• 著者: Jennifer N. Brudno, Robert P.T. Somerville, Victoria Shi, Jeremy J. Rose, David C. Halverson, Daniel H. Fowler, Juan C. Gea-Banacloche, Steven Z. Pavletic, Dennis D. Hickstein, Tangying L. Lu, Steven A. Feldman, Alexander T. Iwamoto, Roger Kurlander, Irina Maric, Andre Goy, Brenna G. Hansen, Jennifer S. Wilder, Bazetta Blacklock-Schuver, Frances T. Hakim, Steven A. Rosenberg, Ronald E. Gress, James N. Kochenderfer
  • Corresponding author: James N. Kochenderfer (National Cancer Institute, NIH, Bethesda, MD)
  • 雑誌: Journal of Clinical Oncology
  • 発行年: 2016
  • Epub日: 2016-01-25
  • Article種別: Original Article
  • PMID: 26811520

背景

同種造血幹細胞移植 (alloHSCT) はB細胞悪性腫瘍に対する治癒的治療選択肢の一つであるが、多くの患者はalloHSCT後に完全寛解を達成できないか、一旦達成しても再発を経験する。alloHSCT後の腫瘍進行は主要な死亡原因であり、特にalloHSCT後に再発した急性リンパ芽球性白血病 (ALL) の中央生存期間はわずか5.5ヶ月と極めて予後不良であると報告されている (Spyridonidis et al. Leukemia 2012)。また、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 (DLBCL) がalloHSCT後も残存する場合も、その予後は著しく不良であることが知られている (Thomson et al. J Clin Oncol 2009)。

alloHSCT後の再発・進行B細胞悪性腫瘍に対し、移植ドナー由来の非改変リンパ球輸注 (DLI) が一般的に施行される。しかし、DLIの有効性は疾患依存性が高く、慢性リンパ性白血病 (CLL) や低悪性度リンパ腫では一定の効果が認められるものの、ALLに対する完全寛解 (CR) 率は0〜20%と低いことが課題として挙げられる (Roddie et al. Expert Opin Biol Ther 2011)。さらに、DLIを受けた患者の約1/3に急性移植片対宿主病 (aGVHD) が発症し、GVHDはalloHSCT後の主要な合併症および死因の一つとなっている (Frey et al. Best Pract Res Clin Haematol 2008)。標準DLIの治療関連死亡率は6〜11%に達すると報告されており、GVHDの発症リスクを伴わずに抗腫瘍効果を発揮する新たな治療法の開発が強く求められている。

キメラ抗原受容体 (CAR) を搭載したT細胞は、T細胞受容体 (TCR) シグナルとは独立してCAR特異的シグナルで機能するため、理論上GVHDを惹起することなく腫瘍特異的な免疫応答を誘発できる可能性がある。著者らのグループによる予備的報告を含む初期データから、ドナー由来CAR19 T細胞のアロ環境での有効性が示唆されていた (Kochenderfer et al. Blood 2013)。しかし、alloHSCT後に進行したB細胞悪性腫瘍に対するドナー由来CAR-T細胞療法、特に前処置化学療法なしでのアプローチの安全性、有効性、およびGVHDリスクを包括的に評価した大規模な臨床データは不足しており、その可能性は未解明な点が多かった。本研究は、この知識ギャップを埋めることを目的とし、20例の患者を対象とした成熟した臨床結果と詳細な免疫学的解析を報告するものである。

目的

本研究の主要な目的は、同種造血幹細胞移植 (alloHSCT) 後にB細胞悪性腫瘍が再発または進行した患者に対し、HSCTドナー由来の抗CD19キメラ抗原受容体 (CAR) T細胞 (CAR19 T細胞) を前処置化学療法なしで単回投与した場合の安全性、有効性、および移植片対宿主病 (GVHD) 発症リスクを評価することである。

