- 著者: Garon EB, Scagliotti GV, Gautschi O, Reck M, Thomas M, Iglesias Docampo L, Kalofonos H, Kim JH, Gans S, Brustugun OT, Orlov SV, Cuyun Carter G, Zimmermann AH, Oton AB, Alexandris E, Lee P, Wolff K, Stefaniak VJ, Socinski MA, Perol M
- Corresponding author: Edward B. Garon, MD (David Geffen School of Medicine at UCLA, Los Angeles, CA, USA)
- 雑誌: ESMO Open
- 発行年: 2020
- Epub日: 2020-01-20
- Article種別: Original Article (Phase III randomized trial post-hoc exploratory analysis)
- PMID: 31958290
背景
非小細胞肺がん (NSCLC) は全肺がんの約85%を占め、腺がん・扁平上皮がん・大細胞がんを主体とする異質な疾患である。残念ながら、NSCLC患者の約70%は進行期で発症し、その時点では手術や放射線療法による根治的治療は不可能である。転移性 (stage IV) NSCLCの5年生存率は国や地域によって2~13%と極めて低く、予後改善は重要な臨床課題である。
1次治療の領域では、遺伝子変異を有さないstage IV NSCLCに対して、プラチナベース併用化学療法 (タキサン・ペメトレキセド・ゲムシタビン・ベバシズマブを含む) が標準治療として頻用されてきた。近年、免疫チェックポイント阻害薬 (ICI) が1次治療の選択肢として急速に普及している。Reck et al. NEnglJMed 2016 は、PD-L1高発現 (TPS ≥ 50%) NSCLC患者に対するペムブロリズマブ単剤療法の有効性を示し、その後 Mok et al. Lancet 2019 はPD-L1 TPS ≥ 1%患者への適用を拡大した。さらに Gandhi et al. NEnglJMed 2018 および Paz et al. (2018) は、ペムブロリズマブとプラチナベース化学療法の併用が非扁平上皮および扁平上皮NSCLCの両者で有効であることを報告した。一方、Socinski et al. NEnglJMed 2018 および West et al. LancetOncol 2019 は、アテゾリズマブとベバシズマブ、化学療法の3剤併用 (IMpower 150) が非扁平上皮NSCLCで有効であることを示した。
治療環境の急速な変化と免疫療法・化学療法併用の1次治療への登場に伴い、プラチナベース化学療法進行後の2次治療としてドセタキセルと抗血管新生薬の併用が適切な選択肢として再び注目されている。REVEL試験 (NCT01168973) は、プラチナベース化学療法後に進行したstage IV NSCLC患者 (扁平上皮・非扁平上皮両者を含む) を対象とした第III相ランダム化比較試験であり、ラムシルマブ (VEGFR2標的抗体) +ドセタキセルがドセタキセル単剤に対してOS (HR 0.86; 95% CI 0.75-0.98; p=0.023) を1.4ヶ月延長し、有意な生存利益を示した。REVEL試験はまた、ラムシルマブ+ドセタキセルの安全性プロファイルが許容可能であり、患者報告アウトカム (QoL) に悪影響を与えないことも実証した。これらの結果により、ラムシルマブ+ドセタキセルはEUおよび米国で2次治療として承認され、日本でもREVEL試験および日本人患者を対象とした第II相試験に基づいて承認された。
しかし実臨床では、1次治療として使用される化学療法の種類が多様であり、その後の2次治療の効果に影響する可能性がある。タキサン・ペメトレキセド・ゲムシタビン・ベバシズマブなど異なる1次治療薬が、その後の2次治療としてのラムシルマブ+ドセタキセルの有効性に影響するかどうかは不明であった。特に、前ペメトレキセド使用後のラムシルマブ+ドセタキセルの有効性、および前ベバシズマブ使用後の異なる機序のVEGF経路阻害薬 (ラムシルマブはVEGFR2標的、ベバシズマブはVEGF-A標的) の有効性は、2次治療選択において重要な臨床的疑問として残されていた。このように、1次治療の種類別に2次治療の効果を検討した前向き研究は不足しており、実臨床での治療シーケンス戦略に対する追加的なエビデンスが手薄である。
