- 著者: Chatterjee M, Turner DC, Felip E, Lena H, Cappuzzo F, Horn L, Garon EB, Hui R, Arkenau HT, Gubens MA, Hellmann MD, et al.
- Corresponding author: Øystein Fløtten (Department of Thoracic Medicine, Haukeland University Hospital, Bergen, Norway)
- 雑誌: Annals of Oncology
- 発行年: 2016
- Epub日: 2016-04-26
- Article種別: Original Article
- PMID: 27117531
背景
Pembrolizumabは、programmed death-1 (PD-1) を標的とする高選択的なヒト化IgG4モノクローナル抗体であり、PD-L1に対する結合親和性(半数阻害濃度 [IC50] 0.1〜0.3 nM)およびPD-L2に対する結合親和性(IC50 0.5〜0.9 nM)は低ナノモル濃度域にある。Pembrolizumabは、典型的モノクローナル抗体としての薬物動態 (PK) 特性を示し、低クリアランス (CL 0.2 L/day)、限定的な中心分布容積 (3.7 L) および末梢分布容積 (4.4 L)、低〜中等度の個体間変動 (CV 22〜41%) を有する。0.1〜10 mg/kgの定常状態において血清曝露は線形挙動を呈し、血中半減期は14〜22日と長いことが報告されている (Dirks et al. Clin Pharmacokinet 2010, Gangadhar et al. J Clin Oncol 2015, Patnaik et al. Clin Cancer Res 2015)。
第Ib相KEYNOTE-001試験 (NCT01295827) の最初の495名の進行非小細胞肺癌 (NSCLC) コホートでは、pembrolizumabが持続的な抗腫瘍活性と忍容性の良好な毒性プロファイルを示し、その効果の大きさが腫瘍PD-L1発現量 (tumor proportion score, TPS) に依存することがGaron et al. NEnglJMed 2015により報告された。米国FDAは2015年に既治療PD-L1陽性進行NSCLCに対してpembrolizumab 2 mg/kg Q3Wをaccelerated approval programで承認した。しかし、KEYNOTE-001は10 mg/kg Q3W、10 mg/kg Q2W、2 mg/kg Q3Wと複数のスケジュールが採用された複合的な試験デザインであり、承認すべき臨床用量を決定するための統合的なPK/薬力学 (PD) 解析が不可欠であった。メラノーマでの無作為化比較において2 mg/kg vs. 10 mg/kg Q3Wに有効性差が認められなかったことを受けて、NSCLCでも2 mg/kg Q3Wコホートが追加されたという経緯がある (Robert et al. Lancet 2014)。
従来の抗腫瘍薬の用量設定は最大耐容用量 (MTD) に基づくことが多いが、免疫チェックポイント阻害薬のような分子標的薬では、生物学的有効用量 (BED) がMTDよりもはるかに低い可能性が指摘されている (Sachs et al. Clin Cancer Res 2016, Postel-Vinay et al. Eur J Cancer 2014)。このため、従来のMTDベースのアプローチでは、患者が不必要に高用量に曝露され、毒性が増加するリスクがあるという課題が残されている。特に、抗PD-1/PD-L1療法における用量と曝露量、そして有効性・安全性との関係は未解明な点が多かった。本研究は、抗PD-1/PD-L1療法に対する初の包括的な集団PK/PDモデリング解析として位置づけられ、この知識のギャップを埋めることを目的とした。従来の用量設定アプローチでは、免疫チェックポイント阻害薬の真の有効用量を特定するための情報が不足しているという問題意識があった。
目的
