• 著者: Zou HY, Li Q, Lee JH, Arango ME, McDonnell SR, Yamazaki S, Koudriakova TB, Alton G, Cui JJ, Kung PP, Nambu MD, Los G, Bender SL, Mroczkowski B, Christensen JG
  • Corresponding author: James G. Christensen (Pfizer Global Research and Development, La Jolla Laboratories, La Jolla, CA, USA)
  • 雑誌: Cancer Research
  • 発行年: 2007
  • Epub日: 2007-05-01
  • Article種別: Original Article
  • PMID: 17483355

背景

c-Met (MET) 受容体チロシンキナーゼとそのリガンドであるHGF (hepatocyte growth factor、scatter factor) は、上皮-間葉相互作用、細胞遊走、浸潤、増殖、生存、血管新生、形態形成の調節において生理的役割を担うことが知られている。これらの機能は、哺乳類の発生や組織修復、恒常性維持に不可欠である。しかし、癌においては、c-Metの異常な活性化が複数の癌種で報告されており、そのドライバーとしての機能が示唆される。具体的には、c-MetはATP結合部位変異 (遺伝性および散発性乳頭状腎癌)、遺伝子増幅 (胃癌、大腸癌、食道腺癌)、HGF/c-Metオートクライン/パラクライン活性化を介して、癌の進行と予後不良に深く関与している。これらの知見は、c-Metが癌治療における魅力的な標的であることを強く示唆する。先行研究では、イマチニブやエルロチニブといったRTK阻害薬が、特定の変異を有する癌患者において顕著な臨床的有効性を示すことが報告されており、c-Metを標的とすることの治療的潜在性が強調される Blume-Jensen et al. Nature 2001

これまでに、c-Met経路を標的とするいくつかの阻害薬が同定されてきた。例えば、HGFクリングルバリアント/NK4、デコイ受容体、HGF中和抗体などが挙げられるが、これらの治療的有用性については、さらなる臨床的検証が必要とされている。また、SU11274やPHA-665752といった低分子c-Met阻害薬も報告されていたが、これらは薬物動態学的性質の問題から経口投与が不可能であり、臨床開発には至っていなかった。このため、経口投与可能で選択性の高いc-Met阻害薬の開発が、癌治療の新たな選択肢として強く求められていたが、その臨床的応用には依然として多くの課題が残されており、特に経口利用可能な薬剤の不足が顕著であった。既存のc-Met阻害薬は、その薬物動態学的特性や選択性の点で臨床的有用性が未確立であり、より効果的かつ安全な治療法の開発が強く望まれていた。特に、in vivoでの抗腫瘍効果と作用機序を詳細に評価した経口利用可能なc-Met阻害薬の報告は不足しており、この分野には大きな知識ギャップが存在していた。

本研究は、Pfizer社が創製した新規の経口投与可能な選択的ATP競合型c-Met阻害薬であるPF-2341066(後のクリゾチニブ)の包括的な前臨床評価を報告するものである。PF-2341066は、c-Metキナーゼの触媒活性を強力に阻害する低分子化合物として同定された。本研究の目的は、この新規薬剤の生化学的特性、細胞レベルでの機能阻害、およびin vivoでの抗腫瘍効果と作用機序を詳細に解析することであった。特に、PF-2341066がc-Met依存性の腫瘍細胞増殖、遊走、浸潤、および血管新生を抑制する能力を評価し、その抗腫瘍効果が抗増殖作用と抗血管新生作用の複合的なメカニズムを介している可能性を検証した。この研究は、c-Metを標的とする選択的低分子阻害薬がヒト癌治療において持つ治療的潜在力を示す上で極めて重要である。

