Article data
- 著者: E. Kilgour, D.G. Rothwell, G. Brady, C. Dive
- Corresponding author: C. Dive (Cancer Research UK Manchester Institute, University of Manchester)
- 雑誌: Cancer Cell
- 発行年: 2020
- Epub日: N/A
- Article種別: Review
- PMID: 32289272
背景
腫瘍の精密分子プロファイリングは現代の精密腫瘍学の根幹をなし、治療薬の選択・治療応答モニタリング・耐性の早期検出を可能にしている。しかし従来の組織生検には根本的な制約が存在する。主な制約としては、腫瘍へのアクセス困難・検体量と品質の制約・治療選択のタイミングと生検タイミングの乖離・縦断的採取の実施困難・腫瘍内不均一性の代表性の限界が挙げられる。特に多発転移を有する患者では、単一部位の生検が全腫瘍の分子的多様性を十分に反映できないという根本的な限界が指摘されてきた。
先行研究の蓄積により、血液等の生体液中に腫瘍由来の分析物が存在することが明らかとなり、リキッドバイオプシーとして注目されるようになった。健常人の血中cfDNA (cell-free DNA) 濃度は通常約2,000ハプロイドゲノム等量/mLであるが (Phallen et al. 2017)、640例のpan-cancer解析でStage IVはStage Iの約100-fold高い中央値cfDNA濃度を示し、腫瘍量・病期との相関が確認された (Bettegowda et al. SciTranslMed 2014)。CTC (circulating tumor cell; 循環腫瘍細胞) はEpCAMベースのCellSearchシステムにより乳癌・前立腺癌・CRC (colorectal cancer; 大腸癌) の予後バイオマーカーとしてFDA (Food and Drug Administration) 承認を得ており、繰り返し採取可能な液性検体として組織生検を補完する位置づけが確立しつつあった (Cristofanilli et al. 2004; Cohen et al. 2008; De Bono et al. 2008)。一方で腫瘍エクソソーム・TEP (tumor educated platelet; 腫瘍教育血小板)・cfRNA・miRNA等の新規液性検体については臨床検証が不足しており、予測・応答モニタリングへの適用は限られていた。
高感度cfDNA解析において重大な技術的課題として浮上したのが、CHIP (clonal hematopoiesis of indeterminate potential; 不確定可能性のクローン性造血) 変異である。造血細胞の加齢に伴うクローン性拡大変異が健常人の60〜90%でcfDNA中に検出され、腫瘍由来変異と誤認される偽陽性の原因となる (Liu et al. 2019; Razavi et al. 2019)。グリオーマ・肉腫・骨転移など一部の腫瘍タイプではctDNA放出が乏しく適用限界があることも gap in knowledge として残っており、前向き臨床検証を含む技術的課題の解決が求められていた。
目的
ctDNAとCTCを中心にリキッドバイオプシーの技術プラットフォームの全体像を整理し、予測バイオマーカー・治療応答モニタリング・術後MRD (minimal residual disease; 微小残存病変) 早期検出・免疫療法バイオマーカーの各臨床応用領域における有用性と限界を体系的にレビューすることで、精密腫瘍学への実装に向けた現状と課題を明確化すること。
結果
ctDNA検出技術の多様なアプローチと性能:ctDNA検出には感度・コスト・情報量の異なる複数のアプローチが存在する。小パネルターゲット解析 (ddPCR・RT-PCR、対象1〜5遺伝子) は既知ドライバー変異を VAF (variant allele frequency; 変異アレル頻度) 0.001%まで定量的に検出可能であり、腫瘍生検で確認済みのドライバー変異を縦断的にモニタリングする用途に最適である。中〜大パネルNGSではUMIとiDESを組み合わせたCAPPseq (cancer personalized profiling by deep sequencing) がNSCLC (non-small-cell lung cancer) n=66例でEGFR変異を感度92%・特異度96%で検出し、検出下限を4/10^5 cfDNA分子まで押し下げた (Newman et al. NatMed 2014)。TEC-Seq (targeted error correction sequencing、58遺伝子パネル+UMI) では早期がん患者n=200例においてStage IまたはIIでの検出率59〜71% (がん種依存) を達成した (Phallen et al. 2017)。広域スクリーニングとしてGuardant360 (73遺伝子パネル) がn=10,593例の大規模検証で技術的成功率>99.6%・感度85.9%を示し、>750例での組織との陽性一致率・陰性一致率ともに>99%を記録した (Odegaard et al. 2018)。TARGET試験の最初のn=100例解析では組織との一致率78%・潜在的アクショナブル変異の同定率41%が示され、27% (11/41例) がマッチング治療に移行した (Fig 1)。
