- 著者: Ervin Ascic, Fritiof Åkerström, Malavika Sreekumar Nair, André Rosa, Ilia Kurochkin, Olga Zimmermannova, Xavier Catena, Nadezhda Rotankova, Charlotte Veser, Michal Rudnik, Tommaso Ballocci, Tiffany Schärer, Xiaoli Huang, Maria de Rosa Torres, Emilie Renaud, Marta Velasco Santiago, Özcan Met, David Askmyr, Malin Lindstedt, Lennart Greiff, Laure-Anne Ligeon, Irina Agarkova, Inge Marie Svane, Cristiana F. Pires, Fábio F. Rosa, Carlos-Filipe Pereira
- Corresponding author: Carlos-Filipe Pereira (filipe.pereira@med.lu.se) (Molecular Medicine and Gene Therapy, Lund Stem Cell Centre, Lund University, Lund, Sweden; Asgard Therapeutics AB, Lund, Sweden)
- 雑誌: Science
- 発行年: 2024
- Epub日: N/A
- Article種別: Original Article
- PMID: 39236156
背景
固形腫瘍に対する免疫療法は、一部の患者において長期生存をもたらすものの、その成功は腫瘍特異的T細胞のプライミングに依存する。しかし、腫瘍細胞はしばしば抗原提示を下方制御し、免疫抑制的な腫瘍微小環境(TME)を形成するため、免疫原性抗原提示細胞が腫瘍から排除されるという課題がある。これらの制限は、免疫チェックポイント阻害薬(ICB)を含む既存の癌免疫療法の広範な成功を妨げている。例えば、ICBは進行性メラノーマ患者においてニボルマブとイピリムマブの併用で5年生存率が52%に達するものの、依然として60%の奏効率にとどまる。さらに、乳癌、ミクロサテライト安定型大腸癌、膠芽腫などの低免疫原性腫瘍では、長期免疫が誘導される患者は5%未満と報告されており、これらの腫瘍タイプにおける治療効果の改善が喫緊の課題である。
1型従来型樹状細胞(cDC1)は、樹状細胞の稀なサブセットであり、抗原クロスプレゼンテーションを介した細胞傷害性T細胞の動員と活性化に不可欠な役割を果たす。複数の癌種において、腫瘍内cDC1の存在は、T細胞を介した腫瘍退縮およびICBへの応答と相関することが示されている Barry et al. NatMed 2018。cDC1は、MHCクラスIおよびII、共刺激分子CD40、ならびにcDC1サブセット特異的マーカーであるXCR1およびCLEC9Aを高レベルで発現する。腫瘍内において、cDC1はケモカイン分泌と抗原クロスプレゼンテーションによりT細胞の動員と活性化を促進し、効果的な抗癌免疫を媒介する。しかし、これらのcDC1の特殊な機能特性は、これまで免疫療法に十分に活用されてこなかった。
細胞リプログラミングは、転写因子群の強制発現を通じてin vivoで特定の細胞型を生成する戦略を提供する。in vivo細胞運命リプログラミングは、内因性体細胞を疾患部位で直接、別の細胞アイデンティティに変換し、治療効果をもたらす可能性を秘めている。この戦略は、個別化された細胞療法におけるex vivo細胞製造の大きな課題を克服する可能性がある。例えば、マウスの膵臓外分泌細胞は、アデノウイルス(Ad)ベクターを用いて3つの転写因子を膵臓に送達することで、in situでインスリン分泌性β細胞に変換されることが示された。また、心筋梗塞のマウスモデルでは、瘢痕形成性心臓線維芽細胞が心筋細胞に変換され、心機能が改善した。