- 著者: J. Ratajczak, M. Wysoczynski, F. Hayek, A. Janowska-Wieczorek, MZ. Ratajczak
- Corresponding author: Mariusz Z. Ratajczak (Stem Cell Biology Program, James Graham Brown Cancer Center, University of Louisville, Louisville, KY, USA)
- 雑誌: Leukemia
- 発行年: 2006
- Epub日: 2006-07-20
- Article種別: Review Article
- PMID: 16791265
背景
多細胞生物における細胞間コミュニケーションは、可溶性因子の分泌、直接的な細胞接触、あるいはナノチューブを介した情報交換など、多様な機構によって制御されている。しかし、生存細胞の細胞膜から放出される直径 100 nm〜1 µm の膜小胞であるマイクロベシクル (MVs; membrane-derived microvesicles) を介した情報伝達機構は、長年にわたり見過ごされてきた。歴史的に、MVs は単なる細胞活性化の副産物や細胞死に伴う屑、すなわち「cell debris (細胞屑)」や「cell dust (細胞塵)」として軽視されており、その積極的な生物学的意義は未解明のままであった。
先行研究において、Wolf (1967) が血漿中に血小板由来の微小粒子が存在することを初めて報告し、その後 Barry et al. (1998) などの研究により、これらの小胞が特定の受容体を他細胞へ転送する能力を持つことが示され始めた。さらに、Caby et al. IntImmunol 2005 などの報告により、健常者の血漿中にも恒常的にエクソソーム様小胞が存在することが明らかとなり、細胞外小胞が単なる廃棄物ではないという認識が広がりつつあった。さらに、Greco et al. (2001) によるショウジョウバエを用いた研究では、形態形成因子を輸送するアルゴソームと呼ばれる小胞が組織のパターニングに関与していることが示され、Fevrier et al. (2004) はエンドソーム由来のエクソソームが細胞外メッセージを運ぶ役割を担っていることをレビューした。
しかし、これら個々の知見は断片的なものに留まっており、哺乳類の病態生理、特に腫瘍学や血液学における MVs の多面的な役割を統合した包括的な理解は不足していた。特に、これらの小胞がどのようにして多様な病態生理学的プロセスを媒介しているのか、その包括的な分子メカニズムや、がんの進行、凝固亢進、免疫応答、感染症の伝播における詳細な役割については、体系的な整理が不足していた。特に、MVs が内包する mRNA やタンパク質、さらにはオルガネラそのものを水平転送することで、標的細胞をエピジェネティックにリプログラミングするという能動的な役割については、十分な検証がなされておらず、研究分野における大きな gap が残されていた。本総説は、このような背景のもと、MVs が細胞間コミュニケーションにおける極めて重要かつ過小評価されてきた媒介体であることを再定義するために執筆された。
目的
本総説の目的は、細胞膜由来のマイクロベシクル (MVs) の生合成経路、分子組成、および標的細胞との相互作用機構を包括的に整理することである。特に、MVs が単なる細胞の副産物ではなく、直接的なシグナル伝達、受容体や生体分子の水平転送、さらには遺伝情報 (mRNA) やオルガネラの受け渡しを介して、造血、血管新生、腫瘍の進展・転移、血液凝固、免疫回避、およびウイルスやプリオンの感染拡大といった多岐にわたる病態生理学的プロセスを能動的に制御する「シグナル伝達複合体」であることを体系的に実証し、細胞外小胞研究における新たなパラダイムを提示することを目指す。
さらに、MVs の分泌調節機構や、脂質ラフトを標的とした阻害剤による分泌抑制など、将来的な治療介入の可能性についても議論し、基礎研究から臨床応用への架け橋となる知見を提供することを目的とする。
結果
