• 著者: Syeda Maheen Batool, Tiffaney Hsia, Alexandra Beecroft, Brian Lewis, Emil Ekanayake, Yulia Rosenfeld, Ana K. Escobedo, Austin S. Gamblin, Siddarth Rawal, Richard J. Cote, Mark Watson, David T.W. Wong, Abhijit A. Patel, Johan Skog, Nickolas Papadopoulos, Chetan Bettegowda, Cesar M. Castro, Hakho Lee, Sudhir Srivastava, Bob S. Carter, Leonora Balaj
  • Corresponding author: Leonora Balaj (Massachusetts General Hospital and Harvard Medical School, Boston, MA, USA)
  • 雑誌: Cell Reports Medicine
  • 発行年: 2023
  • Epub日: 2023-10-17
  • Article種別: Review
  • PMID: 37725979

背景

リキッドバイオプシー (LB) は、EV (extracellular vesicle: 細胞外小胞)、CTC (circulating tumor cell: 循環腫瘍細胞)、cfDNA (cell-free DNA: 遊離 DNA)、cfRNA (cell-free RNA: 遊離 RNA)、タンパク質・代謝物など多様な疾患特異的アナライトを、血液・尿・唾液・CSF (cerebrospinal fluid: 脳脊髄液) などから低侵襲に検出する手法として急速に注目されている。組織生検が困難な症例や繰り返し採取が必要なモニタリング用途での有用性が期待されており、早期診断・予後予測・治療効果判定・コンパニオン診断への応用が急速に進んでいる。腫瘍の空間的不均一性は組織生検では把握しにくく、血液などの反復採取可能な生体液からの連続測定が腫瘍の分子プロファイリングに優れることが示されてきた。

しかし、LB の臨床実装を阻む最大の障壁は前解析段階 (preanalytical phase: 検体採取・処理・保存工程) にある。Neumann et al. (2018) は、ctDNA (circulating tumor DNA) と CTC の LB 応用における現状と課題を論じ、標準化されたプロトコルの欠如が多施設間での結果比較を困難にしていると指摘した。Green et al. (2013) は、血液検体の品質不良と前解析プロセスのエラーが生化学診断コストを増大させる主因であることを定量的に示し、全診断エラーの 48% から 66% が前解析段階に由来すると報告した。Yu et al. AnnOncol 2021 は、エクソソームベースの LB における機会と課題を詳細に概説した上で、検体前処理の標準化が臨床実用化の鍵と述べているが、個別アナライトを横断した前解析変数の包括的評価は手薄であった。

特に、日内変動・食事・運動・喫煙といった生理学的内因性変動が各アナライトの検出感度に与える定量的影響、および複数の生体液ごとに異なる最適採取・保存条件の体系的な整理は、これまでの研究においてギャップ (gap in knowledge) として残されていた。FDA 承認 LB アッセイが 8 件にとどまり、多施設間で検証された標準作業手順書 (SOP: standard operating procedure) が不足している点が、LB の臨床普及を強く制約している。この不足を埋める包括的レビューの必要性が本研究の動機となっている。

目的

本レビューは、LB の前解析段階における主要な外因性および内因性変数を体系的に評価し、研究者および臨床家に対して実用的なベストプラクティスを提示することを目的とする。具体的には、(1) 研究デザインと対象集団の選択、(2) 生体液の選択 (血漿・血清・尿・唾液・CSF)、(3) 検体採取手順と採血チューブ選択、(4) 処理方法と遠心分離パラメータ、(5) 保存条件とバイオバンキング、(6) アナライト分離手法および内部標準化の 6 項目を網羅的に評価する。最終的には、疾患特異的バイオマーカーの診断・予後予測精度を最大化するための、多施設共同で検証可能な包括的ガイドライン確立に向けた指針を提供する。

