• 著者: Srinivas Malladi, Danilo G. Macalinao, Xin Jin, Lan He, Harihar Basnet, Yilong Zou, Elisa de Stanchina, Joan Massagué
  • Corresponding author: Joan Massagué (Memorial Sloan Kettering Cancer Center, New York, NY, USA)
  • 雑誌: Cell
  • 発行年: 2016
  • Epub日: N/A
  • Article種別: Original Article
  • PMID: 27015306

背景

転移性休眠 (metastatic latency) は、原発腫瘍切除後に臨床的に無病状態であっても播種腫瘍細胞 (disseminated tumor cells; DTC) が骨髄・肺・肝・脳などの遠隔臓器に潜伏し、数年から数十年後に顕在転移として再燃する現象であり、固形癌治療の最重要課題のひとつである。早期非小細胞肺癌の約50%が外科的切除後に遠隔再発し、HER2陽性乳癌では抗HER2療法によって体外転移は制御されるものの脳転移の発生率が増加するなど、転移性休眠の臨床的重要性は高い。骨髄の液体生検ではDTCが高頻度に検出されるが、その大多数は顕在転移に至らず長期休眠を維持する。

先行研究では、DTCが宿主組織ストロマからの成長抑制シグナルによって休眠に誘導されるという仮説が提唱されており、TGFβおよびBMP (bone morphogenetic protein) などのストロマ由来シグナルがDTCの増殖を抑制することが示されていた (Sosa et al. 2014 Nat Rev Cancer; Bragado et al. 2013 Nat Cell Biol)。しかし、骨髄・肺・肝などのDTC宿主臓器はWNTをはじめとする増殖促進シグナルを正常組織の恒常性維持のために提供し続けており、ストロマ由来の外部成長抑制シグナルのみでは長期休眠全体を説明するには不十分であった。免疫監視の観点では、16年前に治癒したメラノーマを持つドナーからの腎移植後に免疫抑制受容者でメラノーマが発症した臨床事例 (MacKie et al. 2003 N Engl J Med) や、免疫適格マウスにおける転移抑制実験 (Eyles et al. 2010 J Clin Invest) が、NK細胞などの自然免疫がDTCの増殖アウトブレイクを制御していることを示唆していた (Dunn et al. 2004 Immunity)。

しかし、DTCが自然免疫の監視からいかにして長期間逃避するかの分子機序は完全に不明であり、「癌細胞が自律的に休眠・免疫逃避状態を誘導する」という仮説を検証する適切なin vivoモデルが手薄であり、細胞自律的な転移性休眠を駆動する分子機序の理解が不足していた。この領域の知識のギャップ (gap in knowledge) を埋めるべく、本研究は潜伏転移能を持つ癌細胞 (latency competent cancer; LCC) のin vivo単離モデルを開発し、転移性休眠の細胞自律的分子機序の解明を試みた。転移性休眠の包括的な概念整理は Massague et al. Nature 2016 でも論じられている。

目的

ヒト早期肺腺癌・乳癌細胞株から潜伏転移能を持つLCC細胞をin vivo選択で単離し、(1) LCC細胞の分子的・細胞的特性の同定、(2) 転移性休眠中の免疫逃避メカニズムの解明、(3) 休眠と免疫逃避を統合する細胞内シグナル経路の同定、の3点を明らかにすることを目的とした。

