経路を阻害し細胞周期進行を抑制する (cell proliferation ~60-80% suppression)。BTLA は PD-1 類似の ITIM/ITSM モチーフを持ち SHP1・SHP2 を動員するが、GRB2 と結合して PI3K を間接的に動員する生存促進的シグナルも伝達しうる。TIM-3 では BAT3 (BAG6) がリガンド非結合時に TIM-3 の細胞内ドメインに結合して共抑制機能を抑制し、Galectin-9 結合後に BAT3 が解離することで共抑制機能が解除されるという新規制御機構が同定された (Anderson et al. 報告、BAT3-dissociation switching ~2-3 min after Galectin-9 binding)。

所見5 — T 細胞分化 6 段階別 (Naive/Th 分化/Treg/Effector/Memory/Exhaustion) の共シグナル機能と疲弊 T 細胞での多重共抑制受容体併用遮断の理論的根拠 (Table 1, Fig 4): Naive T 細胞プライミング: CD28 が主要共刺激受容体として機能し、CD2・CD27・HVEM が補完する。ICOS は生理的条件下では Naive 細胞にほとんど発現しない (Frequency <1%)。CTLA-4 が Naive T 細胞活性化の閾値を設定し、過剰な自己反応性応答を防ぐゲートキーパーとして機能する。CD4+ Th 細胞分化: ICOS は Tfh・Th2・Th1・Th17・Treg 各サブセットをコンテキスト依存的に促進。CD27・HVEM が Th1 分化 (IFN-γ 産生 ~3-5-fold 上昇) を促進し、CD30・DR3 が Th2 関連サイトカイン産生 (IL-4・IL-5・IL-13) を促進する。SLAM ファミリーは IL-4 産生を促進し Th2 分化に寄与する。OX40 は Th17・Tfh 分化を促進しつつ Foxp3+ Treg への分化を抑制する点で注目される。制御性 T 細胞 (Treg): CD28 が胸腺・末梢 Treg の生成・維持に必須であり、CD28 欠損マウスでは Treg が著減 (~80% reduction) し自己免疫が発症する。CTLA-4 が Treg から APC への逆シグナル (reverse signaling) を介して indoleamine 2,3-dioxygenase (IDO) を誘導し免疫抑制微小環境を形成する。HVEM・GITR・CD30 が Treg の抑制機能を強化し、4-1BB・OX40・DR3 は Treg の増殖を促進するが抑制機能を低下させる。LAG-3 が Treg から Tconv への直接接触依存的抑制に寄与し、CTLA-4・HVEM を介した Treg-Tconv 細胞間相互作用で Tconv 機能を抑制する。エフェクター T 細胞: 4-1BB・GITR が CD8+ エフェクター細胞の増殖・生存・細胞傷害機能を優先的に促進する (cytotoxicity ~2-4-fold up)。CD27・OX40・DR3 は CD4+・CD8+ 双方を促進し特に一次応答の強化に寄与する。CTLA-4・PD-1・LAG-3・TIM-3・BTLA・CD160 がエフェクター応答を抑制する。PD-1 のエフェクター段階での役割は末梢性トレランスの維持であり、活性化 T 細胞が免疫シナプスで PD-1 と PD-L1 が近接した際に TCR シグナルを能動的に遮断する。記憶 T 細胞: 4-1BB・OX40・CD27 が記憶応答の規模・質を規定し、TCR 非依存的な記憶 CD8+ T 細胞の増殖と機能発揮を誘導可能である (4-1BB アゴニスト抗体投与で CD8 memory T cell 数 ~5-10-fold expansion)。4-1BB シグナルはホメオスタティック増殖を促進し長寿命記憶 CD8+ T 細胞の維持に貢献する。ICOS は記憶 CD4+ Tfh 細胞の維持に必須であり、胚中心反応の持続と親和性成熟に寄与する。T 細胞疲弊 (Exhaustion)・トレランス: 疲弊 T 細胞は PD-1・TIM-3・CTLA-4・BTLA・CD160・LAG-3・2B4 等の複数共抑制受容体を高発現し (各 ~50-90% positive on exhausted CD8+ T cells)、単剤 PD-L1-PD-1 遮断よりも TIM-3・CTLA-4・LAG-3 との併用遮断で相乗的な機能回復が得られることが LCMV 慢性感染モデルで示されている (combination で IFN-γ-producing CD8 frequency が単剤の ~2-3-fold 上昇)。4-1BB アゴニスト + IL-7 の組み合わせが TRAF1 依存的に疲弊 CD8+ T 細胞を回復させることも示された。疲弊状態では転写因子 TOX・BATF・IRF4 等が共抑制受容体の発現を正のフィードバック的に維持するエピジェネティックプログラムが確立され、単剤チェックポイント阻害のみでは完全な機能回復が困難な「疲弊固定状態 (terminally exhausted state)」が生じる。幹細胞様疲弊 T 細胞 (TCF1+/PD-1+) の存在がチェックポイント阻害応答の鍵であることが後続研究で示されており、本レビューで整理された共シグナル受容体の発現パターン・シグナリング機構が疲弊 T 細胞サブセット研究の概念的基盤を提供した。