結果

前解析エラー率とFDA承認アッセイの現状: バイオマーカー発見・検証の全エラーのうち 48% から 66% が前解析段階に起因することが複数の報告で一致しており、多施設間で標準的な SOP が存在しないため異なる施設間の結果比較が根本的に困難である (Figure 2)。FDA 承認 LB アッセイは 2023 年時点で 8 件にとどまる (Table 1)。FoundationOne Liquid CDx は卵巣癌・NSCLC (non-small cell lung cancer: 非小細胞肺癌)・乳癌・前立腺癌を対象に BRCA1/BRCA2、ALK、PIK3CA、ATM 変異を検出し、rucaparib・osimertinib・gefitinib・erlotinib・alpelisib・olaparib・alectinib に対応する。Guardant360 CDx は NSCLC での EGFR/KRAS/BRAF 変異を検出し osimertinib のコンパニオン診断として 2020 年 8 月に承認された。CellSearch は転移性乳癌・結腸直腸癌・前立腺癌での CTC 計測に 2004 年 1 月に最初に承認されたアッセイであり、Epi proColon は大腸癌スクリーニング目的に SEPT9 遺伝子のメチル化を検出する。cobas EGFR Mutation test V2 は NSCLC の EGFR エクソン 18-21 の 42 変異 (L858R・エクソン 19 欠失・T790M を含む) を検出し erlotinib に対応する。NCI (National Cancer Institute) の Division of Cancer Prevention が多施設コンソーシアムを主導し、新規 LB 技術の開発と既存技術の再現性検証を推進している点も重要な背景である。

研究集団設計と生理学的内因性変数: 疾患コホートとコントロール設定において、年齢・性別マッチングに加え同一臓器の良性疾患患者をコントロールに含めることが推奨される。便宜的サンプリングはバイアスを導入しやすく、学術的医療センターでは重症例が過剰に代表される傾向があるため、同一アッセイでも施設間で感度が変動する。アルブミン除去法 (n=4 手法) の比較研究では、アセトニトリル-メタノール-水プロトコルが最も効率的なアルブミン除去を示したと報告されており、方法選択がプロテオミクス感度に直接影響する。前採取生理学的変数として、概日リズム・食事・絶食・季節変動・代謝疾患・高血圧・月経・妊娠・授乳・BMI (body mass index)・食前後状態・運動・喫煙・薬物使用が EVs および cfDNA の発現量に影響することが知られている。日内変動研究では健常ドナーの血漿由来 EV を追跡した結果、夕方に朝よりも大型の EV が多く検出される傾向が確認された。身体的運動や激しい活動は嫌気的局面の乳酸上昇前に小型 EV (100-130 nm) を循環中に急速に放出させる。これらの個体間・生物学的変動は小規模研究や大規模な異質コホートで制御が困難であり、変異検出アッセイ性能への影響に関する文献は依然として不足している。

生体液選択の最適化: 血漿・血清・尿・唾液・CSF の特性と採取プロトコル: 生体液の選択は腫瘍部位・アクセス性・採取の容易さによって決まる (Figure 1A)。血漿は cfDNA 変異検出において血清より一貫して優れており、血清での凝固過程で WBC (white blood cell: 白血球) 溶解により非変異 cfDNA が増大し変異アレル頻度が希釈されるためである。血清中 cfDNA の相当割合が WBC 溶解由来であることが示されており、変異検出を目的とする場合は血漿が推奨される。尿 cfDNA (ucfDNA) は採取の簡便さと患者負担の少なさが利点である。尿中 cfDNA の大部分は最初の 50 mL に含まれるが、EGFR 変異の検出感度は少なくとも 90-100 mL でピークに達する。ただし多くの分離キットがこの大量ボリュームに対応していないため、濃縮ステップが推奨される。連続採取間隔は糸球体濾過率制限を考慮して少なくとも 1.5 h が必要である。保存剤として EDTA は室温で 7 日間の安定化を可能にし、4°C では 7 日以上、-20°C では 72 日間の保存が可能である。Streck 保存剤は 4°C では不適合であり全 DNA レベルの急速低下を招く。尿遠心分離は新鮮尿で 750 × g / 10 分の第 1 段階 + 2,680 × g / 10 分の第 2 段階が推奨され、保存剤入りでは 4,000 × g / 10 分または 3,000 × g / 15 分の一段階法が用いられる。尿中 EV に関して ISEV Urine Task Force は、midstream 尿採取・デジタル直腸検査などの前処置を記録すること・MISEV2018 に準拠した採取プロトコル記載を求めている。唾液は cfDNA・miRNA・EV などを含み口腔癌・頭頸部癌の検出に有用である。非刺激唾液は刺激唾液より血清由来タンパク質濃度が高く、乳癌バイオマーカーの診断精度が統計的に有意に高い (p<0.05) ことがメタアナリシスで示されており、頭頸部癌でも同様の傾向が報告されている。RNA 抽出品質向上のため採取前 1 時間以上の絶食が推奨され、一晩の絶食が RNA の質と量を最適化する。保存剤 RNA later を加えると RNA 濃度と品質が統計的有意に向上し、保存剤なし検体は 1 時間以内の処理または -80°C 保管が必要である。CSF では少なくとも 12 mL の採取が推奨され、脊椎 L3-L5 間からの採取が標準的で赤血球数 500/μL 超の検体は除外すべきである。CSF 遠心分離は室温・400 × g・10 分 (細胞保存不要時は 2,000 × g) が推奨され、採取後 1-2 時間以内の遠心と -80°C 凍結が必要である。