具体的には、以下の点を明らかにすることを目指した。

  1. 全体的な奏効率 (ORR) および疾患別の奏効率を評価する。特に、標準的なドナーリンパ球輸注 (DLI) では奏効が困難とされる急性リンパ芽球性白血病 (ALL) やびまん性大細胞型B細胞リンパ腫 (DLBCL) におけるCAR19 T細胞の有効性を詳細に解析する。
  2. CAR19 T細胞輸注後の新規急性GVHD (aGVHD) の発症率を評価し、その発生機序について考察する。
  3. 血中におけるCAR19 T細胞の動態を追跡し、その増殖、持続性、および表現型が臨床奏効とどのように相関するかを特定する。特に、CAR19 T細胞のピーク血中レベルと奏効との関連性を解析する。
  4. CAR19 T細胞上のプログラム細胞死タンパク質-1 (PD-1) の発現動態を評価し、CAR19 T細胞の機能状態や疲弊との関連性を検討するとともに、将来的なPD-1阻害薬との併用療法の理論的根拠を探索する。

結果

1. 全体的な臨床応答と疾患別成績: 20例の患者全体で、客観的奏効率 (ORR) は40% (8/20例) であった。内訳は完全寛解 (CR) 6例、部分寛解 (PR) 2例であった。6ヶ月無イベント生存率は39%であった。疾患別の奏効率では、ALLが最も高い奏効率を示し、5例中4例 (80%) が微小残存病変 (MRD) 陰性CRを達成した。これらのALL患者では、骨髄芽球 (最大78%の高腫瘍量) の完全消失と正常造血の回復が確認された。CLLでは6例中3例 (50%) が奏効し、CR 1例、PR 2例であった。DLBCLでは6例中1例 (17%) がCRを達成した。一方、マントル細胞リンパ腫 (MCL) の5例では奏効は認められなかった。ALLの全奏効例で、輸注後2週間以内に発熱とLDH・IL-6上昇が認められ、これは腫瘍溶解に伴うサイトカイン放出症候群 (CRS) 様反応と一致する所見であった (Figure 2C-2E)。

2. 代表症例における迅速な腫瘍消失 (患者11、CLL): 患者11は、非血縁ドナー (URD) 移植後に4回の標準DLI (最終DLIは5×10⁷ CD3+ T細胞/kg、CAR-T輸注4ヶ月前) が無効であったCLL患者であった。CAR19 T細胞輸注 (5×10⁶ CAR+ T細胞/kg、標準DLI用量の約1/10) 後11日で、血中B細胞数が3,372/μLから0/μLへと急速に消失した (Figure 1C)。これは多くの標準DLI後の移植片対白血病 (GVM) 効果が数週間から数ヶ月を要するのと対照的であった。CTおよび骨髄評価でも完全CRが確認された (Figure 1A, 1B)。輸注後10日間、血清LDH、IL-6、体温が上昇し (Figure 1D)、CRS様サイトカイン動態を示した。in vitro実験では、ドナー由来CAR19 T細胞はCLL細胞を認識してインターフェロンγ (IFN-γ) を産生したが、非改変ドナーT細胞では産生されなかった (Figure 1E)。この患者では188日後に正常なポリクローナルB細胞が回復した。

3. 新規GVHDの完全回避: 本試験の20例全例において、新規急性GVHDの発症は認められなかった。これは、14/20例が試験登録時点でGVHD既往 (最近のalloHSCT後のいずれかの時点で) を有するという高リスク集団であったことを考慮すると、特筆すべき所見である。GVHD関連事象として、患者5にCAR19 T細胞が末梢血から消失した約2年後に軽度の慢性眼GVHDが発症したが、CAR-T細胞との直接的な因果関係は否定的であった。患者17は輸注前から徐々に悪化する慢性GVHDを有しており、輸注後も緩徐な悪化が継続したが、CAR-T細胞によって引き起こされたものではないと判断された。これら2例以外にGVHD関連事象はなかった。

4. 毒性プロファイル: 主要な毒性は発熱、頻脈、低血圧などのサイトカイン放出症候群 (CRS) 様症状であり、複数例でグレード3/4の毒性が認められたが、いずれも管理可能であった (Table 2)。2例でクレアチンキナーゼ (CPK) 上昇が認められ、うち1例は筋力低下も伴った。GVHDに起因する治療関連死亡はゼロであった。化学療法前処置なしという簡便な投与設計の安全性が確認された。患者16 (ALL) は酸性症による進行性リンパ腫から死亡した (疾患進行による)。患者17は肝機能異常、低血圧、低酸素、筋炎など複数のグレード3/4毒性を経験した。

