- 著者: Kevin Litchfield, James L. Reading, Clare Puttick, Krupa Thakkar, Chris Abbosh, Robert Bentham, Thomas B.K. Watkins, Rachel Rosenthal, Dhruva Biswas, Andrew Rowan, Emilia Lim, Maise Al Bakir, Virginia Turati, José Afonso Guerra-Assunção, Lucia Conde, Andrew J.S. Furness, Sunil Kumar Saini, Sine R. Hadrup, Javier Herrero, Se-Hoon Lee, Peter Van Loo, Tariq Enver, James Larkin, Matthew D. Hellmann, Samra Turajlic, Sergio A. Quezada, Nicholas McGranahan, Charles Swanton
- Corresponding author: Sergio A. Quezada (UCL Cancer Institute, London, UK); Nicholas McGranahan (CRUK Lung Cancer Centre of Excellence, UCL, UK); Charles Swanton (The Francis Crick Institute, London, UK)
- 雑誌: Cell
- 発行年: 2021
- Epub日: 2021-01-27
- Article種別: Original Article
- PMID: 33508232
背景
免疫チェックポイント阻害剤 (CPI) は、様々ながん種において臨床応用が進み、患者の生存期間を大幅に改善してきた。しかし、CPIに対する反応は患者間で大きく異なり、単一のバイオマーカー(例えば、腫瘍変異負荷 (TMB)、PD-L1発現、マイクロサテライト不安定性高頻度 (MSI-H) など)のみでは、その予測精度が不十分であることが長年の課題として認識されている。CPI反応予測因子は、(1) T細胞応答を誘発する抗原源、(2) 抵抗性を駆動する免疫回避機構、(3) 宿主因子、(4) 免疫浸潤マーカーの4つの主要なカテゴリに分類される。これまでの個別研究では、CPI反応予測因子の同定において、検出力不足や研究間のバイオマーカー定義の不一致が問題となり、再現性のある堅牢な予測因子の特定が困難であった。例えば、TMBは多くの研究でCPI反応と関連付けられてきたが、その予測能はがん種や治療レジメンによって変動し、一貫した閾値の設定が難しいという課題が残されている。また、PD-L1発現もCPI反応の予測因子として用いられるが、その評価方法やカットオフ値の標準化が未確立であり、予測精度も限定的である。これらの課題は、CPI治療の有効性を正確に予測するための知識ギャップとして未解明な部分が多い。
先行研究では、TMBがCPI反応と関連することが示されているが、その予測能はがん種や治療レジメンによって変動し、一貫した閾値の設定が難しいという課題が残されている (Rizvi et al. Science 2015)。また、PD-L1発現もCPI反応の予測因子として用いられるが、その評価方法やカットオフ値の標準化が未確立であり、予測精度も限定的である (Tumeh et al. Nature 2014)。さらに、抗CTLA-4抗体治療における遺伝的基盤に関する研究も行われているが、大規模なパンキャンサー解析は不足していた (Snyder et al. NEnglJMed 2014)。これらの研究は個別のコホートに焦点を当てており、CPI反応の普遍的な予測因子を同定するための大規模なメタ解析は手薄であった。
