• 著者: Tomoyuki Naito, Hideaki Shiraishi, Yutaka Fujiwara
  • Corresponding author: Yutaka Fujiwara (Department of Respiratory Medicine, Mitsui Memorial Hospital, Tokyo, Japan)
  • 雑誌: Japanese Journal of Clinical Oncology
  • 発行年: 2021
  • Epub日: 2020-10-16
  • Article種別: Review (Invited)
  • PMID: 33147606

背景

ALK遺伝子転座はNSCLC全体の約5%に認められる比較的稀な分子サブタイプであり、ALK阻害剤 (ALK-TKI) の開発によりALK陽性NSCLCの治療戦略は大きく変化した。第一世代ALK-TKIであるcrizotinibは、化学療法に対する2つのランダム化比較試験 (Shaw et al. NEnglJMed 2013Solomon et al. NEnglJMed 2014) でPFSおよびOSの有意な改善を示し、ALK陽性NSCLCの標準治療として確立された。しかし多くの患者はcrizotinib治療中に獲得耐性により再発し、ALKキナーゼドメイン変異 (G1269A、L1196M、C1156Y、L1152R、S1206Y、1151Tins、G1202R、F1174L等) やバイパスシグナル経路の活性化が耐性機序として同定されている。

これに対し、第二世代ALK-TKIであるceritinibおよびalectinibが開発され、crizotinib耐性変異の多くを克服する活性を示した。Ceritinibは G1269A、L1196M、C1156Y、S1206Yに有効だが G1202RおよびF1174Cには無効であり、ceritinib耐性症例の5/11例でこれらの変異が確認されている。Alectinibでも G1202R、V1180L、I1171Tといった耐性変異が報告されており、第二世代TKIも耐性克服においては不完全である。さらに、alectinibはcrizotinib未治療ALK陽性NSCLCに対する一次治療試験 (ALEX試験) でcrizotinibに対する優越性を示したが (Peters et al. NEnglJMed 2017)、alectinib・ceritinib治療下でもCNS転移での再発が報告されている。

CNS転移はALK陽性NSCLCにおける主要な問題であり、診断時の約30%にCNS転移が存在する。BBB (blood-brain barrier) に発現するABC (ATP-binding cassette) ファミリーの薬剤排出トランスポーター (P糖タンパク質、多剤耐性タンパク質、乳がん耐性タンパク質等) が多くのTKIのCNS内移行を制限し、crizotinibによるCNS治療ではintracranial ORRが既治療転移で18%、未治療転移で33%にとどまる。BBBを透過し、かつ第二世代までが克服できない耐性変異 (特にG1202R) に対して有効な次世代ALK-TKIのエビデンスが不足しており、どの薬剤をどの順序で用いるべきかという最適順次治療戦略は依然として未解明であった。Brigatinib (AP26113、第二世代) とlorlatinib (PF-06463922、第三世代) の臨床データを体系的に整理し、この知識の空白を埋めることが求められていた。

目的

ALK陽性NSCLCに対するbrigatinibおよびlorlatinibの臨床的有効性と安全性を、ALK耐性変異パターンおよびCNS転移制御の観点から複数の臨床試験データを統合してレビューし、これら薬剤の最適治療戦略構築に向けたエビデンスを整理する。

結果

Brigatinibの前臨床活性とPhase I/II試験による用量決定:Brigatinibは、ALK、ROS1、FLT3、IGF1R、EGFRに対するin vitro活性を持つ小分子マルチキナーゼ阻害剤である。特に重要なのは、crizotinib・ceritinib・alectinibに耐性を示す17種のALK変異 (C1156Y、I1171S/T、V1180L、L1196M、G1202R、E1210K、G1269A等) に対してもin vitro活性を示す点であり、IC50値の比較では第二・三世代薬剤がG1202Rに対して第一世代よりも顕著に低いIC50を示すことが確認されている (Table 1)。また頭蓋内腫瘍移植マウスモデル (ALK転座腫瘍細胞株) でも腫瘍縮小と生存延長が示された。

