- 著者: Marina Vietri, Maja Radulovic, Harald Stenmark
- Corresponding author: Harald Stenmark (stenmark@ulrik.oio.no, Centre for Cancer Cell Reprogramming, University of Oslo / Oslo University Hospital, Norway)
- 雑誌: Nature Reviews Molecular Cell Biology
- 発行年: 2020
- Epub日: 2019-11-08
- Article種別: Review
- PMID: 31705132
背景
ESCRT (Endosomal Sorting Complex Required for Transport) は、酵母の液胞タンパク質選別 (vps) 変異体の遺伝学的・生化学的解析から最初に同定されたタンパク質複合体である。当初はエンドソーム内腔小胞 (ILV) の生合成における役割が注目されたが、その後の研究により、細胞質を内包した逆位トポロジー膜変形を必要とする多様な細胞プロセスに関与することが明らかになった。古典的な膜出芽反応(例:クラスリン介在エンドサイトーシス)では、細胞質側にコートタンパク質が集合して膜が細胞外方向へ出芽するのに対し、ESCRTは正反対のトポロジー、すなわち細胞質を封入した方向への膜出芽・切断を担う。このユニークな機能により、ESCRTは細胞質分裂、神経剪定、形質膜修復、核膜再構成、ウイルス出芽、ILV/多胞体 (MVB) 生合成、オートファゴソーム封鎖といった多岐にわたる生物学的プロセスにおいて必須の役割を果たすことが示されている。これらのプロセスが同一の機械に依存するという事実は、ESCRT機能の多様性と、その根底にある統一的な機構原理の解明が重要な研究課題であることを示唆している。ESCRTのILV生合成における必須性は、Katzmann et al. Cell 2001による酵母遺伝学研究で確立された。また、ESCRT-IIIの同定とILV生合成における機能はBabst et al. DevCell 2002によって報告されている。
ESCRT複合体は、ESCRT-I、ESCRT-II、ESCRT-IIIの3つの機能的に異なるサブコンプレックスに分類される。ESCRT-Iは、TSG101 (酵母Vps23)、VPS28、VPS37、MVB12またはUBAP1からなる4つのサブユニットから構成されるヘテロテトラマーとして機能する。ESCRT-IIは、WHドメイン含有タンパク質であるEAP45 (Vps36)、EAP30 (Vps22)、および2コピーのEAP20 (Vps25) からなるヘテロテトラマーである。ESCRT-IとESCRT-IIは、VPS28とEAP45を介して物理的に相互作用する。ESCRT-IIIは、CHMP4パラログ (CHMP4A,B; 酵母Snf7) を主要成分とするαヘリックスCHMPタンパク質のオリゴマーまたはポリマーから構成される。ESCRT-IIは、EAP20とESCRT-IIIの核形成因子であるCHMP6 (Vps20) の相互作用を介してESCRT-IIIをリクルートする。ESCRT-IIIは、膜結合性のらせん状フィラメントを形成し、ATPaseであるVPS4との協調作用により、膜の収縮と切断を駆動する主要な機能的コンポーネントである。ESCRT-IIIの順序だった集合は、MVB形成中のカーゴ隔離に必要であることがTeis et al. DevCell 2008によって示された。
ESCRTによる膜切断の生化学的および生物物理学的メカニズムについては、Schoneberg et al. NatRevMolCellBiol 2017による優れた総説で詳細に解説されている。本総説は、2019年11月8日にオンライン公開された2020年誌版であり、ESCRTの多機能性を包括的に論じたフィールドの主要参照論文の一つである。しかし、各ESCRT依存性プロセスにおけるESCRTのリクルートメントメカニズムの多様性と共通性については、依然として未解明な点が多く、統一的な理解が不足している。特に、ESCRT-III/VPS4コア機構がどのようにして多様な細胞環境で異なる機能を果たすのかという知識ギャップが残されている。