先行研究では、PU.1 (SPI1遺伝子産物)、IRF8、BATF3(PIB)の3つの転写因子の組み合わせが、in vitroで線維芽細胞や腫瘍細胞を抗原提示能を持つcDC1様細胞にリプログラミングするのに十分であることが示されていた。しかし、これらのリプログラムされた細胞のex vivo操作と再投与は、臨床応用において大きな課題を提示する。また、in vivoリプログラミングの可能性と、それが固形腫瘍に対する全身性かつ持続的な抗腫瘍免疫を誘導できるかについては、これまで十分に未解明な点が残されていた。本研究は、この知識ギャップを埋めることを目指す。特に、腫瘍の免疫原性抗原提示細胞の不足という課題に対し、腫瘍細胞自体をcDC1様細胞に変換するアプローチは、従来の治療法では手薄であった領域を補完するものである。
目的
本研究の目的は、PU.1 (SPI1遺伝子産物)/IRF8/BATF3 (PIB) 転写因子をアデノウイルス (Ad) ベクターで腫瘍内に直接送達することにより、腫瘍細胞をin situでcDC1様細胞にリプログラムする新しい免疫療法戦略の実現可能性を検証することである。具体的には、このアプローチが固形腫瘍に対して全身性かつ持続的な抗腫瘍免疫を誘導できるかを、複数のマウスメラノーマモデルおよびヒト腫瘍モデルを用いて評価する。さらに、リプログラミングによって誘導される免疫メカニズムを詳細に解析し、腫瘍微小環境(TME)の再構築、三次リンパ構造(TLS)の形成、およびポリクローナルな細胞傷害性T細胞応答の誘導における役割を解明する。最終的に、本研究は、臨床応用可能なオフザシェルフ型遺伝子治療コンセプトを確立し、従来の免疫療法が直面する抗原提示不全、免疫抑制性TME、およびcDC1欠乏といった課題を克服する新しい治療モダリティの基礎を築くことを目指す。
結果
in vivoリプログラミングによる強力な抗腫瘍効果と免疫記憶の誘導: PU.1 (SPI1遺伝子産物)/IRF8/BATF3 (PIB) 転写因子を導入した腫瘍細胞と未導入親細胞を1:1で混合して移植したマウスモデルにおいて、in vivo cDC1リプログラミングは顕著な抗腫瘍効果を示した (Fig 1B)。YUMM1.7モデルでは単剤療法で100%の完全奏効 (CRs) を達成し、B2905モデルでは80%のCRsを誘導した。低免疫原性でICB耐性のB16モデルでは、単剤療法で中央生存期間 (MS) が19日から43日に延長された (p<0.0001)。さらに、抗PD-1または抗CTLA-4との併用療法は、B16およびB2905モデルにおけるCRsを増加させ、B16+ICBでは100%のCRsを達成した。内因性cDC1を欠損するBATF3 KOマウス (n=5-6 mice/群) を用いた実験では、MSが19.5日から96.5日に延長され (p<0.001)、抗PD-1との併用で50%のCRsを達成したことから、リプログラミング誘導免疫が内因性cDC1に依存しないことが示された。生存マウスを再チャレンジした結果、YUMM1.7生存マウスの100%およびBRAF_V600E COX1/2 KO生存マウスの66%が腫瘍フリーを維持し、長期的な免疫記憶が確立されたことを示唆した (Fig 1F)。
腫瘍微小環境 (TME) のリモデリングと三次リンパ構造 (TLS) の形成: in vivo cDC1リプログラミングは、腫瘍微小環境の劇的なリモデリングを誘導した (Fig 2A)。リプログラミング開始後21日目には、単剤療法でCD45+細胞浸潤が2.7倍、抗PD-1併用療法で1.5倍増加した (Fig 2D)。リンパ系細胞コンパートメントでは、B細胞が24.4倍、NK細胞が2.2倍、CD4+T細胞が2.4倍に増加した。疲弊したPD-1+CD8+T細胞は4倍、PD-1+CD4+T細胞は8倍に減少し、セントラルメモリーCD62L+CD44+CD8+T細胞は4.3倍、増殖性のKi-67+CD8+T細胞は2.3倍に増加した。TCF-1+CD8+T細胞は1.7倍、TCF-1+CD4+T細胞は2.5倍に増加し、長期的な腫瘍増殖制御における役割が示唆された。制御性T細胞 (Treg) はCD8+T細胞で10.5倍、CD4+T細胞で1.5倍減少し、炎症性T細胞集団へのシフトが確認された。骨髄系細胞コンパートメントでは、XCR1+cDC1が6.9倍に増加した。さらに、腫瘍実質内にB細胞ゾーン、CD4+T細胞ゾーン、空間的に分離したCD8+T細胞ゾーン、およびポドプラニン陽性間質細胞を含むTLS様構造の形成が観察された (Fig 2B)。CD4+T細胞の抗体枯渇実験では、YUMM1.7モデルにおける腫瘍免疫制御が完全に消失し、CD4+T細胞がPIB媒介性抗腫瘍免疫の主要なエフェクターであることが強く示された (Fig 2M)。
