- 著者: Hosomi Y, Morita S, Sugawara S, Kato T, Fukuhara T, Gemma A, Takahashi K, Fujita Y, Harada T, Minato K, Takamura K, Hagiwara K, Kobayashi K, Nukiwa T, Inoue A (North-East Japan Study Group)
- Corresponding author: Akira Inoue, MD, PhD (Tohoku University School of Medicine, Sendai, Japan)
- 雑誌: Journal of Clinical Oncology
- 発行年: 2020
- Epub日: 2019-11-04
- Article種別: Original Article
- PMID: 31682542
背景
EGFR変異陽性非小細胞肺癌(NSCLC)の治療において、第1世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)であるゲフィチニブやエルロチニブは、複数の第III相臨床試験(例えば、Maemondo et al. NEnglJMed 2010、Mitsudomi et al. LancetOncol 2010、Mok et al. NEnglJMed 2009、Zhou et al. LancetOncol 2011、Rosell et al. LancetOncol 2012など)において、プラチナ製剤ベースの化学療法と比較して無増悪生存期間(PFS)およびQOLの優越性を示し、標準的な初回治療として確立された。しかし、これらの試験では全生存期間(OS)の有意な改善は示されなかった。このOS改善の欠如は、主にEGFR-TKI単独群からプラチナ製剤ベースの化学療法への高いクロスオーバー率に起因し、OS解析が交絡を受けたためと考えられている。
先行研究であるNEJ002試験では、ゲフィチニブ単独群の約30%の患者が、その後の治療としてプラチナダブレット化学療法を受ける機会を逸していたことが報告された。この事実は、初回治療の段階でEGFR-TKIと化学療法の両方を同時に使用する併用療法が、治療効果を最大化し、OSを延長する可能性を秘めているという仮説を提示した。従来の非選択NSCLC患者を対象としたEGFR-TKIと化学療法の併用試験では臨床的有用性が示されなかったが、EGFR変異陽性という特定の集団に限定することで、その有効性が発揮される可能性が考えられた。この点において、EGFR変異陽性患者におけるEGFR-TKIと化学療法の併用療法の有効性と安全性に関する大規模な第III相データは、当時まだ不足しており、知識ギャップが残されていた。
この仮説を検証するため、NEJ005/TCOG0902第II相試験が実施された。この試験では、ゲフィチニブとカルボプラチンおよびペメトレキセド(GCP)の同時併用療法が、同じ薬剤の逐次交互投与と比較された。結果として、PFSに有意差は認められなかったものの、GCP同時併用群の全生存期間中央値(MST)は41.9ヶ月であり、逐次交互投与群の30.7ヶ月を統計的に有意に上回った(ハザード比 [HR] 0.58、95%信頼区間 [CI] 0.34-0.97、p=0.036)。また、両群間で毒性は同等であった。この有望な結果を受けて、GCP同時併用療法がゲフィチニブ単独療法と比較して優越性を示すかを検証するため、NEJ009第III相試験が計画された。本研究は、EGFR変異陽性NSCLCの初回治療におけるEGFR-TKIと化学療法の併用療法の有効性と安全性に関する未解明な点を明らかにし、重要な知識ギャップを埋めることを目指した。
目的
