- 著者: Mirjam C. Boelens, Tony J. Wu, Barzin Y. Nabet, Bihui Xu, Yu Qiu, Taewon Yoon, Diana J. Azzam, Christina Twyman-Saint Victor, Brianne Z. Wiemann, Hemant Ishwaran, Petra J. ter Brugge, Jos Jonkers, Joyce Slingerland, Andy J. Minn
- Corresponding author: Andy J. Minn (Abramson Family Cancer Research Institute, Perelman School of Medicine, University of Pennsylvania, Philadelphia, PA, USA)
- 雑誌: Cell
- 発行年: 2014
- Epub日: 2014-10-23
- Article種別: Original Article
- PMID: 25417103
背景
化学療法および放射線療法への耐性は、乳がん患者の生存率改善における最大の障壁の一つである。これまでの研究で、in vivoでの放射線耐性選別により、IRDS (interferon-related DNA damage resistance signature) が同定された (Khodarev et al., 2004; Weichselbaum et al., 2008)。IRDSはSTAT1、MX1、ISG15、OAS1、IFIT1、IFIT3、IFI44を含む7遺伝子分類器であり、複数のがん種において治療前発現が放射線療法や化学療法への耐性と相関することが臨床的に示されている。しかし、IRDSがどのような機序で治療抵抗性を付与するのか、また、インターフェロン非依存的な経路を含むどのような上流経路で活性化されるのかについては、依然として未解明な点が多かった。
一方、腫瘍微小環境における間質細胞 (主に線維芽細胞やがん関連線維芽細胞 (CAF)) が、パラクリンおよびジュクスタクリンシグナルを介して放射線療法や化学療法への耐性を付与することが示唆されており、特に腫瘍開始細胞 (TICs) の維持に関与する可能性が指摘されていた (Korkaya et al., 2011; McMillin et al., 2013)。NOTCH経路は、JAGGEDなどのリガンドとの接触依存的な活性化を介して、薬剤耐性およびTIC維持に関与する発生シグナル伝達経路である (Ranganathan et al., 2011; McAuliffe et al., 2012)。この経路は、がん治療の標的として大きな関心を集めているが、NOTCH阻害の恩恵を受ける患者を特定するためのコンパニオンバイオマーカーが不足しているという課題が残されている。
エクソソームは、細胞間のコミュニケーションにおいて重要な役割を果たす小さな膜小胞であり、ウイルス核酸などの内容物を細胞間で転送し、インターフェロン応答を誘発することが報告されている (Valadi et al. NatCellBiol 2007; Thery et al. NatRevImmunol 2009)。がんにおいては、腫瘍細胞から分泌されるエクソソームが微小環境の細胞との相互作用を通じて転移を促進したり (Peinado et al. NatMed 2012)、間葉系細胞からのエクソソームががん細胞に転送されて転移を促進したりする (Luga et al. Cell 2012)。しかし、がん細胞と腫瘍微小環境の間のクロストークが、エクソソームとパターン認識受容体 (PRR) を利用してISG/IRDSの発現を制御したり、治療抵抗性に影響を与えたりするかどうかは不明であった。本研究は、間質細胞がエクソソームを介してIRDSおよびNOTCH経路を制御し、治療抵抗性を付与するという、これら3つの独立した現象が機能的に収束する可能性を問い、その分子機序を解明することを目的とした。特に、がん細胞と腫瘍微小環境の間のクロストークが、エクソソームとパターン認識受容体 (PRR) を利用してISG/IRDS発現を制御したり、治療抵抗性に影響を与えたりするかどうかは、これまで未開拓な領域であった。
