• 著者: Joanna Kowal, Guillaume Arras, Marina Colombo, Mabel Jouve, Jakob Paul Morath, Bjarke Primdal-Bengtson, Florent Dingli, Damarys Loew, Mercedes Tkach, Clotilde Théry
  • Corresponding author: Clotilde Théry (Institut Curie, INSERM U932, Paris, France)
  • 雑誌: PNAS
  • 発行年: 2016
  • Epub日: 2016-02-08
  • Article種別: Original Article
  • PMID: 26858453

背景

細胞外小胞 (EV) 研究は近年急速に発展しており、生理学的および病理学的状況における細胞間コミュニケーションのメディエーターとして注目されている。しかし、「エクソソーム」として研究されてきた小胞集団の不均一性という根本的問題が、矛盾した報告の増加を招いていた。細胞は複数のメカニズムで多様なEVを分泌することが知られている。例えば、多胞体エンドソーム (MVB) が形質膜と融合して放出される内腔小胞がエクソソームであり、形質膜から直接出芽する小胞 (マイクロベシクル/エクトソーム) とは起源が異なる。これらのEVはサイズも多様であり、マイクロベシクルは数十ナノメートルから数マイクロメートルに及ぶ一方、エクソソームはMVBの内腔小胞と同様に直径150 nm以下と定義されることが多い。しかし、これらの異なる起源を持つEVを分離するには、従来の差次超遠心 (DUC) 法では限界があり、異なる起源・機能を持つEVが混在した状態で解析されてきたため、EVの機能理解に重要な制約を課していた。この混合されたEV集団は、しばしば「小型EV (sEV)」と総称されてきたが、その不均一な性質が、発表される文献の混乱と、矛盾する機能や臨床的用途の報告につながっていた。

「エクソソームマーカー」として文献で広く使用されてきたタンパク質 (CD9・CD63・CD81テトラスパニン、フロチリン-1、HSP70/HSC70、MHCクラスI/II) が実際にエクソソーム特異的なのか、あるいはすべてのEV種に共通しているのかは、これまで体系的に検証されていなかった。この知識のギャップは、EVの特定の機能的特性を理解する上で大きな障害となっていた。国際細胞外小胞学会 (ISEV) が提唱するMISEV (Minimal Information for Studies of Extracellular Vesicles) 等のガイドラインによりEV研究の標準化が求められていたが、具体的なマーカーセットの科学的根拠は不十分であった。例えば、Raposo et al. JCellBiol 2013Colombo et al. AnnuRevCellDevBiol 2014といった先行研究はEVの多様性を指摘しているものの、各サブタイプを明確に区別する特異的マーカーの同定には至っていなかった。また、Robbins et al. NatRevImmunol 2014がEVの免疫応答における役割を強調しているように、EVの機能は多岐にわたるが、その機能がどのEVサブタイプに起因するのかは未解明な点が多かった。

Institut Curie (Théryグループ) は以前からヒト樹状細胞 (DC) 由来エクソソームの免疫応答への関与を研究しており、これらの細胞が多様なEVを分泌することも観察していた (Colombo et al. JCellSci 2013参照)。本研究はこの細胞系を用いて、DUCに加えてヨージキサノール浮遊密度勾配と免疫単離 (抗テトラスパニン抗体) を組み合わせた網羅的な比較プロテオミクス解析を行い、各EVサブタイプに特異的なマーカータンパク質を同定することを目指した。これにより、EVの不均一性という長年の課題に対し、分子レベルでの明確な分類基準を提示し、今後のEV研究の基盤を確立することが期待された。

目的

本研究の目的は、ヒト単球由来樹状細胞 (DC) から分泌される細胞外小胞 (EV) の多様なサブタイプを系統的に分離・精製し、そのタンパク質組成を包括的に比較解析することである。具体的には、差次超遠心 (DUC) とヨージキサノール密度勾配遠心、さらに抗テトラスパニン抗体を用いた免疫単離を組み合わせることで、EVサブタイプを精製する。その後、ラベルフリーLC-MS/MS定量プロテオミクスを用いて各画分の全タンパク質組成を比較解析し、以下の目標を達成することを目指した。

