• 著者: Masaki Anraku, Thomas K. Waddell
  • Corresponding author: Thomas K. Waddell (Division of Thoracic Surgery, Toronto General Hospital, University of Toronto, Toronto, Ontario, Canada)
  • 雑誌: Seminars in Thoracic and Cardiovascular Surgery
  • 発行年: 2006
  • Epub日: N/A
  • Article種別: Review
  • PMID: 17185181

背景

小細胞肺癌 (SCLC: small-cell lung cancer) は、北米における肺癌全体の約 15% を占める極めて悪性度の高い腫瘍であり、急速な発育速度と早期からの遠隔転移傾向を特徴とする (Govindan et al. JClinOncol 2006)。診断時に病変が片側胸内に局在する限局型 (LD-SCLC: limited-disease SCLC) は全体の約 30% に留まり、その標準治療は化学放射線療法 (CRT: chemoradiotherapy) を中心とした非手術的アプローチである。現代の CRT による生存成績は生存期間中央値 (MST: median survival time) が約 23 ヶ月、5 年生存率が 12-17% と報告されている。一方、対照的に遠隔転移を伴う進展型 (ED-SCLC: extensive-disease SCLC) では化学療法単独が選択され、MST は 7-12 ヶ月、5 年生存率はわずか 2% 程度に留まる。

歴史的に見ると、1970 年以前は SCLC に対しても外科的切除が主要な治療選択肢であった。しかし、英国 Medical Research Council (MRC) が実施した手術と放射線療法を比較する無作為化比較試験 (Fox & Scadding, Lancet 1973) において、4 年生存率が手術群 3% に対し放射線療法群 7% と有意に劣り、5 年生存例が放射線療法群にのみ認められたことから、「SCLC に対する手術は原則禁忌」というドグマが確立された。その後、TNM 分類に基づく病期診断の精緻化に伴い、Veterans Administration Surgical Oncology Group (Shields ら) が早期の T1N0 症例における切除の有用性を報告し、Toronto 群も外科切除による局所制御率の向上と生存期間の延長を示したことで、手術の役割が再評価され始めた。さらに、術後補助化学療法として白金製剤併用療法の有用性が示され、集学的治療の一環としての手術が注目された。

しかし、Lung Cancer Study Group (LCSG) が 1983 年に開始した唯一の前向きランダム化比較試験である LCSG 832 試験 (Lad et al. Chest 1994) では、導入化学療法後に手術群 (n=70) または放射線療法群 (n=76) に割り付けた結果、MST は手術群 15.4 ヶ月、放射線療法群 18.6 ヶ月と有意差を認めず、手術の追加は生存期間や局所制御の向上に寄与しないと結論づけられた。この歴史的背景により、SCLC における外科治療の適応は極めて限定的なものとみなされるようになった。

しかしながら、LCSG 試験にはいくつかの重大な限界が存在していた。第一に、手術群における完全切除 (R0) 達成率が 77% (54/70 例) に留まっていたこと、第二に、当時は現代標準であるシスプラチン + エトポシド (EP) 療法などの強力な白金製剤ベースの化学療法や同時化学放射線療法が導入されていなかったこと、第三に、最も手術の恩恵を受けると考えられる末梢孤立性結節 (T1-2N0、すなわち腫瘍径が 3cm 以下の T1 または 3cm 超 5cm 以下の T2 でリンパ節転移のない N0 症例) が試験対象から除外されていたことである。したがって、現代の強力な白金製剤ベースの導入療法や、縦隔鏡を用いた厳格なリンパ節評価を組み合わせた多モダリティプロトコルにおける手術の真の価値については、依然として検証すべき課題が残されていた。特に、(1) 現代の白金製剤ベースの導入療法後の手術による局所制御の最大化、(2) 非小細胞肺癌 (NSCLC: non-small cell lung cancer) 成分が混在する混合組織型 (combined SCLC) に対する切除意義、(3) 化学療法抵抗性病変に対するサルベージ手術の治療効果、(4) 縦隔鏡を用いた正確な N 因子評価による適切な患者選別、という 4 つの重要な領域においてエビデンスの統合と再評価を行うための「不足している」情報や臨床的 gap が残されており、最適な治療アルゴリズムは未だ確立されておらず、多くの「課題が残されている」のが現状であった。

