- 著者: de Castria TB, da Silva EMK, Gois AFT, Riera R
- Corresponding author: Tiago B de Castria (Instituto do Câncer do Estado de Sao Paulo [ICESP/FMUSP]、São Paulo、Brazil)
- 雑誌: Cochrane Database of Systematic Reviews
- 発行年: 2013 (Issue 8)
- Epub日: N/A
- Article種別: Cochrane Systematic Review and Meta-analysis (Intervention Review)
- PMID: 23949842
背景
肺がんは全がん死亡の最大原因であり、2013年時点で米国では年間約22万人の新規NSCLC (non-small cell lung cancer) 患者と約16万人の死亡が見込まれ、全がん関連死亡の約28%を占める。NSCLCは肺がんの約85%を占め、患者の約75%が診断時に局所進行または転移性疾患を呈し、緩和的な治療設定で管理される。
白金製剤ベース化学療法の有効性は1990年代に確立された。52の無作為化比較試験 (RCT) を対象とした個人データメタ解析 (NSCLC Collaborative Group 1995) では、シスプラチンベース化学療法が最善支持療法と比較してOS (overall survival) 中央値を6週間延長することが示され、以来シスプラチンはNSCLC化学療法の中心的構成要素として定着した。しかし、シスプラチンには著明な悪心・嘔吐、脱毛、好中球減少、神経毒性、腎機能障害という副作用プロファイルがあり、緩和的治療設定での患者負担が大きい。
1990年代以降に登場した第3世代薬 (ドセタキセル、パクリタキセル、ビノレルビン、ゲムシタビン、イリノテカン) はシスプラチンとの組み合わせで進行NSCLCの標準化学療法として普及した。カルボプラチン (シスプラチンの白金誘導体) は血液毒性が主体で異なる副作用プロファイルを持ち、外来投与が容易という利便性もある。Schiller 2002 (ECOG E1594試験) Schiller et al. NEnglJMed 2002 は4レジメンをn=1,207例で比較し、カルボプラチン+パクリタキセルがシスプラチン+パクリタキセルと同等の生存を示しつつ毒性が少ないことを報告した。非扁平上皮NSCLCではカルボプラチン+パクリタキセルをベースにしたベバシズマブ3剤併用が大規模RCTで生存延長を示し (Sandler et al. NEnglJMed 2006)、実臨床でのカルボプラチン使用が拡大する中で両白金製剤の有効性・毒性の定量的比較の重要性が高まっていた。
先行する3つのメタ解析 (Hotta 2004、Ardizzoni et al. JNatlCancerInst 2007、Jiang 2007) はいずれもシスプラチンが奏効率で優越し生存では同等という結果を示したが、これらは旧来の薬剤 (ビンブラスチン・マイトマイシン等) との組み合わせを含む試験が解析対象であった。より有効性の高い第3世代薬との組み合わせに絞った系統的メタ解析は不足しており (gap in knowledge)、また患者QoL (quality of life) の系統的評価も手薄であった。緩和的治療設定において「生存への影響と毒性プロファイルのバランスをどう評価するか」という問いに対し、第3世代薬を用いた現代的なレジメンに特化した定量的エビデンスが求められていた。
目的
進行NSCLC (stage IIIB/IV) に対して第3世代薬 (ドセタキセル・パクリタキセル・ビノレルビン・ゲムシタビン・イリノテカン) との組み合わせにおいて、カルボプラチンベース対シスプラチンベース化学療法の有効性 (OS・1年生存率)・安全性 (Grade III/IV毒性) およびQoLをRCTデータに基づく系統的レビューとメタ解析によって比較評価すること。
結果