目的
本研究の目的は、間質細胞 (MRC5線維芽細胞、CAF、骨髄間葉系細胞) と乳がん細胞の相互作用が、エクソソームの水平転送を介してIRDS/STAT1抗ウイルスシグナル伝達を誘導し、ジュクスタクリンNOTCH3と協調して治療抵抗性腫瘍開始細胞 (TICs) を拡大するメカニズムを解明することである。さらに、RIG-I-STAT1-NOTCH3軸が、基底様乳がんの放射線療法および化学療法に対する臨床的耐性を予測する信頼性の高いバイオマーカーとなるかを検証することも目的とした。具体的には、以下の点を明らかにすることを目指した。
- 間質細胞が乳がん細胞のIRDS発現と治療抵抗性をどのように誘導するか。
- その誘導がRIG-Iパターン認識受容体によってどのように制御されるか。
- エクソソームが間質細胞から乳がん細胞へどのように転送され、その内容物がRIG-Iを活性化するか。
- 間質細胞由来のエクソソーム分泌がRAB27Bによってどのように制御されるか。
- パラクリン抗ウイルスシグナルとジュクスタクリンNOTCH3シグナルがどのように収束し、NOTCH標的遺伝子の転写を促進するか。
- STAT1とNOTCH3が協調して治療抵抗性TICsの拡大をどのように制御するか。
- NOTCH阻害剤がin vivoで間質細胞媒介性抵抗性を克服し、生存率を改善するか。
- 抗ウイルス/NOTCH3経路がヒト乳がんの臨床的耐性を予測する上でどのような意義を持つか。
結果
間質細胞によるIRDS誘導と放射線耐性の基底様特異性: 1833乳がん細胞とMRC5線維芽細胞を共移植したヌードマウスの異種移植モデルでは、高レベルのSTAT1/IRDS発現が認められ、間質細胞を混合しない条件と比較して、8 Gyの放射線療法後もBLIによる腫瘍増殖が維持され、TUNEL染色による細胞死が有意に低下した (p<0.05)。複数の乳がん細胞株 (n=3-10 cells/group) を「IRDS応答性 (IRDS-R)」(基底様サブタイプに濃縮) と「IRDS非応答性 (IRDS-NR)」に分類したところ、IRDS-R細胞株のみが線維芽細胞との共培養によりIRDS遺伝子を上方制御し、放射線療法および化学療法への抵抗性を獲得した (Fig 1F, 1G)。安定的なsiSTAT1ノックダウンは、ほぼ全てのIRDS遺伝子の誘導と間質細胞による保護効果を阻害した (Fig 1H, 1I)。
RIG-I抗ウイルス受容体によるIRDS制御: ランダムフォレスト多変量解析 (全分散の60.8%を説明) により、多数のパターン認識受容体 (PRR) の中でRIG-I (DDX58) がIRDS上昇を最もよく予測することを示した (Fig 2A)。siRIG-Iによるノックダウンは、IRDS誘導と間質細胞媒介性抵抗性を阻害した (Fig 2B, 2C)。タイプIインターフェロン受容体との同時ノックダウンでも相加効果はなく、RIG-IがSTAT1/IRDSの上流で単独で機能することを示唆した。
エクソソームの間質細胞からがん細胞への一方向性移動: 共培養条件培地 (CM) の可溶性画分ではIRDS誘導は認められず、エクソソーム濃縮画分でのみIRDSが誘導された (Fig 2E, 2F)。NanoSightおよびTSG101を用いた解析により、共培養時にエクソソームが増加することを確認した (Fig 2G)。DiD/親油性色素を用いた可視化により、線維芽細胞からIRDS-R乳がん細胞へのエクソソームの一方向性転送が観察された (Fig 2H, 2I)。siTSG101はエクソソーム分泌とIRDS誘導を阻害し、線維芽細胞側でのTSG101ノックダウンのみが有効であったことから、間質細胞がエクソソームのドナーであることが確認された (Fig 2K)。
間質細胞RAB27Bが共培養特異的エクソソーム分泌を制御: プロテインアレイ解析により、共培養由来エクソソームが線維芽細胞由来エクソソームと高い類似性を示し、線維芽細胞が主要なドナーであることを裏付けた (Fig 3A)。全Rab GTPaseの中で、RAB27BがIRDS-R細胞との共培養で特異的に上昇した (Fig 3B)。siRAB27Bは、CMによるIRDS誘導とエクソソーム転送を特異的に阻害した (Fig 3C, 3D)。siRAB27Aは効果を示さなかった。