目的

本研究の目的は、新規c-Met選択的経口阻害薬PF-2341066の以下の特性を前臨床的に包括的に評価することである。(1) c-Metに対する生化学的阻害活性 (Ki値) および120種以上のキナーゼパネルを用いた選択性プロファイルの決定。(2) c-Met依存性腫瘍細胞株および血管内皮細胞に対するin vitro活性、具体的にはc-Metリン酸化阻害IC50値、細胞増殖/生存IC50値、細胞遊走・浸潤・管腔形成の阻害活性の評価。(3) c-Met増幅モデル (GTL-16胃癌)、パラクライン型HGF活性化モデル (NCI-H441非小細胞肺癌)、オートクラインモデル (U87MG膠芽腫、PC-3前立腺癌) を含むc-Met依存性異種移植モデルにおけるin vivo抗腫瘍効果、および薬力学的バイオマーカー (c-Metリン酸化) との相関関係の解析。(4) PF-2341066の抗腫瘍効果が、腫瘍細胞の増殖抑制 (Ki67)、アポトーシス誘導 (caspase-3)、および血管新生阻害 (微小血管密度減少、血漿VEGFA/IL-8レベル低下) という複合作用機序を介していることを明らかにすること。これらの評価を通じて、PF-2341066の治療的潜在性を確立し、その後の臨床開発の基盤となるデータを提供することを目的とした。

結果

生化学的阻害活性とキナーゼ選択性: PF-2341066は、組換えヒトc-Metキナーゼに対してKi=4 nMと強力なATP競合的阻害活性を示した。細胞系アッセイでは、HGF刺激または構成的活性化c-Metのリン酸化を、複数のヒト腫瘍細胞株および内皮細胞株パネルにおいて平均IC50=11 nMで阻害した。mIMCD3マウス上皮細胞ではIC50=5 nM、MDCKイヌ上皮細胞ではIC50=20 nMであった。120種以上のキナーゼパネル評価では、PF-2341066は評価したキナーゼの90%超に対してc-Metより100倍以上選択的であった。VEGFR2およびPDGFRβに対しては1,000倍以上、IRKおよびLckに対しては250倍以上選択的であった。注目すべき例外として、KARPAS299 ALCLリンパ腫細胞株が発現するNPM-ALK融合タンパク質に対してIC50=24 nMと、c-Metと近接した強力な阻害活性を示した。これは、後のALK阻害薬としてのクリゾチニブの臨床開発の重要な伏線となった。

c-Met変異体に対する活性: PF-2341066は、ATP結合部位変異 (V1092I IC50=19 nM、H1094R IC50=2 nM) およびP-loop変異 (M1250T IC50=15 nM) を持つc-Metに対して、野生型 (IC50=13 nM) と同等以上の活性を示した。しかし、活性化ループ変異 (Y1230C IC50=127 nM、Y1235D IC50=92 nM) に対しては約10倍の感受性低下が観察され、変異の位置が阻害活性に影響を与えることが示された。また、内因性c-Met変異体であるR988CおよびT1010Iを発現するNCI-H69およびHOP92細胞株においても、それぞれIC50=13 nMおよびIC50=16 nMと強力なc-Metリン酸化阻害活性を示した。

c-Met依存性細胞株でのin vitro抗腫瘍活性: PF-2341066は、c-Met増幅を有するGTL-16胃癌細胞の増殖をIC50=9.7 nMで阻害し、アポトーシスをIC50=8.4 nMで誘導した。HGF刺激NCI-H441 NSCLC細胞の遊走をIC50=11 nM、Matrigel浸潤をIC50=6.1 nMで抑制した。MDCK細胞のスキャタリングもIC50=16 nMで阻害した。HUVECを用いたHGF刺激アッセイでは、c-Metリン酸化をIC50=11 nM、細胞生存をIC50=14 nM、Matrigel浸潤をIC50=35 nMで阻害した。HMVEC球状体モデルでは、HGF刺激による管腔形成 (tubulogenesis) を0.083 μmol/Lで抑制し、0.167 μmol/Lでほぼ完全に阻害した (Fig 1)。これらの機能アッセイにおけるIC50値とc-Metリン酸化阻害IC50値との強い相関は、PF-2341066の薬理活性がc-Met阻害に依存することを示唆する。

in vivoでのc-Metリン酸化と腫瘍増殖の用量依存的相関: GTL-16異種移植モデル (n=15 mice/群) を用いた薬力学的解析では、PF-2341066の抗腫瘍効果とc-Metリン酸化阻害の間に明確な用量依存的相関が認められた (Fig 2A, B)。50 mg/kg/dayの投与では、c-Metリン酸化が24時間持続的に100%阻害され、これと相関して100%の腫瘍増殖抑制 (TGI) が達成された。12.5 mg/kg/dayでは、c-Metリン酸化は1〜8時間で80〜90%阻害されたが、16〜24時間では50〜60%に低下し、結果として60%のTGIに留まった。6.25 mg/kg/dayでは、c-Metリン酸化は1〜8時間で30〜50%阻害された後、16時間で完全に回復し、有意なTGIは認められなかった。これらの結果から、最大治療効果を得るためには、投与スケジュール全期間にわたって90%以上のc-Metリン酸化持続阻害が必要であることが実証された。U87MG膠芽腫異種移植モデルでも同様の用量依存的効果が観察された (Fig 2C, D)。

