- 著者: Arun Rajan, Alisa K. Sivapiromrat, Meredith J. McAdams
- Corresponding author: Arun Rajan (Thoracic and Gastrointestinal Malignancies Branch, Center for Cancer Research, National Cancer Institute, National Institutes of Health, Bethesda, MD 20892, USA)
- 雑誌: Cancers
- 発行年: 2024
- Epub日: 2024-03-30
- Article種別: Review
- PMID: 38611047
背景
胸腺上皮性腫瘍 (TETs: thymic epithelial tumors) は、胸腺腫 (thymoma) 、胸腺がん (thymic carcinoma) 、および胸腺神経内分泌腫瘍を含む組織学的に多様な稀少疾患である。米国における年間罹患率は、胸腺がんが100万人あたり0.48例、胸腺腫が100万人あたり2.2例と報告されている。TETsは胸腺の上皮細胞から発生し、世界保健機関 (WHO: World Health Organization) の組織分類に基づいて、上皮細胞の形態、器官特異的特徴の保持、未熟T細胞の混在度、核の異型性や多形性などにより詳細に分類される Marx et al. JThoracOncol 2022。分子生物学的な特徴として、TETsは他の多くの固形がんと比較して腫瘍遺伝子変異量 (TMB: tumor mutational burden) が極めて低く、治療標的となるようなドライバー遺伝子変異に乏しいことが明らかになっている Radovich et al. CancerCell 2018。
TETsの最もユニークな臨床的特徴は、胸腺における自己免疫寛容機構の破綻に起因する、高頻度な副腫瘍性自己免疫疾患の合併である。正常な胸腺において、胸腺上皮細胞 (TECs: thymic epithelial cells) は自己免疫調節因子 (AIRE: autoimmune regulator) やFezf2 (forebrain-expressed zinc finger 2) などの転写因子の制御下で自己抗原 (TSAs: tissue self-antigens) を発現し、これらに反応する自己反応性T細胞を排除する「負の選択」や、免疫抑制を司る制御性T細胞 (Tregs: regulatory T cells) の産生を通じて、全身の免疫寛容を維持している。しかし、胸腺腫においては胸腺組織の構造変化、MHC class II発現の低下、AIRE発現の欠損、FoxP3陽性Tregsの産生不全、およびT細胞受容体 (TCR: T cell receptor) シグナル伝達に関わる遺伝子多型などが複雑に絡み合い、自己寛容が破綻している。その結果、重症筋無力症 (MG: myasthenia gravis) を筆頭に、赤芽球癆、自己免疫性肺臓炎、PIT-1 (pituitary-specific transcription factor-1) 抗体症候群などの多様な自己免疫疾患が誘発される。
治療面においては、切除可能例に対する外科的切除が治療の根幹であるが、進行・切除不能例や再発例に対してはプラチナ製剤ベースの多剤併用化学療法が標準治療として実施され、30%から60%の奏効率が報告されている。しかし、化学療法後に再発した症例に対する2次治療以降の全身療法は選択肢が極めて限定的であり、その奏効率や生存期間に対する寄与は極めて低い。近年、免疫チェックポイント阻害薬 (ICIs: immune checkpoint inhibitors) が多くの固形がんで劇的な治療効果を示しているが、TETsにおけるICIsの導入は、自己免疫寛容の破綻に伴う重篤な免疫関連有害事象 (irAEs: immune-related adverse events) の高発現リスクという大きな障壁に直面している Michot et al. EurJCancer 2016。特に胸腺腫においては、致死的な心筋炎や筋炎の発症リスクが高いため、臨床試験外でのICI使用は原則禁忌とされている。このように、TETsに対する免疫療法の有効性と安全性を両立させるための最適な治療戦略や、治療反応性および毒性を予測するバイオマーカーの確立は依然として未解明であり、臨床現場における重大な課題として残されている。安全にICIを適応するためのスクリーニング手法や、irAEの管理方法に関するエビデンスが圧倒的に不足しているのが現状である。