Phase I/II試験 (NCT01449461、n=137、米国・スペイン9施設) では用量漸増 (30-300 mg QD、3+3デザイン) が実施され、DLT (dose-limiting toxicity) として240 mg QDでGrade 3肝酵素上昇、300 mg QDでGrade 4呼吸困難が発生し、180 mg QDが推奨Phase II用量として選定された。しかし180 mg QD開始例でbrigatinib特有のearly-onset pulmonary events (EOPE: 急性発症肺毒性) が問題となり、Phase IIでは3レジメン (90 mg QD、180 mg QD、90 mg 7日リードイン後180 mg QD) を比較検討した。5コホートの結果として、crizotinib既治療ALK陽性NSCLC (cohort 2、n=42) のORR 74%、crizotinib未治療ALK陽性NSCLC (cohort 1、n=4) のORR 100%、EGFR T790M陽性NSCLC (cohort 3) のORR 0%、活動性CNS転移を有するコホート (cohort 5、n=6) のORR 83%・頭蓋内奏効率50%が報告された。EOPEは全用量合計で8% (11/137例) に発生し、グレード分布はGrade 2: 1例、Grade 3: 6例、Grade 4: 2例、Grade 5: 2例であった。発現頻度は開始用量依存性に高く (90 mg: 2%、120 mg: 9%、180 mg: 14%、240 mg: 10%、300 mg: 50%)、90 mg 7日リードイン後180 mg QDレジメンの32例ではEOPEは1例も認められなかった (Table 3、Table 4)。

ALTA試験: crizotinib既治療患者における至適用量の確立と有効性:ALTA試験 (Phase II、NCT02094573、n=222) はcrizotinib抵抗性ALK陽性NSCLCを対象に、brigatinib 90 mg QD (arm A、n=112) vs. 90 mg 7日リードイン後180 mg QD (arm B、n=110) をランダム化比較した。主要エンドポイントは担当医評価のconfirmed ORRであった。ORRはarm A 45% vs. arm B 54%とarm Bで高く、intracranial response rateはarm A 42% (11/26例) vs. arm B 67% (12/18例) とarm Bで顕著に優れた成績を示した。PFS中央値はarm A 9.2ヶ月 vs. arm B 12.9ヶ月 (HR 0.55; 95% CI 0.3-0.86) と統計学的に有意なarm Bの優越性が示され、1年OS率はarm A 71% vs. arm B 80%であった。主なAEは悪心 (arm A 33%、arm B 40%)、下痢 (19%、38%)、頭痛 (28%、27%)、咳 (18%、34%) で忍容性は維持された。EOPEは6% (14/222例、全grade; Grade 3: 3%) に発生し (median onset: 2日目)、180 mg QD移行後のarm Bでの新規EOPEは0例であった。14例中7例が再投与可能であった (Table 3、Table 4)。Arm Bが一貫して優れた有効性プロファイルを示したことから、90 mg 7日リードイン後180 mg QDが標準用法として確立された。

J-ALTA試験: alectinib既治療日本人患者への有効性と二次耐性変異への対応:J-ALTA試験 (Phase II、NCT03410108、n=72) は、alectinibによる前治療後に進行した日本人ALK陽性NSCLC患者を対象とした単アーム試験で、主要エンドポイントはORR (担当医評価) であった。ORRは30%、intracranial response rateは25%、PFS中央値は7.3ヶ月であった。本試験の重要な知見として、ALKキナーゼドメインの二次耐性変異を有する患者においてもbrigatinibが一定の有効性を示した点が挙げられる。具体的にはG1202R、I1171N、V1180L、L1196Mといった alectinib耐性変異保有例でも客観的奏効が確認され、第二世代同士の耐性交差スペクトルの限界を一部超えた有効性が示唆された。主なGrade 3-4 AEはCK (creatine kinase) 上昇 (18%)、lipase上昇 (14%)、高血圧 (11%)、amylase上昇 (4%)、肺臓炎 (1%) であった。ALTA試験およびJ-ALTA試験の結果を基に、brigatinibはcrizotinib既治療後のALK陽性NSCLCに対して米国・EU・日本・中国等で正式承認された。また、ATOMIC ARI-AT-002試験 (NCT02706626、単アームPhase II、中間解析n=20) では、第二世代ALK-TKI (alectinib: 16例、ceritinib: 6例) 進行後の患者でORR 40% (PR 8例、SD 7例、PD 3例、未評価2例) が報告されており、brigatinibが第二世代TKI後においても意義ある抗腫瘍活性を持つ可能性が示されている。