包含試験の概要と患者特性: 初回スクリーニング1,718件から33件が全文評価され、最終的に10 RCT・n=5,017例 (メタ解析対象n=3,973例) を包含した (Fig. 1・2参照)。第3世代薬の内訳はパクリタキセル5試験 (Rosell 2002 n=618、Schiller 2002 n=1,207、Chen 2006 n=81、Sweeney 2001 n=68、Yan 2001 n=126)、ゲムシタビン4試験 (Ferry 2011 n=1,363、Mazzanti 2003 n=120、Zatloukal 2003 n=176、Cai 2002 n=40)、ドセタキセル1試験 (Fossella 2003 n=1,218) であった。全試験でKarnofsky PS (performance status) ≥4070またはECOG (Eastern Cooperative Oncology Group) PS 02の局所進行・転移性NSCLC (stage IIIB/IV) が対象とされ、化学療法未治療例が主体であった。シスプラチン用量は試験間で異なり、Fossella 2003では75 mg/m²、Ferry 2011では80 mg/m²または50 mg/m²、Zatloukal 2003・Mazzanti 2003では80 mg/m²が用いられた。Schiller 2002ではカルボプラチン群にパクリタキセル225 mg/m²、シスプラチン群に135 mg/m²と用量が異なることが毒性評価の交絡因子となりうる。5試験 (Cai 2002・Chen 2006・Mazzanti 2003・Sweeney 2001・Yan 2001) はPhase II試験であり、比較所見は探索的と解釈すべき点に注意が必要である。なお、Rosell 2002では279例のカルボプラチン群のうち96例 (34%) でカルボプラチン減量が必要となり、平均用量はAUC (area under the curve) 4.9 mg/mL×minであった。
バイアスリスク評価と方法論的特性: Cochrane Risk of Bias toolによる評価では、ランダム化手順は全10試験で「低リスク」と判定された。割付け隠蔽は7試験で「低リスク」と評価されたが、中国の2試験 (Cai 2002・Yan 2001) は「不明」であった。全10試験で盲検化は「不明リスク」と判定された。これはシスプラチン群では追加補液・前投薬が必要なため実質的な盲検化が困難であることによる。Ferry 2011は学会発表のみで正式公表データがなく「不完全アウトカム高リスク」と判定された。同試験では奏効率がGC80群 (gemcitabine+cisplatin 80 mg/m²群) 160例・GC50群 (gemcitabine+cisplatin 50 mg/m²群) 152例・GCb群 (gemcitabine+carboplatin群) 151例で評価不能であり、奏効率解析に影響した可能性がある。Cai 2002はカルボプラチン低用量 (AUC 4~6 mg/mL×min) を使用した点と対象例数が少ない点から「その他バイアス高リスク」であった。応答基準も試験間で異なり (RECIST、SWOG [Southwest Oncology Group]、WHO基準、ECOG基準)、この不均一性が奏効率の比較解釈に影響しうる。総じて、本メタ解析に含まれるエビデンスは奏効率・生存・毒性いずれについても「中等度の質」と評価されることを前提として結果を解釈すべきである。
全生存 — 試験間異質性ゼロの強固な同等性: OS評価は8 RCT・n=4,851例 (メタ解析対象n=3,807例) を対象とした (Analysis 1.1; Fig. 3)。ランダム効果モデルによるメタ解析では、シスプラチンベース対カルボプラチンベースのOSに統計的有意差は認められなかった (HR 1.00、95% CI 0.51-1.97、I²=0%)。試験間の異質性は事実上ゼロであり (Chi²=0.04、df=7、p=1.00)、Schiller 2002が最大ウェイト (30.4%) を占める。第3世代薬別サブグループ解析でも、ゲムシタビン (3試験 n=1,659: HR 0.99、95% CI 0.34-2.90、I²=0%)、パクリタキセル (4試験 n=1,334: HR 1.00、95% CI 0.37-2.73、I²=0%)、ドセタキセル (Fossella 2003 n=814: HR 1.01、95% CI 0.16-6.37) のすべてで差はなかった。シスプラチン用量別サブグループ解析 (Analysis 2.1) でも、低用量 (4080 mg/m²、5試験 n=2,437: HR 0.98、95% CI 0.41-2.33、I²=0%) および高用量 (80100 mg/m²、4試験 n=1,823: HR 0.98、95% CI 0.44-2.20、I²=0%) いずれも差はなく、シスプラチン投与量によってOSへの影響は変化しなかった。感度解析3条件 (公表試験のみ: HR 1.00、95% CI 0.47-2.10 [Analysis 3.1]、固定効果モデル: HR 1.00 [Analysis 4.1]、第III相試験のみ: HR 0.99、95% CI 0.49-2.02 [Analysis 5.1]) もすべて主解析と一致し、OS同等性の頑健性は極めて高い。