目的
REVEL試験のpost-hoc exploratory解析を実施し、1次治療の種類 (タキサン・ペメトレキセド±ベバシズマブ維持・ゲムシタビン) 別に、2次治療としてのラムシルマブ+ドセタキセルの有効性・安全性・QoLを探索的に評価することを目的とした。具体的には、前治療薬の種類によって2次治療ラムシルマブの治療効果が変化するかどうかを検討し、実臨床での治療シーケンス戦略に対する追加的なエビデンスを提供することを目指した。さらに、ペメトレキセド導入+維持療法後の予後良好な高選択的患者群における2次治療の有効性を詳細に評価し、タキサン再投与の妥当性、および異なるVEGF経路阻害機序を有する薬剤間での交差耐性の可能性を検討することも目的とした。本exploratory解析により、多様な1次治療背景を有する患者に対して、2次治療としてのラムシルマブ+ドセタキセルの臨床的有用性を検証し、実臨床での治療選択肢の妥当性を示すことを期待した。
結果
患者背景と人口統計学的特性: REVEL試験のITT集団 (n=1,253) は、非扁平上皮患者912例 (73%)、扁平上皮患者328例 (26%)、組織型不明患者13例 (1%) で構成された。本exploratory解析に含まれた患者は1,248例であり、各1次治療サブグループ内でベースライン特性は治療群間で良好に均衡していた。全患者の99.4%がプラチナベース化学療法を受けており、22%が維持療法、24%がタキサン (パクリタキセル)、14%がベバシズマブを1次治療として受けていた。中央年齢は6064歳、5371%が65歳未満、65%が男性、大多数が白人であり、52~70%が1次治療終了から9ヶ月未満でREVEL試験に登録されていた。
タキサン後のサブグループ解析: タキサン前治療患者 (n=296、非扁平上皮n=227、扁平上皮n=69) において、ラムシルマブ+ドセタキセル群はプラセボ+ドセタキセル群に対して、OS中央値10.8 vs 10.4ヶ月 (HR 0.85; 95% CI 0.64-1.13)、PFS中央値4.4 vs 3.6ヶ月 (HR 0.92; 95% CI 0.72-1.19)、ORR 18% vs 13%を示した (Fig 1A, Fig 2A)。一方、タキサン非使用患者 (n=951) ではOS中央値10.3 vs 9.0ヶ月 (HR 0.87; 95% CI 0.75-1.01)、PFS中央値4.5 vs 2.9ヶ月 (HR 0.73; 95% CI 0.63-0.83)、ORR 24% vs 14%であり、タキサン前治療の有無によらずラムシルマブの有効性が維持されたことが示唆された。タキサン再投与の妥当性に関して、タキサン前治療患者でのハザード比 (HR 0.85) がタキサン非使用患者 (HR 0.87) と同等であることは、1次治療でタキサンを使用した後の2次治療でのドセタキセル再投与が臨床的に妥当であることを示唆する重要な知見である。
ペメトレキセド後のサブグループ解析: ペメトレキセド前治療患者 (n=449、非扁平上皮のみ) において、ラムシルマブ+ドセタキセル群 (n=220) はプラセボ+ドセタキセル群 (n=229) に対してOS中央値11.8 vs 9.0ヶ月 (HR 0.78; 95% CI 0.62-0.98, p<0.05)、PFS中央値5.1 vs 3.7ヶ月 (HR 0.69; 95% CI 0.56-0.85, p<0.001)、ORR 20% vs 15%を示した (Fig 1B, Fig 2B, Table 2)。ペメトレキセド非使用患者 (n=459) ではOS中央値11.0 vs 9.9ヶ月 (HR 0.86; 95% CI 0.68-1.07)、PFS中央値4.5 vs 3.5ヶ月 (HR 0.77; 95% CI 0.63-0.94)、ORR 24% vs 14%であり、前ペメトレキセド使用後でもラムシルマブの有効性が一貫して維持されたことが確認された。ペメトレキセド後患者でのOS改善 (11.8 vs 9.0ヶ月、2.8ヶ月の延長) はITT全体での改善 (10.5 vs 9.1ヶ月、1.4ヶ月の延長) よりも数値的に大きく、このサブグループでの特に良好な治療応答を示唆している。
