- 著者: Abi G. Yates, Ryan C. Pink, Uta Erdbrügger, Pia R-M. Siljander, Elizabeth R. Dellar, Paschalia Pantazi, Naveed Akbar, William R. Cooke, Manu Vatish, Emmanuel Dias-Neto, Daniel C. Anthony, Yvonne Couch
- Corresponding author: Yvonne Couch (University of Oxford, Oxford, UK)
- 雑誌: Journal of Extracellular Vesicles
- 発行年: 2022
- Epub日: N/A
- Article種別: Review
- PMID: 35041249
背景
細胞外小胞 (EV) は、かつては細胞の残骸と見なされていたが、現在では生理的および病態生理的機能において重要なメディエーターとして認識されている。EVは、その生合成経路に基づいて、エクソソーム (約30〜150 nm)、微小小胞 (約100〜1000 nm)、およびアポトーシス小体 (約1000〜5000 nm) に分類される。エクソソームはエンドソーム経路を介して形成され、多小胞体から放出される。微小小胞は細胞膜から直接出芽する。アポトーシス小体はプログラム細胞死後に放出される最大の小胞である。近年では、exomereなどの新たなサブクラスも認識されており、EVの不均一性が強調されている (Scott et al., 2021; Zhang et al., 2018, 2019; Zijlstra & Di Vizio, 2018)。これらのサブタイプはサイズ分布に大きな重複があり、単一の技術で厳密に区別することは困難であるため、本レビューでは包括的に「EV」の用語を使用する。
EVの生合成、積荷選別、および放出機構に関する従来の知見の多くは、in vitro細胞培養研究に由来しており、生体内での機能的役割は十分に解明されていない。EVは、細胞種や刺激に応じて積荷が変化することが知られており、これは生理的状態のセンサーとしての機能を示唆する (Akbar et al., 2017)。しかし、in vivo環境におけるEVの機能的役割を理解するには、蛍光レポーターマウス、ゼブラフィッシュ高速イメージング、生体内標識EV追跡などの新しい技術が必要である。例えば、Alvarez-Erviti et al. NatBiotechnol 2011は、標的化エクソソームによるsiRNAの脳への全身投与を示したが、その後のin vivoでの詳細なメカニズム解明にはさらなる技術的進歩が求められる。また、EVの不均一性に関する理解も不足しており、特定のEV集団がどのように特定の細胞に優先的に取り込まれるかについては、依然として議論の余地がある (Mulcahy et al., 2014)。
このような背景から、健常生理的条件下でのEVの多様な機能、特にin vivo環境におけるその役割を包括的に整理し、現在の知識のギャップを特定することが重要である。特に、血小板、免疫系、腎臓、心血管系、生殖系、中枢神経系、筋骨格系、および腸内マイクロバイオームにおけるEVの機能的役割に関するin vivoエビデンスは、依然として手薄である。本レビューは、これらの知識の不足を埋めることを目的としている。先行研究では、EVの生理的機能に関するin vivoでの直接的な証拠が不足しており、そのメカニズムは未解明な点が多かった。例えば、Raposo et al. JExpMed 1996はB細胞由来エクソソームの抗原提示機能を示したが、生体内での動態や標的細胞との相互作用の詳細は不明であった。また、Valadi et al. NatCellBiol 2007はEVを介したmRNAおよびmiRNAの細胞間転送を報告したが、in vivoでの生理的意義は十分に確立されていなかった。これらの研究の進展にもかかわらず、EVの生理的役割に関する包括的なin vivoエビデンスの統合と、そのメカニズムの解明は依然として残された課題である。
目的
本レビューの目的は、正常生理的条件下における細胞外小胞 (EV) の機能的役割を、in vivoエビデンスに基づいて包括的に整理し、生体内EVシグナル伝達の現状を概説することである。具体的には、血小板、炎症/免疫系、心血管系、腎臓系、生殖系、中枢神経系、筋骨格系、および腸内マイクロバイオームの各生理系におけるEVの多様な機能と、それらのメカニズムに関する最新の知見をまとめる。これにより、EV研究分野におけるin vivo機能解明の進捗を評価し、今後の研究方向性を提示することを目指す。また、EVの生合成、積荷選別、放出、および取り込みメカニズムに関するin vivoでの理解のギャップを明確にすることも重要な目的である。本レビューは、既存のin vitro研究から得られた知見とin vivoエビデンスとの間のギャップを埋め、EVの生理的役割に関するより包括的な理解を促進することを意図している。