  1. 従来「エクソソームマーカー」とされてきたタンパク質 (例: CD9, CD63, CD81テトラスパニン、フロチリン-1、HSC70、MHCクラスI/II) が、実際にエクソソームに特異的であるか、あるいは他のEVサブタイプにも広く存在するかを検証する。
  2. 各EVサブタイプ、特に小型EV (sEV) およびその中のエンドソーム由来エクソソームを特異的に識別するための新規マーカータンパク質を同定し、ウェスタンブロットや他の細胞株での検証を通じてその特異性を確立する。
  3. EVサブタイプの分類、特性評価、および機能研究のための標準的な分離・解析ワークフローを提示し、EV研究分野における不均一性問題の解決に貢献する。

結果

差次超遠心によるEV画分の分離と特性: TEMによるサイズ分析では、2Kペレットには直径>150 nmの大型小胞が多く含まれ (n=35)、10Kペレットには50〜200 nmの混合サイズ小胞 (n=72)、100Kペレットには50〜150 nmの小型小胞が濃縮されていた (n=135)。NTAでも、10K画分は平均径>200 nm、100K画分は<200 nmと確認された (Fig. S1B)。タンパク質量は2Kペレットが10K・100Kより有意に多かった (p<0.05、Wilcoxon signed-rank test、n=3〜9ドナー)。細胞死率は<10%であり、2Kペレットの量と細胞死に相関はなかった (Fig. S1A)。これは、大型EVが壊死・アポトーシス断片ではなく、生細胞由来の活発な分泌物であることを示唆する。

従来のエクソソームマーカーは全EV種に偏在し特異性なし: ウェスタンブロット解析 (3〜9ドナーから独立実験) の結果、「エクソソームマーカー」として広く使用されてきたテトラスパニンCD63、CD9、CD81、フロチリン-1 (FLOT1)、構成的HSP70であるHSC70 (HSPA8)、MHCクラスII (HLADRA)、アクチンが、すべてのEV画分 (2K、10K、100K) に偏在することが確認された (Fig. 1F)。特にCD63とCD9は2Kおよび10Kペレットにも検出された。HSP70の誘導型 (HSP1A1) およびMHCクラスI (HLA-A/B/C/G) も同様の分布を示した (Fig. S1D)。これらのタンパク質は100Kペレットに特異的に濃縮されておらず、小型EVまたはエクソソーム特異的マーカーとは言えないことが示された。一方、小胞体タンパク質GP96 (HSP90B1) は2Kペレットと細胞溶解物に多く検出され、10K・100Kにはほとんど存在しなかったため、大型EVのマーカーとして機能する可能性が示唆された。

ヨージキサノール勾配による小型EVの2サブタイプ分離: 100Kペレット (および10Kペレット) をヨージキサノール勾配で浮遊させると、それぞれF3 (平均1.115 g/mL、n=36独立勾配) とF5 (平均1.145 g/mL) の2つの離散的なピークに分離した (Fig. 2B)。TEM観察では、F3-100K画分は直径50〜150 nmのカップ型小胞が主体であり、古典的なエクソソーム形態と一致した (n=226)。F5-100K画分はF3-100Kより大型で電子密度の高い小胞が多く含まれた (n=166) (Fig. 2C)。CD63はF3画分に比べF5画分で有意に少なかった (p<0.01、Wilcoxon signed-rank test、n=9ドナー)。対照的に、スクロース勾配では1.12〜1.21 g/mLの連続的な分布となり、F3/F5に相当する画分が一部重複するため、明確な分離は困難であった (Fig. 2D)。

定量プロテオミクスによる小型EV特異的新規マーカーの同定: LC-MS/MS定量プロテオミクスでは、4つの浮遊密度画分 (F3-10K、F5-10K、F3-100K、F5-100K) から合計1,000以上のタンパク質が同定された (Dataset S1)。PCA解析では、F3-100KがF5-100K、F3-10K、F5-10Kと明確に分離された (Comp1が75.75%の分散を説明) (Fig. 3B)。F3-100Kに特異的に高発現するタンパク質 (Volcano plot、p<0.05かつ絶対fold-change>4) として、TSG101 (tumor susceptibility 101)、シンテニン-1 (SDCBP)、EHD4 (EH domain-containing protein 4)、Annexin XI (ANXA11)、ADAM10 (‘a disintegrin and metalloproteinase domain-containing protein 10’) が同定された (Fig. 3C)。逆に、F3-10KおよびF5-100Kに特異的に高発現するタンパク質としてアクチニン-4 (ACTN4) やミトフィリンなどが同定され、これらは大型〜中型EVマーカー候補として挙げられた。F5-100K特異的タンパク質としては、細胞外マトリクス (ECM) 関連タンパク質 (フィブロネクチン FN1、ホルネリン HRNR)、補体 (C3、C4A)、プロトロンビン (F2)、PEDF (SERPINF1) などが挙げられた (Fig. 3D、Table S1)。