cfDNAフラグメント長解析はctDNA検出の新たな戦略として注目される。ctDNA断片は90〜150 bpまたは>250 bpに集積するのに対し、正常細胞由来cfDNAは約166 bpが主体であることを利用し、90〜150 bp断片を選択するin vitro/in silico アプローチは汎がん種n=200例超でctDNA検出の中央値2-fold超の改善をもたらした (Mouliere et al. 2018)。全ゲノムシャロウシーケンスによるin silicoフラグメントパターン解析は7がん種n=236例で感度57%〜>99%・特異度98%を達成し (Cristiano et al. Nature 2019)、CHIP変異フィルタリングを要さずに高感度検出を可能にした (Fig 1)。メチル化cfDNA解析では免疫沈降ベースの新プロトコルが検出感度を従来の0.1%から0.001%に改善し、4種の代表的がん種を正常組織から>95%精度で識別し、乳癌転移巣20/20例・CRC肝転移29/30例を正確に同定した (Hao et al. 2017)。転写因子結合部位のアクセシビリティ推定やヌクレオソーム占有パターンのcfDNA解析も前立腺癌サブタイプ予測など予測バイオマーカー開発への応用が期待される (Ulz et al. 2016, 2019)。
EGFR変異NSCLCにおけるctDNA companion diagnosticの確立:NSCLCの約15% (西洋人) ・約40% (アジア人) がEGFRキナーゼドメイン変異 (主にexon 19欠失 [ex19del] とL858R点変異) を有し、erlotinib・gefitinibなどの第1世代EGFR-TKI (tyrosine kinase inhibitor) への感受性を示す。大多数が中央値9〜14か月で再発し、その多くが第2世代T790Mゲートキーパー変異を獲得して耐性化する。cobas EGFR Mutation Test v2 (Roche Molecular Systems、RT-PCRプラットフォーム) は血漿からL858RおよびEx19del変異を感度72〜87%・特異度97〜98%で検出した (Thress et al. 2015; Jenkins et al. 2017; Wu et al. 2018)。ENSURE試験 (1st-line stage IIIB/IV NSCLC) では血漿陽性率が組織陽性例の77%・血漿陰性率が組織陰性例の98%であった (Kwapisz 2017)。これらのデータに基づき2016年にFDAはcobas EGFR Mutation Test v2を承認し、史上初のctDNAベースのcompanion diagnosticとなった。T790M耐性変異の血漿検出は感度61〜73%・特異度67〜79%と活性化変異より低いが (Thress et al. 2015; Oxnard et al. 2016)、重要な点として血漿T790M陽性例のosimertinib臨床応答率は組織陽性例と同等であることが確認されており、液性検体陽性は治療選択の根拠として有効である (Fig 1)。BEAMing・ddPCR・NGSの各プラットフォーム間でも優れた一致率が示されており、血漿陰性時は可能な限り組織での確認が推奨される。
ctDNAを用いた治療応答・耐性クローンのモニタリング:BRAF変異メラノーマやKRAS変異膵癌のように限られた遺伝子に再発ドライバー変異が集中する腫瘍では、小パネルターゲットアプローチによる治療応答モニタリングが有効である。CRCの抗EGFR療法においてBardelli研究室はddPCRおよびBEAMingでRAS変異クローンを追跡し、治療中断後にRASおよびEGFR変異クローンが消退する (累積半減期4.4か月) ことを示した (Parseghian et al. 2019; Siravegna et al. 2015)。この動態はctDNAが抗EGFR再投与の最適タイミング決定に活用できることを示唆する。CACTUS試験 (NCT03808441、進行皮膚メラノーマ) ではddPCR ctDNA結果 (BRAF V600E/K/R、3変異) をリアルタイムで用いた標的療法から免疫療法へのスイッチングが試みられている。連続血漿NGSによる腫瘍ゲノム進化の追跡も実証され、乳癌・卵巣癌・肺癌での転移がん治療応答に伴うゲノム進化が非侵襲的に解析された (Murtaza et al. Nature 2013)。