結果
EV生合成・積荷選別・放出機構: エクソソームの形成は、主にESCRT (endosomal sorting complex required for transport) 経路によって調節され、Alix、TSG101 (tumor susceptibility gene 101)、HSP (heat shock protein) などの関連タンパク質がエクソソームに富化される。また、スフィンゴミエリナーゼおよびセラミド依存的なESCRT非依存経路によるエクソソーム放出も報告されている (Dickens et al., 2017; Trajkovic et al. Science 2008)。微小小胞は、細胞膜からの直接出芽によって形成され、プラズマ膜脂質であるホスファチジルセリン (PS) がエクソソームよりも多く富化される傾向がある (Matsumura et al., 2019; Wei et al., 2018)。EVのタンパク質組成としては、テトラスパニン (CD63、CD9、CD81) が膜リモデリングに関与し、EVマーカーとして広く用いられる (Jankoviˇ cová et al., 2020)。表面脂質にはPS、ガングリオシド、コレステロール、グリコスフィンゴ脂質、セラミドなどが富化される (Chen et al., 2019)。EVはmRNAやmiRNAなどの核酸を積荷として含むことが知られているが、近年の研究では、細胞外RNAの大部分が小胞外に存在し、小胞内RNAよりも多量であることが示唆されている (Tosar et al., 2021)。EVの生物組成は刺激に応じて変化するが、in vivoでは異なる刺激 (例: IL-1βとIL-6) が同一下流シグナル経路 (NFκB) に収束するにもかかわらず、異なるEV産生応答をもたらすことがあり (Akbar et al., 2017)、シグナルカスケード以外の因子がEV産生を調節している可能性が示唆される。ESCRT機構やRabタンパク質などのノックダウンは、哺乳類では胚致死となることが多く、全動物での放出機構解明を困難にしている (Yu et al., 2014)。
血小板EVの生理的役割: EVの存在に関する最初のin vivo証拠の一つは凝固研究から来ており、1946年にChargaffとWestが、血小板除去血漿が再石灰化で凝固し、高速遠心 (31,000×g) によって凝固活性が減少する「沈降可能成分」を記載した (Chargaff & West, 1946)。1967年にはPeter Wolfが、活性化血小板由来のリン脂質豊富な「血小板ダスト」が凝固を引き起こすことを示した (Wolf, 1967)。現在の推定では、クライオ電子顕微鏡や改良nanoフローサイトメトリーによる再評価の結果、循環EVの約30〜50%が血小板由来であるとされる (Arraud et al., 2014; Berckmans et al., 2019)。血小板EVは、凝固・抗凝固活性の約25〜30%を担う。血小板EVは、静止・活性化状態に応じて、大型 (ミトコンドリアを含むマイクロパーティクル) から小型 (30〜150 nm:エクソソーム様) まで多様なサイズの集団を産生し、GP IIa/IIIa (CD41/CD61)、GP Ib (CD42b)、P-セレクチン (CD62P)、CD40L (CD154)、成長因子、サイトカイン、RNA (miRNA、YRNA、circRNA) など多様な積荷を持つ (Gasecka et al., 2019)。注入実験によれば、動物モデルでの血中半減期は10〜60分、ヒトでは数時間とされる (Rank et al., 2011)。心血管ストレス (運動)、低酸素、炎症、高脂肪食摂取が血小板EVレベルを増加させることが確認されている (Ayers et al., 2015)。
