• 著者: Andrew Chow, Sara Schad, Michael D. Green, Matthew D. Hellmann, Viola Allaj, Nicholas Ceglia, Giulia Zago, Nisargbhai S. Shah, Sai Kiran Sharma, Marissa Mattar, Joseph Chan, Hira Rizvi, Hong Zhong, Cailian Liu, Yonina Bykov, Dmitriy Zamarin, Hongyu Shi, Sadna Budhu, Corrin Wohlhieter, Fathema Uddin, Aditi Gupta, Inna Khodos, Jessica J. Waninger, Angel Qin, Geoffrey J. Markowitz, Vivek Mittal, Vinod Balachandran, Jennifer N. Durham, Dung T. Le, Weiping Zou, Sohrab P. Shah, Andrew McPherson, Katherine Panageas, Jason S. Lewis, Justin S.A. Perry, Elisa de Stanchina, Triparna Sen, John T. Poirier, Jedd D. Wolchok, Charles M. Rudin, Taha Merghoub
  • Corresponding author: Charles M. Rudin (Memorial Sloan Kettering Cancer Center, New York, NY, USA); Taha Merghoub (Memorial Sloan Kettering Cancer Center, New York, NY, USA)
  • 雑誌: Cancer Cell
  • 発行年: 2021
  • Epub日: 2021-06-10
  • Article種別: Original Article
  • PMID: 34115989

背景

免疫チェックポイント阻害剤 (ICB) は癌治療に革命をもたらし、多くの患者に劇的な効果をもたらしてきた。しかし、依然として多数の患者がICBの恩恵を受けられず、その応答を予測するバイオマーカーや、治療抵抗性の根底にあるメカニズムは完全には未解明であるという課題が残されている。特に、非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者の解析では、胸膜転移を有する患者がPD-1阻害療法に対して他の転移部位と比較して著しく低い応答率を示すことが報告されており (Osorio et al., 2019)、特定の解剖学的部位における免疫抑制微小環境の存在が示唆されていた。この部位特異的な応答不良のメカニズムは、これまで十分に解明されていなかった。

胸腔、腹腔、心嚢腔などの漿膜腔には、胎生期由来および骨髄由来前駆体から生じる組織常在マクロファージが存在する。これらのマクロファージは、アポトーシス細胞の認識に関与するホスファチジルセリン (PS) 受容体であるTim-4 (T cell immunoglobulin and mucin domain-containing protein 4) を高発現することが知られている。Tim-4は、アポトーシス細胞のクリアランスを介して免疫寛容を誘導する役割が示唆されており、Tim-4欠損マウスでは自己抗体産生と抗腫瘍活性の増強が観察され、Tim-4が免疫調節において重要な役割を果たすことが示唆されていた (Cunha et al., 2018; Miyanishi et al., 2007; Rodriguez-Manzanet et al., 2010)。しかし、Tim-4陽性常在マクロファージが漿膜腔の免疫抑制微小環境をどのように規定し、部位特異的にICBの効果を減弱させるのか、その詳細な分子メカニズムは未解明であった。

先行研究では、肝臓や骨転移も免疫抑制的な微小環境を形成し、ICB応答不良と関連することが報告されている (Jiao et al., 2019; Lee et al. SciImmunol 2020; Yu et al., 2021)。これらの知見は、特定の転移部位が免疫療法の効果に影響を与える可能性を示唆する一方で、漿膜腔におけるTim-4陽性マクロファージの役割に特化した研究は不足しており、この部位における免疫抑制メカニズムの解明は、ICB応答不良患者に対する新たな治療戦略開発のために不可欠な知識ギャップとして残されていた。本研究は、この知識ギャップを埋めることを目的とし、漿膜腔に常在するTim-4陽性マクロファージが、活性化CD8+ T細胞の機能をどのように障害し、ICB効果を減弱させるのかを詳細に検証した。