術後MRD早期検出と再発予測:ctDNAによるMRDモニタリングは腫瘍の早期再発検出において特に強力な可能性を示す。早期乳癌高再発リスクn=55例の前向きコホート (Garcia-Murillas et al. 2015) では治療完了時のctDNA陽性が転移再発を高精度で予測し、連続血漿サンプルによる変異追跡は臨床サーベイランスより中央値7.9か月早い再発検出を達成した (p<0.001、log-rank検定)。後続の拡張研究 (Garcia-Murillas et al. 2019) でも早期乳癌コホートにおいて経過中のctDNA陽性が再発と強く関連 (HR 25.2)、診断時陽性が再発フリー生存と関連 (HR 5.8)、中央値リードタイムは10.7か月であった。TRACERxのNSCLC術後コホートでは肺腺癌・扁平上皮癌患者でそれぞれ中央値18.5・28変異を標的とする患者個別マルチプレックスPCRパネルを用いて、再発例の93% (n=14例中13例) においてCT画像診断に先行するctDNA陽性 (中央値70日先行) を検出した (Abbosh et al. Nature 2017、Fig 1)。さらに感度を高めたTARDIS (targeted deep sequencing) 法は1患者あたり最大115変異を追跡し、Stage I〜IIIの早期乳癌n=33例で感度91% (VAF 3/10^4) ・53% (VAF 3/10^5) を達成した (McDonald et al. 2019)。複数変異の追跡が単一変異追跡より感度を向上させることも確認されており、CRC・乳癌・膵癌・肺癌など多数の腫瘍タイプで術後ctDNA検出と無病生存の関連が示されている (Coakley et al. 2019)。
CTCの多面的応用と予測バイオマーカー確立:CellSearch (EpCAM+/CD45-/CK+) は乳癌 (閾値≥5 CTC/7.5 mL)・前立腺癌 (≥5 CTC/7.5 mL)・CRC (≥3 CTC/7.5 mL) の予後バイオマーカーとしてFDA承認を受けており、SCLC (small-cell lung cancer; 小細胞肺癌)・NSCLCでも予後指標として有用である (それぞれ閾値50・5 CTC/7.5 mL、Hou et al. 2009; Krebs et al. 2011)。前立腺癌では最初のFDA承認CTC予測バイオマーカーとして、EPIC Sciencesプラットフォームを用いたARV7 (androgen receptor splice variant 7; アンドロゲン受容体スプライスバリアント7) の核内発現検出が確立されており、ARV7核陽性患者ではabiraterone・enzalutamideへの耐性が予測されタキサン療法選択が推奨される (Scher et al. 2018)。SCLCではCTC由来のCNA (copy number alteration; コピー数変化) シグネチャークラシファイヤーがn=31例において化学感受性例と化学耐性例を83%の精度で分類し、CTCゲノム解析が予測バイオマーカーに応用できることを示した (Carter et al. 2017、Fig 1)。一方でNSCLC転移例では末梢血CellSearch CTCが101例中32%にしか検出されなかった (Krebs et al. 2011)。EMT (epithelial-to-mesenchymal transition; 上皮間葉転換) に伴うEpCAM・CK発現低下によりCellSearchを逃れるCTCの存在から、マーカー非依存型プラットフォームの開発が進んでいる。乳癌CTCの多彩な耐性機序解析 (エストロゲン受容体変異・発現変化) や、PD-L1 (programmed death-ligand 1) 発現のCTC解析もCellSearch・EPIC Sciences等で試みられている (Paoletti et al. 2018; Mazel et al. 2015)。