ポリクローナルな細胞傷害性T細胞応答の誘導とCD4+T細胞の中心的役割: scRNA-seqとTCRエンリッチメントを用いた解析により、in vivo cDC1リプログラミングがポリクローナルなT細胞応答を誘導することが明らかになった (Fig 3A)。CD8+T細胞のクローン多様性は、PIB治療群と対照群で同程度であったが (それぞれ118クローンと112クローン)、PIB治療群ではエフェクターおよびエフェクターメモリーCD8+T細胞サブセットにおけるクローン拡大が顕著であった (それぞれ44.4% vs 30.1%、4.8% vs 0.1%)。CD4+T細胞では、PIB治療群で160種類のユニークなクローンが拡大し、対照群の57クローン、抗PD-1治療群の92クローンと比較して大幅に増加した (Fig 3J)。拡大したCD4+T細胞クローンのうち、59.6%が細胞傷害性、32.9%がTH1 CD4+T細胞であった。in vitro殺傷アッセイにより、これらのCD4+T細胞がメラノーマ細胞を効率的かつ特異的に殺傷することが確認された。また、末梢血中ではT濾胞ヘルパー (TFH) 細胞として循環するCD4+T細胞クローンが拡大しており、B細胞応答とTLS形成を支持する役割が示唆された。
ヒト腫瘍モデルにおけるin vivoリプログラミングの効率と免疫抑制への抵抗性: ヒトメラノーマ (A375、A2058) および膠芽腫 (T98G) の異種移植モデル (n=3 replicates) において、in vivo cDC1リプログラミングは高い効率と忠実度で進行した (Fig 4C)。移植後9日目には、T98Gで75.4±11.8%、A375で69.9±11.5%、A2058で77.0±7.2%の細胞がCD45+HLA-DR+の完全リプログラム細胞へと変換された。in vivoでのリプログラミングはin vitroよりも高速かつ高精度であり、XCR1の発現はT98G由来細胞でin vivoでは8.0±2.5%であったのに対し、in vitroでは1.2±1.1%であった (Fig 4D)。また、リプログラムされた細胞は、CD40やHLAクラスI分子 (T98Gで4倍、A375で2倍、A2058で3倍増加) の発現を獲得し、成熟した免疫原性抗原提示細胞の表現型を示した (Fig 4E)。ヒト癌細胞スフェロイドを用いた実験では、12種類の癌細胞株において、3D培養が2D培養と同等またはそれ以上のリプログラミング効率を示した (Fig 5C)。さらに、CAF、MDSC、周皮細胞、および免疫抑制性サイトカイン (IL-6、TGFβ、VEGF、GM-CSF) の存在下でもリプログラミング効率は障害されず、免疫抑制的なTMEにおいてもcDC1リプログラミングが進行することが確認された (Fig 5I)。HLA-A2適合PBMCとの共培養では、リプログラムされたスフェロイドがIFNγ、TNFα、GzmBの放出を誘導し、スフェロイドサイズの減少 (細胞傷害性の証拠) を示した (Fig 5J)。
アデノウイルス (Ad) ベクターによる効率的な遺伝子送達と治療効果: PIB転写因子を腫瘍に送達するためのプラットフォームとして、LV、Ad、AAVベクターを比較した結果、Adベクターがin situでの形質導入効率において優位性を示した (Fig 6G)。B16腫瘍への腫瘍内注射では、Ad-eGFPが10^9ウイルス粒子 (VP) で2.94±2.9%の腫瘍細胞を形質導入したのに対し、LV-eGFPは最高用量でも0.3±0.2%と低かった (n=9-25 biological replicates)。スフェロイドの透過深度においても、AdとAAVがLVよりも優れていた。