5. CAR-T細胞動態と奏効予測因子: 血中CAR19 T細胞はqPCRで追跡され (Figure 4A, 4B)、2つのパターンが観察された: (a) 非検出または非常に低いレベルでの検出 (多くは非奏効例)、(b) 輸注後2週間以内に急速なピーク上昇後の急速な低下。奏効群 (CR/PR) では、非奏効群 (SD/PD) と比較してピーク血中CAR+ T細胞数が有意に高値であった (p=0.001、Mann-Whitney検定) (Figure 4C)。興味深いことに、ピーク血中CAR+ T細胞数は輸注CAR+ T細胞数とは相関しなかった (R²=0.004、線形回帰) (Figure 4D)。これは、CAR-T細胞用量よりも輸注後のin vivo増殖能が奏効の鍵であることを示唆する。輸注前血中B細胞数が正常以上 (B細胞充足) の患者では、血中CAR-T細胞ピーク値が高い傾向が認められ (Figure 4E)、CD19+ B細胞によるin vivo抗原駆動型増殖の促進が示唆された。

6. CAR-T細胞の表現型と分化: 輸注時のCAR19 T細胞の多くは、ナイーブ (CD45RA+CCR7+) またはセントラルメモリー (CM; CD45RA-CCR7+) の表現型 (分化度が低い) を示していた (Figure 4G)。ピーク血中レベル時 (輸注後5〜14日) には、CD8+およびCD4+両方のCAR+ T細胞でナイーブ+CM細胞の割合が有意に低下し、エフェクターメモリー (EM) およびエフェクターメモリーRA (EMRA) 表現型の割合が増加した (Wilcoxon matched pairs signed rank test; p<0.001) (Figure 4G)。これは、CAR-T細胞がin vivoで抗原に曝露され、分化が進行したことを示唆する。

7. PD-1発現の著明な上昇: 輸注時からピーク血中レベル時にかけて、CD8+およびCD4+ CAR+T細胞の両方でプログラム細胞死タンパク質-1 (PD-1) 発現陽性率が著明に上昇した (Wilcoxon test; p<0.001) (Figure 4H)。CAR+T細胞のPD-1発現は、CAR-T陰性のT細胞よりも有意に高値であった。この知見は、CAR-T細胞の活性化または消耗状態を示唆し、PD-1阻害薬との併用によるCAR-T細胞機能回復の理論的根拠を提供する。また、奏効例ではCD8:CD4 CAR+ T細胞比が非奏効例より高い傾向がフローサイトメトリー解析で示された (Figure 4F)。

考察/結論

本試験は、同種造血幹細胞移植 (alloHSCT) 後に標準的なドナーリンパ球輸注 (DLI) が無効であったB細胞悪性腫瘍患者に対し、ドナー由来の抗CD19キメラ抗原受容体 (CAR) T細胞 (CAR19 T細胞) が前処置化学療法なしで有効な抗腫瘍活性を示し、かつ移植片対宿主病 (GVHD) を惹起しないという重要な概念実証を提供した。

先行研究との違いとGVHD回避の機序: 本研究の結果は、標準DLIがGVHDを頻繁に引き起こすのと対照的に、CAR19 T細胞が新規急性GVHD (aGVHD) を全く誘発しなかった点で新規性がある。このGVHDが発症しなかった機序については複数の説明が考えられる。第一に、CAR19 T細胞のin vivoでの持続期間が限定的であったことである。aGVHDは標準DLI後中央値4週間で発症するのに対し、CAR19 T細胞の持続は多くの患者で4週間未満と短かったため、GVHDの生物学的時間窓内に十分な持続がなかった可能性がある。第二に、CAR19 T細胞の投与量が標準DLIでGVHD閾値とされる10⁷ T細胞/kgに比較して低い (10⁶〜10⁷/kg) ことも一因かもしれない。しかし、CAR19 T細胞は非改変T細胞よりも強力な抗腫瘍効果を持つため、低い用量でも有効性を発揮できたと考えられる。第三に、CAR特異的シグナルがT細胞受容体 (TCR) 活性化を占有 (occupy) し、内因性TCR介在性アロ免疫応答を抑制する可能性も示唆される。これらの機序は相互排他的ではなく、複合的に寄与していると考えられる。