結果

LCC細胞の確立と長期潜伏転移の実証

H2087およびHCC1954細胞株のin vivo選択から樹立したLCC細胞は、胸腺欠損マウスにおいて顕著な長期潜伏転移能を示した。H2087-LCC細胞を注射した胸腺欠損マウス20匹中16匹 (80%) が8ヵ月以上転移なしで生存し、1匹のみが顕在転移を示し、2匹が7ヵ月後に初期病変を形成した (Fig 1A, 1B, 1C)。HCC1954-LCC1を注射した8匹中7匹が4ヵ月以上無転移を維持した。対照的に、侵攻性転移細胞株 (MDA-MB231乳癌、H2030肺腺癌) は3週以内に広範な転移を形成した。BLI陰性のLCC注射マウス26匹中20匹 (77%) から組織学的にDTCが回収されたのに対し、親株注射マウスは14匹中2匹 (14%) のみであり、LCC細胞が潜伏播種に優れることが示された。注射後2週時点では、LCC細胞の約60%が肺内でEdU陽性を維持したのに対し、親株では15-25%に留まり (n=3マウス/群、p<0.01、Mann-Whitney検定)、LCC細胞の際立った休眠傾向が示された (Fig 2B, 2C)。注射後3ヵ月では、H2087-LCC1 (肺) およびHCC1954-LCC1 (脳) の約90%がKi-67陰性であり、増殖陽性LCC細胞は主に小細胞クラスター内に限られていた (Fig 2D, 2E)。H2087-LCC1/2細胞は肺・腎の双方に播種し、臓器非特異的な潜伏能が確認された。単離されたLCCから生じた孤発性転移 (LCC-M株) を再注射しても潜伏表現型を示し、LCC細胞が確率的に顕在転移を起こすことが示唆された。

LCC細胞の幹細胞様特性とSOX2/SOX9依存性

GSEA解析ではHCC1954-LCC細胞において乳腺幹細胞 (mammary stem cell; MaSC) シグネチャーが最上位に濃縮された。PCAでHCC1954-LCC細胞はMaSCクラスターに近接し、乳癌幹細胞マーカーCD44Hi/CD24Loが著明に富化されていた (Fig 3A, 3B)。H2087-LCC細胞は肺胞type I (AT1) およびbipotent progenitor (BP) 細胞クラスターに分類された (Fig 3C)。SOX2はH2087-LCC細胞で特異的に高発現し、SOX9はHCC1954-LCC細胞で高発現しており、いずれもmRNAおよびタンパク質レベルで確認された。ChIP-seqではH2087-LCC細胞のSOX2遺伝子座にH3K27acおよびPol IIピークの著明な濃縮が認められた (Fig 3D-3G)。限界希釈アッセイでは、LCC細胞は親株と比較してin vivoでの生着確率が4-fold to 15-fold高かった。shRNAによるSOX2 (H2087-LCC) またはSOX9 (HCC1954-LCC) のノックダウンは、胸腺欠損マウスへの肺・脳への転移播種能を著明に障害し (n=5-6マウス/群、p<0.001、Mann-Whitney検定)、Matrigel中のanchorage-independent増殖およびoncosphere形成も選択的に抑制したが、親株に対しては有意な影響がなかった (Fig 3J, 3K, 3L)。また、LCC細胞のoncosphereではSOX2が富化されており、LCC細胞のステム様アイデンティティを維持する役割が示唆された。

NK細胞によるLCC細胞増殖の均衡制御

NK細胞などの自然免疫を欠損したNSGマウスでは、H2087-LCC・HCC1954-LCC細胞ともに高率で顕在転移を形成し、肝・脳・腎・肺など多臓器に多発転移が出現した (Fig 4A-4D)。NK細胞を保持する胸腺欠損マウスへの抗NK1.1または抗アジアロGM1抗体によるNK細胞除去は、HCC1954-LCC1の脳転移量をコントロール群の数十倍以上に増加させた (n=5-7マウス/群、p<0.001) (Fig 4E, 4F)。H2087-LCC2細胞の骨転移もNK除去により有意に増加した (p<0.01) (Fig 4G)。免疫適格シンジェニックモデルでは、KrasG12D/p53Del由来368T1非転移性細胞株のNK除去により肝転移が100-fold増加し、転移性482T1細胞と同等レベルに達した。さらに、LCC細胞注射後40日目 (潜伏確立後) にNK除去を行っても転移が誘発され、潜伏中のLCC細胞が増殖能を保持しており、NK細胞監視が長期休眠を維持する主要な制御因子であることが示された (Fig 4H-4J)。これらの結果は、NK細胞が増殖性LCC細胞クラスターを選択的に排除する一方で、休眠状態のLCC細胞を温存するという「選択的免疫排除」の機構を示している。