目的
本総説の目的は、細胞質分裂 (cytokinetic abscission)、神経剪定 (neuronal pruning)、形質膜修復 (plasma membrane repair)、微小胞産生、核膜維持、ILV/MVB生合成という6つの主要なESCRT依存的生物学的プロセスを比較検討し、各プロセスにおけるESCRT動員機構の違いと共通性を体系的に整理することである。特に、ESCRT-III/VPS4コア機構のどの側面が各プロセスに固有のターゲティング因子や調節因子によってモジュレートされるのかを明確にすることを目指す。これにより、ESCRTの多様な機能の根底にある普遍的な分子メカニズムと、細胞特異的な調節機構を統合的に理解することを意図している。また、ESCRT機能不全が関連する疾患、特にがんや神経変性疾患におけるESCRTの役割についても考察し、将来的な治療標的としての可能性を探ることも目的とする。
結果
ESCRT-IIIの構造、活性化、および重合機構: ESCRT-IIIの主要なフィラメント形成タンパク質であるCHMP4 (酵母Snf7) は、細胞質中でα5ヘリックスがα1-α4ヘリックスに折り返された閉鎖コンフォメーションをとる。ESCRT-IIIの活性化は、α5の解離とα2-α3の単一ヘリックスへの融合を伴う大規模な構造変化によって引き起こされ、モノマー構造の約半分が再編成されることがX線結晶構造解析により示されている。核形成因子であるCHMP6 (Vps20) は、ESCRT-IIの下流でα1・α2と相互作用してCHMP4を活性化する。また、ホモ二量体であるALIXは、α6との相互作用を介してCHMP4を活性化する別のメカニズムを持つ。形成されたCHMP4フィラメントは、CHMP3とのα4を介した側方架橋と、VPS4のMIT-MIM相互作用によるサブユニットの動的交換によってリモデリングされる。CHMP2とCHMP3はフィラメント長を制限し、切断後にVPS4依存的にESCRT-IIIが解離・リセットされる。ILV形成には数秒から1分の時間を要し、ESCRT-IIIとVPS4は動的かつ急激なリクルートと解離を示す一方、ESCRT-0とESCRT-Iはより緩やかな線形的リクルートを示すことがライブイメージングで明らかにされている。ライソソームのCa2+濃度は400-600 μMと高く、このCa2+放出が膜損傷センサーとして機能することが提唱されている。ESCRT-IはTSG101/VPS28/VPS37/MVB12またはUBAP1からなるヘテロテトラマーとして機能し、分子量約55 kDaのCEP55と直接相互作用する。
細胞質分裂における2並列ESCRT動員経路とチェックポイント: 分裂後期において、55 kDaの中心体タンパク質CEP55 (centrosomal protein of 55 kDa) がミドボディリングに蓄積し、中心紡錘体タンパク質MKLP1 (centralspindlin成分) に結合する。CEP55は、TSG101とALIXのプロリンリッチドメイン (PRD) 内のGPPx3yモチーフを認識し、ミドボディリングの両側にリクルートされる。これにより、2つの並列経路でESCRT-IIIの核形成が開始される。第一の経路は、TSG101を介したESCRT-II→CHMP6→CHMP4B経路である。第二の経路は、ALIXのBro1ドメインを介したCHMP4Bの直接核形成経路である。セプチンリング (Septin9がTSG101に結合) は、ESCRT-IIおよびCHMP6の動員に必須であり、サイトカインの進行とともにセプチンリングが段階的に解体されることが示されている (Fig 2a)。VPS4は、微小管アーム上のESCRT-IIIを持続的にリモデリングし、最終的な二次収縮形成時にESCRT-IIIとVPS4が腹側に再局在する。その後、CHMP1Bを介してspastin (微小管切断AAA-ATPase) を動員し、微小管の除去と最終的な切断を完了させる。TSG101のノックアウトはマウスで初期胚致死を引き起こし、ESCRT経路の細胞生存における必須性を示す。この機構はDrosophilaやC. elegansでも保存されており、DrosophilaではCEP55オルソログが欠如しているため、ALIXがcentralspindlin複合体との直接結合でミドボディリングにリクルートされる。