KEYNOTE-001試験の進行NSCLC全コホートのデータを統合し、pembrolizumabの用量・曝露量と抗腫瘍効果および免疫関連有害事象 (immune-mediated adverse events, AE) の関係を非線形混合効果 (NLME) モデリングと回帰解析で包括的に評価することにより、進行NSCLCに対する有効かつ適切な臨床用量を科学的根拠に基づいて定義すること。特に、2 mg/kg Q3W、10 mg/kg Q3W、10 mg/kg Q2Wの3種類の投与レジメン間での有効性および安全性の曝露量依存性を定量的に評価し、最適な用量選択を裏付けるエビデンスを確立することを目的とした。また、腫瘍サイズ変化量 (sum of longest diameters, SLD) の縦断的データを用いて、PD-L1発現状態やEGFR変異状態などの共変量が治療効果に与える影響を解析し、用量とは独立した治療反応性の規定因子を特定することも目的とした。
結果
2 mg/kg Q3Wコホートの臨床成績: 2014年4月3日から7月14日までに既治療NSCLC患者55名が登録された。データカットオフ (2015年1月23日) 時点での最短追跡期間は27週であり、15名 (27%) がpembrolizumab投与継続中であった。中断の最多理由は疾患進行 (n=20、36%) であった。ベースラインで中央判定の測定可能病変を有した52名における客観的奏効率 (ORR) は15% (95% CI 7〜28%)、病勢コントロール率 (DCR) は50% (95% CI 36〜64%) であった。PD-L1 TPSサブグループ別ORRは、TPS ≥ 50% (n=23) で30% (95% CI 13〜53%)、TPS 1〜49% (n=23) で0% (95% CI 0〜15%)、TPS < 1% (n=4) で25% (95% CI < 1〜81%) であった。腫瘍縮小 (SLDのベースライン比減少) は、PD-L1発現が既知の2 mg/kg Q3W投与患者の67%で認められた (Figure 1A)。
用量間の観察ORR・DCRの比較: KEYNOTE-001内の類似適格規準を満たす10 mg/kgランダム化コホートと比較すると、ORRは10 mg/kg Q3W (n=155) で25% (95% CI 18〜33%)、10 mg/kg Q2W (n=105) で21% (95% CI 14〜30%) であり、2 mg/kg Q3Wの15%に対してやや高い点推定値を示したが、DCRは3群とも48〜50%で重複していた (Table 1)。PD-L1 TPS ≥ 50%サブグループでは10 mg/kg Q3W (n=42) のORRが48% (95% CI 32〜64%) と最も高く、2 mg/kg Q3W (n=23) の30%、10 mg/kg Q2W (n=31) の39% (95% CI 22〜58%) と比較しても95% CIが大きく重複し、統計的に明確な有意差は認められなかった。腫瘍縮小は10 mg/kg Q3Wで66% (Figure 1B)、10 mg/kg Q2Wで63% (Figure 1C) と、2 mg/kg Q3Wの67%と同等であった。
安全性プロファイルの用量間比較: KEYNOTE-001のNSCLC全550名における治療関連AEの発生頻度 (Table 2) は、2 mg/kg Q3W (n=61) でany grade 51% (n=31)・grade 3〜5が8% (n=5)・治療中断に至るAEが7% (n=4)・治療関連死亡が2% (n=1)、10 mg/kg Q3W (n=287) でany grade 70%・grade 3〜5が12%・中断4%・死亡 < 1%、10 mg/kg Q2W (n=202) でany grade 73%・grade 3〜5が9%・中断4%・死亡0%であった。Immune-mediated AEの頻度も2 mg/kg Q3Wで15% (n=9)、10 mg/kg Q3Wで14% (n=39)、10 mg/kg Q2Wで16% (n=32) と3群間で類似していた。2 mg/kg Q3Wコホートで報告されたgrade 3〜5治療関連AEはgrade 3大腸炎2名・grade 5心肺停止1名 (75歳男性、投与30日後に肺炎疑いで入院し3日後に死亡)・grade 4肺臓炎1名・grade 3肺臓炎1名であった。Immune-mediated AEの内訳は大腸炎 (grade 3が2名、grade 1が1名)、甲状腺機能低下症 (grade 2が2名、grade 1が1名)、肺炎 (grade 3が1名、grade 4が1名)、剥脱性皮膚炎 (grade 1が1名) であった。