ウェスタンブロットによる新規マーカーのsEV特異性確認: プロテオミクスで同定された新規マーカーをウェスタンブロットで確認したところ (3〜5独立ドナー)、シンテニン-1、EHD4、ADAM10、Annexin XIはいずれも100Kペレットに著明に濃縮され、2K・10Kペレットにはほとんど検出されなかった (Fig. 4B)。TSG101もCD63・CD9テトラスパニンより明確に100Kに特異的で、2K・10Kには乏しかった。これらの結果は、これらのタンパク質が従来のテトラスパニンよりもsEV特異的なマーカーであることを示唆する。一方、Annexin IIは10K・100Kの両方に強く検出され、LAMP2は10Kと100Kで識別できなかった (Fig. 4C)。アクチニン-4とミトフィリンは2K・10Kに高発現し、100Kには欠如していたため、大型〜中型EV特異的マーカーとして機能することが確認された。さらに、OV2008 (卵巣がん) やMDA-MB-231 (乳がん) を含む7種のヒト細胞株およびマウス骨髄由来DCでも、シンテニン-1とADAM10のsEV (100K) 特異性、アクチニン-4の大型/中型EV特異性が確認され、これらのマーカーの一般性が示された (Fig. 4D、Fig. S3B, D)。

免疫単離による100K小型EV内のさらなるサブタイプ分類: 抗CD9、抗CD63、抗CD81ビーズを用いた免疫単離の比較では (Fig. 5A, B):

  • 抗CD9ビーズはCD63+およびCD81+のEVもすべて捕捉したが、MHC II+ EVの大部分はflow-through (FT) に残存した。これは、テトラスパニン陰性のMHC II+ sEVが存在することを示唆する。
  • 抗CD63ビーズは、CD9+やCD81+のEVのかなりの画分をFTに残した。これは、CD63発現EVが最も限定的なsEVサブセットであることを示唆する。
  • 抗CD81ビーズは、CD63およびほぼすべてのCD9シグナルを捕捉した。 プロテオミクス解析では、CD63-PD、CD81-PD、CD9-PDでそれぞれ294、373、381種のタンパク質が同定された (3ペプチド以上/3レプリケート)。FT画分では、CD63 FTが最も多くのタンパク質 (500種) を含み、CD63非発現sEVの多様性が高いことを示唆した (Fig. 5C)。PCA解析では、CD63-PDがCD9-PDおよびCD81-PDと明確に分離された (Comp1が75.75%の分散を説明) (Fig. 5D)。3つのテトラスパニン抗体で共通してプルダウンされたタンパク質は241種であり、そのうち161種はCD9 FTにも存在した。これらの161種にはAnnexin XI、EHD4、ADAM10が含まれ、すべてのsEVに偏在する「sEV generic markers」として位置づけられた (Fig. 5E)。一方、TSG101とシンテニン-1はテトラスパニン陽性sEV特異的であり (PD内に存在しFTには欠如)、エンドソーム由来の「真のエクソソーム」を最も特異的に示すマーカーとして位置づけられた。GO解析でも、テトラスパニン捕捉sEVにエンドソーム関連GO termが濃縮されたが、FT (テトラスパニン陰性sEV) にはエンドソーム関連GO termの有意な濃縮はなかった。

考察/結論

本研究は、ヒト樹状細胞由来EVの包括的なプロテオミクス解析を通じて、EVの不均一性を特徴づける新規マーカー群を同定し、EV研究における長年の課題であった分類と特性評価に明確な指針を提示した。