ALTA-1L試験: ALK-TKI未治療患者における一次治療としての優越性確立:ALTA-1L試験 (Phase III、ALK-TKI未治療、n=275) はbrigatinib 90 mg 7日リードイン後180 mg QD (n=137) vs. crizotinib 250 mg BID (n=138) をランダム化比較 (1:1) し、PFSを主要エンドポイントとした (Camidge et al. NEnglJMed 2018)。第一次中間解析 (1年PFS率の報告) に続き、第二次中間解析が実施された。第二次中間解析のデータカットオフ時点で、PFS中央値はbrigatinib群29.4ヶ月 vs. crizotinib群9.2ヶ月 (HR 0.49; 95% CI 0.35-0.68; P<0.001) と統計学的に有意なbrigatinibの優越性が示された。ORRはbrigatinib群71% vs. crizotinib群60%で、いずれも高い奏効率を示しつつbrigatinibが優れた結果であった。特筆すべきはintracranial response rateで、brigatinib群78% vs. crizotinib群26%と約3倍の差異が認められ (Table 3)、CNS転移制御における顕著な優越性を示した。新たな安全性上の懸念事項は報告されなかった。この結果を基にbrigatinibは米国・EUでALK陽性NSCLCの一次治療として承認された。ALTA-1LにおけるGrade 3-4 AEはCK上昇 (16%)、lipase上昇 (13%)、高血圧 (10%) が主であり (Table 4)、EOPEは3% (全grade) にとどまった。

Lorlatinib Phase I/II試験: 未治療から複数TKI後まで幅広いコホートでの有効性:Lorlatinibは第三世代のALK/ROS1 TKIで、crizotinibの構造を改変してBBB透過性を高め、P糖タンパク質依存性排出を回避するよう設計された。G1202R等の汎耐性変異を含む複数の変異型ALKに対してin vitro・in vivoで活性を示す (Table 1、Table 2)。代謝はCYP3A4/UGT1A4が主経路であり、強力なCYP3A4誘導剤・阻害剤との併用は回避が必要である。Phase I/II試験 (NCT01970865、オープンラベル・継続中) のPhase I段階では54例 (ALK陽性41例、ROS1陽性12例、確認不能1例) に10-200 mg QD (または35-100 mg BID) を投与した。最高耐用量は同定されず、200 mg QDで1例のGrade 2 CNS症状 (構音障害・思考緩慢・語彙想起困難) がDLTとして記録されたのみであり、100 mg QDが推奨Phase II用量として決定された。Phase Iでのintracranial response rateは24例中11例 (46%、ALK: 42%、ROS1: 60%) であった。

Phase II段階ではALK・ROS1ステータスと前治療歴に応じた6コホート (EXP1-6) に276例を登録した。主要エンドポイントはORRおよびintracranial response rate (測定可能CNS転移保有例) であった (Solomon et al. LancetOncol 2018)。コホート別の成績を Table 3 に示す: ALK陽性・未治療 (EXP1、n=30) のORR 90% (27/30例)・intracranial response 67% (3例中2例が測定可能CNS転移)、crizotinib単剤既治療 (EXP2-3A、n=59) のORR 70%・intracranial response 87%、non-crizotinib 1 TKI既治療 (EXP3B、n=28) のORR 33%・intracranial response 55%、2 TKI以上既治療 (EXP4-5、n=111) のORR 39%・intracranial response 53%であった。前TKI別解析では、最終前治療がalectinib (n=62) のORR 37%、ceritinib (n=47) のORR 40%、brigatinib (n=8) のORR 38%と、前治療TKIの種類によらず一定の活性が確認された。日本人サブグループ (n=39) でのEXP2-5のORRは55% (17/31例)、intracranial response 47% (15例中7例)、最頻AEは高cholesterol血症 (79.5%)、最頻Grade 3-4 AEは高TG血症 (25.6%) で、薬物動態プロファイルは非日本人と同様であった。

