• 著者: A. Quintanal-Villalonga, H. Taniguchi, Y.A. Zhan, M.M. Hasan, S.S. Chavan, F. Meng, F. Uddin, P. Manoj, M.T.A. Donoghue, H.H. Won, J.M. Chan, M. Ciampricotti, A. Chow, M. Offin, J.C. Chang, J. Ray-Kirton, S.E. Tischfield, J. Egger, U.K. Bhanot, I. Linkov, M. Asher, S. Sinha, J. Silber, C.A. Iacobuzio-Donahue, M.H. Roehrl, T.J. Hollmann, H.A. Yu, J. Qiu, E. de Stanchina, M.K. Baine, N. Rekhtman, J.T. Poirier, B. Loomis, R.P. Koche, C.M. Rudin, T. Sen
  • Corresponding author: T. Sen (Memorial Sloan Kettering Cancer Center, New York, NY)
  • 雑誌: Cancer Discovery
  • 発行年: 2021
  • Epub日: N/A
  • Article種別: Original Article
  • PMID: 34155000

背景

肺腺癌 (LUAD) から小細胞肺癌 (SCLC) への組織学的形質転換 (神経内分泌形質転換、NE転換) は、EGFR (epidermal growth factor receptor) 阻害薬であるチロシンキナーゼ阻害薬 (TKI) 治療における極めて重要な獲得耐性機序の一つである。特に第三世代EGFR-TKIであるosimertinib耐性症例の最大14%において、このNE転換が報告されている。形質転換後の臨床経過は極めて侵襲的であり、その予後はde novo SCLCと同等かそれ以上に不良であることが知られている。前立腺癌におけるNE転換の研究では、TP53とRB1の同時不活化が必要条件であることが示されているが、これだけでは十分条件ではないとされている。しかし、肺癌におけるNE転換の分子機序は、形質転換前後の臨床検体をペアで収集することが極めて困難であるため、これまで包括的なマルチオミクス解析が行われておらず、その詳細なメカニズムは未解明な点が多く残されていた。

これまでの小規模なゲノム研究では、TP53とRB1の不活化がNE転換に必要であることが示唆されてきたが、それ以外の再発性ゲノム変化はほとんど特定されていなかった (Sequist et al. SciTranslMed 2011)。また、前立腺癌のNE転換に関するトランスクリプトーム解析は、再発後および形質転換後のサンプルでのみ実施されており、形質転換の初期段階や連続的な変化を捉えることは困難であった。このように、形質転換の動的なプロセスを解明するための臨床検体および生物学的アプローチが圧倒的に不足しており、治療標的となる分子脆弱性の同定には至っていなかった。

本研究では、LUADとSCLCの両成分が同一腫瘍内に存在する混合組織の症例が、形質転換の「スナップショット」として、時間的・空間的に近接した状態で分析できる可能性に着目した。このような混合組織の症例を詳細に分子特性解析することで、NE転換の主要なドライバーや治療可能な脆弱性に関する新規の洞察が得られると仮説を立てた。このアプローチにより、これまで不足していた肺癌NE転換の包括的な分子ランドスケープの解明を目指した。

目的

本研究の目的は、肺腺癌 (LUAD) から小細胞肺癌 (SCLC) への神経内分泌 (NE) 形質転換の分子メカニズム、ドライバー経路、および治療可能な脆弱性を包括的に解明することである。この目的を達成するため、同一腫瘍内にLUADとSCLCの双方が混在する臨床検体や、治療前後の臨床検体を用いたマルチオミクス解析を実施した。

具体的には、LUAD/SCLC混合組織標本11例から顕微解剖により分離したLUAD成分とSCLC成分、形質転換前LUAD 5例、形質転換後SCLC 3例 (うち1例はmatched pairを含む) を主要な解析対象とした。これらのサンプルに加え、対照群として未形質転換LUAD 15例およびde novo SCLC 18例を組み入れた。