先行研究との違い: これまでのEVプロテオミクス研究は、血小板由来EVや腫瘍細胞EVなどに限定され、分離方法も差次超遠心のみに依存していることが多かった (例: Aatonen et al. 2014)。本研究は、単一細胞種 (ヒト単球由来DC) からの系統的なEV分離パイプライン (DUC 3段階 + ヨージキサノール浮遊密度勾配 + 抗テトラスパニン免疫単離) を確立し、4〜7種類のEV画分を同時に比較プロテオミクス解析した点で、これまでの研究とは対照的である。特に、ヨージキサノール密度勾配がスクロース勾配よりも明確なEVサブタイプ分離を可能にすること (上向き浮遊によるタンパク凝集物の除去効果) は、技術的に重要な新規知見であった。また、従来の「エクソソームマーカー」とされてきたタンパク質が実際には全てのEV種に偏在していることを明確に示した点も、先行研究の曖昧さを解消する上で重要である。

新規性: 本研究で初めて、TSG101、シンテニン-1、EHD4、ADAM10、Annexin XIが小型EV (sEV) に特異的な新規マーカーであることを同定し、そのうちTSG101とシンテニン-1がテトラスパニン陽性のエンドソーム由来「真のエクソソーム」をさらに特異的に示すことを確立した。また、アクチニン-4とミトフィリンが大型〜中型EVのマーカーとして機能することも新規に示した。これらの新規マーカーは、7種の多様な細胞株およびマウスDCでの検証を通じてその一般性が確認されており、EV研究における普遍的なツールとしての有用性が示唆される。特に、CD63抗体による免疫単離が最もエンドソーム由来エクソソームを選択的に捕捉することが示された点は、精製戦略への具体的な指針を提示するものであり、これまで報告されていない知見である。

臨床応用: 本研究の知見は、EVの機能研究および臨床応用において極めて重要な意義を持つ。EVのサブタイプ間で機能的差異が存在することは理論上予測されるが、サブタイプを識別する信頼性の高いマーカーがなければ、その機能解析は困難であった。本研究が提示するTSG101・シンテニン-1 (真のエクソソームマーカー) とアクチニン-4・ミトフィリン (大型/中型EVマーカー) の組み合わせ使用により、EVの起源の違い (エンドソーム由来 vs 形質膜由来) と機能の違いを紐付ける研究が可能になる。これは、特定の疾患におけるEVのバイオマーカーとしての開発や、EVを介した治療法の開発 (例: 薬物送達システム) など、様々な臨床応用への道を開くものである。例えば、がんの早期診断や治療効果予測において、特定のEVサブタイプに特異的なマーカーを標的とすることで、より高感度かつ特異的な診断・治療戦略を構築できる可能性がある。

残された課題: 今後の検討課題として、以下の点が挙げられる。第一に、各EVサブタイプの選択的産生・分泌を制御する分子機構 (RAB、ESCRT、SNAREファミリーなど) の詳細な解明が必要である。これらの機構を理解することで、特定のEVサブタイプの分泌を人為的に制御する技術開発につながる可能性がある。第二に、大型/中型EV (オンコソームなど) に特異的な、より多くのマーカーの同定が求められる。本研究ではアクチニン-4とミトフィリンを同定したが、さらに多様な大型EVサブタイプを識別するためのマーカーは不足している。第三に、各EVサブタイプにおけるmiRNA、mRNA、脂質などの非タンパク質成分の比較解析を行うことで、EVの包括的な分子プロファイルを確立する必要がある。最後に、生体内でのEVサブタイプの分布、標的細胞への取り込み、および生理的・病理的機能の系統的解析が今後の研究の重要な方向性となる。本研究は、これらの残された課題に取り組むための強固な基盤を提供するものである。

方法

細胞培養とEV分離: ヒト健常ドナー血液由来の単球 (CD14+ 磁気ソート) を、IL-4 (50 ng/mL) とGM-CSF (100 ng/mL) を含むRPMI 1640培地で5日間培養し、単球由来樹状細胞 (DC) に分化させた。EV分離には、EVを除去したウシ胎児血清 (FCS) を含む培地で24時間培養したDCの培養上清を使用した。EVは、Thery et al. CurrProtocCellBiol 2006の標準プロトコールに準拠した差次超遠心 (DUC) 法により分離した。具体的には、300×g (10分) で細胞をペレット化後、上清を2,000×g (20分) で遠心して大型EV (2Kペレット) を、続いて10,000×g (40分) で中型EV (10Kペレット) を、最後に100,000×g (90分) で小型EV (100Kペレット) をそれぞれ回収した。各ペレットはPBSで洗浄し、再遠心した。DUC解析には、4.4×10⁸〜2.8×10⁸個の細胞をプールして使用した。細胞生存率はトリパンブルー染色により<10%であることを確認し、2Kペレットの量と細胞死との相関がないことを確認した (Fig. S1A)。

