- 著者: Ning Tang, Xia-Rong Gong, Hong Huang, Qiang Meng
- Corresponding author: Qiang Meng (Department of Neurology, The First People’s Hospital of Yunnan Province, The Affiliated Hospital of Kunming University of Science and Technology, Kunming 650034, Yunnan, P.R. China)
- 雑誌: Brain Research
- 発行年: 2023
- Epub日: 2023-04-26
- Article種別: Original Article
- PMID: 37116559
背景
虚血性脳卒中は世界的に死亡および障害の主要な原因であり、2019年には1220万件の新規病態が発生し、その62.4%が虚血性脳卒中であったと報告されている (Global, 2021)。組換え組織プラスミノーゲン活性化因子 (rtPA) 療法や機械的血栓除去術は現在、虚血性脳卒中の主要な治療法であるが、再灌流による再灌流傷害は脳出血 (cerebral hemorrhage) のリスクを増加させる (Barthels and Das, 2020)。脳組織に虚血/再灌流 (I/R) が発生すると、大量の炎症性因子が放出され、これらが直接的に血液脳関門 (blood-brain barrier: BBB) を損傷し、その透過性を亢進させる。その結果、炎症性因子やその他の有害物質が直接脳組織に侵入し、脳細胞の損傷を誘発する (D’Souza et al., 2021)。出血性転化 (hemorrhagic transformation: HT) は、虚血性脳卒中における血栓溶解療法中の最も重篤な合併症であり、主にBBBの完全性破綻に起因する (Hong et al., 2021)。血栓溶解後、HTはBBB損傷を伴う脳領域で優位に発生することが示されており (Jickling et al., 2014; Spronk et al., 2021)、血栓溶解によるHTを減少させる潜在的な臨床標的として、早期のBBB損傷への関心が高まっている。したがって、脳I/RにおけるBBB損傷の分子メカニズムを深く探求し、この観点から効果的な治療標的を探索することは、虚血性脳卒中後のHTの予後を改善するために重要である。
好中球は、I/Rにおいてケモカインによって脳虚血領域に動員され、活性化される。活性化された好中球は、大量の炎症性因子、活性酸素種 (ROS)、プロテアーゼ、および好中球細胞外トラップ (neutrophil extracellular traps: NETs) を放出し、脳領域の炎症反応をさらに増幅させ、BBB損傷を悪化させ、最終的にHTを引き起こす (Qiu et al., 2021; Chen et al. MolTher 2021; Carbone et al., 2019)。好中球の薬理学的阻害がI/R後のHTおよびBBB破壊を軽減することが示されている (Zhang et al., 2022; Leinweber et al., 2021)。さらに、臨床研究では、マトリックスメタロプロテイナーゼ9 (MMP-9) 陽性好中球浸潤とI/R後のHT、BBB破壊、およびコラーゲン分解との間に密接な関係があることが確認されている (Maestrini et al., 2020; Turner and Sharp, 2016)。しかし、好中球が媒介するBBB破壊とHTの分子メカニズムは依然として未解明であり、詳細な機序は不明なままである。近年、エクソソームが脳卒中を含む様々な疾患における細胞間コミュニケーションの架け橋として重要な役割を果たすことが蓄積された研究によって示されている (Yu et al., 2022; Jiang et al., 2022; Rezaie et al., 2022)。Huang et al. (Huang et al., 2022) は、中大脳動脈閉塞 (middle cerebral artery occlusion: MCAO) モデルにおいて、健常血清由来エクソソームの静脈内注射が脳微小血管内皮細胞 (brain microvascular endothelial cell: BMEC) のアポトーシスおよびオートファジー媒介BBB損傷を軽減することを示した。