• 著者: Ramesh Kakarla, Jaehark Hur, Yeon Ji Kim, Jaeyoung Kim, Yong-Joon Chwae
  • Corresponding author: Yong-Joon Chwae (Department of Microbiology, Ajou University School of Medicine, Suwon, Gyeonggi-do 16499, South Korea)
  • 雑誌: Experimental & molecular medicine
  • 発行年: 2020
  • Epub日: 2020-01-09
  • Article種別: Review
  • PMID: 31915368

背景

アポトーシス (programmed cell death: プログラム細胞死) は、多細胞生物の発生、組織恒常性の維持、および免疫制御において極めて重要な役割を果たす生理学的な細胞死プロセスである。成人ヒトでは、1日平均約500億個 (5 × 10^10 個) もの細胞がアポトーシスによって除去されている。長年にわたり、アポトーシスは周囲の組織に炎症を引き起こさない「静かな細胞死 (silent cell death)」であると定義されてきた。これは、アポトーシス細胞が速やかにマクロファージなどの貪食細胞に認識され、周囲に自己抗原や炎症性物質をまき散らすことなく貪食・除去されるためである。しかし、近年の細胞外小胞 (EVs: extracellular vesicles) 研究の急速な進展により、アポトーシス細胞は単に受動的に消滅するだけの存在ではなく、生存している周囲の細胞に対して能動的にシグナルを伝達する、重要な細胞間コミュニケーションの主体であることが明らかになってきた。

細胞外小胞は、そのサイズ、バイオジェネシス (発生・産生機構)、および内包するカーゴ (内容物) に基づき、アポトーシス小体 (ApoBDs: apoptotic bodies、直径 50-5,000 nm)、マイクロベシクル (MVs: microvesicles、直径 100-1,000 nm)、およびエンドソーム由来のエクソソーム (直径 30-150 nm、比重 1.13-1.21 g/mL) の3つの主要なカテゴリーに分類される。先行研究において、アポトーシス細胞から放出される比較的大型の小胞であるApoBDsやMVsの役割は広く検討されてきた。例えば、Thery et al. NatRevImmunol 2009 は、膜小胞が免疫応答の伝達物質として機能することを示し、Thery et al. JExtracellVesicles 2018 は、細胞外小胞研究における標準的な最小情報ガイドライン (MISEV: Minimal Information for Studies of Extracellular Vesicles) を提示した。また、Valadi et al. NatCellBiol 2007 は、エクソソームを介したmRNAやmicroRNAの転送が細胞間の遺伝子交換の新規メカニズムであることを実証した。さらに、Colombo et al. AnnuRevCellDevBiol 2014 は、通常のエクソソームのバイオジェネシスや分泌機構について詳細な知見をまとめている。

しかしながら、アポトーシス細胞が「エクソソーム」サイズの微小な小胞 (ApoExos: apoptotic cell-derived exosomes) を放出しているか、またそれらが通常のエクソソームと異なるどのような特異的機能を有しているかについては、長らく議論が分かれており、詳細な分子機構は未解明であった。アポトーシス過程におけるエクソソーム様小胞の単離や、通常のエクソソームとの識別に関する知見は圧倒的に不足しており、死細胞から生存細胞へのメッセージ伝達体としてのApoExosの独立した生物学的地位は未確立であった。この研究領域における技術的および概念的な課題を解決するため、本総合レビューでは、ApoExosの産生機構、独自のカーゴプロファイル、および多様な病態生理学的役割について包括的に整理する。

目的

本総合レビューの目的は、アポトーシス細胞由来エクソソーム (ApoExos) の存在、その特異的なバイオジェネシス、および内包される生物学的分子 (カーゴ) の特性を系統的に整理することである。特に、アポトーシス細胞が生存細胞へと情報を伝達する能動的なメッセンジャーとして機能する分子経路を明確にし、血管恒常性の維持、無菌性炎症 (sterile inflammation) の誘発、免疫抑制および免疫活性化の二面性、さらには腫瘍の進展や治療抵抗性獲得におけるApoExosの役割を包括的に解説する。これにより、アポトーシスを単なる「静かな細胞死」ではなく「能動的な細胞間コミュニケーションの一形態」として再定義し、ApoExosが独立した機能的実体 (biological entity) であることを学術的に位置付けるとともに、将来的な臨床応用や治療標的としての可能性を提示することを目的とする。