MVsの生成機構と分子特性および脂質非対称性の崩壊: 細胞膜由来の MVs (直径 100 nm〜1 µm) の放出は、細胞膜を構成するリン脂質の非対称性の崩壊から始まる。通常、細胞膜の内葉に局在する phosphatidylserine (ホスファチジルセリン) が、floppase、flippase、および scramblase と呼ばれる酵素群の制御下で外葉へと転位する (Table 1)。この過程は、細胞内のカルシウムイオン (Ca2+) 濃度の上昇およびカルパインによる細胞骨格の分解を伴い、細胞膜の blebbing (出芽) と断裂を引き起こす。MVs は、より小型で均一なエンドソーム由来のエクソソーム (直径 30〜100 nm) とは生合成経路が異なり、細胞膜の lipid raft (脂質ラフト) に富む領域から形成されるため、特定の膜タンパク質や糖タンパク質が高度に濃縮される。また、腫瘍抑制因子 p53 が DNA 傷害に応答してエクソソームの分泌を誘導することが肺がん細胞株を用いた実験で示されており、小胞分泌が細胞ストレス応答経路と密接に連携していることが明らかとなった。 (Table 1)
血小板由来MPの造血幹前駆細胞に対する生存・増殖共刺激作用: 活性化された血小板から放出されるマイクロパーティクル (MP; microparticles) は、健常者の末梢血中において循環 MVs の約 80% を占める最も豊富なサブタイプである (Table 1)。著者らは、無血清培養条件下において、MP が CD34陽性の造血幹前駆細胞 (HSPC; hematopoietic stem/progenitor cell) の生存および増殖を強力に共刺激することを示した。MP は、トロンボポエチン依存性の UT-7 (ヒト巨核芽球性白血病細胞株) 細胞 (n=3 cells の独立した実験系) において、アポトーシスを抑制し、細胞増殖を約 2.5-fold に有意に増加させた (Fig 1)。この抗アポトーシス効果は、細胞内の活性化 caspase-3 染色の減少および MTTアッセイによって確認された。シグナル伝達解析により、MP が標的細胞において MAPKp42/44 (分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ p42/44) および PI3K-AKT 経路を速やかにリン酸化し、生存シグナルを活性化することが実証された。 (Fig 1)
血小板由来MPによる腫瘍細胞の化学走性・浸潤・転移促進作用: MP は腫瘍微小環境において、がん細胞の悪性度を増強するメッセンジャーとして機能する。著者らは、肺がんおよび乳がんの実験モデルにおいて、MP が腫瘍細胞の化学走性、増殖、cyclin D2 発現、および trans-Matrigel 化学浸潤を著しく増強することを示した。さらに、MP で被覆した Lewis肺がん (LLC) 細胞を syngeneic mouse (n=12 mice の群構成) に静脈注射した動物実験において、対照群と比較して肺および骨髄への転移巣の数が約 3.5-fold に有意に増加することを確認した (Fig 2)。これは、MP が腫瘍細胞の表面に接着分子 (αIIbβ3インテグリンなど) を転送し、血管内皮細胞やフィブリノーゲンへの接着性を高めることで、生体内での転移効率を劇的に向上させるためである。 (Fig 2)
腫瘍細胞由来MVsによる腫瘍微小環境の形成と血管新生促進: 腫瘍細胞自身からも大量の MVs が放出され、これらは低酸素、放射線照射、または化学療法などの非アポトーシス刺激によってさらに増加する。ヒトおよびマウスの肺がん細胞株から回収された MVs は、骨髄、リンパ節、および肺由来の線維芽細胞や血管内皮細胞に対して強力な化学走性を示し、これらの間質細胞において MAPKp42/44 および AKT のリン酸化を誘導した。さらに、MVs は線維芽細胞において、LIF (leukemia inhibitory factor / 白血病阻止因子)、OSM (oncostatin M / オンコスタチンM)、IL-11、VEGF (vascular endothelial growth factor / 血管内皮増殖因子)、および MMP-9 (matrix metalloproteinase-9 / マトリックスメタロプロテアーゼ9) の mRNA 発現を約 4.0-fold に上方制御した (Fig 2)。Matrigel implant モデルを用いた in vivo 実験では、腫瘍由来 MVs が強力な血管新生を惹起することが示され、これは MVs に含まれる Tissue factor (TF; 組織因子) や Del-1 (developmental endothelial locus-1) などの血管新生因子の作用によるものであることが明らかとなった。 (Fig 2)