ROS1陽性NSCLCコホート (n=69) では、ROS1-TKI未治療21例のORR 62% (13例)・intracranial response 64% (11例中7例)、crizotinib単剤既治療40例のORR 35% (14例)・intracranial response 50% (24例中12例)を示し、ALK陽性例と同様にROS1陽性NSCLCにおいても脳転移制御を含む有効性が確認された。これらの結果を基にlorlatinibは米国・EU・日本・中国等でALK陽性NSCLC二次・三次治療として承認された。進行中のCROWN試験 (NCT03052608、lorlatinib vs. crizotinib一次治療、主要エンドポイントPFS) は2024年2月に完了予定とされており、lorlatinibの一次治療としての有効性が検証される見込みである。

安全性プロファイルの比較: EOPEと脂質代謝異常の管理:Brigatinibの特徴的なAEはEOPEであり、Phase I/II・ALTA・ALTA-1Lの3試験での発生率はそれぞれ8%・6%・3%であった (Table 4)。90 mg 7日リードイン後180 mg QDの3試験合計440例に限定した解析では、EOPEの総発生率は5% (20/440例) で、Grade 1-2が7例 (1.5%、全例brigatinib継続可能)、Grade 3-4が12例 (3%、中止となった)、Grade 5は3試験通じて認められなかった。EOPEの発現は年齢・ECOG (Eastern Cooperative Oncology Group) performance status・前治療レジメン数と有意に関連していた。機序仮説として (1) crizotinib短期休薬によるCYP3A4時間依存性阻害を介したbrigatinib初回投与時の曝露増大説と、(2) EGFR kinase阻害に関連する肺胞毛細血管内皮・肺胞上皮の直接傷害とそれに続くサイトカイン放出・炎症細胞浸潤・肺浮腫を惹起する説の2仮説が提唱されている。ただし集団薬物動態解析ではcrizotinib短期休薬とbrigatinib初回曝露量に差異がなく、(1)の仮説の直接的な支持は得られていない。ALTA-1LでのGrade 3-4 AE (>5%) はCK上昇 (16%)、lipase上昇 (13%)、高血圧 (10%) で、消化器・呼吸器症状や頭痛・疲労も高頻度に認められた。

Lorlatinibの主要AEは脂質代謝異常と神経系症状であり、高cholesterol血症 (全grade 81%、Grade 3-4 6%)、高TG血症 (全grade 60%、Grade 3-4 16%)、浮腫 (全grade 41%、Grade 3-4 2%)、末梢神経症 (全grade 28%、Grade 3-4 2%)、認知影響 (全grade 17%、Grade 3-4 1%)、発話影響 (全grade 19%)、体重増加 (全grade 17%)、気分影響 (全grade 15%) が認められた (Table 4)。脂質異常の機序は詳細不明だが、スタチンによる管理が標準であり、CYP450への関与が少ないrosuvastatin・pravastatin・pitavastatinが推奨される。Phase I/II試験 (n=275) では重篤な治療関連AEが7% (19例)、lorlatinib中止が3% (7例)、治療関連死は0例であった。

考察/結論

BrigatinibとlorlatinibはいずれもBBB透過性設計に基づきCNSを含む全身病変に対して強力な抗腫瘍活性を示す薬剤であり、ALK陽性NSCLCの治療体系において重要な位置を占める。本レビューが整理した最も重要な知見は、ALTA-1L試験においてbrigatinibが一次治療でcrizotinibに対して明確な優越性を示し、PFS中央値29.4ヶ月 (HR 0.49) および頭蓋内奏効率78%を達成したことである。これは既報のalectinib一次治療データ (ALEX試験) と対比すると、頭蓋内奏効率78%はalectinib (81%) に匹敵する高さであり、crizotinibとの比較では頭蓋内奏効率の差異 (+52ポイント) が特に顕著である。これまでの第一世代crizotinibの頭蓋内奏効率18-33%、第二世代ceritinib・alectinibでも50-81%程度であったことと相違して、brigatinibが一次治療における頭蓋内制御の新たな基準を示した点は本レビューの主要な貢献である。

lorlatinibに関しては、複数ALK-TKI前治療後においてもORR 39-70%・頭蓋内奏効率53-87%を維持するという新規に整理されたデータが、第三世代TKIの位置づけを明確化した。特に、前治療がalectinib/ceritinib/brigatinibいずれであってもORRが37-40%と同等である点は、これまで報告されていないG1202R等の汎耐性変異に対するlorlatinibの活性によって説明される。このことは、第二世代TKI後の治療選択として lorlatinibが本研究で初めて体系的に示された選択肢となることを意味し、novel な順次治療戦略 (例: 一次alectinib → 二次lorlatinib) の理論的基盤となる。