探索的回帰解析による曝露量-有効性関係: Week 18時点の腫瘍サイズ変化率とAUCss-6weeksの関係について、既治療例170名を対象に実施した探索的線形回帰分析では、PD-L1発現量別の層別解析・プール解析いずれにおいても回帰直線の傾きはゼロと有意差なし (p > 0.05) であった (Figure 2)。同一用量内の患者間でAUCss-6weeksの高低が腫瘍縮小の程度と関連しないという所見は、用量に依存しないフラットな曝露量-反応性関係の予兆であった。
NLMEモデリングによる確認: 全496名の腫瘍サイズデータを同時にフィットしたNLMEモデルでも、pembrolizumab個別曝露量がk-deathに有意な影響を及ぼすことは認められなかった (-2 log-likelihood reductionとχ²検定でp=0.54)。曝露量-反応性パラメータθの点推定値は0.196で95% CIは-0.0784〜0.47であり、ゼロを跨いだことから、フラットな曝露量-反応性関係と区別不能と結論づけられた。共変量探索の結果、個体間の腫瘍サイズ動態変動を有意に説明する因子としてPD-L1発現状態 (k-deathに影響) とEGFR変異状態 (fに影響) のみが選択され、これらの影響は用量から独立していた。年齢・性別・体重・喫煙歴・ECOG PSなどは有意な共変量ではなかった。
シミュレーションによる用量-反応性の評価: 最終モデルを用いたシミュレーション (1,000試行 × 各1,000名) では、week 27時点でのPD-L1 TPS ≥ 50%患者における中央値奏効率は、2 mg/kg Q3Wで39% (90% CI 31〜46%)、10 mg/kg Q3Wで40% (90% CI 34〜45%)、10 mg/kg Q2Wで44% (90% CI 37〜49%) であり、3用量間で90% CIが大きく重複した (Figure 3A)。PD-L1 TPS 1〜49%患者でも同様にCIの重複が認められ (Figure 3B)、TPS < 1%でもk-deathと曝露量の関係はフラットであった。モデル推定のθがわずかに正であることから、用量・投与頻度の増加に伴い奏効率がわずかに増加・安定病変率がわずかに減少する可能性は完全には排除できないが、CIの有意な重複は抗腫瘍反応がこの用量範囲で飽和している (saturated response) ことを強く示唆した。
曝露量-安全性解析: 544名の安全性評価対象集団において、ロジスティック回帰では治療期間がimmune-mediated AE発生の有意な規定因子として同定された。治療期間を調整後、AUCss-6weeksとimmune-mediated AEとの間に有意な関係は認められなかった (p=0.57)。Time-to-event解析でもAUCss-6weeksとimmune-mediated AE発生ハザードとの有意な相関はなかった (p=1.0)。最終ロジスティック回帰モデルからのシミュレーション (曝露量との関係を強制的に組み込んだ場合) では、9か月時点でのimmune-mediated AEの予測発生率は2 mg/kg Q3Wで26%、10 mg/kg Q3Wで27%、10 mg/kg Q2Wで28%とほぼ同等であった。
考察/結論
本研究の意義と新規性: 本研究は、観察された臨床データに加え、包括的なNLMEモデリングとシミュレーションを組み合わせた多層的な評価アプローチにより、pembrolizumab 2〜10 mg/kgの用量範囲において有効性・安全性ともに有意な曝露量依存性が存在しないことを、複数の独立した解析手法で支持した。これは抗PD-1/PD-L1療法を標的とする治療薬を対象とした本研究で初めての包括的集団PK/PD解析であり、通常の細胞傷害性抗腫瘍薬に見られるような急峻なdose-toxicity関係とは根本的に異なるパターンを示した点で新規性がある。
メカニズム的考察とBED概念: Pembrolizumabの血清曝露量が0.1〜10 mg/kgの範囲で線形PKを示すにもかかわらず有効性にフラットな用量反応関係が存在することは、PD-1受容体占有率がこの用量範囲の下限 (2 mg/kg) においてすでに臨床的効果を達成するのに十分なレベルに達している可能性を示唆する。すなわち、生物学的有効用量 (BED) は最大耐容用量 (MTD) よりもはるかに低い可能性があり、これは免疫療法・分子標的療法のdose-findingにおける従来のMTD-based approachの限界を示す典型例と言える。