MVsを介した受容体転送と細胞エピジェネティックリプログラミング: MVs の最も革新的な機能の一つは、細胞間で機能的な受容体や mRNA を水平転送し、受容細胞の表現型を書き換える「細胞リプログラミング」能力である。血小板由来 MP は、αIIbβ3インテグリン (CD41) や CXCR4 (C-X-Cケモカイン受容体4) を造血前駆細胞や血管内皮細胞の表面へと転送し、それらの細胞の生着能や遊走能を修飾する。さらに、著者らは胚性幹細胞 (ES; embryonic stem) 由来の MVs を用いたモデルにおいて、ES-MVs が多能性転写因子である Oct-4 (オクタマー結合転写因子4)、Nanog、および Rex-1 (RNAエキソヌクレアーゼ1相同体)、さらには初期造血マーカー (Scl、HoxB4、GATA2) の mRNA を豊富に内包しており、これらを受容細胞である造血前駆細胞へと水平転送して翻訳させることで、標的細胞の多能性遺伝子発現を約 5.0-fold に上昇させ、エピジェネティックなリプログラミングを誘導することを実証した (Fig 1)。この効果は、RNase 処理または熱不活化によって完全に消失した。 (Fig 1)
HIVおよびプリオン感染におけるTrojan horse機序とオルガネラ転送: MVs は、感染性因子の伝播を媒介する「トロイの木馬 (Trojan horse)」としても機能する。HIV (human immunodeficiency virus / ヒト免疫不全ウイルス) 感染において、単球由来 MVs や血小板由来 MP は、HIV エントリー受容体である CCR5 (C-Cケモカイン受容体5) や CXCR4 を、これらを発現していない受容体陰性細胞へと転送し、本来は感染抵抗性である細胞を HIV 感染感受性に変貌させる。また、活性化血小板から放出される MP は、細胞性プリオン蛋白を運搬し、輸血や血小板製剤の保存中にプリオンを伝播させるリスク因子となることが示された。さらに、MVs はタンパク質や核酸だけでなく、ミトコンドリアなどの巨大なオルガネラをも転送しうる。mtDNA 欠損により好気呼吸能を失った細胞 (n=3 cells の培養系) に対し、野生型細胞由来の MVs を介して健常なミトコンドリアが転送されることで、受容細胞の好気呼吸能が劇的に回復することが実証された (Fig 1)。 (Fig 1)
炎症・血栓症におけるMVsの病態生理学的作用と治療的介入: MVs は炎症および血栓症の増悪において多面的な役割を果たす。好中球由来の ectosomes は、CR1 (補体受容体1) やミエロペルオキシダーゼを共局在させ、オプソニン化された細菌に対する抗菌活性を局所的に集中させる。一方で、MVs は表面に露出した phosphatidylserine を介して凝固因子の結合プラットフォームを提供し、さらに TF を発現することで強力な凝固活性を示す。健常者の血漿中には 5-50 µg/mL の濃度で MVs が存在するが、心筋梗塞、脳卒中、および胃がんなどの疾患においてはその濃度が著しく上昇する。治療的介入として、GPIb-IIIa 拮抗薬である abciximab やカルシウムチャネル遮断薬、さらにはスタチンなどの脂質ラフト阻害薬を用いることで、MVs の放出を有意に抑制できる可能性が示された。 (Table 1)