目的

本研究の目的は、まず、漿膜腔 (胸膜、腹膜、心嚢) への転移が免疫チェックポイント阻害 (ICB) 療法への臨床的応答不良と関連するかを、複数の独立した臨床コホートを用いて検証することである。次に、Tim-4陽性常在マクロファージがCD8+ T細胞機能を障害する分子メカニズムを詳細に同定することを目指した。具体的には、活性化された細胞傷害性CD8+ T細胞がTim-4リガンドであるホスファチジルセリン (PS) をどのように発現し、Tim-4陽性マクロファージとどのように相互作用するかを解明する。最後に、Tim-4阻害がICBおよび養子T細胞療法 (ACT) の抗腫瘍効果を増強するかを、in vivoマウスモデルを用いて検証し、漿膜腔転移における新たな治療戦略の可能性を評価することを目的とした。これらの目的を達成することで、漿膜腔における免疫抑制微小環境の理解を深め、ICB応答不良患者に対する効果的な治療介入の基盤を確立することを目指した。

結果

漿膜腔転移がICB応答不良と関連: MSKCCのNSCLCコホート (n=500 patients) のレトロスペクティブ解析により、胸膜または腹膜転移を有する患者は、ICB治療後の奏効率が有意に低く、PFSおよびOSが短縮することが示された (多変量Cox比例ハザードモデルで有意)。胸膜転移を有する患者のPFSはHR 0.65 (95% CI 0.50-0.85, p<0.001) であり、腹膜転移を有する患者のPFSはHR 0.65 (95% CI 0.49-0.86, p=0.002) であった。対照的に、副腎転移ではPFSまたはOSに有意な差は認められなかった。この結果は、University of Michiganの独立したNSCLCコホート (n=170 patients) における胸膜転移患者のPFSおよびOS短縮、およびJohns Hopkins UniversityのMSI-H大腸癌コホート (n=61 patients) における腹膜転移患者のPFSおよびOS短縮によって再現された (Fig 1A-K)。肝臓および骨転移も多変量解析で予後不良と関連しており、これは既報の知見と一致する (Jiao et al., 2019; Lee et al. SciImmunol 2020; Yu et al., 2021)。

Tim-4は漿膜腔常在マクロファージに限局発現: ヒトおよびマウスの胸腔・腹腔マクロファージ (CD3-CD14+、CD3-CD19-CD11b+F4/80+) においてTim-4の高発現が確認された (Fig 2A-H)。Tim-4は、単球、腫瘍関連マクロファージ、または腫瘍細胞自体には発現していなかった。PET-CTバイオディストリビューション解析では、放射性標識抗Tim-4抗体が肝臓、脾臓、骨、リンパ節に特異的に集積することが示され、これらの部位の常在マクロファージにおけるTim-4発現パターンと一致した (Fig S3A-B)。ヒト漿膜腔マクロファージはVSIG4およびCD102 (ICAM-2) を共発現するが、マウスと異なりGATA-6は発現しなかった。55例の患者検体解析では、約半数の検体でTim-4高発現が認められ、特にEGFR変異NSCLC検体でTim-4高発現が有意に偏在していた (Fig S5I)。

Tim-4高発現は抗腫瘍性CD8+ T細胞頻度低下と相関: Tim-4高発現患者の漿膜液中では、総CD8+ T細胞数に変化はなかったものの、腫瘍反応性マーカーであるCD39+CD8+ T細胞 (Duhen et al. NatCommun 2018) およびPD-1+CD8+ T細胞 (Thommen et al. NatMed 2018; Kumagai et al. NatImmunol 2020) の頻度が有意に減少していた (p<0.05、p<0.01) (Fig 2J-L, S5J-K)。これは、Tim-4+マクロファージが腫瘍反応性T細胞の存在を抑制している可能性を示唆する。