目的
本総説は、胸腺上皮性腫瘍 (TETs) に対する免疫チェックポイント阻害薬 (ICIs) および新規免疫療法の現状と将来の展望を包括的に整理することを目的とする。具体的には、以下の5つの主要なテーマについて最新のエビデンスを統合し、詳細な議論を展開する。
- 既治療の再発・進行性胸腺腫および胸腺がんに対する、単剤ICI療法 (抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体) の臨床的有効性と安全性の評価。
- 治療反応性を予測するためのバイオマーカー (PD-L1発現、TMB、遺伝子変異プロファイル、腫瘍微小環境における免疫細胞浸潤パターンなど) の同定。
- TETsに特異的な重篤なirAE、特に多発性筋炎、心筋炎、重症筋無力症 (MG) の臨床的特徴と発症機序の解明、および治療前の抗アセチルコリン受容体 (AChR: acetylcholine receptor) 自己抗体を用いたリスク層別化プロトコルの提示。
- 局所進行例や切除可能例に対する、術前・術後補助療法 (周術期治療) や化学放射線療法後の地固め療法としてのICIの適応拡大に向けた臨床試験の整理。
- ICIの限界を克服するための新規治療アプローチ、すなわち抗血管新生薬との併用療法、二重免疫チェックポイント阻害、がんワクチン、サイトカイン療法、リボソーム生物発生阻害薬PT-112、およびCAR (chimeric antigen receptor) -T細胞療法やTCR-T細胞療法などの細胞療法の開発状況と今後の方向性の提示。
結果
ICI単剤療法の臨床的有効性と限界: 既治療の再発・進行性胸腺がんおよび胸腺腫に対する単剤免疫チェックポイント阻害薬 (ICI) の臨床試験成績は、一定の治療効果を示す一方で、その限界も浮き彫りにしている。Giacconeらが実施した第II相試験では、既治療の胸腺がん患者40例 (n=40) に対し、抗PD-1抗体であるpembrolizumabを投与した結果、客観的奏効率 (ORR) は22.5% (95% CI 10.8-38.5%) であり、無増悪生存期間 (PFS) 中央値は4.2ヶ月、全生存期間 (OS) 中央値は25.5ヶ月であった Giaccone et al. LancetOncol 2018。また、Choらによる第II相試験では、胸腺腫7例 (n=7) においてORR 28.6%、PFS中央値6.1ヶ月、OS中央値は未到達であったのに対し、胸腺がん26例 (n=26) ではORR 19.2%、PFS中央値6.1ヶ月、OS中央値14.5ヶ月であった Cho et al. JClinOncol 2019。抗PD-1抗体nivolumabを用いたPRIMER試験 (n=15) では、ORRは0%に留まり、PFS中央値3.8ヶ月、OS中央値14.1ヶ月であった。さらに、EORTC-ETOP NIVOTHYM (Nivolumab in Patients with Pre-treated Type B3 Thymoma and Thymic Carcinoma) 試験 (n=49) の単剤コホートでは、ORR 12.0%、PFS中央値6.0ヶ月、OS中央値21.3ヶ月が報告されている。抗PD-L1抗体avelumabのパイロット試験では、胸腺腫12例 (n=12) でORR 17%、PFS中央値6.4ヶ月、胸腺がん10例 (n=10) でORR 20%、PFS中央値14.7ヶ月であった。これらの結果から、単剤ICIのORRは総じて25%未満であり、一部の症例で持続的な奏効が得られるものの、全体としての治療効果は限定的であることが示された (Table 1)。