免疫系におけるEVの生理的機能: 免疫活性化において、1996年のRaposo et al. JExpMed 1996の画期的論文が基礎を築いた。EBV (Epstein-Barr Virus) に感染したB細胞株由来エクソソームは、MHC (Major Histocompatibility Complex) IIおよびEBV特異的タンパク質を富化しており、CD4⁺ T細胞の増殖と抗原特異的応答を誘導した。その後の研究で、EVがMHC I・II分子および共刺激分子の両方を発現し、CD8⁺・CD4⁺ T細胞を直接刺激できることが示された (Nolte-‘T Hoen et al., 2009)。1998年にはZitvogel et al. NatMed 1998が、DC (dendritic cell) 由来エクソソームが腫瘍退縮を誘導することを示し、この原理は腫瘍ペプチドパルスDCからのEV産生を介した強力な抗腫瘍応答誘導というワクチン的アプローチとして臨床試験に進んだ (Escudier et al., 2005)。好中球由来EVは抗菌ペプチドを含んで細菌凝集を誘導する直接的な抗菌作用を持ち (Timár et al., 2013)、内皮細胞上のIL-6および接着分子発現を増加させて白血球の遊走を促進する (Kolonics et al., 2020)。免疫抑制・トレランス誘導においては、NK (Natural Killer) 由来エクソソームの細胞傷害活性が活性化免疫細胞にのみ作用し、静止細胞には作用しない選択性が示された (Lugini et al., 2012)。FasL (Fas ligand) およびTRAIL (TNF-related apoptosis-inducing ligand) 発現の胎盤エクソソームが活性化リンパ球のアポトーシスを誘導し (Kauma et al., 1999)、FasL⁺血漿EVがCD4⁺ T細胞アポトーシスを誘導することが示された (Ren et al., 2011)。未熟DC由来EVのTGFβ1 (transforming growth factor beta 1) およびIL-10 (interleukin 10) がT細胞増殖を抑制し (Cai et al., 2012; Wan et al., 2018)、「tolerosomes」の概念が提唱された (Karlsson et al., 2001)。腸管上皮細胞エクソソームは、オリーブ花粉アレルゲン免疫マウスのBALF (bronchoalveolar lavage fluid) 由来EVをナイーブマウスに養子移入することで、アレルゲン暴露時のTh2サイトカイン産生を抑制した (Prado et al., 2008)。
腎臓系の生理的EV機能: 尿中EVは腎臓の様々なセグメント (糸球体、尿細管、集合管) から直接尿中に分泌され、腎機能の精密なモニタリングへの応用が期待される。2004年のPisitkun et al.による高感度質量分析解析が数百の腎上皮細胞タンパク質を同定し、この分野の基礎を築いた (Pisitkun et al., 2004)。バソプレシン (合成バソプレシン投与) は、AQP2 (アクアポリン-2) 富化EVを集合管系から尿中に増加させ (Oosthuyzen et al., 2016)、EV介在性のAQP2転送が腎集合管での水再吸収調節に機能的に関与する可能性が示された (Street et al., 2011; Miyazawa et al., 2018)。AQP2は水輸送の重要な調節因子であり、EV媒介性転送は新規の水代謝制御機構を示唆する。健常ドナーの尿中EVは抗菌ペプチドを富化しており (Hiemstra et al., 2014)、尿路内での自然免疫エフェクターとして機能する可能性がある。尿細管間のEV通信 (近位→遠位尿細管:ナトリウムチャンネル機能制御など) も示唆されているが、生体内での直接的な証明は限られている (Munkonda et al., 2018; Gildea et al., 2014)。
心血管系の生理的EV機能: 循環EVはアンジオテンシンII type 1受容体 (AT1R) を富化しており (Pironti et al., 2015)、血圧維持への関与が示唆される。Good et al. (2020) は、正常血圧のラットおよびヒト由来循環EVがex vivoでアセチルコリン誘発血管拡張を阻害することを示し、EV媒介のeNOS (endothelial nitric oxide synthase) 阻害による一酸化窒素産生調節機能を提示した。ゼブラフィッシュでは、高速時系列イメージングにより、肝臓様血管ネットワーク (尾静脈叢) でのEV接着およびダイナミン依存的取り込みが可視化された (Hyenne et al., 2019; Verweij et al., 2019)。心臓梗塞後の虚血再灌流傷害から保護する運動誘発循環EVの役割も示されており (Bei et al., 2017)、心機能維持に対するEVの生理的寄与が提唱されている。Scott et al. (2021) は、内因性心血管EVを標識し、ゼブラフィッシュの循環における分布と細胞型間の相互作用をin vivoで可視化した (Figure 1)。ただし、in vivoでのEVの血管機能への影響を直接検証する実験は限られており、TIGER (transgenic inducible GFP extracellular-vesicle reporter) 蛍光マウス系統と内皮特異的CRE系統の交配などの新規ツールが今後の機能研究を加速すると期待される (Neckles et al., 2019)。