本研究は、これらの課題を克服するため、複数の独立したコホートから得られたCPI治療患者の全エクソームおよびトランスクリプトームデータを統一的なバイオインフォマティクスパイプラインで再処理し、大規模なパンキャンサーメタ解析を実施した。これにより、既知のCPI反応予測因子を体系的に検証するとともに、新規の予測因子を探索し、TMB単独の予測能を上回る多変数予測モデルの構築を目指した。CPI治療の有効性を正確に予測するバイオマーカーの確立は、患者層別化と個別化医療の推進に不可欠である。特に、治療効果が期待できない患者への不必要な治療を避け、より適切な治療戦略を早期に選択することは、患者のQOL向上と医療資源の最適化に繋がる。本研究は、これまでの研究で不足していた大規模かつ標準化されたデータ解析を通じて、CPI反応の根底にある腫瘍細胞内在性およびT細胞内在性メカニズムを包括的に解明し、より精度の高い予測モデルを開発することを目的とした。このようなアプローチは、CPI治療における知識ギャップを埋め、臨床現場での意思決定を支援する新たなバイオマーカー戦略の基盤を確立する上で極めて重要である。
目的
本研究の目的は、1,000例を超えるCPI治療患者の全エクソームおよびトランスクリプトームデータを統一的なバイオインフォマティクスパイプラインで処理し、既知および新規のCPI反応予測因子を大規模なメタ解析によって比較検証することである。具体的には、CPI反応の最も強力な予測因子を同定し、TMB単独の予測能を大きく上回る多変数予測モデルを構築することを目指した。さらに、腫瘍細胞内在性およびT細胞内在性のメカニズムがCPI感受性にどのように寄与するかを分子レベルで解明し、新たな治療標的やバイオマーカー候補を特定することも目的とした。この統合的なアプローチにより、CPI治療の有効性をより正確に予測し、個別化医療の実現に貢献する堅牢なバイオマーカー戦略の基盤を確立することを目指す。
結果
クローン性TMBがCPI反応の最強予測因子である: CPI1000+コホートのメタ解析により、クローン性TMB(全ての腫瘍細胞に存在する非同義変異の数)がCPI反応の最も強力な予測因子であることが示された (オッズ比 (OR) 1.74, 95% CI 1.41-2.15, p=2.9×10⁻⁷)。これは、総TMB (OR 1.70, p=1.9×10⁻⁵) をわずかに上回る結果であった。一方、サブクローン性TMBはCPI反応と有意な関連を示さなかった (OR 1.18, p=0.07)。抗原源のカテゴリでは、フレームシフト挿入/欠失変異負荷 (indel TMB) (OR 1.34, p=1.6×10⁻³)、ナンセンス変異依存mRNA分解 (NMD) を回避するフレームシフトindel負荷 (NMD-escape fs-indel burden) (OR 1.38, p=5.6×10⁻⁴)、およびtobacco (OR 1.39, p=3.5×10⁻²)、UV (OR 1.34, p=1.2×10⁻³)、APOBEC (OR 1.39, p=8.1×10⁻³) 変異シグネチャーの割合も有意にCPI反応と関連していた。これらの結果は、変異の質とクローン性がCPI反応予測において重要であることを示唆している (Figure 2A)。
CXCL9発現が免疫浸潤マーカーの最強予測因子である: 免疫浸潤マーカーのカテゴリでは、CXCL9発現が最も強い予測能を示した (OR 1.67, 95% CI 1.38-2.03, p=1.3×10⁻⁷)。これは、CD8A発現 (OR 1.45)、T細胞炎症性遺伝子発現シグネチャー (IMPRES) (OR 1.43)、およびCD274 (PD-L1) 発現レベル (OR 1.32) を上回る結果であった。CXCL9は、CXCR3を介して細胞傷害性CD8+ T細胞の腫瘍内へのリクルートを促進し、Th1およびTh17 CD4 T細胞の分化を誘導する重要なケモカインである。また、性別 (OR 1.22, p=1.9×10⁻²、男性患者で反応良好)、CD38発現 (OR 1.29)、CXCL13発現 (OR 1.38)、IMPRES (OR 1.31)、POPLAR Tエフェクターシグネチャー (OR 1.38)、および細胞溶解スコア (OR 1.22) も有意な関連を示した (Figure 2A)。