解析手法としては、全エクソームシーケンシング (WES) によるゲノム解析、RNAシーケンシング (RNA-seq) による転写解析、EPICメチル化アレイによるエピゲノム解析、およびタンパクアレイによるPI3K/AKT/WNTシグナル経路のタンパク質発現解析を統合的に実施した。これにより、NE転換における遺伝子変異、遺伝子発現、DNAメチル化、およびタンパク質リン酸化の変化を網羅的に評価し、形質転換を駆動する分子イベントと、その過程で生じる治療標的となりうる脆弱性を特定することを目指した。特に、形質転換前後の連続的な分子変化を捉え、変異イベントではなく転写リプログラミングが主要なドライバーであるという仮説を検証することも目的とした。

結果

クローン関連性とゲノム変異解析: 全混合組織症例 (n=11) において、WESによりLUAD成分とSCLC成分間に複数の共有変異が確認され、これらが衝突腫瘍ではなく同一クローン由来の形質転換であることが実証された (Figure 2A)。腫瘍変異負荷 (TMB)、腫瘍異数性、予測ネオ抗原量にT-LUADとT-SCLC間で一貫した有意差は認められず、時間的近接性が示唆された。変異シグネチャ解析では、7例で喫煙シグネチャが優勢であり、5例のT-LUADでAPOBECシグネチャが顕著であった。TP53の欠失はT-LUADおよびT-SCLCのほぼ全例 (93%) で認められた (Figure 2B)。RB1の変異/欠失は63%のサンプルで検出されたが、IHC解析では、組織が利用可能なT-LUADの86% (6/7例) および全T-SCLCでRbタンパク質発現の消失が認められた (Figure 2C)。これは、RB1機能喪失がゲノム変異のみならずタンパク質レベルでの不活化によっても生じ、エクソーム解析のみでは過小評価される可能性を示唆する。EGFR変異はT-LUADの33%で存在し、EGFR変異の有無にかかわらずNE転換が発生しうることを裏付けた。T-LUADとT-SCLC間で再発性の変異の区別は認められず、NE転換自体が変異駆動ではない可能性が示唆された。

T-LUADとTCGA LUADの比較と3p欠失: T-LUADとTCGA LUAD (n=515) の比較では、TP53欠失 (93%、p=0.008)、RB1欠失 (63%、p<0.001)、EGFR変異 (33%、p=0.012) の濃縮がT-LUADで認められた (Figure 2D, E)。新規の知見として、NFE2L2変異 (p=0.010)、KMT2B変異 (p=0.014)、およびTERT増幅 (p<0.001)、TRIP13増幅 (p<0.001) がT-LUADで有意に高頻度であった。特に、3p染色体腕の欠失が形質転換前LUAD (T-LUAD) の85%に認められ、TCGA LUADと比較して有意に高頻度であった (p=0.045) (Figure 2F)。これは、3p欠失がNE転換の新たな予測因子となる可能性を示唆する。

SCLCサブタイプ多様性とPOU2F3発現: T-SCLCは、Rudin et al. NatRevCancer 2019およびBaine et al. JThoracOncol 2020で定義された4つの全SCLCサブタイプ (ASCL1-A、NEUROD1-N、POU2F3-P、YAP1-Y) の全てを網羅することが示された (Figure 4A)。特に、2例 (T1、T3) でPOU2F3高発現のSCLC-Pが確認された。これらの症例のT-LUAD成分ではPOU2F3発現は認められず、SCLC-Pがtuft cell起源に限定されない、tuft cellとは独立したPOU2F3発現プログラムの誘導が示唆された (Figure 4B)。