本研究の目的は、EGFR変異陽性未治療進行NSCLC患者において、ゲフィチニブ単独療法と比較して、ゲフィチニブとカルボプラチンおよびペメトレキセド(GCP)の同時併用療法が優越性を示すかどうかを検証することである。主要評価項目として、無増悪生存期間(PFS)、PFS2(二次治療後の無増悪生存期間)、および全生存期間(OS)を、事前に計画された階層的逐次検定法を用いて順次評価する。具体的には、まずPFSで優越性が示された場合にのみPFS2を、PFS2でも優越性が示された場合にのみOSを統計的に検定する。これにより、複数の主要評価項目に対する多重比較の問題を制御しつつ、治療効果の包括的な評価を目指した。副次評価項目としては、客観的奏効率(ORR)、安全性プロファイル、およびEORTC QLQ-C30を用いた患者のQOL(global QOL score)を評価し、GCP併用療法の臨床的有用性を多角的に検証する。
結果
患者背景: 2011年10月から2015年9月にかけて、日本の47施設から合計345例の患者が登録された。これらの患者は、ゲフィチニブ単独群172例とGCP群173例に無作為に割り付けられた。ただし、GCP群の1例はプロトコル治療を受けなかったため、PFS解析からは除外され、OS解析のみに含まれた。また、ゲフィチニブ群の1例は割り付けに反してGCPレジメンで治療されたが、intention-to-treat原則に基づきPFSおよびOS解析ではゲフィチニブ群として扱われた。両群間の患者背景因子(性別、年齢、喫煙歴、ECOG PS、組織診断、臨床病期、中枢神経系転移の有無、EGFR変異型)は良好にバランスが取れていた(Table 1)。ゲフィチニブ群では女性62.8%、非喫煙者56.4%、腺癌98.8%、PS 0が62.2%、エクソン19欠失55.2%、L858R 39.0%であった。GCP群では女性67.1%、非喫煙者56.5%、腺癌98.8%、PS 0が57.6%、エクソン19欠失54.7%、L858R 40.6%であった。中枢神経系転移はゲフィチニブ群で22.1%、GCP群で29.4%に認められた。
客観的奏効率(ORR)の比較: GCP群のORRは84%(95% CI 79-90%、完全奏効4%+部分奏効79%)であり、ゲフィチニブ単独群の67%(95% CI 60-74%、完全奏効3%+部分奏効64%)と比較して有意に高かった(p<0.001)。この結果は、GCP併用療法がゲフィチニブ単独療法よりも高い腫瘍縮小効果をもたらすことを明確に示した(Appendix Fig A2)。
無増悪生存期間(PFS): 主要評価項目の一つであるPFSは、GCP群で中央値20.9ヶ月(95% CI 18.0-24.9ヶ月)であったのに対し、ゲフィチニブ単独群では中央値11.9ヶ月(95% CI 10.2-13.8ヶ月)であり、GCP群で有意な延長が認められた(HR 0.490; 95% CI 0.39-0.62; p<0.001)(Fig 1A)。ゲフィチニブの治療期間中央値はGCP群で22.4ヶ月、ゲフィチニブ単独群で11.6ヶ月であった。GCP群におけるペメトレキセド維持療法の中央値期間は11.9ヶ月であった(Appendix Table A1)。全てのサブグループ解析(性別、病期、EGFR変異型、喫煙歴、脳転移の有無)において、GCP群のHRが1を下回る一貫した優越性が示された(Fig 2A)。
PFS2(二次治療後の無増悪生存期間): 事前計画されたPFS2解析では、GCP群の中央値20.9ヶ月 vs ゲフィチニブ単独群の中央値20.7ヶ月(HR 0.99; p=0.90)と、群間差は認められなかった(Appendix Fig A3)。しかし、ゲフィチニブ群のbeyond-PD期間(中央値1.0ヶ月)を差し引いた修正PFS2解析では、GCP群の中央値20.9ヶ月 vs ゲフィチニブ単独群の中央値18.0ヶ月(HR 0.818; 95% CI 0.65-1.03; p=0.092)となり、統計的有意差には達しなかったものの、GCP群で延長傾向が認められた(Fig 1B)。一方、両群で「第2のPDまたは死亡」をイベントとする同一定義でのPFS2解析では、GCP群の中央値32.5ヶ月 vs ゲフィチニブ単独群の中央値20.7ヶ月(HR 0.59; 95% CI 0.46-0.75; p<0.001)と有意な差が認められた(Fig 1C)。