1年生存率 — ドセタキセルサブグループの異質性: 1年生存率は9 RCT・n=3,933例で解析した (Analysis 1.2)。全体でRR 0.98 (95% CI 0.88-1.09、I²=24%) と有意差はなかった。ただし、ゲムシタビンサブグループ (3試験 n=1,659: RR 1.10、95% CI 0.97-1.26、I²=0%) およびパクリタキセルサブグループ (5試験 n=1,334: RR 0.97、95% CI 0.84-1.12、I²=0%) では差がない一方で、ドセタキセルサブグループ (Fossella 2003 n=814) のみシスプラチン群で有意に良好 (RR 0.82、95% CI 0.70-0.97、p=0.019) であった。サブグループ間のI²=73%はドセタキセル試験の結果が他の薬剤と臨床的に異なることを示す。これに関連する重要な知見として、Fossella 2003を除外したゲムシタビン試験のみの感度解析ではカルボプラチン群の1年生存率が逆に高い傾向 (RR 1.18、95% CI 1.03-1.35、I²=0%) も示されており、ドセタキセル+シスプラチン群の1年生存優越がゲムシタビン・パクリタキセルへの外挿には注意が必要である。シスプラチン用量別の1年生存率解析 (Analysis 2.2) では、高用量 (80100 mg/m²、5試験 n=1,949: RR 0.96、95% CI 0.85-1.08、I²=0%) では差なし、低用量 (4080 mg/m²、5試験 n=2,437: RR 1.04、95% CI 0.84-1.29、I²=67%) では高い異質性が認められた。
奏効率 — パートナー薬依存的なシスプラチン優越性: 奏効率は10 RCT・n=3,486例で解析した (Analysis 1.5; Fig. 5)。全体でシスプラチン優越 (RR 0.88、95% CI 0.79-0.99、I²=3%) が示されたが、この差はドセタキセル試験 (Fossella 2003 n=814: RR 0.76、95% CI 0.60-0.95) の寄与が主因であった。パクリタキセルとの組み合わせ (5試験 n=1,436: RR 0.89、95% CI 0.74-1.07、I²=0%) およびゲムシタビンとの組み合わせ (4試験 n=1,236: RR 0.92、95% CI 0.73-1.16、I²=34%) では奏効率の有意差は認められなかった。シスプラチン用量別サブグループ解析 (Analysis 2.3) でも、高用量 (80100 mg/m²、5試験 n=1,638: RR 0.86、95% CI 0.74-1.00、I²=0%) および低用量 (4080 mg/m²、6試験 n=2,150: RR 0.95、95% CI 0.74-1.23、I²=58%) ともに有意差なしであった。感度解析では公表試験のみ (RR 0.83、95% CI 0.73-0.94、I²=0% [Analysis 3.3]) および固定効果モデル (RR 0.88、95% CI 0.79-0.98 [Analysis 4.3]) でシスプラチン優越傾向が確認されたが、第III相試験のみでは境界値 (RR 0.85、95% CI 0.72-1.00 [Analysis 5.3]) となった。ドセタキセルは高い骨髄毒性から現代の第一選択として普及していないため、現行標準レジメン (パクリタキセル・ゲムシタビンとの組み合わせ) での奏効率は両白金製剤で実質的に同等と解釈するのが適切である。
Grade III/IV毒性 (参加者ベース) — 対照的な副作用プロファイル: 参加者ベースの毒性解析は8 RCT・n=2,422~2,462例を対象とした (Analysis 1.4; Fig. 4)。悪心・嘔吐 (7試験 n=2,422): Grade 3/4の発現率はシスプラチン群で有意に高く、カルボプラチン群のRR 0.46 (95% CI 0.32-0.67、I²=53%) はカルボプラチン対比で約2.2倍 (0.46の逆数) に相当する。高い異質性 (I²=53%) は主にYan 2001 (カルボプラチン固定用量350 mg/m²使用という通常外の投与法) に起因し、同試験を除外した感度解析ではRR 0.42 (95% CI 0.31-0.55、I²=31%) とより一貫した傾向が得られた。