実際、前臨床PK、PD-1受容体占有率データ、同系マウス腫瘍モデルの抗腫瘍データ、および早期臨床PKデータを統合したtranslational PK/PDモデル (Lindauer et al. 2014) が、2 mg/kg Q3Wでの臨床有効性を事前に予測していたことも本結論と整合する。Herbst et al. Lancet 2016によるKEYNOTE-010試験でも2 mg/kgと10 mg/kg Q3Wで有効性・安全性が同等であったことが独立した前向き試験データとして本研究の結論を追確認しており、先行研究の結果と異なり、本研究はより広範な用量範囲での包括的な評価を行った点で重要である。これらの結果は、従来の抗がん剤開発におけるMTD決定アプローチとは対照的に、免疫チェックポイント阻害薬においてはBEDの概念がより重要であることを示唆する。
PD-L1発現量とEGFR変異の役割: NLMEモデル解析において、個体間の腫瘍サイズ動態変動を有意に説明する共変量として選択されたのはPD-L1発現状態とEGFR変異状態のみであった。PD-L1高発現 (TPS ≥ 50%) は高いk-death (腫瘍縮小速度) と関連し、EGFR変異は治療応答性腫瘍分画 (f) に影響したが、これらの効果は用量から独立していた。この所見は、pembrolizumabに対する治療反応性の規定因子が患者固有の腫瘍免疫学的特性であり、投与する薬剤量の増減によって改善するものではないことを示している。臨床的には、PD-L1 TPS 1〜49%グループで2 mg/kg Q3Wコホートで0%のORRが観察された点はサンプルサイズ (n=23) の限界に起因する可能性が高いが、TPS 1〜49%における奏効率の絶対値がTPS ≥ 50%より低いというbiologyはモデル全体の所見と一致する。
フラットな曝露量-安全性関係の含意: 免疫関連AEの発生が治療期間のみと有意に関連しAUCss-6weeksとは無関係であるという知見は、immune-mediated AE riskが投与量ではなくpembrolizumabへの累積暴露 (治療期間) に依存することを示す。これは、高用量への増量によって免疫関連AE riskが増大しないことを意味する一方で、低用量2 mg/kgによってもリスクが特段に軽減されるわけではないことも示唆する。臨床的意義として、患者ごとのAE risk層別化において血清トラフ濃度の測定よりも治療期間 (累積投与回数) のモニタリングが重要であることを意味する。
研究の限界と残された課題: 第一に、NLMEモデルは標的病変SLDのみを扱っており、非標的病変の縮小や新病変出現などのEisenhauer et al. EurJCancer 2009判定に関わる要素は考慮されていないため、シミュレーション結果を従来のRECIST奏効率と直接比較する際は解釈に注意を要する。第二に、2 mg/kgコホートは10 mg/kgコホートに比べて追跡期間が短く (中央値8か月 vs. 16か月) 長期の有効性データは限られる。第三に、本解析はKEYNOTE-001という単一試験コホートに基づくため、より広範な集団 (複数治療ライン、ECOG PS 2、肝・腎機能障害例など) への一般化には他試験データの統合が必要である。今後の課題として、(1) 固定用量 (flat dosing) スケジュール (200 mg Q3W、400 mg Q6W) に対する同様の曝露量-反応性検証、(2) 他の免疫チェックポイント阻害薬 (nivolumab、atezolizumab) への本解析アプローチの応用、(3) 個体間PK変動 (体重・腎機能・低アルブミン) が実臨床でどこまで臨床的に意義のある有効性差を生み出すかの追加検討、(4) 化学療法・他の免疫療法との併用レジメンにおける曝露量-反応性関係の評価などが挙げられる。
結論: 本研究は、KEYNOTE-001 NSCLC全コホートの臨床データと包括的NLMEモデリング・1,000試行シミュレーションにより、pembrolizumab 2〜10 mg/kgの範囲では有効性 (ORR・腫瘍縮小速度) ・安全性 (immune-mediated AE発生率) のいずれにも有意な曝露量依存性が存在せず、2 mg/kg Q3Wが有効性プラトーに近いことを明らかにした。PD-L1発現状態とEGFR変異状態が用量から独立した腫瘍反応性の規定因子であり、免疫関連AE riskは投与量よりも治療期間によって規定された。これらの知識は既治療進行NSCLCに対するpembrolizumab 2 mg/kg Q3WのFDA承認用量を強力に支持し、抗腫瘍免疫療法の用量最適化におけるBED概念の重要性、すなわちMTDを超えた用量設定が免疫チェックポイント阻害薬においては不要であることを示した。