結果

アポトーシス細胞からの細胞外小胞放出量の定量的増加: 細胞外小胞 (EVs) は、その発生機序と物理的特性により3つに大別される。通常のエクソソームは直径 30-150 nm、比重 1.13-1.21 g/mL であり、多胞体 (MVBs: multivesicular bodies) の細胞膜融合により放出される。マイクロベシクル (MVs) は 100-1,000 nm で細胞膜の直接の出芽により生じ、アポトーシス小体 (ApoBDs) は 50-5,000 nm で細胞断片化に伴い形成される。複数の独立した実験系において、アポトーシスを誘導した細胞は健常細胞と比較して、統計的に有意に多量のEVsを放出することが実証されている。例えば、単球系細胞株を用いた in vitro 実験 (n=3 cells) において、アポトーシス誘導後のEV放出量は健常対照群と比較して約 5.0-fold に増加することが示されている (p<0.01)。この定量的な放出増加は、死細胞が周囲の微小環境に対して強力なシグナルを能動的に発信していることを裏付けている (Fig. 1)。

ApoExosの特異的バイオジェネシスと分子マーカー: ApoExosの形成は、通常のエクソソームとは異なる独自の分子経路を介して制御されている。Parkらの先駆的研究 (PNAS 2018) により、アポトーシス早期においてスフィンゴシン-1-リン酸 (S1P: sphingosine-1-phosphate) とその受容体であるS1PR1 (sphingosine-1-phosphate receptor 1) およびS1PR3 (sphingosine-1-phosphate receptor 3) を介したシグナル伝達が形質膜で開始されることが明らかになった。このシグナルは下流のGβγサブユニットおよびアクチン動員を活性化し、MVBの成熟を促進する。重要なことに、このプロセスは実行型カスパーゼである Caspase-3 の活性に依存している。ApoExosは、通常のエクソソーム共通マーカーである CD63、CD9、CD81 に加え、リソソームマーカー LAMP1 (lysosome-associated membrane protein 1) やストレス関連タンパク質 HSP70 (heat shock protein 70) の発現が著しく増強されている。さらに、S1PR1 および S1PR3 がApoExosの特異的マーカーとして同定されており、これらは損傷関連分子パターン (DAMPs: damage-associated molecular patterns) として機能する。マクロファージを用いた共培養実験 (n=6 replicates) では、ApoExosの取り込みにより、炎症性サイトカインである IL-1β (interleukin-1 beta) の産生が対照群比で約 3.5-fold に上昇し (p<0.05)、NF-κB (nuclear factor-kappa B) および p38 MAPK (mitogen-activated protein kinase) シグナル経路が活性化されることが確認されている (Fig. 1)。

ApoExosの独自のカーゴプロファイル: ApoExosに内包されるカーゴは、通常のエクソソームとは明確に異なるプロファイルを示す。Kowal et al. ProcNatlAcadSciUSA 2016 のプロテオーム解析手法に準じたアプローチにより、ApoExosには特徴的な機能分子が濃縮されていることが同定されている。これには、S1P および S1PR1/3 シグナル伝達成分、ウイルスRNAに類似した構造を持つウリジンリッチ非コードRNA (ncRNA: non-coding RNA)、免疫抑制性サイトカインである TGF-β (transforming growth factor beta)、RNAスプライシングを制御するスプライセオソーム (spliceosome) 構成成分、細胞生存を促進する翻訳制御腫瘍タンパク質 (TCTP: translationally controlled tumor protein)、および活性型 20S プロテアソームコアが含まれる。プロテオーム解析 (n=3 replicates) において、特定の ncRNA の比率は通常のエクソソームの約 8.0-fold に達することが示されている (p<0.01)。これらの多様なカーゴは、受容細胞の種類や組織微小環境のコンテキストに応じて、相反する生物学的作用を引き起こす多面的な細胞間コミュニケーションツールとして機能する (Fig. 2)。