採血チューブの選択と処理プロトコルの標準化: 採血チューブ選択は cfDNA 品質と白血球安定化に直接影響する (Table 2)。標準的な K2EDTA チューブは採取後 24 時間以内の処理が必須であり、これを超えると WBC 溶解によるゲノム DNA 汚染が増大し変異アレル頻度の正確な計測が妨げられる。抗凝固剤として EDTA とクエン酸は cfDNA 採取に同等に機能するが、ヘパリンはその後の PCR 増幅を阻害するため禁忌である。採取から処理まで 6 時間を超える場合は EDTA・クエン酸チューブも変異配列の検出に悪影響を及ぼすことが報告されている。Streck Cell-Free DNA BCT・PAXgene Blood ccfDNA tube (Qiagen)・Roche Cell-Free DNA Collection Tube の白血球安定化チューブは室温で 7 日間ゲノム DNA 汚染を防止し、14 日間は一部汚染ありとなる。Streck チューブは室温 72 時間インキュベーション後に KRAS 変異検出において EDTA チューブより優れた性能を示し、白血球安定化チューブは EDTA チューブ比で約 10-fold のゲノム DNA 汚染抑制効果が報告されている。さらに、NGS (next-generation sequencing) ライブラリ作製において Roche・Streck チューブは 3 日間保存後も EDTA チューブと比較して品質・複雑性が同等以上を維持した。採血手技面では穿刺部位・駆血帯・患者体位 (仰臥位・立位・座位)・針のゲージ・チューブ材質・分離ゲル・界面活性剤が結果に影響することが知られている。温度偏差 (推奨範囲 4°C または 40°C 以外) は高分子 DNA 増大を招くことが示されており、安定化チューブの指定温度管理が品質確保に重要である。遠心分離は 2 段階法が推奨され、第 1 段階を 1,600 × g (または 800-2,000 × g 範囲)・10-20 分、第 2 段階を 16,000 × g (または 2,000-16,000 × g 範囲)・10 分とする方法が広く採用されている。4°C から室温の範囲では cfDNA 収量に有意差はなく、解凍後の第 2 段階遠心分離も収量に有意な損失をもたらさないことが確認されている。

保存・バイオバンキングと凍結融解サイクルの管理: cfDNA 保存には -80°C での血漿アリコート保管が推奨される。長期保存 (5-21ヶ月) では cfDNA 収量が低下する可能性があるが、-80°C での 2 週間および -20°C での 4 週間の保存では同様の低下は認められない。凍結融解サイクルについては、ある研究では 3 回の凍結融解が cfDNA 抽出に有意な影響を与えないとされた一方、別の研究では繰り返しの凍結融解が cfDNA 断片化を引き起こし DNA 濃度が不変でも断片化リスクが増大することを示した。miRNA については急速凍結融解サイクルにより小量検体での検出が改善した報告もあり、アナライトごとに適切なプロトコルが異なる。尿は cfDNA 目的であれば保存剤あり室温または保存剤なし 4°C が適切であり、miRNA 目的では -20°C が推奨される。CSF は -80°C 保存とし、アリコート量は 0.1-1 mL でチューブの 75% を満たすことが求められる。唾液は -80°C を基本とするが RNA stabilizer 使用時は室温で最大 1 年間保存可能なチューブも利用できる。低存在量ターゲット (変異アレル頻度 <0.1%) 検出には digital PCR・ターゲットシーケンシング・アレル特異的磁気ビーズ捕捉・CRISPR-Cas9 ガイドシステムなど S/N (signal-to-noise: 信号対雑音) 比向上技術が用いられる。プロテオミクス解析では albumin (アルブミン) が血液タンパク質量の約 50% を占めるため LC-MS (liquid chromatography-mass spectrometry) での低存在量タンパク質シグナルが遮蔽される問題があり、アルブミン除去後のプロテオミクス検出ピーク数は 2-fold 以上増大するが同時に関連タンパク質情報が一部失われるリスクも伴う。