5’-三リン酸exoRNAがRIG-Iを活性化: exoRNAを合成小胞に再封入しトランスフェクションすると、RIG-I依存的にIRDSを誘導し、HCV RNA陽性対照と同等の強度を示した (n=4 replicates)。5’-ホスファターゼ処理、5’-三リン酸特異的除去 (Terminator) により活性が消失し、5’-一リン酸除去では活性は維持された (Fig 3I)。exoRNAシーケンスでは、既知のRIG-I活性化ウイルス配列は検出されず、ヒトの遺伝子間/非コード転写産物が細胞内RNAよりも顕著に濃縮されていた (Fig 3J)。特にSINE、LINE、LTRレトロトランスポゾン (RNAポリメラーゼIII転写産物) が10倍以上、テロメア/セントロメアサテライト配列が100-1,000倍濃縮されていた (Fig 3K)。これは、5’-三リン酸を持つPol III転写産物がエクソソームに選択的にパッケージングされ、RIG-Iを活性化する機序を示唆する。
パラクリン抗ウイルスシグナルとジュクスタクリンNOTCH3シグナルの収束: Transwellを用いた物理的分離実験では、IRDS誘導は維持されたが放射線耐性は消失し、ジュクスタクリン経路の必要性が示された (Fig 4A)。インタラクトーム解析により、共培養後に乳がん細胞でNOTCH3が上方制御され、その膜結合型リガンドJAG1が線維芽細胞で誘導され、IRDS-R細胞で構成的に高発現していることが明らかになった (Fig 4B)。siSTAT1はNOTCH標的遺伝子 (HEY1, HES1) の一次転写産物とmRNAレベルを低下させ、ChIP-seqによりCM/共培養に応答してHEY1プロモーター領域 (TSSと-2kb間) でのSTAT1結合が増加することを示した (Fig 4H)。誘導性NICD3と共培養CMの併用によりHEY1一次転写産物がさらに増強され、エクソソーム枯渇によりこの効果は消失した (Fig 4F, 4G)。STAT1ノックダウンはNICD3過剰発現下でもHEY1/HES1を抑制し、STAT1がNOTCH標的転写を促進する機序を確立した (Fig 4I)。
治療抵抗性TICsの拡大: 共培養はTICシグネチャー (Shipitsin et al., 2007) の上方制御とCD44+CD24low+サブポピュレーションの拡大を誘導した (Fig 5A, 5B)。このCD44+CD24low+集団は、CD44+CD24neg集団と比較して、10 Gyの放射線療法および4 μMのドキソルビシンに対する耐性が有意に高かった (Fig 5C)。共培養後のマモスフィア形成能も増加した (Fig 5D)。siSTAT1、siNOTCH3、GSI (DAPT) はいずれも間質細胞媒介性のマモスフィア形成とTIC拡大を阻害した (Fig 5E)。NICD3過剰発現は、単独培養でもマモスフィア形成とCD44+CD24low+細胞の拡大を部分的に再現し、siSTAT1による間質細胞保護効果の阻害を部分的に回復させた (Fig 5F, 5K)。
In vivoでのGSI併用効果: 1833 IRDS-R細胞とMRC5間質細胞を混合した異種移植モデル (n=5-10 mice/group) では、放射線療法単独 (p=0.026) で乳がんの成長が抑制された。GSI単独では効果が限定的であったが (間質細胞存在下でp=0.083、間質細胞非存在下でp=0.67)、放射線療法とGSIの併用は、間質細胞存在下での耐性を完全に克服した (Fig 5M)。放射線療法とGSIの併用により、CD44+CD24low+集団の蓄積が消失し、約30%のマウスが腫瘍フリーとなった (放射線療法単独またはGSI単独では0%) (Fig 5O)。