ヨージキサノール密度勾配分離: 10Kおよび100Kペレットを、30% (w/v) ヨージキサノールを含むバッファーに懸濁し、その上に20%および10%のヨージキサノール溶液を重層した。これを350,000×gで1時間遠心 (SW55Tiローター) し、上部から10分画 (各490 μL) を回収した。各画分の密度は屈折率計で測定した。その後、各画分をさらに100,000×gで30分遠心してEVを濃縮した。この方法により、主にF3 (平均密度 1.115 g/mL) とF5 (平均密度 1.145 g/mL) の2つの主要なEVピークが得られた。比較のため、スクロース密度勾配分離も実施した。

免疫単離: 100Kペレット (小型EV) を、抗CD9、抗CD63、または抗CD81抗体 (各1 μg/100 μL Pierce Protein A Magnetic Beads) を結合させた磁気ビーズと一晩インキュベートした。その後、磁気ビーズを用いてEVをプルダウン (PD) し、残りのEVをフロー・スルー (FT) 画分として回収した。非特異的結合のコントロールとして、マウス多クローナルIgGを結合させたビーズを使用した。

LC-MS/MS定量プロテオミクス: ラベルフリー定量法 (LFQ) を用いたプロテオミクス解析を実施した。DUCとヨージキサノール勾配で分離した画分 (F3-10K、F5-10K、F3-100K、F5-100K) は、3つの生物学的リピケート (異なるドナー由来) を用いて同時解析した。免疫単離サンプル (CD9-PD/FT、CD63-PD/FT、CD81-PD/FT) も同様に3つの生物学的リピケートで解析した。タンパク質はSDS-PAGEで分離後、ゲル内消化によりトリプシン処理し、Ultimate 3000システムとLTQ-Orbitrap XL質量分析計 (Thermo Fisher Scientific) を用いてLC-MS/MS分析を行った。タンパク質同定にはMascot 2.3とUniProtKB-SwissProtデータベースを使用し、FDR 1% (ペプチドレベル) を適用した。定量はMassChroQ v1.2.1とベンジャミニ-ホックバーグFDR補正 (閾値0.05) を用いた2標本t検定で実施した。主成分分析 (PCA) はade4パッケージを使用して行った。生データはProteomeXchange/PRIDE (PXD003257) に登録された。

電子顕微鏡 (TEM) とナノ粒子トラッキング解析 (NTA): 各ペレットおよび勾配画分のEVの形態とサイズ分布を評価するため、whole-mount TEMを実施し、ImageJソフトウェアでサイズを測定した。また、Malvern社のLM10 Nanoparticle Tracking Analysis deviceを用いてNTAを実施し、EVのサイズと濃度を測定した。

ウェスタンブロット: DUC画分 (2K、10K、100K、細胞溶解物) およびヨージキサノール勾配画分 (F3、F5) について、同量のタンパク質または同細胞数由来の材料をロードし、既知のEVマーカー (CD63、CD9、CD81、フロチリン-1、HSC70、MHCII、MHCI、HSP70、GP96、アクチン) およびプロテオミクスで同定された新規候補マーカー (TSG101、シンテニン-1、EHD4、Annexin XI、ADAM10、アクチニン-4、ミトフィリン、LAMP2、Annexin II) をプローブした。実験は独立した3〜9名のドナーから得られたサンプルで繰り返し実施した。

他細胞株での検証: ヒト初代DC以外に、5種の腫瘍細胞株 (OV2008、MDA-MB-231、IGROV-1、SHIN-3、HeLa) と2種の非腫瘍細胞株 (HEK293T、RPE-1) から分泌されるEVについても、新規マーカーの分布をウェスタンブロットで確認し、DC由来EVで得られた結果の一般性を評価した。