内部標準化・スパイクインと多施設間再現性の課題: 内部標準 (spike-in) は発見段階から検証段階・最終臨床アッセイまで全検体に組み込まれるべき品質管理ツールである。シーケンシングベース研究の標準化には ERCC (External RNA Controls Consortium) スパイクインが有効であり、出発材料の品質・RNA 投入量・使用プラットフォームを制御しつつ異なる検体間・実験間の正規化指標としても機能する。ターゲットアプローチとして、合成遺伝子標準 (既知入力量・SNP なし) を用いた方法は偽陽性排除・信頼できる品質管理の提供・全シーケンシングアナライトの検出限界の定義を可能にする。PCR の内部標準として Q-beta バクテリオファージや armored RNA などのウイルス粒子をバイオフルイドにスパイクする方法があり、定量的・定性的リファレンスを提供する。複数施設での同一 LB アッセイ適用では、CSF 由来 EV RNA を対象とした多施設研究において同一キット使用でも統計的有意な施設間差が観察されており、原因は検体処理の誤りやメーカー指示からの逸脱にあった。これはサンプルドキュメンテーションと報告の徹底、そしてスパイクイン標準の少なくとも 1 種類の全施設共通実装が発見・検証・臨床応用において不可欠であることを示している (Yu et al. AnnOncol 2021)。また、バイオフルイドは albumin・fibrinogen・immunoglobulin (免疫グロブリン) などの高存在量分子が豊富であり、標的ではない背景シグナルが疾患特異的バイオマーカーを遮蔽する。標準化されたアナライト分離手法の確立なしには、施設間の感度・特異度比較は困難であり、大規模多施設共同研究の設計において前解析 SOP の先行確立が必須条件となる (Rossi et al. CancerRes 2019)。

考察/結論

本レビューは、LB の前解析段階が診断精度の最大のボトルネックである事実をエラー率 48-66% という定量的データで明示した点で臨床的意義が高い。各生体液 (血漿・尿・唾液・CSF) と各アナライト (EV・cfDNA・CTC・cfRNA・タンパク質) を横断し、採血チューブ選択から長期バイオバンキングまでの工程別に実用的推奨事項を整理した構成は、実際の研究立案と施設間比較の指針として有用である。

先行研究との違い: これまでの報告 (Neumann et al. 2018, Agrawal et al. 2018 など) は特定のアナライト (ctDNA または CTC のみ) あるいは特定の変数 (採血チューブなど) に焦点を当てることが多く、LB の全アナライトと前解析変数を一体的に評価した包括的な総説は不足していた。既報と対照的に、本レビューは日内変動・運動・食事などの内因性生理学的変動がバイオマーカー検出に与える影響を各アナライトへの影響と合わせて網羅的に整理した。また FDA 承認 8 件のアッセイを承認年・対象癌種・遺伝子変異・対応薬剤を含む詳細な表形式 (Table 1) で提示した点も、これまでの報告と相違する貢献である。ISEV Urine Task Force ポジションペーパーとの整合性評価も本稿が新規に行った作業であり、uEV 前解析の標準化に向けた実践的指針を示した。

新規性: 本レビューで新規に整理された点として、EDTA 保存が 4°C では有効であるが Streck 保存剤とは不適合 (4°C で DNA 急速低下) という相互作用の明示、複数採血チューブ間での NGS ライブラリ品質の比較、および各生体液の最適遠心分離パラメータの統合的記述が挙げられる。これらは本研究で初めて整合的にまとめられた臨床実装に直結する知見といえる。特に、合成スパイクイン標準の多施設共通実装が施設間再現性確保の鍵として強調されたことは、LB 研究設計における新規な推奨事項として位置づけられる。前解析 SOP の確立に向けた基盤的リソースを提供した点は novel な貢献である。