多変数予測モデルはTMB単独を有意に上回る予測能を示す: 11のバイオマーカー(クローン性TMB、indel TMB、NMD-escape TMB、tobacco signature、UV signature、APOBEC signature、性別、T細胞炎症性GEP、CD274、CD8A、CXCL9)を組み込んだXGBoost多変数モデルは、3つの独立したテストコホート全てにおいて、TMB単独モデルよりも有意に優れた予測性能を示した。パンキャンサーテストコホート1 (n=76 patients) では、多変数モデルのAUCが0.86であったのに対し、TMB単独では0.68であり、有意な差が認められた (p=0.0049)。悪性黒色腫テストコホート2 (n=121 patients) では、多変数モデルのAUCが0.66、TMB単独が0.58 (p=0.025) であった。NSCLCテストコホート3 (n=144 patients) では、多変数モデルのAUCが0.70、TMB単独が0.62 (p=0.047) であった (Figure 3D)。これらの結果は、CPI反応の予測において、複数のメカニズムを考慮した多変数モデルがTMB単独よりも優れた情報を提供することを示している。簡略化された2変数モデル(クローン性TMBとCXCL9発現)でも、TMB単独を上回る性能が示された (テストコホート1でAUC 0.79、テストコホート2でAUC 0.63、テストコホート3でAUC 0.72)。
二ヌクレオチド変異 (DNV) が免疫原性エピトープの新たな源である: 変異プロセス解析の結果、UV signature (OR 1.34)、tobacco signature (OR 1.39)、POLE signature (OR 1.35)、APOBEC signature (OR 1.39) がCPI反応と有意に関連することが判明した (Figure 4A)。特に、UV signatureとtobacco signatureは二ヌクレオチド変異 (DNV) 数と強い相関を示した (悪性黒色腫でSpearman ρ=0.65, p<2.2×10⁻¹⁶)。DNVは、単一ヌクレオチド変異 (SNV) と比較して、より広範なアミノ酸置換レパートリー (250 vs 150 unique changes, p=4.7×10⁻¹³) を生み出し、より高い割合でラジカルなアミノ酸置換 (Grantham distance ≥100) および疎水性の増加 (p<2.2×10⁻¹⁶) を伴うことが明らかになった。機能データでは、T細胞反応性ネオアンチゲンエピトープが非反応性エピトープよりも有意に高い疎水性スコアを示すことが確認された (p=0.04) (Figure 4E)。これらの知見は、DNVが強力な免疫原性エピトープの新たな源となり得ることを示唆している。
9q34.3 (TRAF2) 欠失がCPI感受性化、CCND1増幅がCPI抵抗化と関連する: ゲノムワイドなコピー数解析により、9q34領域の欠失がCPI反応者で有意に高頻度であることが判明した (反応者 44.4% vs 非反応者 30.5%, p=6.9×10⁻⁵, q=0.02)。この領域のファインマッピングにより、TRAF2遺伝子が責任座位として同定された (Figure 5C)。TRAF2欠失は、T細胞介在性腫瘍死に対する腫瘍細胞の感受性を高めることが先行研究で報告されており、TNF細胞傷害性閾値の低下とT細胞介在性腫瘍細胞アポトーシスの増加がその機序と考えられている。TRAF2は高いハプロ不全確率 (pLI score=0.99979) を持つことが示された (Figure 5E)。一方、CCND1遺伝子の局所的増幅(コピー数 ≥5)はCPI抵抗性と関連し、増幅患者のCR/PR率は16.3%であったのに対し、非増幅患者では26.6%であった (p=4.8×10⁻²)。MSK1600コホートの尿路上皮がん患者における検証では、CCND1増幅が有意な全生存期間の短縮と関連した (ハザード比 (HR) 3.6, 95% CI 1.9-7.0, p=1.3×10⁻⁴) (Figure 6D)。非CPI治療患者ではCCND1増幅と生存期間の有意な関連は見られず、CCND1増幅が予後因子ではなく予測因子である可能性が示唆された。