血小板減少 (8試験 n=2,462): カルボプラチン群での発生率が2倍多く (RR 2.00、95% CI 1.37-2.91、I²=21%)、これはカルボプラチンの既知の血液毒性プロファイルと一致する。神経毒性 (5試験 n=1,489): カルボプラチン群で見かけ上有意に多い (RR 1.55、95% CI 1.06-2.27、I²=0%) が、これは主にSchiller 2002でカルボプラチン群のパクリタキセル用量 (225 mg/m²) がシスプラチン群 (135 mg/m²) より高かったことによる交絡であり、パクリタキセル自体の神経毒性用量差が反映されたものである。ゲムシタビンサブグループの血小板減少解析ではI²=53%の有意な異質性が認められた (RR 1.43、95% CI 0.63-3.25)。貧血 (RR 1.06、95% CI 0.79-1.43、I²=20%)、好中球減少 (RR 0.96、95% CI 0.85-1.08、I²=49%)、脱毛 (2試験 n=300: RR 1.11、95% CI 0.73-1.68)、腎毒性 (2試験 n=1,201: RR 0.52、95% CI 0.19-1.45) はいずれも有意差がなかった。
Grade III/IV毒性 (サイクルベース) とQoL評価: サイクルベース解析は2 RCT (Ferry 2011・Mazzanti 2003) を対象とした (Analysis 1.3)。貧血でカルボプラチン群が有意に多く (RR 3.93、95% CI 1.83-8.42、I²=34%)、悪心・嘔吐 (RR 0.70、95% CI 0.48-1.02、I²=0%)、神経毒性 (RR 1.85、95% CI 0.40-8.61)、好中球減少 (RR 2.31、95% CI 0.77-6.95、I²=76%) は有意差なしであった。好中球減少のI²=76%はサンプルサイズの大差と2試験間の効果推定の逆方向を反映する高い異質性である。QoL評価を実施した試験は2件のみであった。Fossella 2003はLCSS (lung cancer symptom scale) とEuroQolを使用したがシスプラチン・カルボプラチン群の直接比較解析を実施しなかった。Rosell 2002はEORTC QLQ-C30 (European Organisation for Research and Treatment of Cancer quality of life questionnaire core 30) およびQoL-LC13 (Lung Cancer 13-item questionnaire) を用い、シスプラチンとカルボプラチンの間で全般的健康状態や機能尺度に有意差は認められなかった。測定ツールが試験間で異なるためメタ解析は不可能であった。さらに、いずれの試験もQoL評価を主要評価項目と設定しておらず、直接比較デザインでの前向きQoL評価は本解析では達成されなかった。QoLデータの不足は先行メタ解析 (Ardizzoni 2007・Hotta 2004) でも課題とされており、本解析においても未解決の重要課題として残存する。
考察/結論
本コクランメタ解析は、進行NSCLCに対する第3世代薬との組み合わせに特化した最大規模のメタ解析 (10 RCT、n=5,017) として、旧来の薬剤を含む解析 (Ardizzoni 2007 Ardizzoni et al. JNatlCancerInst 2007、Hotta 2004、Jiang 2007) と異なり、現代的な白金製剤ダブレット療法に絞った定量的エビデンス統合を新規に達成した点が主要な貢献である。
既報との比較と生存同等性: これまでの研究 (Hotta 2004、Ardizzoni 2007) は旧来の薬剤を含む比較でシスプラチン優越の奏効率を報告していたが、本解析では第3世代薬との組み合わせに限定しても奏効率の差はドセタキセルサブグループのみに限られ、現在の標準的パートナー薬であるパクリタキセル・ゲムシタビンとの組み合わせでは同等であることを明確化した。OS同等性 (HR 1.00、I²=0%) については既報と一致し、より均質な患者集団で確定的に示されたことの意義は大きい。なお Ardizzoni 2007 では第3世代薬ダブレットのサブグループでカルボプラチン群の死亡HR優越が示されていたが、本解析では完全な同等性が確認されており、これまでの研究との相違点として重要である。