ヒト乳がんにおける臨床的妥当性: 原発性TNBCの71%で間質細胞RAB27Bの強発現が認められ、71%でSTAT1が腫瘍-間質境界に局在し、29%でNOTCH3が境界パターンを示した (Fig 6A)。K14cre;BRCA1 F/F;p53 F/FマウスモデルおよびPDX TNBCでも同様の基底様パターンが確認された (ER+腫瘍では稀) (Fig 6B)。Stromaシリーズでは、間質細胞RAB27BがRABファミリー内で唯一、腫瘍間質で正常間質よりも高発現していた (Fig 6C)。LCMDシリーズでは、乳がんNOTCH3と間質JAG1がNOTCH標的遺伝子発現の最良の予測因子であった (Fig 6E)。NKI295シリーズでは、NOTCH3(hi)/IRDS(+)腫瘍の31%が基底様/クローディン低サブタイプに属し、TICシグネチャーが濃縮されていた (Fig 7C)。化学療法を受けた患者群 (n=110 patients) において、NOTCH3(hi)/IRDS(+)の患者は乳がん特異的死亡リスクが最も高かった (Fig 7D)。Cox回帰分析では、NOTCH3 (連続変数) の予後への影響はIRDS(+)および/または基底様サブタイプに限定して観察され、MammaPrint転移シグネチャーとは独立していた (Fig 7E)。NOTCH3(hi)/IRDS(+)の患者は放射線療法後の局所再発リスクも高く (Fig 7F)、Stromaシリーズでは間質細胞RAB27Bの高発現が不良予後と相関した (Fig 7G)。
考察/結論
本研究は、間質細胞媒介性の治療抵抗性という長年の腫瘍微小環境における課題を、単一の統合パスウェイとして分子機序的に解明した点で画期的である。このパスウェイは、「間質細胞のRAB27B依存性エクソソーム分泌」→「5’-三リン酸非コード転移性因子 (SINE/LINE/LTR) がRIG-Iをトリプルリン酸モチーフ依存的に活性化」→「STAT1/IRDS誘導」→「ジュクスタクリンNOTCH3/JAG1と転写レベルで収束」→「治療抵抗性CD44+CD24low+ TIC拡大」という一連のイベントで構成される。これは、発生および恒常性維持で知られるSTAT-NOTCHの収束 (ショウジョウバエ腸管幹細胞など) の悪性腫瘍版の再利用とも言え、進化的に保存された幹細胞制御経路が間質細胞駆動型の治療抵抗性として再利用されるという新規概念を提示する。
先行研究との違い: これまでの研究では、エクソソームが細胞間コミュニケーションを媒介すること (Valadi et al. NatCellBiol 2007)や、IRDSが治療抵抗性と関連すること (Khodarev et al., 2004) が示されてきた。本研究は、これらの知見と対照的に、エクソソームがパターン認識受容体RIG-Iを活性化するという新規機序を通じてIRDSを誘導し、治療抵抗性を促進することを初めて明らかにした。また、NOTCH経路が治療抵抗性に関与することは知られていたが、エクソソームを介した抗ウイルス軸との協調により治療抵抗性TICsを拡大するという、これまで報告されていないメカニズムを解明した。
新規性: 本研究で初めて、間質細胞がRAB27Bを介して5’-三リン酸非コードRNAを含むエクソソームを分泌し、乳がん細胞のRIG-Iを活性化してSTAT1依存性の抗ウイルスシグナルを誘導することを示した。さらに、この抗ウイルスシグナルがジュクスタクリンNOTCH3と転写レベルで収束し、STAT1がNOTCH3の転写応答を促進することで、治療抵抗性腫瘍開始細胞を拡大するという、新規の統合パスウェイを同定した。特に、本来サイレンシングされているトランスポゾン要素が、内因性レトロウイルス様RNAとして免疫覚醒的役割を果たし、がんの抵抗性に関与するという知見は、自己免疫研究 (Stetson et al., 2008) とがん抵抗性を結びつける重要な発見である。
臨床応用: 本知見は、基底様/クローディン低TNBCにおける治療抵抗性予測バイオマーカーとしてNOTCH3(hi)/IRDS(+)の組み合わせが使用可能であることを示唆する。また、前臨床モデルにおいてGSI (DAPTなど) と放射線療法/化学療法の併用が間質細胞媒介性抵抗性を克服し、約30%の腫瘍フリー率を達成したことから、この併用療法が臨床応用において有望な戦略となる可能性を示している。さらに、間質細胞RAB27Bの発現が予後予測および治療標的として有望であること、エクソソームを介した抗ウイルスシグナル伝達が診断コンパニオンとして利用できる可能性も期待される。