臨床応用の観点から、brigatinibの用量設計 (90 mg 7日リードイン後180 mg QD) がEOPEを最小化しながら最大有効性を引き出す方法として確立され、臨床現場での導入時に実践的な指針を提供する。EOPEは1週間以内 (中央値2日目) に発症する点が既存薬と対照的であり、導入時の密な観察が臨床的含意として不可欠である。Lorlatinibの脂質代謝異常 (高TG血症Grade 3-4: 16%)については、スタチンとのCYP450相互作用を考慮した薬剤選択と定期的脂質モニタリングがbench-to-bedsideの実装として重要であり、多職種連携による管理体制の構築が求められる。また認知影響・発話影響が15-19%に認められ患者QOLへの影響があるため、早期モニタリングと患者教育の重要性が示される。

今後の検討課題として (残された課題)、最も重要なのはCROWN試験 (lorlatinib vs. crizotinib一次治療) の最終結果による lorlatinibの一次治療としての位置づけの確定である。lorlatinibが一次治療として承認された場合、alectinib/brigatinib/lorlatinibの3薬剤の一次治療選択および最適順次治療戦略の更なる検討が不可欠となる。また免疫チェックポイント阻害剤との組み合わせ (Javelin Lung 101) のデータも未成熟であり、今後の展望として注目される。ALK耐性変異のvariant別 (EML4-ALK variant 1/2/3等) への影響分析や、CNS以外での第三世代TKI後耐性機序の解明もfuture researchとして残る。Limitation として本レビューは直接比較試験ではなく横断的な文献整理であるため、試験間の患者背景・エンドポイント定義・評価者の差異を考慮した慎重な解釈が必要である。

方法

本論文はPubMedおよび主要学会誌・会議録を用いた文献検索に基づく招待総説 (invited review) である。対象としたbrigatinib試験はPhase I/II試験 (NCT01449461)、ALTA試験 (NCT02094573、Phase II)、J-ALTA (Japanese ALTA study) 試験 (NCT03410108、Phase II日本人)、ALTA-1L試験 (Phase III)、ATOMIC ARI-AT-002試験 (NCT02706626、進行中Phase II)、およびEOPE (early-onset pulmonary events) のpooled解析 (3試験合計)。lorlatinib試験はPhase I/II試験 (NCT01970865)、ROS1陽性コホート、日本人サブグループ解析 (Cancer Sci 2020)、ならびにCROWN試験 (NCT03052608)、Javelin Lung 101試験 (NCT02584634)。評価項目は担当医評価および独立評価委員会評価のORR、intracranial response rate (測定可能CNS病変保有例での頭蓋内奏効率)、PFS (中央値・HR)、OS (1年OS率)、AEのGrade別頻度。ALK耐性変異に対するin vitro IC50データ (Table 1、Table 2参照) および薬物動態 (CYP3A4/UGT1A4代謝、P糖タンパク質基質性) も比較考察対象とした。EOPEについてはpooled解析 (3試験合計n=440例) を含む頻度・発現タイミング・grade分布・再投与可能性をまとめた。脂質管理推奨については各statin薬とCYP450酵素の相互作用を考慮した実践的推奨が提示されている。各試験のPFSおよびOS群間比較にはlog-rank検定を、ハザード比 (HR) 推定にはCox比例ハザードモデルを用いており、ORRおよびintracranial response rateは95%信頼区間 (CI) とともにClopper-Pearson法で算出された。文献検索はPubMedデータベースを主要ソースとし、ASCO・ESMO・IASLCの学会演題も対象に含めた系統的レビューである。