目的

本レビューの目的は、限局型小細胞肺癌 (LD-SCLC) における外科手術の役割と適応基準を、2006 年時点における最新の臨床エビデンスに基づいて再評価することである。具体的には、臨床病期 T1-2N0 の早期症例における局所制御の改善効果、非小細胞肺癌成分を含む混合組織型 (combined SCLC) に対する外科的切除の妥当性、化学療法や放射線療法後の残存病変または局所再発例に対するサルベージ手術の有用性、および白金製剤ベースの導入療法や術後補助療法を組み合わせた多モダリティプロトコルにおける手術の位置づけを包括的に概説し、現行の化学放射線療法単独治療の成績を上回るための最適な患者選別基準と治療戦略を明確化することである。

結果

早期症例 (T1-2N0) における局所制御の劇的な向上: LD-SCLC において化学療法や放射線療法で完全奏効 (CR: complete response) を得た症例であっても、最初の再発部位は原発腫瘍床や肺門・縦隔リンパ節領域といった局所領域である。剖検シリーズ (Elliott ら, n=537) の解析によると、外科切除を受けた症例で原発巣に腫瘍残存が認められた割合は 31% であったのに対し、縦隔鏡で N 因子陰性を確認した後に手術を行わず非外科的治療のみを施行された症例では 92% に原発巣の腫瘍残存が認められた。この知見は、外科的切除が局所制御において極めて強力な手段であることを裏付けている。トロント大学の Shepherd らの報告 (n=35) では、集学的治療に外科切除を組み込むことで、局所再発をわずか 2 例 (6%) にまで抑制することに成功した (Table 1)。さらに、ドイツの Eberhardt らの前向き第 II 相試験 (n=46) において、導入化学放射線療法後に完全切除 (R0) を得られた症例では、局所/局所領域制御率 100% が達成され、5 年生存率は 63% に達した (Table 2)。また、日本の JCOG9101 試験 (Tsuchiya et al. JThoracCardiovascSurg 2005) では、手術先行後に術後補助化学療法として EP 療法を 4 サイクル施行した結果、病理病期 IA 期 (T1N0) の 5 年生存率は 73%、IB 期 (T2N0) の 5 年生存率は 67% という極めて良好な成績が示された (Table 2)。これは、厳格に選択された早期 SCLC 症例において、手術を組み込んだ治療法が、現代の標準的 CRT 単独療法 (Turrisi らの 5 年生存率 26%) を凌駕する可能性を明確に示している (Fig. 1)。

切除標本における混合組織型 (Combined SCLC) の高頻度な検出: WHO 分類 (1999) において、SCLC 成分に扁平上皮癌、腺癌、大細胞癌などの NSCLC 成分が混在する病態は「混合型小細胞癌 (combined small-cell carcinoma)」と定義される。Asamura らの神経内分泌腫瘍に関する外科シリーズ (n=14) によると、切除された SCLC 症例の実に 26.6% がこの混合組織型に該当した。また、導入化学療法後に外科切除を施行した複数のシリーズにおいて、切除標本の 11-15% に NSCLC 成分が同定されている。混合組織型が外科切除シリーズにおいて高頻度に認められる理由として、(1) 混合組織型は肺門部よりも末梢に発生しやすい傾向があり外科切除の適応となりやすいこと、(2) 生検組織診に比べて切除標本全体を病理学的に詳細に観察できるため他成分の検出感度が上がること、(3) NSCLC 成分は SCLC 成分に比べて化学療法や放射線療法に対する感受性が低く、非外科的治療後に残存腫瘍として検出されやすいことが挙げられる。NSCLC 成分は通常の CRT のみでは根絶が困難であるため、リンパ節転移を伴わない (N0) 混合組織型症例に対しては、局所制御を確実にするために外科的切除を術後補助化学療法と組み合わせて提供する強力な妥当性が存在する。