in vivo抗腫瘍効果—各異種移植モデル: PF-2341066は、様々なc-Met依存性ヒト異種移植モデルにおいて強力な抗腫瘍効果を示した (Fig 3)。GTL-16胃癌モデル (腫瘍体積>600 mm³) に50 mg/kg q.d.を43日間投与した結果、平均腫瘍体積が60%退縮した。14匹中9匹で30%以上の腫瘍体積減少が認められ、1匹では投与終了10日後も腫瘍消失状態が維持された。3ヶ月間の長期投与では、n=12 mice中1匹のみで腫瘍増大が認められた。NCI-H441 NSCLCモデル (パラクライン型HGF活性化) に50 mg/kg q.d.を38日間投与した結果、平均43%の腫瘍体積減少が観察された。11匹中3匹で30%以上の腫瘍縮小、3匹で腫瘍消失が認められた。Caki-1腎細胞癌モデルに50 mg/kg q.d.を33日間投与した結果、平均53%の腫瘍体積減少が認められた。U87MG膠芽腫モデルでは50 mg/kg q.d.で97%のTGI、PC-3前立腺癌モデルでは84%のTGIが達成された。対照的に、MDA-MB-231乳癌モデルおよびDLD-1大腸癌モデルでは、50 mg/kg q.d.投与で有意な抗腫瘍効果は認められなかった。これは、パラクライン型活性化であっても、c-Metへの腫瘍依存度によって応答が不均一であることを示唆する。安全性プロファイルは良好であり、50 mg/kgを3ヶ月間、200 mg/kgを1ヶ月間投与しても、体重減少や明らかな毒性、病理組織学的所見は認められなかった。

作用機序 (GTL-16モデルでのIHC解析): PF-2341066の作用機序をGTL-16モデルで詳細に解析した (Fig 4, 5, 6)。腫瘍細胞増殖抑制として、Ki67 (増殖マーカー) の発現は、25 mg/kgおよび50 mg/kg投与群で投与4日目に対照群比で4倍の有意な低下 (p<0.01) を示した。増殖抑制効果は投与日数依存的に増強し、3〜4日目で最大阻害が観察された。アポトーシス誘導として、活性化caspase-3の発現は、25 mg/kgおよび50 mg/kg投与群で定性的な増大が確認され、用量依存的であり、有効なモデルでのみ観察された。抗血管新生作用として、CD31 (微小血管密度・MVD) 陽性内皮細胞は、GTL-16モデルにおいて12.5、25、50 mg/kg投与11日目に用量依存的に減少した。50 mg/kg投与群では70%のMVD減少が認められた (Fig 5A, B)。U87MGモデルではMVDへの影響は軽微であり、抗血管新生作用が腫瘍型に依存する可能性が示唆された。血漿VEGFA・IL-8レベル低下として、GTL-16およびU87MGモデルにおいて、PF-2341066は用量依存的に血漿中のVEGFAおよびIL-8レベルを有意に低下させた (Fig 5C, D)。この効果は投与1〜2日目から急性的に観察され、c-Metを介したVEGFA/IL-8産生制御による間接的な抗血管新生機序を示唆する。下流シグナル伝達経路の阻害として、Westernブロット解析により、GTL-16腫瘍においてp-c-Met、p-Akt、p-Erk、p-PLCε1、p-STAT5のリン酸化レベルがすべて用量依存的に低下することが確認された (Fig 6)。これは、PF-2341066がc-Met下流の主要なシグナル伝達経路を包括的に阻害することを示している。

考察/結論

本研究は、PF-2341066(後のクリゾチニブ)が経口投与可能なc-Met/ALK二重選択的低分子阻害薬であり、Ki=4 nMの強力なc-Met阻害活性、100倍以上のキナーゼ選択性、c-Met増幅腫瘍での60%退縮を含む強力なin vivo抗腫瘍効果、および抗増殖・アポトーシス誘導・抗血管新生の複合作用機序を持つことを初めて実証した重要な前臨床報告である。