残された課題: 今後の検討課題として、まず基底様乳がんにおいてRAB27Bが特異的に誘導される理由の解明が挙げられる。また、GSIの臨床開発における毒性 (特に消化管毒性) の克服が重要である。エクソソームに含まれる5’-三リン酸RNAの他のがん種 (非小細胞肺がんの基底様サブタイプ、膀胱がんなど) における普遍性の検証も必要である。さらに、BRCA1/2変異とエクソソーム-RIG-I軸の相互作用、および免疫チェックポイント阻害剤との併用可能性についても、今後の研究で明らかにすべき点である。本研究は、腫瘍-間質エクソソーム水平シグナル伝達という新領域を創出し、精密腫瘍学における微小環境標的治療の基盤を築いたが、これらの課題解決を通じて、より効果的な治療戦略の開発が期待される。
方法
In vitro共培養および細胞死アッセイ: 転移性MDA-MB-231基底様乳がん細胞 (1833) とMRC5正常ヒト線維芽細胞 (間質細胞) の1:1共培養を基本系とし、複数のIRDS応答性 (IRDS-R、基底様中心) および非応答性 (IRDS-NR) 細胞株 (Table S1) で比較検討した。CAF、骨髄間葉系細胞、マクロファージ株を用いて間質細胞特異性を検証した。細胞死は、CFSE標識乳がん細胞のSytox-Redによるフローサイトメトリーで測定した。GSI (DAPT) 処理には10 μMを用いた。
In vivo異種移植モデル: ルシフェラーゼ標識1833細胞をヌードマウス (n=5-10 mice/group) に皮下移植し、7日目に8 Gyの放射線療法とDAPT (GSI) を投与した。バイオイメージング (BLI) で経時的な腫瘍増殖を評価し、TUNEL染色で細胞死を、CD44/CD24フローサイトメトリーでTIC集団を評価した。
エクソソームの分離・解析: 培養上清から連続遠心分離によりエクソソームを分離した。TSG101/RAB27Bウェスタンブロット、NanoSight粒子計測、透過型電子顕微鏡 (TEM) でエクソソームを同定・定量した。DiD/親油性色素転送アッセイにより、細胞間のエクソソーム移動を可視化した。エクソソーム枯渇培地およびエクソソーム除去CMを調製し、エクソソームの役割を検証した。
RNA機能解析: エクソソームRNA (exoRNA) をTRIzolで抽出し、合成脂質小胞に再封入後、トランスフェクションにより機能検証した。アルカリホスファターゼ、Terminatorエクソヌクレアーゼ、タバコ酸ピロホスファターゼを用いて5’末端構造を同定した。exoRNAシーケンスにより、既知のRIG-I活性化ウイルス配列の有無、およびヒトの遺伝子間/非コード転写産物のエンリッチメントを解析した。特にSINE、LINE、LTRレトロトランスポゾン、テロメア/セントロメアサテライト配列の存在を評価した。
機能阻害実験: siRIG-I、siSTAT1、siTSG101、siRAB27B、siJAG1、siNOTCH3による遺伝子ノックダウンを実施した。ドキシサイクリン誘導性NICD3 (NOTCH3細胞内ドメイン) を用いてNOTCH3経路を構成的に活性化した。ChIP-seqおよびENCODEデータを用いてSTAT1結合部位を解析した。GSI (DAPT) との併用療法効果を評価した。
統計解析: 統計解析にはR言語とBioconductorを用いた。Random forest (RF) 多変量回帰分析 (Chen and Ishwaran, 2012) を用いて、IRDS発現を予測するパターン認識受容体を同定した。遺伝子セット濃縮解析には「GSA」Rパッケージを用いた。Cox回帰分析を用いて、RAB27B/STAT1/NOTCH3の発現と放射線療法/化学療法後の予後との関連を検証した。
臨床検体の検証: NKI295シリーズ (n=295、原発腫瘍)、Stromaシリーズ (n=53、乳がん間質 vs 正常間質)、LCMDシリーズ (n=28、ペアの腫瘍/間質) の遺伝子発現データを用いた。原発性ヒトトリプルネガティブ乳がん (TNBC) の免疫組織化学染色 (IHC) でRAB27B、STAT1、NOTCH3の発現と局在を評価した。K14cre;BRCA1 F/F;p53 F/FマウスモデルおよびPDX TNBCモデルでも同様の解析を行った。