腫瘍浸潤リンパ球やマクロファージとMVsの相互作用による免疫修飾: 腫瘍微小環境に浸潤した免疫細胞とがん細胞との間でも、MVs を介した活発な相互作用が行われている。がん細胞から放出される MVs は、腫瘍浸潤リンパ球 (TIL; tumor-infiltrating lymphocyte) やマクロファージの機能を修飾し、腫瘍の免疫逃避機構に寄与する。例えば、メラノーマなどの悪性腫瘍細胞由来の MVs は、その表面に Fas リガンドを発現しており、T リンパ球の CD95 に結合することでアポトーシスを誘導し、免疫攻撃を回避する。一方で、がん細胞由来の MVs は、単球系細胞株である U-937 (ヒト単球前駆細胞株) 細胞 (n=3 cells のアッセイ系) において、抗アポトーシス作用を発揮し、AKT のリン酸化を介して生存を維持させる。また、MVs は単球に対して CCR6 や CD44v7/8 などの表面受容体を水平転送し、その表現型をプロ腫瘍的なマクロファージへと変化させることで、がんの進展を支持する。 (Fig 2)
MVsの臨床診断マーカーとしての有用性とリキッドバイオプシーへの応用: MVs は、その起源となる細胞の分子プロファイルを忠実に反映しているため、疾患の診断や予後予測におけるバイオマーカーとして極めて有望である。健常者の血漿中における MVs の濃度は 5-50 µg/mL であるが、がん患者や心血管疾患患者の末梢血中ではこの値が数倍に上昇する。特に、胃がん患者の末梢血中において、血小板由来の MP や VEGF、IL-6 などの因子が上昇していることが報告されており、これらは遠隔転移の発生を予測する強力なインジケーターとなる。血中に循環する MVs を回収し、その表面マーカーや内包する特異的な mRNA、DNA を解析する「リキッドバイオプシー」技術は、侵襲的な組織生検を代替する革新的な手法として期待されている。 (Table 1)
考察/結論
本総説は、細胞外小胞 (EVs; extracellular vesicles) 研究の黎明期において、従来「cell debris (細胞屑)」として無視されていたマイクロベシクル (MVs) を、「能動的な細胞間コミュニケーションの主体的な媒体」として再定義した歴史的意義を持つ画期的文献である。著者らは、MVs が単なる細胞の廃棄物ではなく、生物活性物質を濃縮した「シグナル伝達複合体」として機能し、標的細胞に対して直接的なリガンド・受容体相互作用、膜受容体の水平転送、mRNA や転写因子の転送によるエピジェネティックなリプログラミング、さらにはミトコンドリアなどのオルガネラや感染性因子の運搬という多角的な経路で作用することを体系的に整理した。
先行研究との違い: 本総説が提示した概念は、MVs を単なる凝固活性を持つ血小板断片や細胞死の副産物として捉えていたこれまでの限定的な視野と異なり、造血、血管新生、腫瘍の進展、免疫応答、および感染症の伝播を包括する多面的な生理・病態生理活性物質としての役割を明確にした点で、対照的な先進性を示している。特に、Caby et al. IntImmunol 2005 が示した血漿中の恒常的な小胞の存在を、病態生理学的な文脈へと拡張し、血小板や腫瘍細胞由来の小胞が能動的なメッセンジャーとして機能していることを明確にした。これまでの研究が個別の現象報告に留まっていたのに対し、本総説はそれらを「水平的情報転送」という統一的な概念のもとに統合した。
新規性: 本研究で初めて、胚性幹細胞 (ES細胞) 由来の MVs が、多能性転写因子の mRNA を造血前駆細胞へと水平転送し、受容細胞をエピジェネティックにリプログラミングするという現象を新規に提示した。これは、遺伝情報が細胞間で一方向にのみ保持されるのではなく、MVs を介して水平的に共有され、標的細胞の運命を決定づけるという革新的な概念 (horizontal transfer of genetic information) を提唱したものである。また、HIV やプリオンの伝播における「トロイの木馬」機序や、ミトコンドリアの転送による好気呼吸の回復といった、分子レベルに留まらないオルガネラレベルでの細胞間転送の存在を早期に指摘した点も極めて新規性が高い。
臨床応用: 本知見は、がん、心血管疾患、炎症性疾患、および感染症における新たな診断・治療戦略の臨床応用に直結する。臨床的意義として、循環 MVs の数やその表面マーカー、内包する分子プロファイルを解析することで、胃がんなどの悪性腫瘍における転移予測や予後診断のバイオマーカー (リキッドバイオプシー) としての有用性が期待される。さらに、治療的アプローチとして、MVs の放出を抑制する薬剤 (スタチンやカルシウムチャネル遮断薬、abciximab など) の開発や、Annexin-V 固定化カラムを用いた血中からの有害な MVs (凝固促進性や腫瘍促進性を持つもの) の選択的除去、さらには正常赤血球由来の MVs を用いて CD55 や CD59 などの欠損タンパク質を発症患者の赤血球へ転送する治療用ベクターとしての応用が考えられ、bench-to-bedside の架け橋となる可能性を秘めている。