転写・エピゲノム解析によるNE転換機序: RNA-seqの主成分分析 (PCA) では、T-LUADは対照LUADに、T-SCLCはde novo SCLCにそれぞれ近接してクラスターを形成したが、T-LUADとT-SCLC間には中間的な表現型と実質的な発現プロファイルの重複が認められた (Figure 4C)。これは、T-LUADが形質転換に向けて特異的にプライミングされている可能性と、T-SCLCがT-LUADの転写特徴の一部を保持している可能性を示唆する。EPICメチル化解析のPCAでは、T-SCLCはde novo SCLCとは異なるメチル化プロファイルを示し、T-LUADおよび対照LUADのメチル化パターンに近接していた (Figure 4D)。これは、NE転換中の腫瘍が由来元のLUADの広範なエピゲノム特徴を保持していることを示唆する。GSEA解析により、T-SCLC特異的にアップレギュレーションされる経路として、神経分化 (SEZ6、TAGLN3、KCNC1など)、細胞周期進行 (E2F2、CENPF、FBXO5など)、DNA修復 (FANCB、EYA2、RFC3など)、PRC2複合体 (EZH2、HIST1H2BOなど)、WNTシグナル (TCF7L2ダウンレギュレーション、WNK2/ASPM/FZD3アップレギュレーション) が同定された (Figure 4E, F)。PI3K/AKTシグナルも転換後に増強され (PIK3CA、PIK3R1、AKT3のT-LUAD段階からの早期上昇)、Notchシグナル (NOTCH1/2/3、JAG2、DLL4) は早期から抑制されることが示された。タンパク質解析でも、T-SCLCで主要なWNTシグナルエフェクターであるβ-カテニン発現の増加とPYK2リン酸化の増加が確認された (Figure 4G)。エピゲノム解析と転写解析の統合解析では、T-SCLCにおいて、ASCL1、NEUROD1などの神経内分泌分化関連TF結合モチーフ、WNTシグナル活性化因子 (TCF4、EBF2)、幹細胞性 (NANOG、BHLHA15)、上皮間葉転換 (EMT) 関連TF (SNAI1、TWIST1/2、ZEB1) の結合モチーフの低メチル化が転写活性化と相関することが示された (Figure 5B)。

形質転換前LUADの中間フェノタイプ: T-LUAD (形質転換前) は、対照LUADと比較して、ケラチン遺伝子 (KRT7、KRT8、KRT15など) のダウンレギュレーション、RB経路の変化 (RB1変異/Rbタンパク質喪失、CDKN2A上昇、CCND1低下、CCNE1/2上昇) を示した (Figure 6A, C)。また、PI3K/AKT活性化、細胞周期促進、DNA修復経路の遺伝子発現上昇、免疫応答低下、Notchシグナル抑制がT-LUAD段階で既に一部認められ、これらがT-SCLCでさらに増強していることから、連続的な転換プロセスが示唆された (Figure 6B, C)。

de novo SCLCとT-SCLCの分子比較: T-SCLCとde novo SCLCの比較では、T-SCLCで神経分化 (SALL3、DLX1、NEURL1)、Notchシグナル (JAG2、DLL1/4、NOTCH3)、PI3K/AKT経路 (AKT1/2、BAD、TSC2)、エピジェネティック制御 (HIST2H3D、SMARCA4、ARID1B) 関連遺伝子の発現が低いことが示された (Figure 6D, E)。一方、幹細胞性 (CD44、NAMPT、ALDH1A2)、IFNシグナル (TLR2/3/7/8、CLEC7A)、リンパ球走化性 (CXCL10/13/14、XCL、CCL5)、TCRシグナル (PAK2、UBE2D2、NCK1) 関連遺伝子の発現はT-SCLCで高いことが観察された。これらの差異は、T-SCLCがde novo SCLCと比較して、神経学的特徴が減少し、幹細胞様/可塑性表現型が強調され、抗腫瘍免疫応答を誘導する能力が増加していることを示唆する。

in vitro強制発現実験: EGFR変異陽性肺癌細胞株 PC9 (n=3 replicates) および HCC827 (n=3 replicates) において、転写因子 FOXN4、ONECUT2、POU3F2 をそれぞれ独立してレンチウイルスにより強制発現させたところ、いずれの因子も EGFR の発現低下を誘導した (Figure 5B)。ONECUT2 および POU3F2 の過剰発現は、PC9 細胞において osimertinib に対する耐性を増強させた。さらに、osimertinib 曝露により、両細胞株において FOXN4 および ONECUT2 の発現上昇が認められ、治療選択圧が転写因子のリプログラミングを誘導することが示された。