方法
研究デザインと対象集団:KEYNOTE-001は多施設オープンラベル第Ib相試験で、進行NSCLCの複数の拡張コホートを含む。主要解析対象はpembrolizumab 2 mg/kg Q3W (n=55)、10 mg/kg Q3W (n=238)、10 mg/kg Q2W (n=156) を受けた計449名であった。曝露量-有効性解析では、薬物動態データとベースラインでEisenhauer et al. EurJCancer 2009測定可能病変を有する計496名 (2 mg/kg Q3Wで治療歴なし6名・既治療47名、10 mg/kg Q3Wで治療歴なし45名・既治療216名、10 mg/kg Q2Wで治療歴なし39名・既治療143名) が対象となった。PD-L1発現は免疫組織化学 (IHC) 法と22C3抗体を用いて評価され、腫瘍細胞の膜性PD-L1染色が1%以上の腫瘍割合スコア (TPS) を陽性と定義した。患者は、プラチナ製剤ベースの化学療法およびEGFR変異またはALK転座がある場合は適切なチロシンキナーゼ阻害薬による治療後に疾患進行が認められた局所進行または転移性NSCLC患者であった。ECOGパフォーマンスステータスは0〜1であり、十分な臓器機能を有し、肺炎の既往歴や全身性免疫抑制療法、活動性自己免疫疾患がないことが条件であった。
曝露量の定義:曝露量の指標として定常状態における6週間の曲線下面積 (AUCss-6weeks) を用いた。AUCss-6weeksの典型値は7,079 μg·day/mLであった。この指標はQ2WとQ3Wの両スケジュールで整数倍の投与間隔を与え、PKの線形性に基づく便宜性、および早期脱落による累積曝露量への交絡 (時間依存性曝露指標が偽陽性の曝露-反応関係を生み出すリスク) を回避する利点があるため選択された。Pembrolizumab血中濃度は限界定量10 ng/mLのelectrochemiluminescence免疫測定法で評価した。AUCss-6weeksは独立した母集団薬物動態モデルから導出された。
腫瘍サイズ NLME モデル:すべての腫瘍サイズデータ (標的病変の最長径の合計、SLD) を同時にフィットする非線形混合効果 (NLME) モデルを構築した。モデルは (1) ベースライン腫瘍径、(2) 一次速度定数k-growth (腫瘍成長)、(3) 一次速度定数k-death (応答する腫瘍分画の除去)、(4) 治療に応答可能な腫瘍分画 (f、残り1-fは指数関数的成長を継続)、(5) ベースラインから初回投与までの遅延 (delay) で記述された。k-growthとk-deathは推定中に正に制約され、個々のパラメータは対数正規分布すると仮定された。薬物効果はlog-linear relationshipとしてk-deathに組み込み、AUCss-6weeksと曝露量-反応性パラメータθで表現した。共変量探索はPsNのstepwise covariate modeling機能を用い、前向き組み込みp<0.01・後ろ向き除外p<0.001の厳格な基準で実施し、PD-L1発現状態、喫煙歴、ECOG PS、年齢、性別、体重、ベースライン腫瘍サイズ、前治療、EGFR変異状態を候補とした。
シミュレーション:最終モデルパラメータ分布から1,000セットを抽出し、各用量で1,000名の患者試験を1,000回シミュレートした。SLD出力は奏効 (SLD 30%以上減少)、安定 (SLD 30%未満減少・20%未満増加)、進行 (SLD 20%以上増加) に分類した (非標的病変・新病変は考慮せず)。これらのカテゴリーは標準的なEisenhauer et al. EurJCancer 2009カテゴリーに類似するが、非標的病変や新病変は考慮されていない。
曝露量-安全性解析:薬物動態データを有するNSCLC全コホート544名を対象に、AUCss-6weeksとimmune-mediated AE発生頻度の関係をロジスティック回帰で解析した。Immune-mediated AEはprespecified list (大腸炎・肺炎・甲状腺機能異常など) から事前定義した。時間-イベント解析も実施し、AUCss-6weeksとimmune-mediated AE発生ハザードとの関係を評価した。