scRNA-seqによりCXCL13とCCR5がクローン性ネオアンチゲン反応性CD8 TILのマーカーとして同定される: 治療歴のないNSCLC患者 (n=1 patient) のクローン性ネオアンチゲン (MTFR2) マルチマー陽性CD8 TILのscRNA-seq解析により、マルチマー陽性細胞で846遺伝子が有意に上方制御されていることが明らかになった。これには、MHCクラスII提示機構関連遺伝子 (HLA-DOA, HLA-DMB)、T細胞活性化マーカー (CD38)、ホーミング関連分子 (CCR5)、およびT細胞機能不全関連分子 (CXCL13, IL-10, IL27RA, FAS, MYO7A) などが含まれた (Figure 7A)。これらの遺伝子のうち101遺伝子は、CPI1000+コホートの反応者で非反応者よりも有意に高発現していた (p<0.05)。特にCXCL13は、マルチマー陽性細胞で最も顕著な上方制御を示し (log2 FC 13.4)、CPI反応者で選択的に高発現していた。CCR5も同様にマルチマー陽性細胞で高発現し (log2 FC 8.9)、CPI反応者で選択的に発現していた (Figure 7C)。これらの結果は、CXCL13とCCR5がクローン性ネオアンチゲン反応性CD8 TILのT細胞内在性マーカーであり、CPI感受性と関連することを示唆している。
考察/結論
本研究は、1,000例を超えるCPI治療患者の全エクソームおよびトランスクリプトームデータを統合した過去最大規模のパンキャンサーメタ解析であり、CPI反応予測における重要な知見を体系化した。
先行研究との違い: これまでの個別研究では、CPI反応予測因子の検出力不足や研究間の定義不一致が課題であったが、本研究は統一的なバイオインフォマティクスパイプラインと大規模なメタ解析により、これらの課題を克服した。特に、クローン性TMBが総TMBよりも優れた予測因子であることを明確に示し、サブクローン性TMBが全体的な有意性に達しなかった点は、変異のクローン性がCPI反応に与える影響の重要性を強調する点で、これまでの報告と異なり、より詳細な理解を促す。また、CXCL9発現が免疫浸潤マーカーの中で最も強力な予測因子として同定されたことは、T細胞の腫瘍内リクルートメントがCPI効果に不可欠であることを改めて示唆する。
新規性: 本研究で初めて、二ヌクレオチド変異 (DNV) が、よりラジカルなアミノ酸置換と高い疎水性を持つ免疫原性エピトープの新たな源となり得ることを同定した。これは、ネオアンチゲン生成のメカニズムに関する新規の洞察を提供する。さらに、9q34.3 (TRAF2) 欠失がCPI感受性化、CCND1増幅がCPI抵抗化と関連することをゲノムワイド解析で発見し、これらの腫瘍内在性メカニズムがCPI反応に与える影響を明らかにした。特に、TRAF2欠失が「collateral sensitivity」という進化生物学的現象を通じてCPI感受性を高める可能性は、これまで報告されていない新規の概念である。また、シングルセルRNAシーケンスを用いて、CXCL13とCCR5がクローン性ネオアンチゲン反応性CD8 TILの分子マーカーとして同定されたことは、T細胞内在性メカニズムの理解を深める上で新規の発見である。
臨床応用: 本研究の知見は、CPI治療における患者層別化と個別化医療の臨床応用に直結する。短期的には、全エクソームシーケンスと標的遺伝子発現定量(例:NanoString)を組み合わせた標準化された多変数予測スコアの確立が最も有望な翻訳戦略である。特に、11変数モデルがTMB単独を大きく上回るAUC 0.86を示したことは、その臨床的有用性を示唆する。APOBEC、Tobacco、UVなどの変異シグネチャーの評価にはパネルシーケンスではなくエクソームシーケンスが必要であり、これにより抗原性の包括的な評価が可能となる。CCND1増幅患者は抗PD-1/PD-L1単剤療法が不適切なサブグループである可能性があり、CDK4/6阻害剤(例:パルボシクリブ)との併用療法の臨床試験候補となる。TRAF2欠失または9番染色体欠失の検出はCPI奏効予測に有用であり、治療戦略の最適化に貢献し得る。
残された課題: 今後の検討課題として、本研究で説明されなかったCPI反応の約40%の変動要因(例:マイクロバイオーム、免疫履歴、環境因子など)の探索が残されている。また、本研究で開発された多変数予測モデルの臨床的有用性を検証するためのプロスペクティブな臨床試験が必要である。特に、TRAF2/CCND1の状態に基づく治療層別化のプロスペクティブ試験は、個別化医療の実現に向けた重要なステップとなる。DNV特異的ネオアンチゲン予測アルゴリズムの開発や、CXCL13/CCR5を利用したネオアンチゲン反応性TILの治療的操作も、今後の研究方向性として挙げられる。本メタ解析は、CPIバイオマーカー学の標準リソースとして、後続研究および臨床試験の基盤となるが、その結果を臨床現場に導入する際には、さらなる検証と慎重なアプローチが求められる。