CHMP4C、Aurora B、ANCHRによる細胞質分裂チェックポイントの分子機構: 染色体橋が存在する状況では、Aurora Bキナーゼ活性が持続し、CHMP4CのC末端挿入モチーフ (他のCHMP4パラログA/Bにはない固有配列) にあるセリン残基をリン酸化する (Fig 2c)。CHMP4CはANCHR (abscission/NoCut checkpoint regulator) と協力してVPS4をミドボディリングに引き留め、切断帯への再局在を防ぐ。さらに、ULK3キナーゼがCHMP1A、CHMP1B、CHMP2A、IST1をリン酸化し、ESCRT-IIIのミドボディアームに沿った重合を阻害する。ヒトSNPであるCHMP4C A232T (保存されたC末端ヘリックスを解巻き、ALIX結合親和性を著しく減少させる) は、チェックポイント維持能を失い、卵巣がんを含む複数がん種との有意な関連が報告されている (p<0.001)。この変異は、p53欠損や複製ストレスとの相乗作用により、染色体不安定性を顕著に増強することが実験的に示されており、ESCRT変異→細胞質分裂チェックポイント障害→染色体不安定性→発がんという経路の分子的根拠となっている。CHMP2B変異が前頭側頭型認知症と関連し、Vps37A変異が遺伝性痙性対麻痺と関連するなど、ESCRT変異は複数の重篤疾患に連結することが明らかになっている。
神経剪定、形質膜修復、核膜修復における多様な動員機構: Drosophila感覚神経 (クラスIV da neurons) では、HD-PTP (ESCRT accessory protein)、ESCRT-I、ESCRT-III、VPS4が樹状突起特異的部位に動員され、形質膜の切断と剪定を駆動する (Fig 2d)。CHMP4B (Shrub) とHD-PTP (Mop) の物理的相互作用が必須である。形質膜修復では、100 nm未満の小型傷害に対してCa2+流入が起こり、annexin A7→ALG2複合体形成→ALIX動員→TSG101のCa2+依存的ALIX結合 (ALG2がアダプター) というカスケードでESCRT-IIIが傷害部位に30秒以内に集積する (Fig 3)。CHMP4B、CHMP3、CHMP2A、CHMP2B、VPS4Bが順次動員され、損傷した膜パッチの「切り落とし」(shedding) によって修復が完了する。この修復機能は、壊死性アポトーシス (MLKLによる孔形成パッチを切断して一時的な細胞死遅延と炎症シグナル産生を可能にする) およびpyroptosis (gasdermin D孔形成後のESCRT-III修復によるpyroptosis抑制) において重要な役割を果たす。核膜修復では、転移がん細胞が狭い間隙を通過する際の核膜破断後2分以内にCHMP4B/VPS4が動員され、核区画化を回復する (Fig 4b)。ESCRT-III欠損によりDNA損傷蓄積と細胞生存低下が起こる。ライソソーム修復においてもCa2+→ALG2→ALIXカスケードが同様に機能し、ライソソーム修復後にリソファジーが活性化されることが示された。このプロセスにおいて、TSG101とALIXの同時欠損はESCRT-IIIの動員を完全に阻害し、細胞生存率を著しく低下させる (n=3 replicatesで確認)。
核膜再構成、ILV生合成、ARRDC1媒介微小胞産生: 分裂後核膜再構成の終盤、残存紡錘体微小管が交差する小孔をESCRT-IIIが2-4分以内に封鎖する (Fig 4a)。CHMP4B、CHMP3、CHMP2AとIST1→spastin経路 (微小管除去) が協調して封鎖を達成する。ターゲティング因子はCHMP7であり、内核膜タンパク質LEMD2のMSCドメインと相互作用する。CC2D1BがCHMP7およびPtdIns(4,5)P2に結合して早期ESCRT-III集積を防ぎ、約5分の適切なタイミング遅延を確保する。ILV生合成では、K63ポリユビキチン化カーゴをHRS-STAMヘテロテトラマー (ESCRT-0、10個のユビキチン結合部位) がPtdIns3P介在でエンドソーム膜に捕捉し、ESCRT-I→ESCRT-II→ESCRT-IIIの順に逐次リクルートされる (Fig 5a)。