マクロファージ由来エクソソームは、BMECにおけるマトリックスメタロプロテイナーゼ (matrix metalloproteinase: MMPs) タンパク質の発現を増強し、タイトジャンクションタンパク質 (tight junction protein: TJP) の分解を促進し、BBB損傷に寄与する (Zhai et al., 2021)。Momordica charantia由来エクソソーム様ナノ粒子は、MMP-9タンパク質を阻害し、AKT/GSK3βシグナル伝達経路を活性化することで、I/R誘発BBB損傷を軽減する (Cai et al., 2022)。注目すべきは、好中球もエクソソームを産生する能力があり、腫瘍 (Zhang et al. SciAdv 2022)、敗血症 (Jiao et al., 2021)、喘息 (Cañas et al., 2021) などの疾患の進行を調節することが示されている。しかし、I/R後のBBB損傷およびHTに対する好中球由来エクソソームの効果は、本研究以前には未検討であり、この領域には知識のギャップが残されており、好中球エクソソームが及ぼす機能的影響に関する知見が決定的に不足していた。
目的
本研究は、一過性中大脳動脈閉塞-出血性転化 (transient middle cerebral artery occlusion-hemorrhagic transformation: tMCAO-HT) モデルおよびin vitro BBBモデルを用いて、静止好中球 (quiet neutrophil: Q-Neu) および活性化好中球 (activated neutrophil: A-Neu) 由来エクソソームがBBB完全性に及ぼす影響を調査することを目的とした。さらに、エクソソーム中の差次的発現miRNA (differentially expressed miRNA: DE-miRNA) のスモールRNAシーケンス解析を通じて、BBB損傷の分子メカニズムを探索し、虚血性脳卒中の予防と治療のための新たなアイデアと実験的根拠を提供することを目指した。具体的には、tMCAO-HTモデルにおける好中球浸潤とBMECとの共局在を評価し、in vitro BBBモデルにおいてA-NeuおよびQ-Neuとその由来エクソソームが経内皮電気抵抗 (transendothelial electrical resistance: TEER) と透過性に与える影響を比較した。また、タイトジャンクション関連タンパク質の発現変化を評価し、A-Neu由来エクソソームがBBB損傷を促進するメカニズムとして、エクソソームを介したmiRNA輸送の可能性を検証した。
結果
tMCAO-HTモデルの構築検証と好中球浸潤: tMCAO-HTモデルのin vivo実験手順を図1Aに示す。tMCAO-HTモデル (n=16 mice) では、sham群と比較して、再灌流12時間および24時間の両方で神経学的障害スコア (図1B) およびHTスコア (図1C) が有意に上昇した (p<0.05)。TTC染色により、tMCAO-HTモデル (n=4 mice) では梗塞体積が有意に増加し、脳出血を伴うことが確認された (図1D)。EB漏出アッセイでは、tMCAO-HTモデルの脳損傷側でEB色素の顕著な漏出が示され、EB含量はsham群の0.54 ± 0.09 µg/gおよび0.61 ± 0.04 µg/gから、tMCAO-HTモデルでは2.65 ± 0.08 µg/gおよび2.92 ± 0.09 µg/gへと有意に増加し、BBB透過性の亢進を示した (図1E, p<0.05)。脳組織中のヘモグロビン含量もI/R群でsham群と比較して有意に増加した (図1F, p<0.05)。H&E染色では、tMCAO-HTモデルで明らかな脳出血の特徴が示され (図1G)、再灌流時間が長いほどHTが悪化する傾向が認められた。これらの結果は、tMCAO-HTモデルが成功裏に構築され、脳I/R後のHT病態を再現していることを示している。
好中球の異常浸潤とBMECとの共局在: tMCAO-HTモデルにおける好中球の動員を評価した。IHC染色により、好中球マーカーLy6G陽性細胞の割合は、tMCAO-HTモデル (n=4 mice) の脳でsham群と比較して有意に高かった (図2A, p<0.05)。ウェスタンブロットの結果も、tMCAO-HTモデルでLy6G発現が有意に増加していることを示した (図2B, p<0.05)。さらに、Ly6G発現とヘモグロビン含量の相関をSpearman correlation解析で分析した結果、脳組織においてLy6G発現とヘモグロビン含量の間に有意な正の相関 (Spearman r=0.65, p<0.05) が認められた (図2C)。BMECマーカーCD31とLy6Gの共局在をIF染色で評価したところ、sham群と比較して、tMCAO-HTモデル (n=4 mice) ではCD31とLy6Gの共局在の平均蛍光強度が40.68 ± 0.51および39.96 ± 3.24から142.28 ± 3.26および171.11 ± 11.35へと有意に増加した (図2D, p<0.05)。これらの結果は、脳I/Rによって引き起こされるHTにおいて、好中球の異常な浸潤が発生し、BMECと密接に共局在することを示唆している。