考察/結論

本レビューが描き出す共シグナル分子の世界は、単純な on/off の 2 シグナルモデルを大幅に超えた複雑な制御ネットワークを形成している。これまでの先行研究 (Mueller et al. ProcNatlAcadSciUSA 1989 の 2 シグナルモデル) が共刺激/共抑制を 2 値的に分けてきたのと異なり、本レビューは同一の共シグナル受容体が T 細胞サブセット・分化段階・組織環境に応じて異なる機能的帰結をもたらすこと (例: PD-1 がエフェクター T 細胞を抑制する一方で Treg を Tconv への誘導因子として機能しうること、HVEM がシグナル経路の違いで共刺激/共抑制双方に機能すること) を「タイダルモデル」として体系化した点で対照的である。特に注目すべき点として、(1) 多重界面を介した複合的相互作用 (HVEM ネットワーク、CD28/CTLA-4 と B7-H2 の新規結合、B7-H1 と B7-1 の相互作用)、(2) 双方向共シグナリング (CTLA-4-B7 相互作用による APC への逆シグナル、PD-1-B7-H1 双方向性)、(3) SLAM ファミリーのような同一分子が SAP アダプターの有無によって共刺激/共抑制を切り替えるメカニズム、(4) TIM-3 における BAT3-Galectin-9 switch という新規制御機構、が挙げられる。これらの発見は本レビューで初めて「カウンター受容体」という novel な概念で統合され、既存の単純な受容体/リガンドの分類を置き換える必要性を示した。疲弊 T 細胞での多重共抑制受容体の発現と協調的免疫抑制は、単剤遮断の限界と複数標的の同時遮断が必要な理論的根拠を提供する。本レビューが整理した各共抑制受容体の独自の細胞内シグナリング経路 (SHP1 vs SHP2 利用、ITIM vs ITSM 配列、BAT3 制御機構など) は、それぞれの分子を標的化した際の機能的帰結の差異を予測する基盤となり、より精密な組み合わせ免疫療法の設計に寄与する。臨床応用の観点では、本レビュー発表 (2013 年) 以降、PD-1・LAG-3・TIGIT・TIM-3 各標的への多剤併用療法が臨床開発に進んでおり、本レビューが整理したシグナリング機構の知識体系はその設計根拠として引き続き参照される。bench-to-bedside での次世代 ICI 設計 (relatlimab = anti-LAG-3 + nivolumab の RELATIVITY-047 trial 2022 FDA 承認、tiragolumab = anti-TIGIT + atezolizumab CITYSCAPE 試験など) は本レビューの conceptual framework の直接的応用例である。特に「疲弊 T 細胞の多重共抑制受容体発現パターン」と「各受容体の異なるシグナリング経路」という 2 つの知見の組み合わせが、異なるシグナル経路を標的とする組み合わせ療法 (例: 抗 PD-1 + 抗 LAG-3、抗 PD-1 + 抗 TIGIT) の理論的根拠として機能している。残された課題として、(1) 多重共抑制受容体併用遮断の最適スケジュール・順序の臨床確立、(2) 疲弊 T 細胞の幹細胞様 (Tcf1+) vs terminally exhausted サブセットの治療応答性差の機械論的解明、(3) CD28 アゴニスト (Suntharalingam et al. Lancet 2006 = PMID 16908486 の TGN1412 サイトカインストーム事件) の安全な開発戦略、(4) 共刺激アゴニスト (4-1BB・OX40・GITR・ICOS) の単剤および ICI 併用での治療効果検証、(5) 共シグナル分子の発現を制御するエピジェネティック・転写因子ネットワーク (TOX/BATF/IRF4) の標的化、(6) 自己免疫疾患での共抑制受容体アゴニスト療法 (anti-PD-1 agonist など) への応用可能性、今後の検討課題である。結論として、T 細胞共刺激・共抑制分子は IgSF と TNFRSF の 2 大ファミリーに属する多様な構造と機能を持つ受容体群を形成し、TCR シグナルと統合的に T 細胞の活性化・分化・エフェクター機能・生存・記憶・疲弊を調節する。古典的な 2 シグナルモデルは時空間的制御・多重界面相互作用・双方向シグナリング・T 細胞サブセット特異的機能を包含する「タイダルモデル」へと進化し、共抑制分子 (CTLA-4・PD-1・TIM-3・LAG-3 等) の機序解明は癌免疫療法の基盤を提供し、共刺激分子 (4-1BB・OX40・CD27 等) の活性化は免疫療法の増強戦略として有望である。

方法

本論文は包括的な narrative review (literature review) である。文献検索戦略: PubMed/MEDLINE および関連データベース (Web of Science、Scopus) を 1989-2013 年の範囲で参照し、T 細胞共シグナル受容体の分子機構・シグナリング・免疫機能に関する原著論文・先行レビューを収集・統合した。検索キーワードは “T cell costimulation”、“costimulation pathway”、“PD-1”、“CTLA-4”、“4-1BB”、“OX40”、“CD27”、“HVEM”、“TIGIT”、“LAG-3”、“TIM-3”、“BTLA”、“SLAM family”、“BAT3” など。構造的分類: IgSF (CD28 family、TIM family、CD2/SLAM family、BTN family、LAG-3、CD226/TIGIT/CD96、LAIR1、CD160) および TNFRSF (4-1BB、OX40、CD27、GITR、CD30、HVEM、DR3) の 2 大スーパーファミリーに基づいて各受容体を整理。T 細胞分化段階別 (mouse および human T cell 研究データから cell line・primary cell の両方を含む) の機能を Table 1 にまとめ (Naive T 細胞プライミング / CD4+ Th 細胞分化 / 制御性 T 細胞 / エフェクター T 細胞 / 記憶 T 細胞 / T 細胞疲弊・トレランスの 6 段階)。統計手法: 本論文は narrative review であり統計検定は適用しないが、引用論文では Kaplan-Meier 生存解析、log-rank test、Pearson 相関、t-test、ANOVA など各 primary research の手法が記載されている。既知の分子間相互作用・リガンド結合ドメイン・細胞内シグナルアダプター動員に関する実験的データを系統的に統合し、ICI clinical trial データ (Topalian et al. NEnglJMed 2012 = PMID 22658127 の anti-PD-1 first-in-human 試験など) と併せて臨床応用への含意を論じる。