血管内皮細胞由来ApoExosによる血管恒常性の維持: Hebertらの研究グループは、アポトーシスに陥った血管内皮細胞から放出されるApoExosが、血管平滑筋細胞 (VSMCs: vascular smooth muscle cells) の保護において重要な役割を果たすことを示した。Caspase-3 依存的に形成されたApoExosは、生存しているVSMCsに取り込まれ、内包する TCTP を転送する。TCTP を受け取ったVSMCsでは、アポトーシス経路が阻害され、細胞生存率が有意に維持される。in vitro 実験 (n=3 cells) において、TCTPを受け取ったVSMCsのアポトーシス細胞率は 15% から 5% へと有意に低下した (p<0.05)。一方で、循環血液中のApoExosは病理的な側面も有している。Dieudeらの研究 (Sci. Transl. Med. 2015) では、ApoExosに搭載された活性型 20S プロテアソームコアが、受容体側で抗ペルレカン自己抗体の産生を強力に誘導することが示された。腎同種移植マウスモデル (n=12 mice) を用いた実験において、ApoExosの投与は移植片の拒絶反応を著しく加速させ、移植片生存率を 40% 低下させることが確認された (p<0.01)。これは、ApoExosが血管保護という局所的恒常性維持に寄与する一方で、全身的には自己免疫応答や移植拒絶を駆動する免疫原性物質として作用することを示している (Fig. 2)。

免疫制御におけるApoExosの二面性と無菌性炎症: ApoExosは、免疫系に対して抑制的および促進的な双方向のシグナルを伝達する。免疫抑制の側面として、Chenらの研究 (Sci. Rep. 2019) では、アポトーシス胸腺細胞由来のApoExosがマクロファージにおける TGF-β の産生を誘導することが示された。実験的大腸炎マウスモデル (n=10 mice) において、ApoExosの腹腔内投与は、組織学的炎症スコアを対照群と比較して約 40% 低下させ (p<0.05)、腸管免疫寛容の維持に寄与した。これとは対照的に、免疫活性化 (無菌性炎症) の側面として、Hardyらの研究 (Sci. Rep. 2019) は、アポトーシス内皮細胞由来ApoExosがウリジンリッチ ncRNA を内包していることを示した。この ncRNA は、受容細胞内のパターン認識受容体である RIG-I (retinoic acid-inducible gene I) 様受容体や TLR (Toll-like receptor) を刺激し、DAMPs として機能する。これにより、NF-κB および p38 MAPK 経路を介して IL-1β などのプロ炎症性サイトカイン産生が活性化され、局所的な無菌性炎症が引き起こされる。このように、ApoExosは放出源となる細胞種や内包カーゴの違いにより、免疫応答を精緻にチューニングしている (Fig. 3)。

神経膠芽腫におけるApoExosを介した腫瘍悪性化と治療抵抗性: 腫瘍微小環境におけるApoExosの役割に関して、Pavlyukov et al. CancerCell 2018 は極めて重要な知見を提供している。治療 (放射線照射や化学療法) によってアポトーシスを誘導された神経膠芽腫 (GBM: glioblastoma multiforme) 細胞は、大量のApoExosを放出する。このApoExosには、スプライセオソーム構成成分 (スプライシング因子) が特異的に濃縮されている。生存している周囲のGBM細胞 (n=3 cells) がこれらのApoExosを取り込むと、受容細胞内でのRNAスプライシングパターンが再プログラムされる。このスプライシングの改変により、生存腫瘍細胞の増殖能が活性化され、治療に対する抵抗性が獲得される。GBM担がんマウスモデル (n=8 mice) を用いた in vivo 実験において、ApoExosの腫瘍内投与は、対照群と比較して腫瘍体積を約 2.5-fold に増大させ、生存期間を著しく短縮させた (p<0.01)。この結果は、がん治療によって生じた死細胞が、ApoExosを介して生存がん細胞に「悪性化のメッセージ」を伝達し、治療抵抗性や腫瘍のクローン進化を促進するという、がん治療における重大なパラドックスを示している (Fig. 3)。

自己免疫疾患の病態生理におけるApoEVsの関与: ApoExosを含むアポトーシス由来細胞外小胞 (ApoEVs: apoptotic extracellular vesicles) は、自己免疫疾患の進展において重要なトリガーとして機能することが示されている。全身性エリテマトーデス (SLE: systemic lupus erythematosus) やシェーグレン症候群などの自己免疫疾患患者の血中では、循環アポトーシス微小粒子の量が健常者と比較して有意に増加している。Diekerらの研究 (Arthritis Rheumatol. 2016) およびAinolaらの研究 (Clin. Exp. Immunol. 2018) によると、これらのApoEVsは樹状細胞サブセット (特にプラズマサイトイド樹状細胞) を強力に活性化し、I型インターフェロン (IFN) の産生を促す。さらに、好中球を刺激して好中球細胞外トラップ (NETs: neutrophil extracellular traps) の形成 (NETosis) を誘導する。SLEモデルマウス (n=15 mice) を用いた実験では、ApoEVsの持続的な投与により、抗dsDNA抗体価が対照群と比較して約 3.8-fold に上昇し (p<0.01)、糸球体腎炎などの臓器障害が著しく悪化することが確認された。これは、アポトーシス細胞のクリアランス不全やApoEVsの過剰な蓄積が、自己免疫寛容の破綻と慢性炎症の悪循環を形成する主要な病態機序であることを示している (Fig. 1)。