全生存期間(OS): データカットオフ時点(195イベント発生、中央値観察期間45ヶ月)での解析において、GCP群のOS中央値は50.9ヶ月(95% CI 45.0-58.7ヶ月)であったのに対し、ゲフィチニブ単独群では38.8ヶ月(95% CI 32.2-45.1ヶ月)であり、GCP群で有意なOS延長が認められた(HR 0.722; 95% CI 0.55-0.95; p=0.021)(Fig 1D)。ただし、PFS2で統計的有意差が示されなかったため、事前規定の階層的検定上、OSの解析は探索的(ad hoc)な位置づけとなる。サブグループ解析においても、OSに関してGCPの一貫した有益性が示された(Fig 2B)。
後続治療の影響: ゲフィチニブ単独群の患者の77.4%が、初回治療後の後続治療としてプラチナダブレット化学療法を受けた。オシメルチニブは、ゲフィチニブ単独群で37例(23.3%)、GCP群で29例(21.8%)の患者に投与され、両群間でその使用率は類似していた(Appendix Table A3)。オシメルチニブを投与された患者のOS中央値は、ゲフィチニブ単独群で74.4ヶ月、GCP群では未到達と、オシメルチニブ未投与患者と比較して顕著に長く、オシメルチニブが生存期間に大きく寄与することが示唆された(Appendix Fig A5)。一方、オシメルチニブ未投与患者のOS中央値は、ゲフィチニブ単独群で29.8ヶ月、GCP群で43.8ヶ月であった。
QOL評価: 登録された345例中279例(80.9%)がEORTC QLQ-C30質問票をベースラインおよび治療中に1回以上完了した。ベースライン時のglobal QOLスコアは両群間で同等であった(Fig 3)。8週時点ではGCP群でわずかなQOLスコアの低下傾向が認められたが、6ヶ月以降は両群間に有意な差は認められず、ペメトレキセドの追加がglobal QOLを損なわないことが示された。24ヶ月以降、GCP群の方がゲフィチニブ単独群よりも多くの患者が質問票を完了しており、ゲフィチニブ単独群で予後不良による情報欠損が多かったことが示唆された。
安全性プロファイル: 治療関連有害事象は、ゲフィチニブ単独群の98.2%とGCP群の95.9%で発生した。Grade 3以上の治療関連有害事象の発生率は、ゲフィチニブ単独群で31.0%であったのに対し、GCP群では65.3%と有意に高かった(Table 2)。GCP群では、好中球減少症(Grade 3以上 31.2% vs 0.6%)、貧血(21.2% vs 2.3%)、血小板減少症(17.1% vs 0%)などの血液毒性が顕著に増加した。これらの血液毒性は、カルボプラチンとペメトレキセドの既知の毒性プロファイルと同等かそれ以下であった。一方、ゲフィチニブ単独群では肝機能障害(Grade 3以上 22.2%)がGCP群(12.4%)よりも高頻度で認められた。治療関連死はGCP群で1例(重篤な感染症)のみであった。有害事象による治療中止率は両群間で同等であった(ゲフィチニブ単独群9.9% vs GCP群10.7%)。
第1のPD後の臨床経過: 第1のPD時点でのECOG PSおよび臓器転移数は両群間で同等であった(Appendix Table A2)。しかし、ゲフィチニブ単独群における第2のPD時点(EGFR-TKIと化学療法の両方が効果不十分となった時点)でのPSは、GCP群の第1のPD時点と比較して著しく悪化しており、GCP群の第1のPD後の方が後続治療に適した良好な状態であることが示された。第1のPD後のOSは両群間で差がなく、GCP群でのPFS延長がそのままOS延長につながった機序として、GCP群での後続治療への良好なアクセス性が寄与した可能性が考えられる(Appendix Fig A4)。
考察/結論
主要な臨床的意義と新規性: NEJ009試験は、EGFR変異陽性未治療進行NSCLC患者に対するEGFR-TKIとプラチナダブレット化学療法の同時併用療法という治療戦略を、第III相試験で初めて検証した画期的な研究である。本研究の結果は、GCPレジメンがゲフィチニブ単独療法と比較して、客観的奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)、さらには全生存期間(OS)を有意に改善することを示した。特に、GCP群のOS中央値50.9ヶ月は、当時のEGFR変異陽性NSCLCの治療成績として最長水準であり、この治療戦略の臨床的意義は大きい。これは、EGFR-TKIと化学療法の同時併用が、EGFR変異陽性NSCLC患者の予後を改善する新たな標準治療となりうる可能性を示唆するものであり、本研究で初めて大規模な第III相データとして報告された。