活性化好中球由来エクソソームの分離と同定: 異なる状態の好中球由来エクソソームがBBB完全性に及ぼす影響を検討するため、Q-NeuおよびA-Neu由来エクソソームを分離した。初代培養マウスアストロサイトはGFAPマーカーを発現し (図3A)、初代培養好中球のLy6G陽性率は93.36 ± 0.84%であった (図3B)。fMLPで活性化された好中球 (A-Neu) および静止好中球 (Q-Neu) から分離されたエクソソームは、TEM画像で直径80-150 nmの典型的な円形または皿状の形態を示し、完全な二重膜構造を有していた (図3C)。また、Q-NeuおよびA-Neu由来エクソソームは、エクソソームマーカーであるALIX、TSG101、CD9を発現していた (図3D)。PKH26標識エクソソームはBMEC (n=3 replicates) に取り込まれ、主に細胞質に分布することが蛍光顕微鏡で確認された (図4B)。これらの結果は、Q-NeuおよびA-Neu由来エクソソームが正常に分離され、BMECに取り込まれる能力を持つことを示している。
A-Neuエクソソームによるタイトジャンクション崩壊とBBB障害: in vitro BBBモデルにおけるA-Neuおよびその由来エクソソームの効果を評価した。in vitro実験手順を図4Aに示す。A-Neuおよびその由来エクソソーム (exo-A-Neu) は、TEERを有意に低下させ、BBBモデルの透過性を上昇させた (図4C, D, p<0.05)。具体的には、コントロール群と比較して、A-Neu処理群ではTEERが約300 Ω/cm²から約100 Ω/cm²へと有意に低下し、透過性は約1.5%から約4.5%へと増加した (3.0-fold increase, p<0.05)。一方、Q-Neuおよびその由来エクソソーム (exo-Q-Neu) は、TEERおよび透過性に有意な影響を与えなかった。ウェスタンブロットの結果は、A-Neuおよびexo-A-Neu処理群において、Claudin-5、Occludin、ZO-1タンパク質の発現が対照群、Q-Neu群、およびexo-Q-Neu群と比較して有意に減少したことを示した (図4E, p<0.05)。ICC染色でも同様の結果が得られた (図4F)。これらの所見は、A-NeuがBBB損傷を促進し、その効果が少なくとも部分的にはその分泌するエクソソームを介して達成されることを示唆している。
DE-miRNAの同定とRT-qPCR検証: A-Neu由来エクソソームとQ-Neu由来エクソソームのsmall RNAシーケンスにより、合計493個のmiRNAが同定され、84個のDE-miRNA (38個が有意に上方制御、46個が有意に下方制御) が検出された (図5C)。PCA解析と相関ヒートマップは、A-Neu由来エクソソームとQ-Neu由来エクソソームのmiRNAプロファイルが群間で明確に分離されることを示した (図5A, B)。RT-qPCRによる検証では、miR-409-3p (log2FC 22.54, p<0.05)、miR-6909-5p (log2FC 20.7, p<0.05)、miR-3473d (log2FC 21.0, p<0.05) の発現がexo-A-Neuで有意に増加し、miR-370-3p (log2FC -22.1, p<0.05) およびmiR-6904-5p (log2FC -22.1, p<0.05) の発現が有意に減少しており、シーケンス結果と一致した (図5D, 表1)。さらに、脳I/R後24時間の脳組織においても、これらのDE-miRNAの同様の発現動態が確認された。miR-409-3p、miR-6909-5p、miR-3473dの発現は有意に増強され、miR-370-3pおよびmiR-6904-5pの発現は有意に減少した (図5E, p<0.05)。これらの結果は、これらのDE-miRNAがA-Neu由来エクソソームによって輸送され、BBB損傷の調節に関与している可能性を示唆している。