NK細胞活性化リガンドの下方制御による免疫逃避

LCC細胞の転写解析では、NK細胞傷害関連シグネチャーが選択的に低下しており、低マイトジェン (休眠) 条件でさらに顕著な低下が認められた (Fig 5A, 5B)。具体的には、NK細胞活性化受容体NKG2D (Natural Killer Group 2D) の天然リガンドであるULBP (UL16-binding protein) 2/RAET1H・ULBP3/RAET1N・ULBP5/RAET1Gが下方制御された (Lanier et al. CancerImmunolRes 2015)。さらにDNAM-1 (DNAX accessory molecule-1) のリガンドPVR/CD155、NK細胞傷害を媒介するFAS・TRAIL (TNF-related apoptosis-inducing ligand) 受容体 (TRAILR) も低下した。CD155・ULBP2/5/6の細胞表面発現低下はフローサイトメトリーで確認された (Fig 5C, 5D)。in vitro NK細胞傷害アッセイでは、LCC細胞は親株と比較してNK細胞誘導性細胞溶解に有意な抵抗性を示した (mean ± SEM、n=3実験、p<0.01 〜 p<0.001、Student’s t検定) (Fig 5E, 5F)。これらの結果は、休眠状態への移行に伴うNK細胞活性化リガンドの系統的な下方制御が、LCC細胞の免疫逃避機構の実体であることを示している。

SOX2→DKK1自己分泌→WNT抑制→免疫逃避の統合軸の解明

シグナル経路スコアリング解析では、LCC細胞は低マイトジェン条件下でWNT・MYC・NF-κBシグナルの著明な低下とTGFβシグナルの増加を示した (Fig 6A)。WNT阻害因子DKK1 (dickkopf-related protein 1) がLCC細胞で特異的に高発現しており (ELISAで親株比4-fold to 6-fold高い分泌量)、ChIP-seqでDKK1遺伝子座のH3K27ac・Pol IIピーク濃縮がH2087-LCC・HCC1954-LCC両モデルで確認された (Fig 6D-6F)。WNT受容体シグナルは、WNT3A添加によるAXIN2発現誘導またはTCFレポーター活性で評価したところ、LCC細胞では低マイトジェン条件下で著明に低下していた (Fig 6B)。また脳内の増殖性LCC細胞クラスターでは活性型β-カテニンが高発現していたが、単細胞として散在する休眠LCC細胞では低下しており、in vivoでのWNT活性と増殖状態の連動が確認された (Fig 6C)。SOX2はDKK1プロモーターの転写開始点上流75 bpに直接結合し (SOX2 ChIP-qPCR)、SOX2ノックダウンによりDKK1 mRNA発現が低下した (Fig 6H, 6I)。DKK1ノックダウン (shDKK1) によりWNT経路が再活性化し、低マイトジェン条件下でのLCC細胞増殖が促進された (Fig 6J-6K)。さらにshDKK1はULBP1/2/4/5および死受容体の発現を回復させ、NK細胞傷害感受性を著明に増加させた (n=3実験、p<0.01) (Fig 7B, 7C)。胸腺欠損マウスでは、shDKK1 H2087-LCC細胞の肺定着数が著明に減少し、この減少は抗アジアロGM1によるNK除去で完全に救済された (n=5-6マウス/群、p<0.01) (Fig 7A, 7D)。逆に、NSGマウスではDKK1ノックダウンがLCC転移成長を促進し (p<0.001) (Fig 7E, 7F)、DKK1過剰発現は親株H2087の成長を抑制した。また、DKK1に対するSOX2の上流性はSOX2除去がDKK1発現を低下させ転移能を障害することで確認された。乳癌PDX (HCI-001/002/008) では播種DTCの14-51%がDKK1陽性であり、このSOX2→DKK1→WNT抑制→NK細胞リガンド下方制御の軸がヒト乳癌DTCにも存在することが示された。LCC細胞でのWNT経路が肺腺癌転移を促進することは Nguyen et al. Cell 2009 でも示されており、本研究のDKK1によるWNT自己抑制が転移性休眠の誘導に不可欠であるという発見と対比される。