Tim-4阻害はin vivo抗PD-1効果を増強: MC38-LG腹膜癌モデル (n=27-28 mice per group) において、抗Tim-4単剤療法は腫瘍増殖抑制効果を示さなかったが、抗PD-1療法との併用により、腫瘍負荷の有意な減少 (week 3バイオルミネセンスでMann-Whitney U検定 p<0.001) と生存期間の延長 (Mantel-Cox検定 p<0.001) が認められた (Fig 3A-C)。この併用効果は、腹腔内CD8+ T細胞およびCD8+CD39+ T細胞の絶対数の増加と関連していた (Fig 3D-E)。Tim-4 KOマウスを用いた実験でも同様の結果が再現され、CT26およびHKP1 (Kras G12D p53-/-肺癌) モデルでも抗Tim-4と抗PD-1の併用効果が確認された (Fig 3F-K)。抗Tim-4処理したTim-4+マクロファージのバルクRNA-seq解析では、Tgfb2、Tdo2、Ptgs2などの免疫抑制関連遺伝子の発現減少と、Stab1、Mrc1などのマクロファージ関連遺伝子の発現増加が認められた。さらに、Gzmb、Prf1、Cd8b1、Pdcd1、Lag3などのT細胞関連転写物がTim-4+マクロファージから検出され、抗Tim-4処理によりこれらの転写物が減少したことから、Tim-4依存性のT細胞-マクロファージ相互作用が示唆された (Table S3D)。

活性化CD8+ T細胞はviableなままPSを表出: マウスおよびヒトCD8+ T細胞を様々な刺激で活性化すると、annexin V陽性かつcaspase-3/7低発現の「viableなPShigh画分」が出現することが確認された (Fig 4A-B)。このPS発現は、CD44、PD-1、CD39などの活性化マーカーの上昇と一致し、脱顆粒マーカーCD107aとも相関した (Fig S8F-G)。PSレベルは活性化後24-48時間でピークに達し、その後減衰するが、CD39などの他の活性化マーカーはより持続的な発現を示した。MC38-LG担癌マウスの腹腔洗浄液およびNSCLC患者の漿膜液中にもPShigh CD8+ T細胞の集団が認められた (Fig S7D)。

PShigh CD8+ T細胞は高細胞傷害性・高増殖性: MC38-LG担癌マウス腹腔からソーティングしたPShigh CD8+ T細胞は、PSlow CD8+ T細胞と比較して、親MC38細胞に対する顕著に高い細胞傷害性を示した (p<0.001、p=0.0003) (Fig 4D-F)。scRNA-seq解析 (n=20,155 cells) では、PShigh CD8+ T細胞はMki67 (増殖マーカー)、Gzmb/c/d/e/f/g、Prf1 (細胞傷害性分子)、Entpd1、Pdcd1、Lag3、Havcr2、Tox (活性化/疲弊関連遺伝子) の高発現を特徴とする増殖細胞傷害性クラスター2に富化していた (Fig 4G-I)。一方、PSlow CD8+ T細胞はCcr7、Sell、Tcf7などのナイーブT細胞マーカーを高発現するクラスター1に富化していた。TCRクロノタイプ解析では、PShighとPSlow間で約38%のクローンが共有されており、同一TCRを持つT細胞でもPShigh状態では増殖・細胞傷害遺伝子の発現が上昇することが示された (Fig S9B-C)。PShigh細胞は、PS合成酵素 (Ptdss1/2) およびスクランブラーゼ (Plscr1/3/4、Xkr8) を高発現しており、能動的なPS表出メカニズムが示唆された (Table S4B)。

Tim-4+マクロファージがPShigh CD8+ T細胞を捕捉: in vivoにおいて、抗Tim-4と抗PD-1の併用投与またはTim-4 KOマウスでは、腹腔内のPShigh CD8+ T細胞数が増加した (Fig 5A-B)。Cypher5E色素を用いた貪食評価では、活性化viable T細胞の貪食は認められなかった。しかし、CellTrace Violet色素のTim-4+マクロファージへの優先的な蓄積が観察され、接着性捕捉が示唆された (Fig S9D-E)。UBC-GFP由来CD8+ T細胞と腹腔マクロファージの共培養実験では、抗Tim-4処理により非接着画分からのCD8+ T細胞 (特にPShigh画分) の回収が有意に増加し (p<0.001)、接着層の細胞は減少した (Fig 5C-F)。ヒト漿膜腔マクロファージを用いた共培養でも同様の接着性捕捉が再現された (Fig 5G-H)。共焦点顕微鏡によるタイムラプスイメージングでは、Tim-4+マクロファージと活性化T細胞の間に長時間にわたる接着相互作用が確認され、Tim-4阻害によりこの相互作用が減少した (Fig 5I)。さらに、Tim-4+マクロファージとの共培養によりPShigh CD8+ T細胞の細胞傷害性が抑制され、抗Tim-4処理によりこの抑制が解除されることが示された (Fig 5J)。