標的遺伝子のGO・KEGG濃縮解析: 84個のDE-miRNAに対して、miRNADAデータベースにより合計29,921個の標的遺伝子候補が予測された。GO濃縮解析では、3210個のGO用語が有意に濃縮され、「内皮バリア形成の正の制御 (positive regulation of establishment of endothelial barrier)」、「細胞結合 (cell junction)」、「カドヘリン結合 (cadherin binding)」、「脳由来神経栄養因子刺激への細胞応答 (cellular response to brain-derived neurotrophic factor stimulus)」など、BBB関連の用語が上位にランクインした (図6A, q-value < 0.05)。KEGG濃縮解析では、80個の経路が有意に濃縮され、「ECM-受容体相互作用 (ECM-receptor interaction)」、「細胞接着分子 (Cell adhesion molecules)」、「ギャップ結合 (Gap junction)」、「フェロトーシス (Ferroptosis)」、「VEGFシグナル伝達経路 (VEGF signaling pathway)」などが含まれた (図6B, q-value < 0.05)。これらの結果は、A-Neu由来エクソソームによるBBB完全性の調節が、DE-miRNAがこれらのmRNAを標的とすることによって達成される可能性が高いことを示している。
考察/結論
本研究は、脳虚血再灌流後のBBB破壊とHTという重大な合併症に対し、活性化好中球由来エクソソームを介したmiRNA転送という新規の分子機序を提示した点で意義が大きい。従来、好中球によるBBB障害はMMP-9、ROS、NETs放出といった直接作用で説明されてきたが、本研究はエクソソーム媒介による間接的調節経路を加えることで、病態理解を拡張した。
先行研究との違い: 既存の報告では、MSC由来エクソソームがmiR-125b-5pを介してBBB保護作用を示すこと (Qiu et al., 2022) や、血漿由来エクソソームがHSP70を介してROSを抑制しBBB損傷を軽減すること (Jiang et al., 2020) が示されている。また、Momordica charantia由来ナノ粒子がMMP-9を阻害することでBBB損傷を軽減することも報告されている (Cai et al., 2022)。これら神経保護型のエクソソーム研究とは対照的に、本研究は活性化好中球由来エクソソームがBBB損傷を促進する神経傷害型エクソソームとして機能することを示した点で、これまでの知見と異なり、対照的な役割を担っている。このことは、エクソソームの起源細胞とその活性化状態によって、その機能が正反対になりうることを示唆している。
新規性: 本研究で初めて、tMCAO-HTモデルにおいて好中球が異常に浸潤し、BMECと共局在すること、そしてその浸潤が脳出血と正の相関を示すことをin vivoで確認した。さらに、in vitro BBBモデルにおいて、活性化好中球 (A-Neu) およびその由来エクソソームがBBB透過性を亢進させ、タイトジャンクション関連タンパク質 (Claudin-5, Occludin, ZO-1) の発現を低下させることを新規に実証した。特に、A-Neu由来エクソソーム中の84個のDE-miRNAを同定し、そのうちmiR-409-3p、miR-6909-5p、miR-3473dの上昇とmiR-370-3p、miR-6904-5pの低下がBBB損傷を媒介する可能性のある分子基盤であることを示した。Let-7gおよびmiR-98がA-Neu由来エクソソームで有意に低下していたことは、これらのmiRNAが既報でBBB保護作用を持つことと関連し、本研究の新規な発見である。また、miR-7648-3pがMMP-9の負の調節に関与する可能性も示唆された。
臨床応用: 本研究の知見は、虚血性脳卒中後のBBB保護療法の新規候補を特定する上で重要な臨床的意義を持つ。例えば、miR-409-3p、miR-6909-5p、miR-3473dの特異的阻害剤や、好中球エクソソーム産生を阻害する薬剤 (例: Rab27aターゲティング) が、HTの予防や治療に有効なアプローチとなる可能性があり、将来的な臨床応用に向けたトランスレーショナルリサーチの基盤となる。
残された課題: 本研究はin vitroでのA-Neu由来エクソソームのBBB損傷促進効果を示したが、in vivoでの効果をrescue/depletion実験で検証する必要がある。また、同定された各DE-miRNAの機能的寄与を、loss-of-function実験によって個別に検証することが今後の課題であり、本研究における主要なlimitationとして残された課題である。
方法