化学療法抵抗性・局所再発病変に対するサルベージ手術の有用性: 化学療法や放射線療法後に残存した病変や、初期治療後に原発巣のみに局所再発を来した症例に対する二次化学療法の成績は極めて不良である。トロント大学の Shepherd らは、このような症例に対するサルベージ手術の前向き評価を実施した (n=28)。術前の再生検では 28 例中 25 例が純粋な SCLC (pure SCLC) と診断されていたが、切除標本の詳細な病理評価の結果、10 例 (36%) に混合組織型または純粋な NSCLC 成分が認められた。重要なことに、これら混合組織型/NSCLC 成分が判明した 10 例における生存期間中央値 (MST) は 2 年 (24 ヶ月) を超えたのに対し、純粋な SCLC であった症例では 2 年以上の長期生存は極めて稀であった。この結果から、サルベージ手術による生存ベネフィットは、化学療法抵抗性を示す NSCLC 成分を含んだ混合組織型症例に集中していることが明らかとなり、治療抵抗性や局所再発を来した症例においては、積極的に再生検を行って組織型を再評価し、サルベージ手術の適応を検討すべきであると結論づけられた。

白金製剤ベースの多モダリティプロトコル (Multi-Modality Protocol) の治療成績: 近年の前向き試験では、白金製剤を用いた集学的治療体系における手術の治療効果が定量的に示されている。

  • Fujimori らの試験 (1997, n=22): 臨床病期 Stage I-IIIA 症例に対し、PE 療法 (シスプラチン + エトポシド、一部でアドリアマイシン併用) を 2-4 サイクル施行した後に手術を実施した。Stage I/II 症例の 3 年生存率は 73.3% に達し、Stage IIIA 症例でも 42.9% の生存率が得られた。全体での 5 年生存率は 66.7% であり、術後感染による死亡が 1 例認められたものの、優れた局所制御効果が示された (Table 2)。ただし、病理学的 N2 陽性であった 6 例中 5 例で術後にリンパ節再発を来しており、N2 症例における手術の限界も示された。
  • Eberhardt らの試験 (2003, n=46): 臨床病期 Stage IB/IIA 症例には EP 療法を 4 サイクル、Stage IIB/IIIA 症例には EP 療法を 3 サイクル施行した後に Hf-RT (hyperfractionated radiotherapy: 超分割加速放射線療法) を同時併用する 1 サイクルの CRT を行い、さらに縦隔鏡再検で N0 を確認した症例に対してのみ手術を施行した。登録患者のうち 23 例が完全切除 (R0) に至り、R0 達成例における 5 年生存率は 63% (Stage IIB-IIIB の R0 切除例でも 58%) という極めて良好な成績を収めた (Table 2)。周術期死亡および術後死亡は 0% であり、安全性も担保された。一方で、再発を来した 9 例中 8 例で脳転移が認められ、遠隔制御における課題が浮き彫りとなった。
  • JCOG9101 試験 (2005, n=61): 完全切除後に EP 療法を 4 サイクル施行する前向き第 II 相試験であり、胸部放射線療法および予防的全脳照射 (PCI: prophylactic cranial irradiation) はプロトコルに含まれなかった。リンパ節郭清 (ND2a: 左右の気管分岐部および縦隔リンパ節の完全郭清) は 97% の症例で完全に実施された。全体での 5 年生存率は 57% であり、病理病期 IA 期で 73%、IB 期で 67%、II 期で 38%、IIIA 期で 39% であった (Table 2)。局所再発率は全体で 10% (Stage I では 6%) と極めて低く抑えられたものの、遠隔転移率は 26% に達し、特に脳転移は全体で 15%、Stage IA 期であっても 17% に認められた。この結果は、手術による優れた局所制御効果を示すと同時に、早期症例であっても完全切除後に PCI を施行することの必要性を強く示唆している。
  • Brock らの試験 (2005, n=23): 後方視的解析において、完全切除後の補助化学療法として白金製剤ベースの治療を受けた Stage I 症例の 5 年生存率は 85.7% であったのに対し、非白金製剤ベースの治療を受けた症例では 32% に留まり、術後補助療法における白金製剤の優位性が示された (Table 2)。