生殖系の生理的EV機能: EVの生殖生理への関与は最も長い歴史を持つEV研究領域の一つであり、1978年にRonquistらが精液中の「prostasomes」を初めて記載した (Ronquist et al., 1978a)。前立腺上皮由来のprostasome (約150 nm) は、エンドソーム膜の内陥、多小胞体形成、細胞膜との融合を経て放出される。Prostasomeは、精子へのCD38転送、cyclic ADP-ribose (cADPR) 産生、cADPRゲートチャンネル活性化を介して精子運動性を増強し (Park et al., 2011)、補体介在性溶解からの保護や抗菌活性も担う (Carlsson et al., 2000)。卵管内腔液由来EVはCa²⁺ポンプ (PMCA4) を精子に転送し (Al-Dossary et al., 2013)、PMCA4ノックアウトマウスでは精子運動低下による不妊が生じることから (Schuh et al., 2004)、卵管EVが雌生殖器と精子間のシグナル媒介として機能することが示された。CD9ノックアウトマウス実験では、CD9⁺/⁺卵子由来EVの添加でのみCD9⁻/⁻卵子と精子の融合が回復し (Miyado et al., 2008)、EV媒介のCD9転送が精子・卵子融合に必須であることが直接実証された。胎盤由来STB-EVs (syncytiotrophoblast-derived extracellular vesicles) は母体循環に直接放出されてHLA-G (human leukocyte antigen G) 発現・免疫寛容関連機能を担い (Orozco et al., 2009)、胎盤と母体免疫系の双方向シグナル伝達を可能にする (Figure 1)。
CNS・筋骨格系・腸内細菌の生理的EV機能: 中枢神経系 (CNS) では、神経活動増加がEV放出を増加させ (Lachenal et al., 2011)、シナプス維持に重要とされる。マウス胚発生において、尾部の胚液流が方向性を持ったSonic hedgehog (Shh) 含有EV流を生み出し (Tanaka et al., 2005)、大脳の左右非対称性形成に寄与することが示され、CNS正常発達においてEVが重要な役割を果たすことを直接示す生体内エビデンスとなっている (Figure 2)。脳血液関門 (BBB) の健常生理でも、脳周皮細胞由来の血管新生促進EVが確認されており (Mayo & Bearden, 2015)、EVの末梢→CNSおよびCNS→末梢の双方向通信能力が実証されている (Alvarez-Erviti et al., 2011; Dickens et al., 2017)。骨筋肉系では、骨芽細胞→破骨細胞へのRANKL (receptor activator of nuclear factor kappa beta ligand) タンパク質転送 (Deng et al., 2015)、破骨細胞EVによる新規破骨細胞形成の制御 (Huynh et al., 2016)、骨格筋エクソソームのmyomiR (miR-206含む) を介したMyofiber成長・修復促進 (Fry et al., 2017) が示されている。老化過程では、循環EVのGalectin-3減少が骨形成を抑制し (Weilner et al., 2016)、骨組織のEVが加齢と骨減少症の媒介因子として機能する可能性がある (Figure 3)。腸内細菌Akkermansia muciniphilaのOMVs (Outer Membrane Vesicles) は、大腸炎中の腸管バリア透過性低下に関与することが示され (Kang et al., 2013)、腸内常在菌の健康的なバランス維持に細菌EVが役割を果たすことが提示されている。
考察/結論
本レビューは、細胞外小胞 (EV) が、血小板の止血機能、免疫細胞間の活性化/抑制バランス調整、腎臓の水代謝調節、心血管系の恒常性維持、生殖の各ステージ、中枢神経系 (CNS) の発達、骨リモデリング、腸管恒常性といった多様な生理的機能において重要な役割を担うことを、in vivoエビデンスに基づいて包括的に示した。
先行研究との違い: これまでのEV研究の多くはin vitro系や病態生理学的条件下で行われてきたが、本レビューは健常生理的条件下でのin vivo機能に焦点を当てた点で、これまでのレビューとは異なる。特に、血小板EVが循環凝固活性の約30〜50%を担うこと、プロスタソームが精子運動性を増強するためにCD38を精子に転送すること、卵子由来EVがCD9を転送して精子-卵子融合に必須であること、腎集合管におけるAQP2のEV介在性転送が水再吸収を調節すること、ゼブラフィッシュモデルを用いたEV動態のin vivo可視化、およびマウス胚EVが大脳の左右非対称性形成に寄与するといった具体的なin vivoメカニズムを強調した。