Tim-4+マクロファージがCD8+ T細胞の増殖を障害: in vitroでのCD8+ T細胞増殖抑制アッセイにおいて、マウス腹腔マクロファージはCD8+ T細胞の増殖を顕著に抑制した (Fig 6A-B)。この抑制は、CD39阻害剤であるsodium metatungstateによって部分的に解除されたが (p<0.01)、COX-2阻害剤 (celecoxib) や抗TGF-β抗体 (1D11) では解除されなかった。ヒト漿膜腔マクロファージを用いた実験でも同様にCD39依存性の増殖抑制が認められた (Fig 6D-G)。in vivoでは、抗Tim-4と抗PD-1の併用投与により、腹腔内CD8+ T細胞のKi67発現 (増殖マーカー) が有意に増加した (p<0.01) (Fig 6H)。OT-1 T細胞養子移入モデルにおいて、Tim-4阻害は養子移入されたOT-1 CD8+ T細胞の増殖を増強し、MC38-Ova担癌マウスの生存期間を延長させた (Mantel-Cox検定 p<0.001) (Fig 6I)。

考察/結論

本研究は、胸腔、腹腔、心嚢などの漿膜腔への転移が免疫チェックポイント阻害 (ICB) 療法への応答不良と関連するという臨床観察に対し、細胞および分子レベルでの基盤を与えた。我々は、活性化した細胞傷害性CD8+ T細胞が、免疫シナプス形成時の自己細胞傷害防御機構としてホスファチジルセリン (PS) を細胞表面に露出することを利用し、Tim-4陽性常在マクロファージがPS-Tim-4接着相互作用を介してエフェクターT細胞を物理的に「捕捉」し、腫瘍細胞への到達を阻害するという新規パラダイムを提示した。このメカニズムは、T細胞の増殖も抑制することが示された。

先行研究との違い: 従来、Tim-4はアポトーシス細胞の貪食受容体として認識されていたが、本研究は「viableで機能的なT細胞」の隔離という新たな機序を示し、Tim-4の生物学的役割を拡張するものである。これは、Casanova et al. NatCommun 2020、Etzerodt et al. (2020)、Xia et al. (2020) などの先行研究で示唆された、Tim-4陽性漿膜腔常在マクロファージが癌の進行を促進するという証拠と一致する。

新規性: 本研究で初めて、漿膜腔におけるTim-4陽性マクロファージが活性化CD8+ T細胞を捕捉し、増殖を抑制するという新規メカニズムを明らかにした。この発見は、漿膜腔が独自の常在マクロファージ駆動型免疫抑制ニッチを形成することを体系的に示した点で新規性がある。

臨床応用: 臨床的意義として、Tim-4遮断抗体は抗PD-1療法および養子T細胞療法 (ACT) との併用により抗腫瘍効果を増強することが示された。これは、特にEGFR変異NSCLCやMSI-H大腸癌の腹膜転移など、既存のICBで反応不良とされる患者集団に対する新たな治療選択肢となり得る。Tim-4発現レベルとCD8+CD39+ T細胞頻度は、漿膜腔転移患者のICB応答を予測するバイオマーカーとして有望である。

残された課題: 今後の検討課題として、いくつかのlimitationが挙げられる。第一に、PShigh状態は一過性であるため、患者検体での安定したバイオマーカーとしての有用性を確立するにはさらなる検討が必要である。第二に、肝クッパー細胞やリンパ節マクロファージにもTim-4が発現していることを考慮すると、全身性Tim-4阻害の安全性プロファイルは慎重に評価されるべきである。第三に、ヒト抗Tim-4抗体の開発と早期臨床試験での検証が不可欠である。第四に、漿膜腔における他の免疫抑制機序 (例: 制御性T細胞、可溶性因子) とTim-4を標的とする戦略を統合することで、より効果的な治療アプローチが開発される可能性がある。本研究のin vivoモデルでは、癌細胞が腹腔内に直接導入されたが、これは原発性腹膜癌や中皮腫などの漿膜腔の原発性悪性腫瘍に最も関連性が高い可能性があり、他の部位から転移した悪性腫瘍への外挿には限界があるかもしれない。また、本研究のモデルは比較的免疫原性の高いマウスモデルであり、真に「cold tumor」に対するTim-4阻害の効果は今後の研究課題である。