抗腫瘍免疫を誘導するために必要なリプログラム細胞の割合は非常に低く、推定0.06%のリプログラム細胞 (CD45+MHC-II+細胞の0.15%に相当) で腫瘍増殖遅延とMS延長 (25日から30日) が誘導された (Fig 6I)。0.15%のリプログラム細胞で10%のCRs、2.2%で100%のCRsが観察され、少数のcDC1様細胞でも抗腫瘍免疫に十分であることが示された。Ad-PIB遺伝子治療 (4回腫瘍内注射+ICB) は、B16モデルで50%のCRsを達成し、100日間腫瘍フリーを維持した (Fig 7B)。生存マウスは再チャレンジにも耐え、肺転移の形成も認められなかった。200日以上生存したマウスにおいて、自己免疫や臓器毒性の兆候は検出されなかった。
考察/結論
本研究は、PU.1 (SPI1遺伝子産物)/IRF8/BATF3 (PIB) 転写因子をアデノウイルス (Ad) ベクターで腫瘍内に直接送達することにより、腫瘍細胞をin situでcDC1様細胞にリプログラムする、全く新しいがん免疫療法モダリティを確立した。このアプローチは、従来のDCワクチンやCAR-T細胞療法、ICBが直面するex vivo製造の困難さ、腫瘍抗原特異性の制限、および腫瘍微小環境 (TME) の免疫抑制への感受性という根本的な課題を一括して解決するコンセプトを提供する。
先行研究との違い: これまでの研究では、in vitroでのDC製造(稲葉法など)が必要なDCワクチンが主流であったが、本研究はin situでのDC様細胞製造を可能にした点で大きく異なる。これにより、ex vivo製造に伴う個別化コスト、時間、および品質管理の問題を回避できる。また、腫瘍細胞そのものを抗原提示細胞に変換するという戦略は、腫瘍抗原の「自然展示」を可能にする点で、他のモダリティとは根本的に異なるアプローチである。さらに、Sharma et al. Cell 2017が指摘するような、腫瘍の抗原提示不全や免疫抑制性TMEが免疫療法の主要な制限因子であるという課題に対し、本研究は腫瘍細胞自体を免疫原性細胞へと変換することで、これらの課題を直接的に克服する。
新規性: 本研究で初めて、in vivo cDC1リプログラミングが、CD4+T細胞(特に細胞傷害性CD4+T細胞とTH1細胞)を主要なエフェクターとして機能させることを新規に同定した。これは、ICBでは通常CD8+T細胞が注目されることが多いのに対し、CD4+T細胞が腫瘍制御に不可欠な役割を果たすという点で、これまで報告されていない重要な知見である。cDC1-CD4+T細胞-CD8+T細胞のトライアドが有効な抗腫瘍免疫に必須であることが示唆され、Puig-Saus et al. Nature 2023が示すCD8+T細胞応答の重要性に加え、CD4+T細胞の役割を再評価するものである。また、in vivoリプログラミングが三次リンパ構造 (TLS) の形成を誘導し、長期免疫記憶を確立することも本研究で初めて示された。
臨床応用: 本知見は、がん免疫療法の臨床応用に極めて重要な示唆を与える。ヒト腫瘍スフェロイドモデルにおいて、免疫抑制性TMEの存在下でもリプログラミングが効率的に進行し、2%未満の転換細胞でも抗腫瘍免疫が誘導されるという知見は、in situでの形質導入効率が低いという潜在的な制限を克服できる可能性を示す。これは、Rojas et al. Nature 2023が報告する個別化RNAネオアンチゲンワクチンと比較して、オフザシェルフ型のアプローチとしてより広範な患者に適用できる可能性を秘める。さらに、単剤活性が低い場合にICBとの相乗効果が特に強く(B16モデルなど)、ICB非奏効患者に対する組み合わせ戦略として有望である。自己免疫や臓器毒性の兆候が200日以上生存したマウスで認められなかったことは、本治療法の良好な安全性プロファイルを示唆し、臨床現場での導入を後押しする。
残された課題: 今後の検討課題として、エピジェネティックアジュバントによる転換効率のさらなる向上、Adカプシド改変によるin situ形質導入の最大化、および高齢マウスや自己免疫易発症モデルでの安全性プロファイルの詳細な検討が必要である。また、リプログラムされた細胞の数と質が抗腫瘍効果にどのように寄与するかをさらに解明する必要がある。非ウイルス性送達方法(RNA分子や低分子化合物カクテルなど)の検討も、よりスケーラブルな免疫療法開発に向けた今後の方向性である。本論文は、in vivo免疫細胞リプログラミングに基づく新しいクラスの免疫療法の初の臨床試験への基礎を提供している。