動物モデルとBBB評価: 8-12週齢のC57BL/6Jマウス (n=96 mice) を、I/R-12h、I/R-24h、sham-12h、sham-24hの4群に無作為に割り付けた。tMCAO-HTモデルは、5時間の虚血後、12時間または24時間の再灌流を行うことで構築した。神経学的障害はZea Longaスコアで評価し、HTスコアは脳切片の出血程度に基づいて0から4のスケールで評価した。梗塞体積は2%トリフェニルテトラゾリウムクロリド (TTC) 染色で分析し、Image Jソフトウェアを用いて梗塞率を算出した。BBB透過性は、2% Evans blue (EB) を右頸静脈に注入し、脳組織中のEB含量 (µg/g) を分光光度計で測定することで評価した。脳組織中のヘモグロビン含量は、Mouse HB (Hemoglobin) ELISA Kit (Elabscience) を用いて測定した。脳組織の病理学的変化とHTは、ヘマトキシリン・エオシン (H&E) 染色で観察した。
好中球浸潤とBMEC共局在の評価: 免疫組織化学 (IHC) 染色により、好中球マーカーLy6Gの陽性率を評価した。ウェスタンブロット (WB) 法により、脳組織中のLy6Gタンパク質発現を定量した。Ly6G発現とヘモグロビン含量の相関は、Spearman correlation解析を用いて評価した。免疫蛍光 (IF) 染色により、BMECマーカーCD31とLy6Gの共局在を観察し、平均蛍光強度をImage Jソフトウェアで分析した。
細胞分離とエクソソーム調製: マウス初代培養好中球を確立し、フローサイトメトリーでLy6G陽性率 (93.36 ± 0.84%) を確認した。アストロサイトも初代培養し、GFAP発現をIFで確認した。好中球を0.1% DMSOで24時間処理してQ-Neuを、2μM N-ホルミル-メト-ロイ-フェニルアラニン (fMLP) で24時間処理してA-Neuを作製した。RiboTM Exosome Isolation Reagent (Ribobio) を用いて、Q-NeuおよびA-Neuの培養上清からエクソソームを分離した。エクソソームの形態は透過型電子顕微鏡 (TEM) で観察し、ALIX、TSG101、CD9などのエクソソームマーカーの発現はWBで確認した。PKH26標識エクソソームのBMECへの取り込みは蛍光顕微鏡で確認した。
in vitro BBBモデルの構築と処理: in vitro BBBモデルは、transwellシステムの下室にアストロサイトを、上室にBMECを播種して構築した。TEERが150 Ω/cm²を超えることを成功の基準とした。構築されたBBBモデルに、Q-Neu、A-Neu、およびそれらの由来エクソソームをそれぞれ24時間処理した。TEERはEVOM2抵抗計 (WPI) で測定し、BBB透過性は蛍光イエローの透過量を測定することで評価した。BMECにおけるタイトジャンクション関連タンパク質 (Claudin-5、Occludin、ZO-1) の発現は、WBおよび免疫細胞化学 (ICC) 染色で評価した。
small RNAシーケンスとバイオインフォマティクス解析: A-Neu由来エクソソームとQ-Neu由来エクソソームからRNAを抽出し、Illumina Solexaプラットフォームでsmall RNAシーケンスを実施した。差次的発現miRNA (DE-miRNA) は、q-value < 0.05かつ|log2FoldChange (FC)| > 1を閾値として同定した。miRNADAデータベースを用いてDE-miRNAの標的遺伝子を予測し、Rソフトウェアの超幾何分布検定に基づき、GO (Gene Ontology) およびKEGG (Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes) 濃縮解析 (q-value < 0.05) を実施した。主要なDE-miRNA (miR-409-3p、miR-6909-5p、miR-3473d、miR-370-3p、miR-6904-5p) の発現は、RT-qPCR法で検証した。
統計解析: 全てのデータは平均 ± 標準偏差 (SD) で表した。GraphPad Prismソフトウェア (version 8.3) を用いて統計解析を行った。正規性の検定にはKolmogorov-Smirnov検定を適用し、正規分布に従うデータはStudent t-testまたはone-way ANOVAで解析した。正規分布に従わないデータはMann-Whitney U testまたはKruskal-Wallis検定で解析した。Ly6G発現とヘモグロビン含量の相関はSpearman correlation解析で評価した。p < 0.05を有意差ありと判断した。