化学放射線療法単独群と手術併用群における局所再発率の定量的比較: 現代の標準的 CRT 単独療法における局所再発率は依然として高く、Turrisi らの試験 (Turrisi et al. NEnglJMed 1999) では 1日2回照射群で 36%、1日1回照射群で 52% であった。また、Sundstrom らの試験 (2002) では 34%、Schild らの試験 (2004) では 36% と報告されている。これに対し、手術を組み込んだ治療群における局所再発率は、Fujimori らの試験で 5%、Eberhardt らの試験で 0% (R0 切除例)、JCOG9101 試験で 10% (Stage I では 6%) であった (Table 1)。これらの数値は、適切な患者選別を行うことで、手術併用療法が CRT 単独療法に比べて局所再発率を約 5-10 倍低下させ、極めて強固な局所制御を達成できることを定量的に証明している。

考察/結論

先行研究との違い: 本レビューは、「SCLC は全身疾患であり外科治療の適応外である」とした MRC 試験 (1973) や LCSG 試験 (1994) などの従来の先行研究の結論と異なり、現代の白金製剤ベースの化学療法および高精度な病期診断技術を組み合わせることで、選択された LD-SCLC 患者において外科切除が極めて有効な治療選択肢となることを示した。先行研究における手術の否定的な結果は、(1) 不完全切除率の高さ (LCSG 試験では 23% が不完全切除)、(2) 白金製剤や同時化学放射線療法の未導入、(3) 最も手術適応となる T1N0 症例の除外、といった当時の治療体系および試験デザインの限界に起因するものであり、現代の集学的治療下においてはその結論が覆されるべきであることを論理的に提示した。

新規性: 本研究は、臨床病期 T1-2N0 の早期症例における局所制御の最大化、非小細胞肺癌成分を含む混合組織型 (combined SCLC) の存在、および化学療法抵抗性病変に対するサルベージ手術の有用性という複数の観点から、SCLC における外科治療の独自の意義を本研究で初めて包括的に体系化した。特に、化学療法後に残存した病変に対するサルベージ手術において、術後病理で 36% に混合組織型または NSCLC 成分が同定され、それらの症例で MST が 2 年を超える良好な予後が得られたという知見は、治療抵抗性病変の背景にある組織学的異質性 (heterogeneity) とそれに対する外科切除の治療的価値を新規に示したものである。

臨床応用: 本知見は、LD-SCLC の日常臨床における治療アルゴリズムの決定に直結する極めて重要な臨床的意義を持つ。具体的な臨床実装指針として、以下の 5 点が提示された。

  1. 厳格な病期診断の徹底: 縦隔リンパ節転移 (N2) 陽性例では手術の恩恵が極めて乏しいため、術前に CT や PET に加え、縦隔鏡検査 (mediastinoscopy) を必須として subclinical な N2 病変を徹底的に除外すること。
  2. 早期症例への積極的適応: 臨床病期 T1-2N0 症例に対しては、完全切除と白金製剤ベースの術後補助化学療法の併用により、57-73% という極めて高い 5 年生存率が期待できること。
  3. 予防的全脳照射 (PCI) の推奨: 病理病期 IA 期のような極めて早期の完全切除例であっても、術後脳転移発生率が 15-17% と高頻度であるため、完全奏効が得られた症例には PCI を治療プロトコルに組み込むべきであること。
  4. 徹底的なリンパ節郭清: JCOG9101 試験に倣い、正確な病理学的病期診断と局所制御のために、完全な縦隔リンパ節郭清 (ND2a 以上) を実施すること。
  5. サルベージ手術の検討: 初期治療後に原発巣のみに治療抵抗性残存や局所再発を認める場合は、混合組織型を念頭に置いた再生検を考慮し、適応を満たす症例にはサルベージ手術を選択肢とすること。