先行研究との違い: これまでのc-Met阻害薬は薬物動態学的性質の問題から経口投与が困難であり、臨床開発に至っていなかった。本研究で報告されたPF-2341066は、経口投与可能であり、かつin vivoで顕著な抗腫瘍効果を示す点で、これまでの阻害薬とは対照的である。また、本研究は、c-Metリン酸化の持続的阻害が最大治療効果に必要であるという薬力学的原則を明確に示した点で新規性がある。

新規性: 本論文の最も重要な薬力学的発見は「投与スケジュール全期間を通じて90%以上のc-Metリン酸化持続阻害が最大治療効果 (100% TGI) に必要である」という原則であり、PK/PD相関に基づく用量設定の重要性を示した。この原則は、本研究で初めて実証されたものであり、その後のクリゾチニブの臨床試験における投与量・スケジュール設計の理論的基盤となった。さらに、本論文でALK (NPM-ALK IC50=24 nM) への強力な阻害活性が既に示されていたことは重要な伏線であった。2007年同年にSoda et al. (Nature 2007) がNSCLCにおけるEML4-ALK融合遺伝子を発見し、翌年Kwak et al. (NEJM 2010) がクリゾチニブのALK陽性NSCLCに対する第1相試験結果を発表した。もともとc-Met阻害薬として設計されたPF-2341066は、ALK阻害薬として急速に臨床開発されることになり、現在はクリゾチニブとしてALK陽性NSCLC 1世代TKIの標準治療に確立されている。本前臨床論文はその出発点となる基礎データを提供するものであり、医薬品開発史上の転換点を記録した重要な文献である。

臨床応用: 本研究で示されたc-Met増幅例(胃癌、腎細胞癌)とオートクライン型HGF発現例(膠芽腫、前立腺癌)がクリゾチニブ応答の高いサブグループを形成し、パラクライン型でも応答の不均一性があるという知見は、現在のc-Met標的治療における患者選択戦略の原型を提供した。特に、c-Met増幅を有する胃癌患者や、構成的に活性化されたc-Metを高レベルで発現する腎細胞癌患者は、PF-2341066に対する客観的奏効の可能性が高い臨床集団を構成する可能性がある。これらの知見は、将来的な臨床応用において、バイオマーカーに基づく層別化医療の重要性を示唆している。

残された課題: 今後の検討課題として、c-Metの活性化メカニズムが異なる腫瘍タイプ間でのPF-2341066の抗血管新生作用の差異について、さらなる詳細な解析が必要である。U87MGモデルではMVDへの影響が軽微であったことから、抗血管新生作用が全ての腫瘍タイプに共通するわけではない可能性が示唆される。また、野生型c-Metを発現するが構成的活性化やオートクラインHGF発現を欠く腫瘍におけるPF-2341066の応答が不均一であったことから、c-Metを標的とする治療に対する感受性を規定する分子決定因子のさらなる研究が残された課題である。これらのlimitationを克服することで、c-Met阻害薬の臨床的有用性を最大限に引き出すことが可能となるだろう。

方法

化合物: PF-2341066はPfizer La Jolla Laboratoriesで合成された。

in vitro生化学アッセイ: c-Metの触媒活性は、連続カップリング分光光度計アッセイを用いて定量された。このアッセイでは、c-MetによるADP産生速度をNADH (nicotinamide adenine dinucleotide) 消費速度として測定し、340 nmにおける吸光度の減少を分光光度計で経時的に追跡した。Ki値の決定には、PF-2341066を様々な濃度で添加し、37℃で10分間インキュベートした後、c-Met酵素の添加によって反応を開始した。キナーゼ選択性評価は、Upstate社およびPfizer社で実施された120種以上のチロシンキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼパネルを用いて行われた。

細胞系アッセイ:

  • 細胞リン酸化ELISAアッセイ: 96ウェルプレートに細胞を播種し、血清飢餓状態とした後、PF-2341066を1時間インキュベートし、必要に応じてリガンドを添加した。細胞ライセートを調製し、サンドイッチELISA法により特定のタンパク質キナーゼのリン酸化レベルを評価した。
  • 細胞増殖/生存アッセイ: 96ウェルプレートに低密度で腫瘍細胞を播種し、血清飢餓状態とした後、PF-2341066を24〜72時間添加した。HUVEC (human umbilical vascular endothelial cells) を用いたHGF刺激生存アッセイも実施した。相対的な細胞数はMTTアッセイ (Promega) で測定した。
  • 腫瘍細胞遊走およびMatrigel浸潤アッセイ: NCI-H441細胞の遊走およびMatrigel浸潤は、改変型Boydenチャンバー法 (BD Biosciences) を用いて評価した。下層ウェルにHGFを添加し、上層チャンバーからの細胞の遊走・浸潤を定量した。
  • HUVEC Matrigel浸潤アッセイ: ACEA (Advanced Cell Electrophysiology Analysis) electrosensing 96ウェルプレートを使用し、フィブロネクチンとHGFでコーティングしたMatrigel上にHUVECを播種し、リアルタイムで浸潤をモニタリングした。
  • MDCK (Madin-Darby canine kidney) 細胞スキャタリングアッセイ: 既報の方法 (Christensen et al. Cancer Res 2003) に従って実施した。
  • HMVEC (human dermal microvascular endothelial cells) 血管芽形成アッセイ: HMVECを球状体として形成させ、フィブリンゲル中でPF-2341066の存在下で血管管腔形成 (tubulogenesis) を評価した。
  • アポトーシスアッセイ: GTL-16細胞を血清飢餓状態でPF-2341066と48時間インキュベートし、ssDNA Apoptosis ELISAキット (Chemicon) を用いてアポトーシスを検出した。

in vivo異種移植モデル:

  • 動物: 雌雄のathymic nude mouse (nu/nu) をCharles Riverから入手し、Pfizer Animal Care and Use Committeeガイドラインに従って飼育した。
  • 皮下異種移植モデル: 腫瘍細胞 (2-5 x 10^6個) をMatrigelと混合し、マウスの側腹部に皮下移植した。腫瘍体積が100〜600 mm³に達した時点でPF-2341066の経口強制投与を開始した。
    • c-Met増幅モデル: GTL-16胃癌細胞 (>600 mm³のlarge established tumor)。
    • パラクライン型HGF活性化モデル: NCI-H441 NSCLC細胞にMRC-5 (human fetal lung fibroblast) 線維芽細胞を2:1の比率で共移植し、ヒトHGFを供給した。
    • オートクラインモデル: U87MG (glioblastoma) 膠芽腫、PC-3前立腺癌。
    • 非応答コントロール: MDA-MB-231乳癌、DLD-1 (human colon adenocarcinoma) 大腸癌。
  • 投与: PF-2341066を水に溶解し、経口強制投与 (6.25-200 mg/kg/day、毎日) した。
  • 薬力学的 (PKD) 解析: 各時点での腫瘍組織中のc-Metリン酸化レベルをELISAまたは免疫沈降-イムノブロッティング法で定量し、薬力学的相関を評価した。
  • 抗腫瘍効果評価: 腫瘍体積は電子ノギスで測定し、腫瘍体積 = 長さ × 幅² × 0.4 で算出した。腫瘍増殖抑制率 (%TGI) および腫瘍退縮率を算出した。統計解析には一元配置分散分析 (one-way ANOVA) を用いた。
  • 免疫組織化学 (IHC): 腫瘍組織を10%緩衝ホルマリンで固定後、パラフィン包埋し、4 μmol/L切片を作製した。Ki67 (増殖マーカー)、活性化caspase-3 (アポトーシスマーカー)、CD31 (微小血管密度マーカー) の発現を免疫染色し、ACISシステム (Automated Cellular Imaging, Clarient) を用いて定量解析した。
  • Westernブロット: GTL-16腫瘍組織からタンパク質ライセートを調製し、p-c-Met、p-Akt、p-Erk、p-PLCε1、p-STAT5などのc-Met下流シグナル伝達経路のリン酸化レベルを評価した。
  • 血清VEGFA・IL-8 ELISA: マウスの血漿中のヒトVEGFAおよびIL-8レベルを市販のELISAキット (R&D Systems) で測定し、抗血管新生機序への関与を評価した。