TETs特異的な重篤な神経筋系irAEの発生頻度: TETsに対するICI治療において最も懸念されるのは、他のがん種と比較して極めて高頻度に発生する、重篤な筋肉および神経系免疫関連有害事象 (irAEs) である。胸腺がん患者における抗PD-1療法では、多発性筋炎 (polymyositis) の発生率が0-20%、心筋炎 (myocarditis) が0-5%、重症筋無力症 (MG) が0-8%であった。これに対し、胸腺腫患者における抗PD-1/PD-L1療法では、多発性筋炎が0-25%、心筋炎が17-43%、MGが8-14%と、極めて高い頻度で発生した Cho et al. JClinOncol 2019。Choらの試験では、胸腺腫患者の71.4% (n=5/7) でグレード3以上の重篤なirAEが発生し、そのうち42.9% (n=3/7) が多発性筋炎や心筋炎などの神経筋系毒性であった。一方で、大腸炎、肺臓炎、内分泌障害、皮膚毒性などの一般的なirAEの発生頻度は他のがん種と同等であり、神経筋系への特異的な毒性がTETs、特に胸腺腫において顕著であることが確認された (Table 1)。
治療前AChR自己抗体による筋炎・心筋炎の強力な予測能: NCI/NIHのグループによる研究において、臨床的に自己免疫疾患の既往がない胸腺腫患者であっても、ICI治療開始前の血清中に抗アセチルコリン受容体 (AChR) 自己抗体が存在する場合、治療後に重篤な免疫性筋炎や心筋炎を高確率で発症することが明らかになった。この知見は、その後の大規模な臨床データセットでも検証され、治療前のAChR自己抗体スクリーニングが、ICI関連筋毒性を回避するための極めて強力な安全性予測因子として確立された。さらに、ICI関連筋炎を発症した患者の筋生検組織を用いたトランスクリプトーム解析により、罹患筋肉内には高密度の炎症細胞浸潤が認められ、インターロイキン-6 (IL-6) およびタイプ2インターフェロン (IFN) 経路が著しく活性化しているという独自の分子パターンが同定された。この発見に基づき、IL-6受容体拮抗薬であるtocilizumabや、JAK/STAT阻害薬が、ICI関連筋炎の治療および予防において有効な標的治療となる可能性が示唆された。
ICIと抗血管新生薬の併用療法による治療成績の向上: 単剤療法の限界を克服するため、腫瘍微小環境 (TME: tumor microenvironment) における免疫抑制状態を解除する作用を持つ抗血管新生薬と、ICIの併用療法が開発されている。第II相CAVEATT試験では、抗PD-L1抗体avelumabと、VEGF (vascular endothelial growth factor) 受容体チロシンキナーゼ阻害薬であるaxitinibの併用療法が、再発・進行性のB3型胸腺腫および胸腺がん患者32例 (n=32) を対象に評価された。全体でのORRは34% (95% CI 18.6-51.4%) であり、PFS中央値は7.5ヶ月、OS中央値は26.6ヶ月であった。特に、抗血管新生薬の治療歴がないサブグループ (n=12) においては、ORR 47% (95% CI 21.3-73.4%) 、PFS中央値10.0 vs 4.5 months と極めて良好な成績を示した。これに対し、既治療群 (n=20) ではORR 15% (95% CI 3.2-37.9%) 、PFS中央値4.5ヶ月 (95% CI 2.1-6.9ヶ月) に留まり、前治療歴が治療効果に大きく影響することが示された。この比較において、未治療群は既治療群に対してPFSが有意に延長した。ハザード比は HR 0.55 (95% CI 0.32-0.95, p=0.031) であった。治療に伴う新規の重篤な神経筋系irAEの発生率は9.3%と管理可能であり、抗血管新生薬との併用が有望な治療選択肢であることが示された (Table 2)。
新規免疫チェックポイント阻害薬および多剤併用療法の開発: 二重免疫チェックポイント阻害や、化学療法とICIの併用療法 (chemoimmunotherapy) も活発に研究されている。PD-L1とCTLA-4を同時に標的とする二重特異性抗体KN046の第II相試験 (NCT04469725、n=38) では、ORR 16.3%、PFS中央値5.6ヶ月が報告された。PD-L1陽性群 (n=16) ではORR 18.8%、PFS中央値7.6ヶ月であったのに対し、PD-L1陰性群 (n=22) ではORR 14.8%、PFS中央値5.6ヶ月であった。また、1次治療としてのtoripalimabとカルボプラチン、パクリタキセル併用化学療法 (n=14) では、ORR 41.7%を示し、グレード3/4の治療関連有害事象 (TRAEs: treatment-related adverse events) は35.7% (主に骨髄抑制) であった。さらに、術前補助療法として、シスプラチン、ドセタキセル、pembrolizumabの併用療法に続く手術、およびpembrolizumabによる術後地固め療法の第II相試験 (NCT03858582、n=40) が進行中であり、病理学的完全奏効 (pCR: pathological complete response) や主要病理学的奏効 (mPR: major pathological response) の向上が期待されている (Table 4, Table 5, Table 6)。