方法
コホート: 本研究では、12の独立したコホートから合計1,008例のCPI治療患者の全エクソームおよびトランスクリプトームデータを収集し、「CPI1000+コホート」として統合した。対象となった腫瘍種は、転移性尿路上皮がん (n=387)、悪性黒色腫 (n=353)、頭頸部がん (n=107)、非小細胞肺がん (NSCLC) (n=76)、腎細胞がん (RCC) (n=51)、結腸直腸がん (n=20)、乳がん (n=14) であった。治療法は、抗CTLA-4抗体 (n=155)、抗PD-1抗体 (n=432)、抗PD-L1抗体 (n=421) であった。これらのデータは、統一されたバイオインフォマティクスパイプライン(STAR Methods参照)を用いて再処理され、コホート間の比較可能性を最大化した。検証コホートとして、MSK-IMPACTパネルでプロファイルされた1,600例のCPI治療患者コホート(MSK1600コホート)のコピー数セグメントおよび全生存期間データも利用した。ネガティブコントロールとして、MSK-IMPACTパネルでシーケンスされた非CPI治療患者のコホートも使用した。
アウトカム: 臨床的アウトカムは、RECIST (Response Evaluation Criteria in Solid Tumors) 基準に基づく放射線学的奏効で定義され、完全奏効 (CR) または部分奏効 (PR) を「responder」、安定疾患 (SD) または病勢進行 (PD) を「non-responder」とした。
バイオマーカーの選定と解析: 文献レビューにより、CPI反応に関連する55種類の既報バイオマーカーを選定した。これらのバイオマーカー値は、異なる測定スケール(例:変異数と遺伝子発現量)を比較可能にするため、標準Zスコアに変換された。各コホートでロジスティック回帰分析を実施した後、ランダム効果メタ解析を用いて各バイオマーカーの全体的な効果量と有意性を評価した。
多変数予測モデルの構築: CPI反応の多変数予測モデルは、XGBoost機械学習アルゴリズムを用いて構築された。モデルには、メタ解析で全体的な有意性が認められた11の変数(クローン性TMB、indel TMB、NMD-escape TMB、tobacco signature、UV signature、APOBEC signature、性別、T細胞炎症性遺伝子発現プロファイル (GEP)、CD274 (PD-L1) 発現、CD8A発現、CXCL9発現)が組み込まれた。モデルの性能は、3つの独立したテストコホート(KEYNOTE-028パンキャンサーコホート (n=76 patients)、Liu et al.の悪性黒色腫コホート (n=121 patients)、Shim et al.のNSCLCコホート (n=144 patients))で検証され、ROC曲線下面積 (AUC) 値とTMB単独モデルとの比較が行われた。統計解析にはDeLongの検定が用いられた。
新規予測因子の探索: ゲノムワイドなコピー数解析、変異シグネチャー解析、局所的増幅/欠失解析を実施し、CPI反応に関連する新規のゲノム領域や変異プロセスを探索した。特に、9q34領域の欠失とCCND1遺伝子増幅に注目した。これらの解析にはFisherの正確検定が用いられた。
シングルセルRNAシーケンス (scRNA-seq) 解析: クローン性ネオアンチゲン反応性CD8腫瘍浸潤リンパ球 (TIL) の分子特性を解明するため、治療歴のないNSCLC患者 (n=1 patient) からMTFR2マルチマー陽性CD8 TILをソーティングし、scRNA-seqを実施した。MTFR2は、ネオアンチゲンをコードする遺伝子であり、そのマルチマー陽性細胞を解析した。これにより、クローン性ネオアンチゲン反応性T細胞に特異的に発現する遺伝子を同定し、バルクRNA-seqデータと統合してCPI反応との関連を評価した。差次的遺伝子発現解析にはlog2 fold change (FC) と偽発見率 (FDR) が用いられた。