臨床応用: 本知見は LB の臨床現場での信頼性・再現性向上に直結する臨床的意義を持つ。具体的には、(1) 白血球安定化チューブ (Streck/PAXgene/Roche) の選択により採取から処理まで最大 7-14 日の輸送時間を確保でき、遠隔地患者のアクセス改善に貢献する、(2) 尿 cfDNA の EDTA 保存プロトコルと最適容量設定 (90-100 mL) により EGFR 変異検出感度を最大化できる、(3) 非刺激唾液の採用と一晩絶食プロトコルにより口腔癌・頭頸部癌の診断精度が向上する、(4) ERCC スパイクインの多施設共通実装により異なるプラットフォーム間の結果比較が可能になる。これらの橋渡し (bench-to-bedside) 的知見は、個別化医療の実現に向けた LB の臨床的有用性を担保するために不可欠であり、コンパニオン診断精度の向上と新たな FDA 承認アッセイの創出に貢献する基盤となる。

残された課題: 今後の検討として、(1) 生理学的内因性変数が変異検出感度へ与える定量的影響の解明 (日内変動を対照とした大規模コホート研究)、(2) 凍結融解サイクルや温度ストレスが EV の完全性 (integrity) に与える影響の標準化、(3) 非 shed 型腫瘍における偽陰性リスクの軽減戦略、(4) 多施設プロフィシエンシー試験スキームの拡充、(5) 早期癌・MRD (minimal residual disease: 微小残存病変) 応用での超低存在量シグナル保護プロトコルの開発が残された課題として挙げられる。これらの課題解決には、アナライト別最適 SOP の大規模多施設共同前向き研究での検証が今後の研究の中心的な方向性となる (future research)。検体ドキュメンテーションの標準化と生物学的変動の制御方法の確立が、LB の診断・予後予測ツールとしての信頼性を根本的に高めるための最優先事項である。

方法

本研究は、LB の前解析変数を対象としたナラティブレビューとして実施された。文献検索には PubMed、Embase、Cochrane Library、Web of Science の医学データベースを使用し、2023 年までに公刊された英語論文を対象とした。検索キーワードには “liquid biopsy”・“preanalytical”・“cell-free DNA”・“extracellular vesicles”・“circulating tumor cells”・“blood collection tube”・“biobanking” などを組み合わせた。

FDA 承認 LB アッセイのデータは規制当局の公開情報から収集し Table 1 に網羅した。CellSearch (January 2004) を皮切りに、Epi proColon (April 2016)、cobas EGFR Mutation test V2 (June 2016)、therascreen PIK3CA RGQ PCR Kit (May 2019)、Guardant360 CDx (August 2020)、FoundationOne Liquid CDx (August 2020 / expanded fall 2020)、OncoBEAM RAS CRC Kit、ONCO/Reveal Dx Lung & Colon Cancer Assay (July 2021) の 8 件を対象とした。

採血チューブ比較データ (Table 2) は、Streck Cell-Free DNA BCT (10 mL、室温 7 日間)、PAXgene Blood ccfDNA tube by Qiagen (8 mL、室温 7 日間)、Roche Cell-Free DNA Collection Tube (8 mL、室温 7-14 日間)、K2EDTA (7.5 mL、室温 24 時間) の性能を digital PCR による cfDNA 汚染評価研究から比較した。

EV 関連については、ISEV (International Society for Extracellular Vesicles) Urine Task Force の位置付け論文 (Erdbrügger et al. 2021)、MISEV2018 (Minimal Information for Studies of Extracellular Vesicles 2018) ガイドラインを参照し、uEV (urinary EV: 尿中細胞外小胞) の分離前処理・特性解析マーカー (テトラスパニン CD9/CD63/CD81 等) の記載要件との整合性を評価した。また、BRISQ (Biomarker Reporting for In Vitro Studies) ガイドラインおよび REMARK (Reporting Recommendations for Tumor Marker Prognostic Studies) ガイドラインを参照し、既存標準化努力の現状と限界を明確化した。統計手法として引用文献では診断メタアナリシス (唾液バイオマーカー乳癌診断) が使用されており、Spearman 相関や比較群間の統計的有意差検定が各引用研究の根拠として用いられている。