ALLへの特異的有効性と新規性: 急性リンパ芽球性白血病 (ALL) 患者の80% (5例中4例) で微小残存病変 (MRD) 陰性完全寛解 (CR) が達成されたことは、標準DLIのALLに対するCR率 (0〜20%) を大きく上回るものであり、CD19 CAR-T療法がALLに対して特異的に優位性を持つことを実証する。骨髄芽球が78%という高腫瘍量例でも完全消失を達成した点は、本研究で初めて示されたCAR-T療法の強力な抗腫瘍効果を裏付ける。

リンパ球除去前処置なしでの奏効: 多くのalloHSCT後患者はCAR19 T細胞輸注時点でリンパ球除去されていなかったにもかかわらず、複数の患者で奏効が得られたことは、前処置化学療法がCAR-T療法の絶対的な要件ではないことを示唆する。この知見は、特に化学療法によりGVHD増悪リスクがある同種移植環境において、安全性上の重要な含意を持つ。ただし、自家CAR-T療法に関する他の研究 (Kochenderfer et al. JClinOncol 2015Kochenderfer et al. Blood 2012) では、前処置化学療法を受けた群でCLLやリンパ腫においてより高い客観的奏効率 (ORR) が報告されており、前処置はやはり有効性向上に貢献する可能性がある。

アロ反応の寄与の否定: 複数の観察から、奏効の主因が移植片対悪性腫瘍 (GVM) ではなくCAR-T特異的効果であることが示された。第一に、GVHD発症なしにCRが達成されたこと。第二に、血縁ドナーと非血縁ドナー間でピーク血中CAR-T細胞値に有意差がなかったこと (アロ抗原の差異がCAR-T増殖に寄与していないことを示唆)。第三に、alloHSCT後の患者から採取したT細胞から製造したCAR-T療法でも同様の成績が報告されている他試験 (Maude et al. NEnglJMed 2014) があること。これらの結果は、CAR-T細胞の抗原特異的認識が奏効の主要なドライバーであることを強く示唆する。

PD-1阻害薬との併用への示唆と残された課題: CAR-T細胞のPD-1発現が著明に上昇したという知見は、CAR-T細胞が活性化または消耗状態にあることを示唆する (Wherry et al. NatImmunol 2011)。このことは、PD-1阻害薬との併用によりin vivoでのCAR-T細胞の持続と増殖を改善できる可能性を提示する (Tumeh et al. Nature 2014)。特に、奏効が得られた患者では高いCAR-T細胞ピーク値が必要とされることから、PD-1阻害がCAR-T細胞の持続性を改善し、結果としてピーク値上昇に寄与し、奏効率改善につながるかもしれない。今後の検討課題として、低腫瘍量患者やB細胞枯渇患者におけるCAR-T細胞の増殖を促進するための戦略 (例: CD19+細胞ワクチンとの併用) の開発が残されている。また、CAR-T細胞の長期的な安全性プロファイル、特に晩期合併症に関するさらなるデータ収集も今後の研究で必要とされる。

臨床的意義と将来展望: 本研究は、ドナー由来 (allogeneic) CAR-T細胞開発の臨床的基盤を提供した先駆的報告であり、移植片対悪性腫瘍 (GVM) 効果とGVHDの分離という幹細胞移植の中心的課題への解決策として、抗原特異的T細胞療法の発展を展望している。本知見は、将来的にCAR-T療法がalloHSCTプロトコルに統合される道筋を示し、特にallogeneic T細胞の製品化 (off-the-shelf型) への方向性はこの臨床的基盤の上に構築されると考えられる。