ペメトレキセド導入+維持療法後の高選択的サブグループ: ペメトレキセド導入療法に反応し、その後ペメトレキセド維持療法を受けた患者は予後良好な高選択的集団を構成した (n=127、ラムシルマブ群n=64、プラセボ群n=63)。本サブグループにおいて、ラムシルマブ+ドセタキセル群はプラセボ+ドセタキセル群に対してOS中央値16.3 vs 11.4ヶ月 (HR 0.80; 95% CI 0.48-1.33)、PFS中央値5.8 vs 3.9ヶ月 (HR 0.66; 95% CI 0.43-1.01)、ORR 23% vs 14%を示した (Fig 1C, Fig 2C)。特に注目すべき点として、ペメトレキセド導入開始時点からのOS中央値はラムシルマブ群24.9ヶ月 (範囲: 17.7-32.9ヶ月) 対プラセボ群17.5ヶ月 (範囲: 13.8-25.6ヶ月) であり、2年以上の良好な全生存期間が達成された。この24.9ヶ月のOS中央値は、最近の実臨床エビデンス研究で報告された、維持療法と2次治療を受けた患者の中央OS 21.6ヶ月と比較しても良好であり、ペメトレキセド維持療法を受けた予後良好患者に対するラムシルマブ+ドセタキセルの臨床的有用性を強く示唆している。
ゲムシタビン後のサブグループ解析: ゲムシタビン前治療患者 (n=176、扁平上皮のみ、ラムシルマブ群n=89、プラセボ群n=87) において、ラムシルマブ+ドセタキセル群はプラセボ+ドセタキセル群に対してOS中央値10.2 vs 7.4ヶ月 (HR 0.91; 95% CI 0.64-1.29)、PFS中央値4.2 vs 2.8ヶ月 (HR 0.73; 95% CI 0.51-1.04)、ORR 24% vs 13%を示した (Fig 1D, Fig 2D)。ゲムシタビン非使用患者 (n=152) ではOS中央値9.3 vs 8.5ヶ月 (HR 0.87; 95% CI 0.59-1.27)、PFS中央値4.2 vs 2.7ヶ月 (HR 0.75; 95% CI 0.52-1.06)、ORR 31% vs 8%であった。扁平上皮NSCLCにおいても、ゲムシタビン前治療の有無によらずラムシルマブ+ドセタキセルの一貫した有効性が示された。
ベバシズマブ後のサブグループ解析: ベバシズマブ前治療患者 (n=171、非扁平上皮のみ、ラムシルマブ群n=85、プラセボ群n=86) において、ラムシルマブ+ドセタキセル群はプラセボ+ドセタキセル群に対してOS中央値11.1 vs 7.7ヶ月 (HR 0.78; 95% CI 0.53-1.15)、PFS中央値4.5 vs 2.8ヶ月 (HR 0.70; 95% CI 0.49-0.98, p<0.05)、ORR 12% vs 14%を示した (Fig 1E, Fig 2E)。ベバシズマブ非使用患者 (n=741) ではOS中央値11.1 vs 9.9ヶ月 (HR 0.84; 95% CI 0.70-1.00)、PFS中央値4.7 vs 3.9ヶ月 (HR 0.74; 95% CI 0.63-0.86)、ORR 24% vs 15%であった。ベバシズマブ前治療患者ではORRが数値的にやや低かったものの (12% vs 14%)、OSおよびPFSではラムシルマブ+ドセタキセルの有効性が維持され、異なるVEGF経路阻害機序を有する薬剤間での交差耐性の可能性が低いことが示唆された。ベバシズマブ (VEGF-A標的) 後のラムシルマブ (VEGFR2標的) の有効性は、同じVEGF経路を標的としながらも異なる機序の抗血管新生薬の逐次使用の可能性を示唆する重要な知見である。
全サブグループにおけるOS・PFS HRの一貫性: 全ての1次治療サブグループにわたり、OS HRは0.780.91の範囲 (ITT全体0.86に近似)、PFS HRは0.660.92の範囲 (ITT全体0.76に近似) であり、1次治療薬の種類によらずラムシルマブ+ドセタキセルの一貫した有効性が確認された (Table 2)。このハザード比の一貫性は、本exploratory解析の信頼性を支持する重要な所見である。
安全性プロファイル: 各1次治療サブグループにおいて、TEAE全体および重篤TEAE (serious TEAE) の発生率はラムシルマブ+ドセタキセル群とプラセボ+ドセタキセル群の間で同等であった。Grade ≥ 3 TEAEはラムシルマブ+ドセタキセル群でやや高い傾向を示した。特に関心のある有害事象 (好中球減少症、発熱性好中球減少症、白血球減少症、高血圧) はラムシルマブ+ドセタキセル群で全ての1次治療サブグループにおいて、プラセボ+ドセタキセル群より高頻度に報告された (Table 3)。TEAEによる治療中止はラムシルマブ+ドセタキセル群で一貫して高かったが、死亡に至るTEAEは全サブグループで少数であった。安全性プロファイルは1次治療の種類によらず一貫していた。