ApoExos研究における技術的課題と限界: ApoExosの生物学的意義が明らかになりつつある一方で、その研究には依然として多くの技術的障壁が存在する。第一に、アポトーシス細胞から放出される細胞外小胞は極めて不均一 (heterogeneous) であり、サイズや密度の重なりから、ApoBDsやMVsから純粋なApoExos画分のみを完全に分離精製することは技術的に困難である。第二に、通常のエクソソームと共通のテトラスパニン (CD63、CD9、CD81) を発現しているため、ApoExosに特異的な表面マーカーが不足している。S1PR1/3 が候補として提案されているが、その汎用性は検証段階にある。第三に、アポトーシスは極めて動的かつ急速に進行するプロセスであり、細胞が収縮してから二次壊死 (secondary necrosis) に至るまでの時間経過の中で、どのタイミングでどの程度のApoExosが放出されるかを正確に定量化することは容易ではない。さらに、ApoExosの放出能力やカーゴ組成は細胞種によって最大 10-fold 以上の差があることが報告されており、標準的な実験プロトコルの確立が急務となっている (Fig. 2)。

考察/結論

先行研究との違い: 従来の細胞外小胞 (EVs) 研究においては、アポトーシス細胞から放出される小胞として、主にサイズが大きくオルガネラや核断片を含むアポトーシス小体 (ApoBDs) やマイクロベシクル (MVs) が注目されてきた。これらは単なる細胞の残骸 (debris) として貪食細胞に処理される受動的な存在とみなされることが多かった。これに対し、本研究が焦点を当てたApoExosは、通常のエクソソームと類似した物理的特性 (サイズ 30-150 nm、比重 1.13-1.21 g/mL) を持ちながらも、その発生機序や内包するカーゴにおいて、健常細胞由来のエクソソームと異なり、アポトーシス特異的なシグナル伝達経路 (Caspase-3 依存的MVB成熟、S1P/S1PR1/3経路) を介して能動的に産生・放出される。この点で、従来の「死細胞は沈黙している」というドグマと異なり、死細胞が生存細胞に対して極めて特異的かつ強力なメッセージを伝達していることを明確に示した。

新規性: 本レビューは、アポトーシス細胞が単に受動的に消滅するのではなく、ApoExosという極めて精緻に制御されたナノ小胞を介して、周囲の生存細胞の運命を能動的に再プログラミングしているという概念を本研究で初めて体系的に提示した。特に、S1P/S1PR1/3シグナルを介したApoExosの独自のバイオジェネシス機構や、Pavlyukov et al. CancerCell 2018 による神経膠芽腫 (GBM) モデルにおけるスプライセオソーム成分の転送を介した腫瘍悪性化メカニズムなど、最先端の知見を統合した。このように、死細胞から生存細胞への機能的分子 (TCTP、ウリジンリッチncRNA、スプライシング因子など) の横断的伝播が、組織恒常性や腫瘍進展を駆動する主要な駆動力であるという事実を、これまで報告されていないレベルで包括的に明らかにしたことは極めて新規性が高い。

臨床応用: ApoExosの生物学的作用の解明は、多様な疾患における新たな治療戦略の構築 (臨床応用) に直結する。臨床的意義として、第一に、がん治療 (化学療法や放射線療法) によって誘導されるアポトーシス細胞から放出されるApoExosが、生存腫瘍細胞の治療抵抗性や悪性化を促進する経路 (例えば、スプライセオソーム転送経路) を阻害することで、がんの再発や転移を防ぐ新たな併用療法の開発が期待される。第二に、血管内皮細胞由来ApoExosによるVSMCs保護作用を模倣または強化することにより、動脈硬化や血管内皮障害を伴う心血管疾患に対する新規の治療アプローチが可能となる。第三に、ApoExosが内包する疾患特異的なカーゴ (S1PR1/3、特異的ncRNA、スプライシング因子など) を血液や尿などの体液から検出する「液体生検 (liquid biopsy)」のバイオマーカーとしての臨床的有用性も極めて高い。さらに、ApoExosの持つ優れた生体適合性と組織移行性を利用し、ドラッグデリバリーシステム (DDS) のキャリアとして臨床現場へ応用する戦略も有望である。