方法
マウスモデルと治療プロトコル: B16F10 (低免疫原性、ICB耐性)、YUMM1.7 (ICB耐性)、B2905 (高変異メラノーマ)、およびBATF3 KOマウスで増殖するBRAF_V600E COX1/2 KO (内因性cDC1欠損) のC57BL/6J皮下腫瘍モデルを用いた。腫瘍細胞は、PIB-eGFP導入腫瘍細胞または対照eGFP細胞と未導入親細胞を1:1の比率で混合して皮下移植した。または、腫瘍が30-90 mm³に達した後、Ad-PIBまたは対照Ad-Stufferを腫瘍内に4回(day 7/9/11/13)注射した。治療は単剤または抗PD-1/抗CTLA-4 (ICB) との併用で行われた。エンドポイントは腫瘍体積、生存期間、および免疫記憶(day 100皮下再チャレンジ、day 160静脈内再チャレンジ)であった。CD4+T細胞、CD8+T細胞、NK細胞の枯渇実験も実施した。
免疫学的解析: 腫瘍組織、腫瘍ドレナージリンパ節 (tdLN)、および末梢血中の免疫細胞組成は、フローサイトメトリー、免疫蛍光染色 (IF)、および免疫組織化学 (IHC) により解析された。特に、TLSの形成はIHCで確認された。T細胞の機能的状態は、疲弊マーカー (PD-1、TIM-3、Lag3)、記憶マーカー (CD62L、CD44)、および増殖マーカー (Ki-67) の発現を評価した。cDC1特異的マーカー (XCR1、CLEC9A、CD226) および抗原提示分子 (MHC-I/II、CD40) の発現も解析した。
シングルセルRNAシーケンス (scRNA-seq): YUMM1.7モデルにおいて、腫瘍、tdLN、末梢血から分離したCD45+CD3+T細胞に対し、5’scRNA-seqとTCRエンリッチメントを実施した (n=5 mice/群)。これにより、CD8+T細胞 (9クラスター) およびCD4+T細胞 (11クラスター) の詳細なプロファイルとクローン多様性を解析した。ヒト腫瘍スフェロイドのリプログラミング細胞についても、scRNA-seqを用いて転写因子、cDC1遺伝子、および免疫関連経路の発現を評価した。
ヒト腫瘍モデル: ヒトメラノーマ細胞株 (A375、A2058) および膠芽腫細胞株 (T98G) をNSG/NXGマウスに皮下移植した異種移植モデルを用いた。PIB-eGFPまたはeGFP対照を導入した細胞を移植し、in vivoでのリプログラミング効率と免疫原性マーカーの発現をフローサイトメトリーで評価した。
ヒト癌細胞スフェロイドモデル: T98G、IGR39、A2058など12種類のヒト癌細胞株を用いて3Dスフェロイドを形成した。癌関連線維芽細胞 (CAF)、骨髄由来抑制細胞 (MDSC)、周皮細胞、および免疫抑制性サイトカイン (IL-6、TGFβ、VEGF、GM-CSF) の存在下でのリプログラミング効率を評価した。HLA-A2適合PBMCとの共培養により、リプログラムされたスフェロイドのT細胞活性化能 (IFNγ、TNFα、GzmB産生) および細胞傷害性 (スフェロイドサイズ減少) を評価した。
ウイルスベクター比較: レンチウイルス (LV)、アデノウイルス (Ad)、アデノ随伴ウイルス (AAV) の3種類のウイルスベクターについて、2D培養、3Dスフェロイド、およびin situ腫瘍における形質導入効率とリプログラミング効率を一元的に比較した。特に、Adベクターの腫瘍内形質導入容量、スフェロイド透過深度、および抗腫瘍免疫誘導に必要なリプログラム細胞の最小割合を評価した。
統計解析: 全ての統計解析はGraphPad PrismまたはRソフトウェアを用いて実施された。データは正規性検定後、ANOVA、二元配置ANOVA、Kruskal-Wallis検定、Mann-Whitney U検定、またはt検定が適用された。生存解析にはログランクMantel-Cox検定を用いた。P値<0.05を統計的有意差と定義した。