QoL (患者報告アウトカム): LCSS完了率は75%であり、治療群間で同等であった。ラムシルマブ+ドセタキセル群とプラセボ+ドセタキセル群の間で、タキサン有無、ペメトレキセド有無、ゲムシタビン有無、ベバシズマブ有無、およびペメトレキセド維持療法の有無を問わず、LCSS項目の悪化までの時間に明らかな差は認められなかった。95% CIが1.0を含むHRが報告され、1次治療の種類によるQoL転帰への影響は認められなかった。より高頻度の有害事象が報告されたにもかかわらず、患者の自覚的QoLは維持されたことは、臨床的に重要な知見である。
考察/結論
本exploratory解析は、REVEL試験における2次治療ラムシルマブ+ドセタキセルの有効性が、1次治療薬 (タキサン・ペメトレキセド±ベバシズマブ・ゲムシタビン) の種類によらず一貫して維持されることを示した重要なpost-hoc解析である。各1次治療サブグループ内でベースライン特性が治療群間で良好に均衡していたことが、本解析の信頼性を支持している。
先行研究との違い: 本研究は、REVEL試験の主要報告では十分に検討されなかった、1次治療の種類別の詳細なサブグループ解析を初めて系統的に実施した点で異なる。従来、異なる1次治療薬が2次治療の有効性に与える影響については、実臨床での治療シーケンス戦略を立案する上で重要な情報が不足していた。本解析により、タキサン・ペメトレキセド・ゲムシタビンなど多様な1次治療後でも、ラムシルマブ+ドセタキセルの有効性が保持されることが初めて明確に示された。
新規性と臨床的意義: 本研究で初めて、前ベバシズマブ使用後のラムシルマブ (VEGFR2標的) の有効性が維持されることが実証された。これは、同じVEGF経路阻害薬でも標的が異なる (VEGF-Aリガンド対VEGFR2受容体) ことから、交差耐性が生じない可能性を強く示唆する重要な知見である。また、ペメトレキセド導入+維持療法後の高選択的サブグループでのOS 24.9ヶ月という良好な成績は、ペメトレキセド維持療法を受けた患者が予後良好な集団であることを反映しており、このような患者群に対するラムシルマブ+ドセタキセルの臨床的有用性を示唆している。臨床応用の観点から、本知見は実臨床での治療シーケンス戦略に対する追加的なエビデンスを提供し、多様な1次治療背景を有する患者に対して2次治療としてのラムシルマブ+ドセタキセルを適切に選択する根拠となる。
ラムシルマブの安全性と患者QoL: REVEL試験の主要報告と一貫して、本exploratory解析においても、ラムシルマブ+ドセタキセルの臨床的利益は安全性やQoLの著しい悪化を伴わなかった。Grade ≥ 3の好中球減少症・発熱性好中球減少症・白血球減少症・高血圧はラムシルマブ+ドセタキセル群で高頻度であったが、LCSS完了率が治療群間で同等であり、患者報告アウトカムに有意な差は認められなかった。これは、より高頻度の有害事象が報告されたにもかかわらず、患者の自覚的QoLは維持されたことを示唆し、臨床的に重要な知見である。
タキサン再投与の妥当性: 1次治療でタキサンを使用した患者に対して、2次治療で再びドセタキセルを投与することの妥当性は臨床的に重要な問題である。本解析では、タキサン前治療患者においても、ラムシルマブ+ドセタキセル群がプラセボ+ドセタキセル群に対して数値的に長いOS (10.8対10.4ヶ月、HR 0.85; 95% CI 0.64-1.13) を示し、タキサン非使用患者 (HR 0.87; 95% CI 0.75-1.01) と同等のハザード比が観察された。これにより、タキサン前治療の有無によってラムシルマブの臨床的利益が減弱しないことが示唆された。
ペメトレキセド維持療法後の予後良好集団: ペメトレキセド導入+維持療法後のサブグループは、導入療法に反応し、その後も維持療法を継続できた高選択的な患者集団を代表している。本サブグループでのOS 24.9ヶ月は、ペメトレキセド導入開始時点からの全生存期間であり、2年以上の良好な予後を達成している。これは、最近の実臨床エビデンス研究で報告された、維持療法と2次治療を受けた患者の中央OS 21.6ヶ月と比較しても良好である。本知見は、ペメトレキセド維持療法を受けた予後良好患者に対して、その後の2次治療としてラムシルマブ+ドセタキセルを選択することの妥当性を支持する。