先行研究との違いとGCPレジメンの耐性克服機序: 本研究は、EGFR変異陽性NSCLCにおいて、EGFR-TKIと化学療法の同時併用が、単独療法と比較してPFSとOSを改善することを第III相試験で初めて示した点で新規性がある。GCPレジメンがゲフィチニブ単独療法よりも高い奏効率と長いPFSを達成した機序として、化学療法がEGFR-TKI感受性腫瘍クローン以外の耐性クローンを早期に制圧する役割が重要であると考えられる。多くの患者でゲフィチニブ単独投与中に観察されるEGFR-TKIへの早期耐性は、GCPレジメンでは化学療法の同時投与によって抑制された可能性がある。これは、同一定義でのPFS2解析(GCP群32.5ヶ月 vs ゲフィチニブ単独群20.7ヶ月)が示す、GCP群での「2連続薬剤失効」までの期間延長とも整合する。この点は、従来のEGFR-TKI単独療法とは異なる作用機序であり、治療効果の深さと持続性に関連すると考えられる。
PFS2解析と試験の限界: 本試験の主要評価項目の一つであるPFS2において、事前規定の解析で統計的有意差が示されなかったことは、本試験の限界点である。このため、階層的検定のルールに従い、OS解析は探索的な位置づけとなる。PFS2の定義が事後的に修正された点も批判を受ける可能性がある。また、試験期間中に第3世代EGFR-TKIであるオシメルチニブが承認され、両群の約22%の患者で後続治療として使用された。オシメルチニブはOSに大きく影響する薬剤であるため、この使用がOS結果に影響を与えた可能性は否定できない。しかし、オシメルチニブの使用率は両群で同等であったことから、群間の比較可能性は維持されていると考えられる。
オシメルチニブとの関係と残された課題: 本試験が実施された時期(2011年〜2018年)にはオシメルチニブは未承認または承認初期であり、現在では第1選択オシメルチニブが標準治療となっている。このため、NEJ009試験で示されたGCPレジメンの現在の治療環境における位置づけは、今後の検討課題である。著者らは「GCP→オシメルチニブ」という治療シークエンスの可能性を提唱しており、このシークエンスを受けた患者のOS中央値が100% 3年生存(ad hoc探索的解析)と示唆されているが、これは選択バイアスを考慮して解釈する必要がある。今後の研究では、第1選択オシメルチニブとGCPレジメンの比較、あるいはGCPレジメン後のオシメルチニブ投与の最適なタイミングや効果に関するさらなる検証が必要である。
安全性と実用性、臨床応用: GCPレジメンにおけるGrade 3以上の有害事象発生率(65.3%)は、ゲフィチニブ単独療法(31.0%)を大きく上回るが、カルボプラチンとペメトレキセドの既知の毒性プロファイルと同等であり、管理可能であった。QOLには群間差が認められず、良好なPS(PS 0〜1)の患者においては許容可能な安全性プロファイルであった。この結果は、GCPレジメンが特定の患者集団において臨床応用可能であることを示唆する。本研究は、EGFR変異陽性NSCLCにおける治療戦略として、TKIと化学療法の併用が有効であるという概念を確立した点で、将来の臨床現場における治療選択肢の拡大に貢献する可能性がある。
方法
試験デザインと患者登録: 本試験は、UMIN000006340として登録された第III相非盲検無作為化対照試験として実施された。2011年10月から2015年9月にかけて、日本の47施設から患者が登録された。本研究はヘルシンキ宣言に基づき実施され、各参加施設の倫理審査委員会の承認を得て、全ての患者から書面によるインフォームドコンセントを取得した。
適格基準: 主要な適格基準は以下の通りであった。化学療法未施行のStage IIIB/IVまたは術後再発の非扁平上皮NSCLC患者であること。EGFR遺伝子変異(エクソン19欠失、L858R、G719A/C/S、L861Q)を有すること。年齢は20歳から75歳まで。ECOG Performance Status(PS)が0または1であること。十分な臓器機能を有すること。主な除外基準には、重篤な全身性疾患、間質性肺炎の既往、他の原発性悪性腫瘍、T790M変異の事前存在、症候性脳転移、妊娠などが含まれた。