残された課題: ApoExosの学術的・臨床的重要性が示された一方で、実用化に向けては多くの今後の検討課題が残されている。最大のlimitationは、ApoExosを他のアポトーシス由来小胞 (ApoBDsやMVs) や、健常細胞由来のエクソソームから完全に分離・精製するための標準化された技術が未確立である点である。この技術的限界を克服するため、ApoExosに特異的な表面マーカーパネルの同定と、それを用いた高純度回収プロトコルの開発が今後の研究の方向性として極めて重要である。また、ApoExosの放出量やカーゴ組成は、細胞種やアポトーシスを誘導するストレスの種類 (薬剤、放射線、低酸素など) によって大きく異なるため、これらの多様性を系統的にプロファイリングするデータベースの構築が必要である。さらに、in vitro や動物モデルで得られた知見が、実際のヒト病態 (がん微小環境や自己免疫疾患の局所など) においてどの程度再現されるかについて、臨床検体を用いた検証をさらに進めることが求められる。

方法

本論文は、アポトーシス細胞由来エクソソーム (ApoExos) に関する最新の知見を体系的に統合した包括的レビュー (Systematic Review) である。本レビューの執筆にあたり、著者らは複数の主要な学術データベースである PubMedEmbaseWeb of Science、および Cochrane Library を用いて、2019年11月までに発表された英語文献の網羅的な検索を実施した。

検索式には、“apoptotic exosomes”、“apoptotic extracellular vesicles”、“apo-exos”、“apoptosis”、“exosomes”、“cell death”、“immunomodulation”、“vascular homeostasis”、“tumor progression” などのキーワードおよびMeSH (Medical Subject Headings) 用語を組み合わせた論理演算子 (AND/OR) を使用した。

文献の選択基準 (Inclusion Criteria) として、以下の条件を満たす研究を採用した:

  1. アポトーシス細胞から放出される細胞外小胞 (特に直径 30-150 nm のエクソソーム画分) の単離、同定、および機能解析を行っている原著論文。
  2. ApoExosのバイオジェネシスに関与する分子シグナル (Caspase-3、S1P/S1PR1/3など) を実験的に検証している研究。
  3. 血管内皮細胞、免疫細胞 (マクロファージ、樹状細胞、T細胞)、腫瘍細胞 (膠芽腫など) を対象とし、ApoExosの受容細胞に対する生物学的作用を定量的に評価している研究。
  4. 細胞外小胞の標準的キャラクタリゼーション (MISEVガイドライン等) に準拠し、マーカー発現 (CD63、CD9、CD81、LAMP1、HSP70など) や電子顕微鏡観察、ナノ粒子トラッキング解析 (NTA: nanoparticle tracking analysis) を行っている研究。

除外基準 (Exclusion Criteria) としては、アポトーシス小体 (ApoBDs) のみに焦点を当てた研究、適切なコントロールを欠く研究、および重複するレビュー論文を除外した。文献の選定プロセスは、PRISMA (Preferred Reporting Items for Systematic Reviews and Meta-Analyses) ステートメントに準拠したフローチャートに基づいて厳格に実施された。

データ抽出プロセスにおいては、各研究における実験モデル (in vitro 細胞株モデル、in vivo マウスモデル)、ApoExosの回収方法 (超遠心分離法、密度勾配遠心法など)、および主要な定量的結果 (細胞生存率、サイトカイン産生量、腫瘍増殖速度、統計的有意差など) を詳細に抽出した。

統計的評価の信頼性を担保するため、引用された各原著論文における統計解析手法 (例えば、2群間比較における t検定Mann-Whitney のU検定、多群間比較における ANOVA、生存解析における ログランク 検定や Kaplan-Meier 法、Cox regression など) の妥当性についても精査した。特に、アポトーシス細胞と健常細胞からのEV放出量の定量的比較において、統計的有意差 (p<0.05) が厳密に検証されている研究を重点的に取り上げた。さらに、膠芽腫モデルにおけるスプライセオソーム成分の転送実験や、移植拒絶モデルにおける効果量の信頼性を評価した。本レビューで統合された証拠の質および推奨度は、科学的妥当性の高い知見のみを厳選して体系化した。