ベバシズマブ後の異なる機序の抗血管新生薬の使用: ベバシズマブ (VEGF-A標的) 前治療患者に対するラムシルマブ (VEGFR2標的) の有効性は、異なる機序のVEGF経路阻害薬の逐次使用の可能性を示唆する重要な知見である。ベバシズマブ前治療患者ではORRが数値的にやや低かったものの (12% vs 14%)、OSおよびPFSではラムシルマブ+ドセタキセルの有効性が維持された (OS HR 0.78; 95% CI 0.53-1.15、PFS HR 0.70; 95% CI 0.49-0.98)。これは、VEGF経路の異なる標的を阻害することで、単一の抗血管新生薬への耐性を克服できる可能性を示唆している。
残された課題と今後の方向性: 本解析の主要な限界は、REVEL試験が2010~2014年に実施されたため、現在の標準的な1次治療である免疫療法+化学療法併用後の2次治療データが含まれていないことである。免疫療法が1次治療として広く使用されるようになった現在の臨床設定では、ラムシルマブ+ドセタキセルの有効性・安全性プロファイルが異なる可能性がある。ただし、既知の作用機序に基づけば、免疫療法+化学療法後のラムシルマブ+ドセタキセルの有効性・安全性は、REVEL試験で観察されたものと一貫していると予想される。実臨床での免疫療法後のラムシルマブ+ドセタキセルの転帰を評価するため、リアルワールドエビデンス研究が進行中である。さらに、免疫療法+化学療法併用後のラムシルマブ+ドセタキセルの有効性を具体的に評価する前向き研究が今後の課題として必要とされている。また、本解析は事後的な探索的解析であり、複数比較に対する調整が行われていないため、結果は仮説生成的な性質を有する。
結論: 本exploratory解析の全体的な知見は、2次治療ラムシルマブ+ドセタキセルが、1次治療の種類 (タキサン・ペメトレキセド・ゲムシタビン・ベバシズマブ) によらず有効である可能性を示唆している。タキサン・ペメトレキセド・ゲムシタビン・ベバシズマブを含む1次治療レジメンを受けた患者に対して、ラムシルマブ+ドセタキセルの組み合わせは、その後の2次治療選択肢として検討される価値がある。本研究は事後的な探索的解析であるため、結果は慎重に解釈されるべきであり、堅牢な前向き研究が今後必要とされている。
方法
REVEL試験 (NCT01168973) のpost-hoc exploratory解析である。本解析の対象は、REVEL試験のITT集団 (n=1,253) のうち1次治療分類が可能であった1,248例である。患者は1次治療の種類に基づいて層別化された。
非扁平上皮NSCLC患者 (n=908) は以下のサブグループに分類された: (1) タキサン後 (n=227、全体の25%)、(2) ペメトレキセド後 (n=449、全体の49%、うちベバシズマブ併用172例・非併用277例)、(3) ペメトレキセド導入+ペメトレキセド維持療法後 (n=127、全体の14%の高選択的サブグループ)。扁平上皮NSCLC患者 (n=328) は以下のサブグループに分類された: (1) ゲムシタビン後 (n=176、全体の54%)、(2) タキサン後 (n=69、全体の21%)。ベバシズマブ使用歴のある非扁平上皮患者は別途解析対象とされた (n=171、全体の19%)。
各サブグループ内で、ラムシルマブ+ドセタキセル群とプラセボ+ドセタキセル群の間でベースライン特性が均衡していることを確認した。評価項目は全生存期間 (OS)、無増悪生存期間 (PFS)、奏効率 (ORR)、安全性、患者報告アウトカム (QoL) とした。
統計解析では、OSおよびPFSはカプラン・マイヤー法により推定され、Cox比例ハザード回帰モデルを用いて治療群を唯一の変数として解析した。ORRおよび治療緊急有害事象 (TEAE) の頻度は百分率で報告された。QoL解析は、肺がん症状スケール (LCSS) を用いて、ベースラインから15 mm以上の悪化までの時間を主要解析項目とし、東洋協力腫瘍グループ (ECOG) performance status、性別、国グループ、および前維持療法の有無で層別化したCox比例ハザード回帰モデルで評価された。解析はSAS V.9.1.2以上を用いて実施された。本exploratory解析は事後的な探索的解析であり、複数比較に対する調整が行われていないため、結果は仮説生成的な性質を有することに留意された。