考察/結論

本研究は、転移性休眠と免疫逃避が「SOX2/SOX9→DKK1自己分泌→WNT抑制→低細胞周期→NK細胞活性化リガンド下方制御」という単一の細胞自律的シグナル軸によって統合的に制御されるという機構を解明した。これまでの研究では「宿主ストロマ由来のTGFβ・BMPなどの外部成長抑制シグナルがDTCを休眠に追い込む」という受動的な概念が主流であったが、この外部シグナル依存的な受動モデルと異なり、本研究はDTC自身が能動的にWNT自己抑制プログラムを発動させることで免疫監視を回避しながら長期休眠を維持できることを示した。NK細胞が増殖中のLCC細胞クラスターをクリアランスする一方で休眠状態のLCC細胞を温存するという「選択的免疫排除」の機構も、従来の免疫監視理解に新たな次元を加えるものである。

新規性: 本研究で初めて、がん幹細胞転写因子SOX2/SOX9が下流のWNT阻害因子DKK1を直接制御し、転移性休眠中の免疫逃避 (NK細胞活性化リガンド群の下方制御) と休眠維持 (低細胞周期状態) を同時に駆動するという統合的機構が解明された。これは、がん幹細胞プログラムと転移性休眠を直接結びつける新規な分子リンクであり、同じ転写因子ネットワークが生存・免疫逃避・腫瘍開始能という複数の機能を統合的に制御するというnovelな概念を提示する。SOX2が肺癌・乳癌でそれぞれ異なるSOX転写因子 (SOX2対SOX9) を通じてLCC表現型を駆動することもこれまで報告されていない癌種特異的な制御多様性の例である。SOX2の肺癌・SCLC (small cell lung cancer) における増幅については Rudin et al. NatGenet 2012 が示しており、本研究はSOX2が腫瘍イニシエーションだけでなく転移性休眠にも機能することを初めて示した点で重要である。

臨床応用: 本知見は転移性休眠中のDTCを標的とする治療戦略に重要な臨床的意義を持つ。DKK1中和抗体やWNT活性化剤によりDTCを増殖状態に「覚醒」させたうえで化学療法・免疫療法で排除する「覚醒療法 (awakening therapy)」の概念的根拠を提供する。ただし、DKK1高発現DTCに対するNK細胞活性化療法 (IL-15、抗NKG2A抗体、NK細胞輸注) は、ULBP群の発現が低下した状態では効果が限定的となる可能性が示唆されるため、まずDKK1/WNT軸を解除することが前提条件となる。無病期癌患者におけるNK細胞機能指数のモニタリングが転移再発の早期予測バイオマーカーになりうるという臨床的含意も重要であり、この臨床応用に向けたbench-to-bedsideな橋渡し研究が求められる。大腸癌・胃癌・肺癌の原発腫瘍へのNK細胞浸潤が良好な患者生存と相関するという臨床的有用性のエビデンスも本知見と整合しており、NK細胞監視の維持が転移再発予防戦略の中核に位置づけられうることを示唆する。

残された課題: 今後の検討として以下が重要である。(1) ヒト患者での直接的なLCC細胞の単離・追跡と、DKK1/SOX2/SOX9の転移再発予測能の前向きコホートによる検証。(2) LCC細胞が最終的に顕在転移に至るための「覚醒トリガー」の解明 (加齢によるNK機能低下、炎症、外科的ストレス等の候補)。(3) DKK1/WNT軸とTGFβ・BMP・IL-6/STAT3等の他の休眠調節シグナルとの統合的解析。(4) LCC細胞が顕在転移中に獲得する能動的免疫抑制機構 (PD-L1発現増加、制御性T細胞リクルートなど) の解明。(5) 臓器特異的微小環境がSOX2/SOX9依存性プログラムに与える影響。limitationとして、本研究は樹立細胞株由来のin vivoマウスモデルに基づいており、ヒト患者でのLCC細胞の直接同定・追跡は実施されていない点を留意する必要がある。また、HCC1954-LCCモデルにおけるSOX9依存性の休眠・免疫逃避機構の詳細はSOX2依存性H2087-LCCほど詳細に解析されておらず、future researchが求められる。これらの残された課題の解明が、転移性休眠を標的とした革新的治療法開発の基盤となる。