無作為化と治療割付: 患者は、性別、臨床病期(IIIB/IV/術後再発)、EGFR変異型(エクソン19欠失/L858R/その他)、喫煙歴(あり/なし)で層別化され、ゲフィチニブ単独群またはGCP(ゲフィチニブ+カルボプラチン+ペメトレキセド)群に1:1の比率で無作為に割り付けられた。ゲフィチニブ単独群の患者にはゲフィチニブ250mgを1日1回経口投与した。GCP群の患者には、ゲフィチニブ250mgを1日1回経口投与に加え、カルボプラチン(AUC 5)とペメトレキセド(500mg/m²)を3週ごとに最大6サイクル静脈内投与し、その後はゲフィチニブとペメトレキセドによる維持療法を実施した。GCP群では、いずれかの薬剤に対する忍容性が不良であった場合、残りの薬剤の継続投与が許可された。RECIST version 1.1に基づく病勢進行(PD)が確認された場合でも、治験責任医師の判断でPD後の治療継続が許容された。ゲフィチニブ単独群では、二次治療としてプラチナ製剤ベースの化学療法が推奨された。
臨床評価: 放射線学的評価は、ベースライン時、その後1年間は2ヶ月ごと、それ以降はPDが確認されるまで3ヶ月ごとに実施された。奏効とPFSは治験責任医師によって評価された。有害事象のグレード分類には、National Cancer Institute CTCAE(version 4.0)が用いられた。PD後も、死亡が確認されるまで6ヶ月ごとに生存情報およびプロトコル外治療に関する情報が収集された。
QOL評価: QOL評価には、Aaronson et al. JNatlCancerInst 1993が用いられた。患者は、治療前、8週時、その後3年間は6ヶ月ごとに質問票に回答した。特に、EORTC QLQ-C30に含まれるGlobal health status/QOLスケール(global QOL)が本研究の主要な関心事であった。global QOLスコアは2点(最悪)から14点(最良)の範囲で評価された。
主要評価項目と統計解析: 本試験では、PFS、PFS2、OSの3つの主要評価項目が設定され、事前に計画された階層的逐次検定法を用いて順次解析された。まずPFSの優越性を検証し、PFSで優越性が示された場合にのみPFS2の優越性を検証した。PFS2でも優越性が示された場合にのみOSの優越性を検証するというゲートキーパー構造が採用された。PFSは、無作為化日からPDまたはあらゆる原因による死亡が最初に確認された日までの期間と定義された。PFS2は当初、ゲフィチニブ群では「二次治療後のPDまたは死亡」、GCP群では「一次治療後のPDまたは死亡(PFSと同一)」と定義されたが、ゲフィチニブ群のPFS2には一次PDから二次治療開始までの期間(beyond-PD期間)が含まれるため、比較対象として不適切であると判断された。そのため、ゲフィチニブ群のPFS2からbeyond-PD期間を差し引いた修正PFS2を主要解析に用いることとした。この修正は事後的なものであったが、科学的妥当性を確保するために統計解析が実施された。また、両群で「二次PDまたは死亡」をイベントとする同一定義でのPFS2解析も参考として実施された。OSは、無作為化日からあらゆる原因による死亡が確認された日までの期間と定義された。
生存曲線はKaplan-Meier法を用いて推定され、GCP群とゲフィチニブ群の間でログランク検定により比較された。ハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)は、Cox比例ハザード回帰分析を用いて算出された。奏効率および有害事象の発生率は、Fisher’s exact testを用いて群間比較された。本研究のサンプルサイズは、OSを単一の主要評価項目として当初計画された。ゲフィチニブ群のMSTを27ヶ月(NEJ002試験を参照)、GCP群対ゲフィチニブ群のHRを0.70と仮定し、両側α=0.05、検出力80%で、各群168例(合計340例)が必要と算出された。PFS、PFS2、OSの各評価項目でHRを0.7と仮定した場合でも、このサンプルサイズで十分な統計的検出力が維持されることが確認されたため、目標サンプルサイズは変更されなかった。