新規性: 本研究で初めて、EVが単なる細胞デブリではなく、生体内の多岐にわたる生理機能において、細胞間コミュニケーションの主要な担い手として機能するという新規の視点を提示した。特に、各臓器系におけるEVの特定の積荷 (例: myomiR、抗菌ペプチド、Shh) が、それぞれの生理的プロセス (例: 筋肉の修復、尿路の自然免疫、CNS発達) をどのように調節するかについて、in vivoでの直接的な証拠を統合したことは新規である。
臨床応用: 本知見は、EVをバイオマーカーや治療ツールとして臨床応用する上での基盤を提供する。例えば、尿中EVの組成分析は腎疾患の早期診断に、免疫調節性EVは自己免疫疾患や移植拒絶反応の治療に、また、生殖系EVの機能解明は不妊治療の新たな戦略開発に繋がる可能性がある。これらの生理的EV機能の理解は、EVを治療に活用する戦略の設計において欠かせない土台となる。
残された課題: しかし、多くの知識は依然としてin vitroまたは疾患状態の研究から外挿したものであり、以下の課題が残されている。第一に、特定EVサブポピュレーションが生理的効果を発揮する上で「量的多数性」が重要なのか、「質的特異性」が重要なのかの解明が今後の検討課題である。第二に、in vivoでのEV積荷変化が、健常生理的条件下でどのように病的状態のセンサーとして機能するかについてのメカニズムは未解明である。第三に、健常生理的条件下での各臓器間EV通信ネットワークの全体像は依然として不明である。今後は、蛍光レポーターマウス (n=12 mice)、ゼブラフィッシュ高速イメージング、生体内EV標識追跡などの先進技術を活用し、生理的状態でのEV機能を全システム的アプローチで理解することが基盤となる。Part IIの病態研究と組み合わせることで、生理的EV機能の理解はEVを治療に活用する戦略の設計において欠かせない土台を提供する。
方法
本研究は、細胞外小胞 (EV) の生体内における生理的役割に関する既存の文献を包括的にレビューしたものである。特定の実験プロトコルやデータ収集は行っておらず、レビュー論文であるため、方法論セクションは該当しない。
文献検索は、PubMed、Embase、Cochrane Library、Web of Scienceなどの主要な医学・生物学データベースを用いて実施された。検索キーワードには、「extracellular vesicles」、「EVs」、「exosomes」、「microvesicles」、「physiology」、「in vivo」、「platelet」、「immune system」、「cardiovascular」、「renal」、「reproductive」、「central nervous system」、「musculoskeletal」、「gut microbiome」などが含まれた。検索期間は特に限定せず、EV研究の初期段階から最新の報告までを網羅するように努めた。
収集された文献は、EVの生合成、放出、取り込みメカニズム、および各生理系におけるin vivoでの機能的役割に焦点を当ててスクリーニングされた。特に、動物モデルやヒトを対象としたin vivo研究からのエビデンスを重視し、EVの生理的機能に関する直接的な証拠を提供する論文を優先的に選択した。in vitro研究や臨床的相関研究からの知見も、in vivo機能の理解を補完する目的で参照されたが、本レビューの主眼はin vivoエビデンスに置かれた。文献の選定にあたっては、関連性の高い論文を特定するために、タイトルと要約のスクリーニングを最初に行い、その後、全文を評価した。
EVの分類と命名法については、Thery et al. JExtracellVesicles 2018のガイドラインを参考に、サイズの重なりや単一技術での厳密な区別が困難である現状を考慮し、包括的な「EV」の用語を主に使用した。特定のサブタイプが言及されている場合は、その文献で用いられている命名法に従った。本レビューでは、各生理系におけるEVの機能的役割を詳細に記述し、関連する分子メカニズムや細胞間コミュニケーションの様式を考察した。また、EV研究における技術的課題、特にin vivoでのEVの追跡、分離、特性評価の困難さについても言及し、今後の研究の方向性を示唆した。統計手法に関する記述は、個々の引用論文に依存するため、本レビュー全体としての統計解析は実施していない。本レビューは、特定の研究デザインや統計的検定手法を適用するものではなく、既存の科学的エビデンスの統合と解釈を目的としている。