方法

臨床コホート解析: Memorial Sloan Kettering Cancer Center (MSKCC) の転移性非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者500例、University of MichiganのNSCLC患者170例、Johns Hopkins Universityのマイクロサテライト不安定性高 (MSI-H) 大腸癌患者61例の3つの独立したレトロスペクティブコホートを解析した。ICB治療後のRECIST v1.1に基づく奏効率、無増悪生存期間 (PFS)、全生存期間 (OS) を評価し、転移部位の予後寄与を多変量Cox比例ハザードモデルを用いて統計解析した。また、NSCLC患者の胸膜、腹膜、心嚢液検体55例に対し、フローサイトメトリーを用いて免疫細胞の表現型を解析した。

マウスモデル: MC38-luciferase-GFP (MC38-LG) 結腸癌、CT26結腸腺癌、HKP1 (Kras G12D p53-/-) 肺癌の腹膜癌モデル、およびB16F10黒色腫モデルを用いた。Tim-4遺伝子欠損 (KO) マウス、UBC-GFPマウス、OT-1/pmel TCRトランスジェニックマウスも使用した。治療介入として、抗Tim-4抗体 (RMT4-54クローン)、抗PD-1抗体、およびアイソタイプ対照抗体を単剤または併用で腹腔内投与した。

機能解析:

  1. PS発現T細胞の同定と機能評価: マウスおよびヒトCD8+ T細胞をαCD3/CD28、PMA/ionomycin、または抗原ペプチド (SIINFEKL/gp100) で活性化し、annexin V陽性かつcaspase-3/7低発現の「viableなPShigh画分」を定義した。フローサイトメトリーソーティングによりPShigh/PSlow CD8+ T細胞を単離し、クロノジェニック細胞傷害アッセイ、およびMC38-LG担癌マウス腹腔からの細胞に対する細胞傷害性アッセイでその機能を評価した。
  2. Tim-4発現の評価: ヒト組織の免疫組織化学染色、マウスおよびヒト組織のフローサイトメトリー、ならびに放射性標識抗Tim-4抗体を用いたPET-CTバイオディストリビューションによりTim-4の発現パターンを評価した。
  3. 遺伝子発現解析: 抗Tim-4処理したTim-4+マクロファージのバルクRNAシーケンス (RNA-seq) を実施し、差分発現遺伝子を同定した。また、PShigh/PSlow CD8+ T細胞のシングルセルRNAシーケンス (scRNA-seq) およびT細胞受容体 (TCR) シーケンス (n=20,155 cells) を実施し、細胞傷害性および増殖関連遺伝子の発現プロファイルを比較した。
  4. Tim-4+マクロファージとT細胞の相互作用解析: Cypher5E pH感受性色素を用いた貪食評価、CellTrace Violet色素を用いた接着評価、およびUBC-GFP由来CD8+ T細胞と腹腔マクロファージの共培養実験により、Tim-4+マクロファージによるT細胞の捕捉メカニズムを検討した。共焦点顕微鏡によるタイムラプスイメージングで接着相互作用を可視化した。
  5. T細胞増殖抑制メカニズム: in vitroでのCD8+ T細胞増殖抑制アッセイにおいて、CD39阻害剤 (sodium metatungstate)、COX-2阻害剤 (celecoxib)、および抗TGF-β抗体 (1D11) の効果を評価した。in vivoでは、Ki67発現により腹腔内CD8+ T細胞の増殖を評価した。
  6. 養子T細胞療法 (ACT) モデル: MC38-Ova担癌マウスに卵白アルブミン (Ova) 特異的OT-1 T細胞を養子移入し、Tim-4阻害がACTの効果を増強するかを評価した。

統計解析: データは平均 ± 標準誤差 (SEM) で示され、統計的有意性はStudent’s t検定、Mann-Whitney U検定、BonferroniまたはSidak事後検定を伴う二元配置分散分析 (ANOVA)、およびMantel-Coxログランク検定を用いて評価された。