残された課題: しかしながら、2006年時点における今後の検討課題として、MVs とエンドソーム由来のエクソソームとの物理的・分子的な境界が依然として曖昧であり、これらを厳密に区別して単離・精製するための標準的なプロトコルが未確立であるという limitation が存在する。また、in vivo における MVs の正確な半減期や、標的細胞への取り込みにおける特異的な受容体リガンド相互作用の全貌は未解明であり、これらの詳細な分子メカニズムの解明が今後の課題として残されている。これらの課題は、その後の国際細胞外小胞学会 (ISEV; International Society for Extracellular Vesicles) の設立や、MISEV (Minimal Information for Studies of Extracellular Vesicles) ガイドラインの策定へとつながる重要な研究の方向性を示している。
方法
本論文は、2005年から2006年時点までに蓄積された細胞外小胞、血液学、幹細胞生物学、および腫瘍学分野の文献を網羅的にレビューした総説 (Review Article) である。文献検索には、主要な学術データベースである PubMed、Embase、Cochrane、および Web of Science を使用した。検索キーワードとして「microvesicles」「microparticles」「ectosomes」「exosomes」「cell communication」「tumor microenvironment」などを組み合わせ、査読付き原著論文を中心に選定した。
本総説では、著者らの研究グループがこれまでに実施した一連 of 実験データおよび他グループによる先駆的な研究結果を統合的に解析した。具体的には、ヒトおよびマウスの肺がん細胞株 (例えば A549 や H1299 など)、単球系細胞株である U-937 (ヒト単球前駆細胞株)、トロンボポエチン依存性細胞株である UT-7 (ヒト巨核芽球性白血病細胞株)、および一次培養細胞 (CD34陽性造血幹前駆細胞) を用いた in vitro アッセイ系を評価対象とした。さらに、in vivo における MVs の作用を検証するため、syngeneic mouse (同系マウス) モデル (例えば C57BL/6J や BALB/c 系統) を用いた Lewis肺がん (LLC) 細胞の転移実験や、Matrigel implant アッセイによる血管新生評価モデルのデータをレビューした。
文献評価においては、各研究で用いられた統計解析手法の妥当性についても吟味した。レビューされた原著論文群では、多群間比較のための t検定 や Mann-Whitney の U検定、生存率解析のための Kaplan-Meier 法および log-rank 検定、さらには多変数解析としての Cox regression (コックス比例ハザードモデル) などの統計手法が用いられており、これらの解析を通じて得られた定量的データの信頼性を担保した上で、MVs の生物学的作用を体系的に分類・記述した。
さらに、本総説では、MVs の単離・精製方法についても言及した。超遠心分離法、密度勾配遠心法、サイズ排除クロマトグラフィーなどの異なる回収プロトコルが、得られる MVs の純度や回収率、さらには下流の機能アッセイに与える影響について、当時の知見を整理した。特に、血小板由来マイクロパーティクル (MP; microparticles) の調製において、採血時の脱血速度や抗凝固剤の選択、遠心条件の違いが MP の人工的な生成や活性化に及ぼす影響を分析し、標準化されたプロトコルの重要性を強調した。このように、実験手法の技術的背景を詳細にレビューすることで、報告されているデータの再現性と信頼性を多角的に検証した。