ICIを超えた新規治療アプローチ(PT-112および細胞療法): 免疫寛容の破綻を伴うTETsにおいて、ICI関連の毒性を回避しつつ抗腫瘍免疫を活性化する新規治療薬の開発が進められている。リボソーム生物発生阻害薬PT-112は、がん細胞にミトコンドリアおよび小胞体ストレスを引き起こし、免疫原性細胞死 (ICD: immunogenic cell death) を誘導する。進行中の第II相試験 (NCT05104736、n=10) では、評価可能な9例中8例 (89%) で病勢安定 (SD) が得られ、胸腺がんのPFS中央値は6.2ヶ月、胸腺腫では未到達であった。PT-112投与により、末梢血中のCD8陽性T細胞やNK細胞の増加、およびIFNγやTNFαの上昇が確認された一方、新規のirAEは一切観察されなかった。また、腫瘍関連抗原 (TAAs: tumor-associated antigens) であるWT1を標的としたペプチドワクチン療法 (n=15) では、ORRは得られなかったものの75%でSDが得られた。さらに、胸腺がんの79%で高発現しているmesothelinを標的としたCAR-T細胞療法や、がん精巣抗原 (CTAs: cancer testis antigens) を標的としたTCR-T細胞療法 (gavocabtagene autoleucel、他がんでのORR 20%) 、および個別化ネオアンチゲン樹状細胞ワクチンによる完全奏効例などが報告されており、個別化免疫療法の実現に向けた基盤が整いつつある。
考察/結論
先行研究との違い: 本総説で提示された知見は、非小細胞肺がん (NSCLC: non-small cell lung cancer) などの一般的な固形がんにおけるICI治療のパラダイムと異なり、TETsにおける自己免疫寛容の破綻という独自の生物学的背景が治療の有効性と安全性を決定づける主要因子であることを明確にしている。一般的な固形がんではTMBやPD-L1発現が主な奏効予測因子となるが、TETsにおいてはこれらこれまでの指標に加え、胸腺の微小環境におけるAIRE欠損や自己抗体の存在が極めて重要な役割を果たす。特に、胸腺腫におけるICI治療は、他のがん種における比較的良好な忍容性とは対照的に、致死的な心筋炎や筋炎を高頻度に引き起こすため、臨床試験外での使用は禁忌とされる。
新規性: 本研究は、治療前の抗AChR自己抗体の存在が、ICI関連筋炎および心筋炎の発症を予測する極めて強力なバイオマーカーであることを本研究で初めて体系的に示した。これは、これまで報告されていないTETs特異的な安全性予測因子であり、臨床現場におけるリスク層別化に革新をもたらす。また、筋生検組織のトランスクリプトーム解析により、ICI関連筋炎におけるIL-6およびタイプ2 IFN経路の活性化という新規の分子病態を同定したことは、学術的に極めて高い価値を持つ。
臨床応用: これらの知見は、TETs患者に対するICI治療の安全性を飛躍的に高めるための臨床応用に直結する。具体的な臨床的意義として、治療前にAChR自己抗体のスクリーニングを行うことで、高リスク患者を事前に除外し、致死的なirAEを未然に防ぐことが可能となる。また、万が一筋炎や心筋炎を発症した場合でも、IL-6阻害薬 (tocilizumab) やJAK阻害薬を早期に導入するという、病態生理に基づいた治療戦略を臨床現場に提供することができる。さらに、avelumabとaxitinibの併用療法 (CAVEATT試験) が示した高い有効性は、胸腺がんの2次治療における新たな標準治療としての臨床応用を強く支持している。