治療実験 (EGFR変異PDXモデル): EGFR S768_D770dup変異を有するLUAD+NE混合組織PDXモデル (T14-CH) を用いた治療実験 (n=5-10 mice per group) では、osimertinib単剤は腫瘍増殖をT/C=63.9% (p=0.011) で抑制したが、NE成分を濃縮させた (Figure 7B, D)。PI3K/AKT阻害薬samotolisib単剤はT/C=54.2% (p<0.001) で有意な腫瘍増殖抑制効果を示した。Samotolisibとosimertinibの併用はT/C=33.54% (p<0.001) と単剤療法よりも優れており、osimertinib単剤群と比較して55.8%の追加的な腫瘍縮小 (55.8% reduction) を達成した (Figure 7B)。IHC解析では、samotolisib処理腫瘍でNE成分が減少しLUAD成分が保持され、osimertinib単独で出現するASCL1陽性SCLC成分が完全に抑制された (Figure 7C, D)。これらの結果は、AKT阻害が肺癌のNE転換を遅延させ、EGFR-TKI耐性克服の新たなアプローチとなる可能性を示唆する。

考察/結論

本研究は、肺癌の神経内分泌 (NE) 形質転換における初の包括的なマルチオミクス解析であり、従来の単一分子解析の限界を超えた重要な知見をもたらした。

先行研究との違い: これまでの研究ではTP53とRB1の不活化がNE転換の必要条件とされてきたが (Sequist et al. SciTranslMed 2011)、本研究は、NE転換が新たなゲノム変異の獲得によって駆動されるのではなく、主に転写・エピジェネティックなリプログラミングによって駆動されるという点で、これまでの知見と異なっている。特に、PRC2複合体、PI3K/AKT、WNT経路の活性化、およびNotch経路の抑制が主要なドライバーであることをマルチオミクス統合解析により明らかにした。

新規性: 本研究で初めて、形質転換前LUAD (T-LUAD) において3p染色体腕の頻繁な欠失 (85%) がNE転換の強力な予測因子として浮上した点が新規である。3p染色体にはFHITやRASSF1Aなどの腫瘍抑制遺伝子クラスターが含まれており、その欠失が転換を促進する可能性が示唆される。また、混合組織標本からSCLC-P (POU2F3陽性) が2例確認されたことは、SCLC-Pがtuft cell起源に限定されないという従来の仮説 (Huang et al. GenesDev 2018) に疑問を投げかけるものであり、細胞の可塑性が多様なSCLCサブタイプを生み出す能力を持つことを本研究で初めて示した。

臨床応用: 本研究の知見は、NE転換の予防および治療において複数の臨床的意義を持つ。第一に、EGFR変異PDXモデルにおいて、PI3K/AKT阻害薬samotolisibとosimertinibの併用が単剤よりも腫瘍増殖抑制効果を増強し、NE形質転換を遅延させる効果があることを示した。これは、EGFR-TKI治療中の患者におけるNE転換耐性克服のための新たな治療戦略となる可能性を秘めている。第二に、RB1機能喪失の評価において、遺伝子変異解析だけでなくIHCによるタンパク質発現評価を補完的に行うことの重要性が強調された。第三に、3p欠失、RB1喪失、PI3K/AKT経路活性化を有するLUAD患者をNE転換ハイリスク群として早期に特定し、予防的介入を検討できる可能性が示された。

残された課題: 今後の検討課題として、より大規模なコホートにおいて3p欠失、NFE2L2変異、TERT増幅がNE転換の予測因子として機能するかどうかの検証が必要である。また、PI3K/AKT阻害薬とEGFR-TKIの併用療法がNE転換を抑制し、患者の予後を改善するかどうかを評価するための前向き臨床試験が求められる。本研究の主なlimitationは、FFPEサンプルを用いたことによるシーケンス品質の低下や、解析に利用可能なサンプル数の限定性である。これらの要因は、データセットの解釈において考慮されるべきである。

方法

本研究では、LUAD/SCLC混合組織標本11例、形質転換前LUAD 5例、形質転換後SCLC 3例 (うち1例はmatched pairを含む)、および対照として未形質転換LUAD 15例、de novo SCLC 18例の計52例の臨床検体を用いた。これらの検体は、機関審査委員会承認プロトコルに基づき、インフォームドコンセントを得て収集されたホルマリン固定パラフィン包埋 (FFPE) 組織である。