毒性プロファイルの差に基づく臨床応用: 本解析で最も臨床的意義が高いのは毒性プロファイルの非対称性であり、これが白金製剤の個別化選択の根拠となる。シスプラチンでは悪心・嘔吐 (Grade 3/4) のリスクがカルボプラチンの約2.2倍、カルボプラチンでは血小板減少が2倍多い。臨床応用として、腎機能障害・難聴・重篤な嘔気リスクを持つ患者や外来通院中心の緩和的治療設定ではカルボプラチンが適切な選択となる。一方、血小板減少・出血リスクが問題となる患者ではシスプラチンが有利となり得る。bench-to-bedside の観点から、これらの知見は現在の臨床ガイドラインにも反映されており、実診療での白金製剤選択の主要な根拠として機能している。
本解析の limitation と今後の検討課題: 最大の limitation は、EGFR・ALK変異検査が普及する以前のデータに基づく点であり、現代の化学免疫療法時代 (ペムブロリズマブ+白金製剤+ペメトレキセドなど) への直接的外挿は困難である。組織型 (扁平上皮がん vs 非扁平上皮がん) が白金製剤の有効性・毒性に与える影響は、包含試験での評価がなく定量化不能であった。ベバシズマブ (Sandler 2006 Sandler et al. NEnglJMed 2006 でカルボプラチン+パクリタキセルとの組み合わせで生存延長を示した) や免疫チェックポイント阻害薬との組み合わせにおける白金製剤選択の問題は今後の検討が必要な研究領域である。全10試験での盲検化「不明」、化学療法レジメン間の用量不均一性、Ferry 2011の未公表データ、さらにQoL評価の標準化不足も更なる検討を要する limitation である。二次化学療法へのクロスオーバーに関するデータが含まれておらず、生存結果への影響も不明である。将来研究では、現代のEGFR/ALK非変異ドライバー陰性集団に限定した白金製剤選択試験、および統一されたQoL評価ツールを用いた前向き比較試験が求められる。
方法
試験デザインと文献検索: Cochrane系統的レビュー・メタ解析。MEDLINE (PubMed経由、19662013年3月)、EMBASE (Excerpta Medica dataBASE、Ovid経由、19742013年3月)、CENTRAL (Cochrane Central Register of Controlled Trials、Issue 2、2013年)、LILACS (Literatura Latino-Americana em Ciências da Saúde、19822013年3月) の4データベースを検索し、初回1,718件を抽出した。加えてASCO年次総会予稿集 (19902013年) のハンドサーチ、ClinicalTrials.gov、関連文献の参照リスト、著者への直接連絡も実施した。言語・発表年の制限は設けなかった。
適格基準: 局所進行 (pleural/pericardial effusionを含むstage IIIB) または転移性 (stage IV) NSCLCの病理・細胞診確定例を対象に、シスプラチンまたはカルボプラチンと第3世代薬の組み合わせを直接比較したRCTのみを包含した。用量・投与サイクル数・スケジュールの制限は設けず、非ランダム化試験・疑似ランダム化試験を除外した。
データ抽出とバイアス評価: 2名の独立レビュアー (de Castria TB・Gois AFT) が独立してデータ抽出を実施し、不一致は第3者 (Riera R) が解決した。Cochrane Risk of Bias toolを用いてランダム化手順・割付け隠蔽・盲検化・不完全アウトカム・選択的報告・その他バイアスの6ドメインを「低/高/不明リスク」で評価した。OSデータが中央値のみ報告の場合はParmar 1998の方法でlog-rank統計量ベースのHR (hazard ratio) に変換した。
統計解析: RevMan 5.1を用いたランダム効果モデル (Mantel-Haenszel法) によるメタ解析。二値アウトカムにはリスク比 (RR) と95% CI (confidence interval)、時間イベントアウトカムにはHRと95% CIを用いた。統計的異質性はChi²検定 (Cochran Q test) とI²統計量で評価し (I²>50%を実質的異質性と定義)、Grade III/IV毒性は報告形式に応じて「参加者ベース (per participant)」と「サイクルベース (per cycle)」に分けて個別にメタ解析した。
サブグループ解析と感度解析: (1) 第3世代薬の種類別 (パクリタキセル・ゲムシタビン・ドセタキセル)、(2) シスプラチン用量別 (低用量4080 mg/m² vs 高用量80100 mg/m²) の2軸を事前規定した。感度解析として公表試験のみ (Ferry 2011を除外)、固定効果モデル、第III相試験のみの3条件を実施し、主要結果の頑健性を確認した。