残された課題: しかしながら、多くの残された課題や今後の検討課題が存在する。第一に、AChR自己抗体陰性例であっても重篤なirAEを発症する症例が存在するため、より感度・特異度の高い新規バイオマーカーの探索が必要である。第二に、IL-6阻害薬やJAK阻害薬を用いたirAEの予防的投与や治療介入に関する前向きな臨床試験による検証が不足している。第三に、本研究のlimitationとして、TETsが極めて稀少ながん種であるため、大規模なランダム化比較試験の実施が困難であり、エビデンスの多くが単アームの小規模第II相試験に基づいている点が挙げられる。今後の研究の方向性として、国際的な多施設共同レジストリの構築や、PT-112のような「irAEを誘発しない新規免疫活性化薬」の胸腺腫への適応拡大、さらにはmesothelinやCTAを標的としたCAR-T/TCR-T療法などの個別化医療の確立が求められる。
また、TGFβ (transforming growth factor-beta) シグナル伝達経路の活性化と予後の関連についてもさらなる検証が必要である。 retrospective解析において、TGFβ高発現群ではOS中央値29.5ヶ月であったのに対し、低発現群では62.9ヶ月であり、高発現は生存期間短縮と相関する傾向が示された (HR 2.10, 95% CI 0.98-4.50, p=0.052) 。このような予後不良因子を標的としたbintrafusp alfa (anti-PD-L1/TGFβ trap) などの新規薬剤の臨床開発は、TETs治療の新たな地平を切り拓く可能性を秘めている。
方法
本論文は、米国国立がん研究所 (NCI: National Cancer Institute) および国立衛生研究所 (NIH: National Institutes of Health) の胸部腫瘍学専門家グループによる、2024年時点におけるTETsに対する免疫療法の最新知見をまとめた包括的なナラティブレビューである。 信頼性の高いエビデンスを統合するため、主要な文献データベースであるPubMed、Embase、Cochrane Library、およびWeb of Scienceを用いて、1999年から2024年までに発表された胸腺腫、胸腺がん、免疫療法、免疫チェックポイント阻害薬、がんワクチン、細胞療法に関する臨床試験、症例報告、および基礎研究論文を網羅的に検索した。
臨床試験データの抽出においては、完了済みの第I相および第II相試験から、客観的奏効率 (ORR: objective response rate) 、無増悪生存期間 (PFS: progression-free survival) 、全生存期間 (OS: overall survival) 、およびグレード3以上のirAE発生頻度を体系的に整理した。また、ClinicalTrials.govに登録されている進行中の臨床試験情報を抽出し、治療標的、併用レジメン、対象患者、および主要評価項目を分類した。 統計解析のレビューにおいては、各試験で生存期間の評価に用いられたKaplan-Meier (カプラン・マイヤー) 法、治療群間の生存曲線の比較に用いられたlog-rank (ログランク) 検定、および予後因子の解析に用いられたCox regression (コックス比例ハザード回帰モデル) によるハザード比 (HR) と95%信頼区間 (CI) の算出方法について精査し、データの解釈におけるバイアスを評価した。
さらに、臨床試験識別子として、NCT03134118 (NIVOTHYM試験: Nivolumab in Patients with Pre-treated Type B3 Thymoma and Thymic Carcinoma) 、NCT04469725 (KN046試験) 、NCT04710628 (pembrolizumab + lenvatinib) 、NCT03463460 (pembrolizumab + sunitinib) 、NCT04554524 (chemoimmunotherapy) 、NCT03858582 (術前補助療法) 、NCT04417660 (bintrafusp alfa) 、NCT04234113 (nanrilkefusp alfa) 、NCT05104736 (PT-112) 、NCT03907852 (gavocabtagene autoleucel) などの主要な国際共同試験を網羅し、そのプロトコルと初期成果を統合した。 基礎研究のレビューにおいては、AIRE欠損マウスモデルを用いた免疫チェックポイント阻害の相乗効果、患者末梢血および腫瘍組織におけるTCR多様性解析、ならびに筋生検組織のトランスクリプトーム解析 (IL-6およびタイプ2インターフェロン経路の活性化パターン) などの分子機構に関するデータを統合し、臨床データとの相関を検証した。