CTCを用いた術後再発リスク予測とCDXモデル:非転移乳癌n>1,500例のメタ解析 (Bidard et al. 2018) では術前化学療法前のCTC陽性率25%において全生存・無病生存・再発フリー生存の有意な悪化が示された。SUCCESS試験 (高リスク非転移乳癌) では補助化学療法後2年時点のCTC陽性が予後悪化と関連し、5年後のCTC陽性はn=547例中26例 (4.8%) でHR陽性乳癌の晩期再発リスク増加と関連した (Sparano et al. 2018)。TRACERxのNSCLC術前コホートn=100例では腫瘍側肺静脈 (PV; pulmonary vein) 血中のEpCAM+/CK+細胞が肺特異的再発リスクを予測し (Chemi et al. 2019)、症例研究でPV CTCの変異プロファイルが原発腫瘍よりも10か月後の転移巣と高い変異オーバーラップを示し、早期播種CTCが再発起源である可能性を強く示唆した。SCLCではCTC由来異種移植 (CDX; CTC-derived xenograft) モデルが縦断採血から治療前後の対照モデルとして構築可能であり (Hodgkinson et al. 2014; Drapkin et al. 2018)、scRNA-seq (single-cell RNA sequencing) によるSCLC CTC・CDX細胞の解析が化学耐性獲得に伴う腫瘍内不均一性の増加を明らかにした (Allison Stewart et al. 2020)。CDXモデルの主要な限界として移植・継代に要する時間が臨床判断に間に合わないこと、および免疫不全マウス背景が免疫療法試験に不適である点が挙げられる。
免疫療法バイオマーカーとしてのリキッドバイオプシー:MSI (microsatellite instability; マイクロサテライト不安定性) はpan-cancer IC (immune checkpoint) 阻害薬適応の初の承認根拠となり (Le et al. 2017)、ctDNA NGSによる血液ベースMSI検出アッセイも開発されている (Georgiadis et al. 2019; Willis et al. 2019)。TMB (tumor mutational burden; 腫瘍変異量) は複数の研究でIC阻害薬への予測価値を示し、OAK試験 (atezolizumab対docetaxel、2nd-line NSCLC) のレトロスペクティブ解析では ctDNA TMB >16 mut/Mbのサブグループでatezolizumab群の中央値OS 13.5か月対docetaxel群6.8か月という差が確認された (Gandara et al. NatMed 2018)。MYSTIC試験 (durvalumab + tremelimumab 1st-line NSCLC) は主要エンドポイントを達成しなかったが、血液TMBカットオフが高いほど免疫療法対化学療法の優位性が観察された (Peters et al. 2019)。T細胞クローン動態も有望な液性免疫バイオマーカーとして浮上し、末梢血CD8+ T細胞のクロノタイプ拡大がPD-1チェックポイント阻害への応答と相関し (Wu et al. 2020)、メラノーマ患者でcfDNA中のT細胞受容体配列増加・細胞傷害性記憶エフェクターT細胞サブセットの拡大 (Valpione et al. 2020) および末梢血の大型T細胞クローン数増加 (Fairfax et al. 2020) が応答例で確認された。長期応答NSCLC患者ではctDNAがMRDを検出し再発を予測することも示されている (Hellmann et al. 2020; Moding et al. 2020)。
考察/結論
ctDNAとCTCの相補的役割と臨床実装の現状:本レビューが体系化した最も重要な概念は、ctDNAとCTCが生物学的に異なる腫瘍情報を提供し相補的に用いることで精密腫瘍学への貢献を最大化できるという点である。ctDNAは腫瘍量 (細胞増殖と細胞死のバランス) を主に反映するのに対し、CTCは浸潤・遊走・血管内外移動能を反映し、これらは必ずしも相関しない。これまでの研究では組織生検が唯一の分子プロファイリング手段であったのと対照的に、血液による縦断サンプリングは治療中のゲノム進化・耐性クローン出現の動的追跡を可能にするという新規な価値を提供する。
臨床応用としての新規な知見:本研究で初めて統合的に論じられた最も意義深い知見は、術後MRD検出においてctDNAがCT画像診断に中央値70日先行するという実証データ (TRACERx NSCLC、93%の再発例で検出) と、Garcia-Murillas 2019が示した再発との強い関連 (HR 25.2) である。これはこれまで報告されていないレベルの早期再発検出能力を示すものであり、ctDNA誘導型早期介入が実際に生存ベネフィットをもたらすかを検証する試験設計の科学的根拠となる。標的療法においてもEGFR T790M液性検出によって組織生検なしで治療変更を誘導し組織陽性例と同等のosimertinib応答率を得たことは、既報の組織生検中心のアプローチと異なる臨床的意義を持つ。CRCでの抗EGFR再投与タイミング決定においてもctDNA動態が提供する「耐性クローンの消退速度」は画像・血清バイオマーカーが提供できない独自の情報である。