方法

LCC細胞の単離と樹立: ステージI肺腺癌由来H2087細胞株およびHER2陽性ステージIIA乳癌由来HCC1954細胞株に、GFP-ルシフェラーゼ (TGL) レポーターと抗生物質耐性マーカー (Blasticidin: H2087、Puromycin: HCC1954) を導入した。各細胞 (1.0×10^5個/100 μl) を4-6週齢の胸腺欠損マウス (FOXN1nu/nu; athymic nude mice) の右心室内に心臓内注射し、生物発光イメージング (bioluminescence imaging; BLI; D-luciferin 150 mg/kg 注射後IVIS Spectrumで撮像) で3ヵ月間追跡した。BLI陰性マウスの各臓器 (肺・腎・脳) からgentleMACS解離後に抗生物質耐性癌細胞を培養回収し、LCC細胞株 (H2087-LCC1/2、HCC1954-LCC1/2) を樹立した。

増殖・休眠解析: 増殖特性の評価には5-エチニル-2’-デオキシウリジン (EdU) パルス・チェイス実験 (注射後14日目の肺内EdU保持GFP+細胞の定量)、Ki-67免疫染色 (in vivo増殖評価)、eFluor670色素保持実験、CellTiter-Gloアッセイ、BrdU/APC細胞周期解析を用いた。低マイトジェン培地 (mitogen-low medium; MLM; 2%血清) と通常培地 (mitogen-rich medium; MRM; 10%血清) の条件下で比較した。

分子プロファイリング: ゲノムワイドRNA-seq転写プロファイリングをMRMおよびMLM条件下で実施し、遺伝子セット濃縮解析 (gene set enrichment analysis; GSEA) および主成分分析 (PCA) を適用した。H3K27acおよびRNAポリメラーゼII (Pol II) のクロマチン免疫沈降シーケンス (ChIP-seq) によるゲノムワイドエピゲノム解析も行い、各遺伝子座の転写活性を評価した。シグナル経路スコアリング解析によりWNT・MYC・NF-κB・TGFβ等の経路活性を評価した。

SOX2/SOX9の機能解析: SOX2 (H2087-LCC) またはSOX9 (HCC1954-LCC) に対するshRNA (short hairpin RNA) ノックダウン後に、胸腺欠損マウスへの尾静脈注射 (0.5-1.0×10^5細胞) による肺定着実験 (60日間BLI追跡)、Matrigel中anchorage-independent増殖、oncosphere形成アッセイ、限界希釈アッセイを実施した。

NK細胞実験: 免疫不全NOD/SCIDガンママウス (NOD/SCID Gamma; NSG; NOD.Cg-PrkdcscidIl2rgtm1Wjl/SzJ) への細胞移植実験でNK細胞欠損環境でのLCC挙動を評価した。胸腺欠損マウスでのNK細胞除去は、ポリクローナル抗アジアロGM1抗体または抗NK1.1モノクローナル抗体 (PK136) の投与で実施した。免疫適格モデルとしてKrasG12D/p53Del由来482T1 (転移性) ・368T1 (非転移性) 細胞株のB6129SF1マウスおよびBALB/c由来4T07細胞のBALB/cマウスでのNK除去実験も行った。in vitro NK細胞傷害アッセイでは、IL-2活性化マウス脾臓NK細胞をラベル標識標的細胞と1:5の標的:エフェクター比で3時間共培養後、残存細胞数を定量した。

WNT/DKK1解析: WNT経路活性をAXIN2 mRNA発現 (RT-PCR) およびTCF転写レポーターアッセイで評価した。DKK1タンパク質分泌量をELISAで定量した。SOX2のDKK1プロモーター (転写開始点上流75 bp) への結合をSOX2 ChIP-qPCRで確認した。shRNAによるDKK1ノックダウンおよびリコンビナントDKK1添加実験でDKK1機能を解析した。

PDX検証: ホルモン受容体陰性乳癌PDX (patient-derived xenograft) モデル (HCI-001/002) およびHER2陽性PDXモデル (HCI-008) を外科的整形移植し、播種DTCにおけるヒトビメンチン・DKK1の共発現を免疫組織化学で評価した。

統計解析: 群間比較にMann-Whitney検定 (非正規分布データ) およびStudent’s t検定を用い、n=3-7マウス/群で各実験を実施した。有意水準はp<0.05とした。