組織分離と核酸抽出: 混合組織症例では、ヘマトキシリン・エオシン (H&E) 染色スライドを用いて2名の病理医がLUAD成分とSCLC成分を独立して評価し、顕微解剖により分離した。各成分からDNAおよびRNAを抽出した。DNA抽出にはDNeasy (DNA extraction kit) を、RNA/DNA同時抽出にはAllPrep (RNA/DNA extraction kit) を使用した。

ゲノム解析 (WES): 抽出したDNAからKAPA (library preparation kit) を用いてライブラリを調製し、IDT (hybridization capture panel) でエクソーム捕捉を行った。HiSeq 4000で100 bpペアエンドリードでシーケンスを実施した。データ解析には、自社開発のWESパイプラインTEMPO (Time-Efficient Mutational Profiling in Oncology) を使用し、BWA-memでアライメント、Strekla2およびMutect2で変異コールを行った。コピー数解析にはFACETS (Fraction and Allele-Specific Copy Number Estimates from Tumor Sequencing) を用いた。変異シグネチャ解析はRパッケージmutationsignaturesで実施した。腫瘍変異負荷 (TMB)、腫瘍異数性、予測ネオ抗原負荷も算出した。T-LUADのゲノム変異頻度は、TCGA LUADコホート (n=515) と比較し、Fisher’s exact (Fisher’s exact test) で有意差を評価した。

転写解析 (RNA-seq): 抽出したRNAからKAPA (library preparation kit) を用いてライブラリを調製し、IDT (hybridization capture panel) でハイブリダイゼーション捕捉を行った。Illumina HiSeq4000でペアエンドリード (2×100 bp) でシーケンスを実施した。リードはMarianasでUMI (unique molecular identifier) トリミング後、Dobin et al. Bioinformatics 2013でヒトGRCh37ゲノムにアライメントした。Kallisto v.0.45.0でトランスクリプトカウントと存在量を定量し、Sleuth v0.30.0で差次的遺伝子発現解析を行った。遺伝子セット濃縮解析 (GSEA) はSubramanian et al. ProcNatlAcadSciUSA 2005の方法に基づき、ClusterProfiler Rパッケージを用いて実施した。

エピゲノム解析 (EPIC methylation): ゲノムDNAをCovaris LE220-plus Focused-ultrasonicatorで断片化し、TruSeq Methyl Capture EPIC LT Library Prep Kit (Illumina) を用いてライブラリを調製した。NovaSeq 6000またはHiSeq 4000でシーケンスを実施した。Langmead et al. NatMethods 2012を内包するBismarkパイプラインを用いてビスルファイト処理リードをマッピングし、メチル化状態を決定した。差次的メチル化CpG (DMC) および差次的メチル化領域 (DMR) はDSS Rパッケージで同定した。転写因子 (TF) 結合モチーフの濃縮解析にはHOMER (Heinz et al. MolCell 2010) を適用した。

タンパク質発現解析: Phosphokinase array (#ARYC003C, R&D-Biotechne) を用いて、PI3K/AKT/WNTシグナル経路のタンパク質リン酸化状態を評価した。SCLCサブタイプ (ASCL1/NEUROD1/POU2F3/YAP1) は、mRNA発現および免疫組織化学 (IHC) 染色により解析した。RB1機能喪失は、遺伝子変異だけでなくIHCによるRbタンパク質発現消失も評価した。

治療実験 (PDXモデルおよび細胞株): EGFR変異PDX (patient-derived xenograft) モデル (T14-CH) を用いて、samotolisib (PI3K/AKT/mTOR阻害薬)、DS-3201-b (EZH1/2阻害薬)、G007-LK (WNT阻害薬) の単剤またはosimertinibとの併用効果を評価した。マウス系統にはNSG (NOD.Cg-Prkdc Il2rg /SzJ) マウスを用いた。また、in vitro検証としてEGFR変異陽性肺癌細胞株 PC9 (n=3 replicates) および HCC827 (n=3 replicates) を使用し、FOXN4、ONECUT2、POU3F2のレンチウイルス強制発現実験を行った。統計解析には Student t-test を用いた。