方法

試験デザインと参加者: 本研究は、米国国立がん研究所 (NCI) Experimental Transplantation and Immunology Branchが主導した第I相用量漸増試験 (NCT01234567) であり、2010年8月から2015年2月にかけて実施された。NCIの治験審査委員会 (IRB) および米国食品医薬品局 (FDA) の承認を得ており、ヘルシンキ宣言に準拠して患者からインフォームドコンセントを取得した。試験は標準的な3+3デザインを採用し、同種ドナー種別 (HLA一致血縁ドナー vs 非血縁ドナー) に応じて別々の用量漸増スキームが適用された。

患者選択基準: 対象患者は、CD19陽性B細胞悪性腫瘍を有し、alloHSCT後に疾患が進行または再発した成人患者であった。HLA一致血縁ドナー (n=13) または非血縁ドナー (URD; n=7) からのHSCT既往があることが条件とされた。ALLおよびDLBCL以外の疾患の患者では、少なくとも1回以上のドナーリンパ球輸注 (DLI) 施行歴が登録要件とされた。免疫抑制薬 (生理的用量を超えるコルチコステロイドを含む) はCAR19 T細胞輸注の4週間前までに中止する必要があった。化学療法および抗体療法は輸注の2週間前に中止され、病期評価は最終治療から2週間以上経過後に行われた。グレードIを超えるaGVHDの既往、または中等度以上の慢性GVHDの既往がある患者は除外された。ECOGパフォーマンスステータスは2以下であり、主要臓器機能は概ね正常であることが求められた。

細胞製造と投与: CAR19 T細胞の製造には、alloHSCTドナーの末梢血単核球が用いられた。これらの細胞は8日間の培養期間を経て、ガンマレトロウイルスベクターを用いてCAR19遺伝子が導入された。CARの構造は、マウス由来の単鎖可変フラグメント (scFv) 抗原認識ドメイン、CD28共刺激ドメイン、およびCD3ζ活性化ドメインから構成される (Kochenderfer et al. J Immunother 2009)。本プロトコルでは、CAR19 T細胞輸注前に前処置化学療法は一切投与されなかった。事前に同意した患者のうち6例は、製造上の問題などによりCAR19 T細胞の輸注に至らなかった。最終的に、計20例の患者が単回CAR19 T細胞輸注を受けた。疾患の内訳は、CLL 6例、ALL 5例、DLBCL 6例、マントル細胞リンパ腫 (MCL) 5例 (一部重複)、濾胞性リンパ腫からDLBCLへの転化 1例であった。患者は中央値としてalloHSCT後4ラインの治療歴を有していた。輸注前の末梢血T細胞の大部分 (中央値100%) はドナー由来であった。重要な点として、化学療法前処置がなかったため、ほとんどの患者は輸注時点で内因性リンパ球が除去されていなかった。

毒性評価と奏効評価: 毒性はCommon Terminology Criteria for Adverse Events (CTCAE) version 4.02に基づいて評価された。CAR19 T細胞に起因するグレード4の毒性は、既存の血球減少症やB細胞枯渇を除き、用量制限毒性 (DLT) とみなされた。悪性腫瘍の奏効評価は、リンパ腫およびCLLでは国際的な改訂基準に従い、ALLでは骨髄中の芽球が5%以下、髄外病変なし、血小板数100,000/μL以上、好中球数1,000/μL以上をCRとした。微小残存病変 (MRD) 陰性CRは、骨髄のマルチカラーフローサイトメトリーでALL細胞が0.01%未満であることと定義された。

免疫学的評価: 血中CAR19 T細胞の動態は、定量的ポリメラーゼ連鎖反応 (qPCR) 法によりCAR遺伝子を定量することで追跡された。フローサイトメトリーを用いて、CAR特異的抗体によるCAR発現細胞の検出、CD4/CD8サブセットの解析、CD45RAおよびC-Cケモカイン受容体タイプ7 (CCR7) 発現に基づくT細胞の分化サブセット (ナイーブ、セントラルメモリー、エフェクターメモリー、エフェクターメモリーRA (EMRA)) の評価、およびPD-1発現の解析が行われた。サイトカイン動態の評価には、酵素結合免疫吸着測定法 (ELISA) により血清インターロイキン-6 (IL-6) および乳酸脱水素酵素 (LDH) が測定された。統計解析にはMann-Whitney検定およびWilcoxon matched pairs signed rank testが用いられた。