臨床的意義と橋渡し研究としての位置づけ:臨床応用 (bench-to-bedside) の観点から最も実用化が近い領域は (1) EGFR変異NSCLCにおけるcobas ctDNA companion diagnostic (FDA承認済み)、(2) 前立腺癌ARV7 CTC検出 (FDA承認済み)、(3) 術後MRD早期検出に基づく補助療法適応決定、(4) 耐性クローン監視と治療スイッチングの意思決定支援の4点である。OAK試験でのctDNA TMB >16 mut/Mb (OS中央値13.5か月対6.8か月) は免疫療法選択への臨床的有用性を示唆するものの、prospective試験での検証が不可欠である。血液ベースのMSIおよびTMBが同一検体から同時に測定可能となることは、免疫療法適応判断の効率化において実臨床の利便性を大きく高める。
残された課題と今後の展望:CHIP変異による偽陽性除去 (白血球コントロール・CHIP関連バリアントフィルタリング・深部エラー訂正シーケンシングの実装が必要) は依然として重大な技術的課題であり、高感度アプローチでは健常人の60〜90%でCHIP変異が検出される現実がある。低ctDNA放出腫瘍 (グリオーマ・肉腫・骨転移・脳転移) への適用限界は構造的な問題として残る。CTC領域ではEMTに伴うEpCAM/CK発現低下による可視化困難・約1 CTC/mLの極めて低い頻度・プラットフォーム間標準化の欠如が解決を要する。TEP・腫瘍エクソソーム・cfRNA・miRNAは基礎研究段階にあり、臨床的検証は限られたままである。免疫療法バイオマーカーとして腫瘍微小環境の免疫景観を液性生検のみで完全に捉えられるかは未解決問題であり、組織生検との組み合わせが当面必要となる可能性が高い。future researchとして最優先されるのは、MRD陽性患者への早期介入が実際に生存率を改善するかを検証する前向き無作為化試験の実施であり、液性生検誘導型early interventionの臨床的utility確立が次世代の課題となる。
方法
PubMed/MEDLINE、Embase、Cochrane Libraryを検索源とした網羅的ナラティブレビューであり、ctDNA・CTC・メチル化cfDNA・フラグメント解析・免疫療法バイオマーカー等の各領域の主要臨床研究・技術開発論文を横断的に整理した。引用文献から参照された主要臨床試験としてはENSURE試験 (Erlotinib versus gemcitabine/cisplatin in first-line NSCLC treatment evaluation)、TARGET試験 (Targeted ctDNA panel and genomic profiling evaluation study; Rothwell et al. 2019、641遺伝子cfDNAアッセイ、100例)、SUCCESS試験 (Simultaneous Study adjuvant treatment and lifestyle evaluation in high-risk breast cancer)、OAK試験 (atezolizumab vs docetaxel、NSCLC)、MYSTIC試験 (Durvalumab and Tremelimumab versus standard chemotherapy in first-line advanced NSCLC)、TRACERx (TRAcking Cancer Evolution through therapy; NSCLC術後コホート)、CACTUS試験 (NCT03808441、ctDNA-guided Adaptive Cancer Treatment Using Switch in advanced melanoma; 進行皮膚メラノーマ、BRAF変異ddPCR ctDNA誘導治療スイッチング) が含まれる。各引用研究の統計手法には Kaplan-Meier 法による生存解析・log-rank 検定・ハザード比 (HR) 算出・ROC解析・Spearman相関・コンコーダンス率算出が用いられた。本レビューではこれらの研究を統合し、各液性生検技術の臨床的有用性を体系化した。技術プラットフォームとしてddPCR (droplet digital PCR)・RT-PCR・NGS (next-generation sequencing) + UMI (unique molecular identifier) + iDES (integrated digital error suppression)・BEAMingおよびCellSearch・EPIC Sciencesプラットフォームを対象とした。