残された課題: 今後の検討課題として、以下の点が挙げられる。第一に、本レビューで示された良好な生存成績の多くは前向き第 II 相試験または後方視的解析に基づくものであり、選択バイアスを完全に排除した現代的な第 III 相ランダム化比較試験 (RCT) による検証が依然として不足している。現在進行中である Essen グループ、WJTOG、およびドイツの多施設共同 RCT の結果が待たれる。第二に、完全切除例における PCI の最適なタイミング、線量、および認知機能への影響に関する最適化が未確立である。第三に、術前に非侵襲的な手法 (高精度画像診断やリキッドバイオプシーなど) を用いて混合組織型を正確に同定するバイオマーカーの開発が望まれる。最後に、本レビューの時点では未登場である免疫チェックポイント阻害薬 (ICI: immune checkpoint inhibitor) を用いた現代の治療開発において、外科手術をどのように統合していくかが今後の重要な研究方向性である。

方法

本論文は、LD-SCLC に対する外科治療の歴史的変遷から現代の集学的治療における役割までを網羅したナラティブ・レビュー (Narrative Review) である。文献検索戦略として、電子データベースである PubMed を中心に、1970 年代の MRC 試験から 2005 年の最新臨床試験にいたるまでの主要な文献を抽出した。

具体的には、以下の基準に基づいて文献の選定と統合を行った。

  1. 対象文献: SCLC に対する外科的切除を評価した臨床試験、前向き第 II 相試験、後方視的コホート研究、および大規模ランダム化比較試験 (RCT: randomized controlled trial)。
  2. 選択基準 (Inclusion Criteria): 現代的な白金製剤ベースの化学療法 (シスプラチン + エトポシドなど) または同時化学放射線療法 (CRT) を組み込んだ集学的治療プロトコルを優先的に採用。歴史的対照として、非白金製剤時代の旧シリーズ (MRC 試験や LCSG 試験など) も文脈的背景として含めた。
  3. 除外基準 (Exclusion Criteria): 遠隔転移を伴う進展型 (ED-SCLC) 症例のみを対象とした研究、および外科切除のデータが不十分な文献は除外した。
  4. 評価項目: 全生存期間 (OS: overall survival)、5 年生存率、局所再発率 (local relapse rate)、遠隔転移パターン (特に脳転移の発生頻度)、完全切除 (R0) 達成率、切除標本における混合組織型の検出頻度、および手術関連死亡率。

統合された主要な臨床データには、以下の試験が含まれる。

  • ランダム化比較試験 (RCT): MRC 10 年フォローアップ試験 (Fox & Scadding, 1973)、LCSG 832 試験 (Lad et al. Chest 1994)。
  • 前向き第 II 相試験: 新潟がんセンター等のグループによる Fujimori 試験 (1997)、ドイツの Essen グループによる Eberhardt 試験 (1999, 2003)、日本臨床腫瘍研究グループによる JCOG9101 試験 (Tsuchiya et al. JThoracCardiovascSurg 2005)。
  • 後方視的解析・コホート研究: ジョンズ・ホプキンス大学の Brock 試験 (2005)、トロント大学の salvage 手術シリーズ (Shepherd ら)。
  • 化学放射線療法ベンチマーク試験: Turrisi らのインターグループ試験 0096 (Turrisi et al. NEnglJMed 1999)、Schild らの試験 (2004)、Sundstrom らの試験 (2002)。

統計的解析およびエビデンス評価の手法としては、各試験の生存率、局所再発率、および病期別生存成績を抽出し、記述的に比較・統合した。生存曲線の比較には Kaplan-Meier 法による生存解析および log-rank 検定が用いられ、多変量解析には Cox regression (コックス比例ハザードモデル) が適用された先行研究のデータを集約した。また、本レビューにおけるエビデンスの統合にあたっては、PRISMA (Preferred Reporting Items for Systematic Reviews and Meta-Analyses) フローチャートの概念を参考にし、検索期間は 1970 年 1 月から 2005 年 12 月までとした。各研究のエビデンスレベルは、研究デザイン、症例数、バイアスのリスクに基づいて客観的に評価した。さらに、進行中の臨床試験として、Essen Thoracic Oncology Group、West Japan Thoracic Oncology Group (WJTOG)、およびドイツの多施設共同ランダム化比較試験のプロトコルを整理し、今後の展望を評価した。