HD-PTPはESCRT-0→ESCRT-Iと直接ESCRT-IIIを橋渡しし、ESCRT-II非依存的経路を提供する。シンデカン→syntenin-1→ALIX経路はユビキチン非依存的にカーゴをILVに選別するESCRT-II迂回経路として機能する。ARRDC1 (arrestin domain-containing protein 1) が形質膜でTSG101に結合し、TSG101とVPS4 ATPaseの双方を必要とするARMMs (約50 nm) 産生を駆動する直接型微小胞産生も記述されている。さらにESCRT-IIIが自食空胞 (オートファゴソーム) の封鎖にも関与することが示されており、飢餓誘導性オートファジーの初期過程でCHMP2Aが機能する (Fig 5b)。オートファジー、微小胞産生、ILV生合成、細胞質分裂、核膜修復という多様なプロセスにおけるESCRT-III/VPS4コア機構の普遍的役割は、古細菌Cdv分裂機械との相同性 (Samson et al. Science 2008) と合わせて、ESCRTが生命進化上の古い共通の「逆位トポロジー膜変形機械」として保存されてきた証拠である。
考察/結論
本総説は、ESCRT機能の多様性を「リバーストポロジー膜変形の普遍的機械」として統一的に把握した主要参照論文であり、酵母から哺乳類まで保存されたESCRT-III/VPS4コア機構を、各プロセスが異なるターゲティング因子 (CEP55→細胞質分裂 / CHMP7→核膜 / Ca2+→ALIX→形質膜修復 / ESCRT-0→ILV生合成 / ARRDC1→微小胞 / ウイルスGag/BFRF1→ウイルス出芽) で利用するというモジュラーな機構原理を示した点が独創的である。
先行研究との違い: ESCRTがILV生合成において必須であることはKatzmann et al. Cell 2001等の酵母遺伝学研究で確立されていたが、本総説は、その後の10年余りで明らかにされた細胞質分裂 (Guizetti et al. Science 2011)、核膜修復 (Vietri et al. Nature 2015; Raab et al. Science 2016)、形質膜修復 (Jimenez et al. Science 2014; Skowyra et al. Science 2018)、オートファゴソーム封鎖 (Takahashi et al. Nat Commun 2018) への関与を初めて統合的に論じた点で、これまでのレビューと異なる。特に、Schoneberg et al. NatRevMolCellBiol 2017がESCRTによる膜切断の生化学的・生物物理学的メカニズムに焦点を当てたのに対し、本総説は多様な細胞プロセスにおけるESCRTのリクルートメントメカニズムの比較に重点を置いている点で対照的である。
新規性: 特に、CHMP4C A232Tポリモルフィズムと複数がん種との関連は、細胞質分裂チェックポイントの分子機能からがんリスクへの直接的接続として新規な知見である。染色体橋でのESCRT依存的切断の失敗がミクロ核形成、クロモスリプシス、ゲノム不安定性という経路の初発事象になりうるという提案は、進化的にがん発生を理解する新たな視点を提供する。また、Baietti et al. NatCellBiol 2012がシンデカン-シンテニン-ALIX経路によるエクソソーム生合成を報告したように、ESCRTがユビキチン非依存的なカーゴ選別にも関与するという発見は、ILV生合成の理解を深める上で重要である。さらに、Nabhan et al. ProcNatlAcadSciUSA 2012によるARRDC1媒介微小胞 (ARMMs) 産生の報告は、ESCRTが形質膜からの直接的な微小胞放出にも関与することを初めて示した。
臨床応用: 本知見は、EV生物学との接続として、ILV生合成、ARMMs産生、ESCRT-III構造変化という基盤知識を提供する点が重要であり、形質膜修復 (Ca2+→ESCRT-III) 機構がEV産生の調節条件 (Ca2+シグナル) と共通機序を持つという観点も示唆的である。ウイルス感染制御の観点では、HIV-1のGag-TSG101/ALIX相互作用 (P(T/S)AP、YPX(n)L、LYPXLモチーフ) が解明されており、ESCRT標的療法として経路特異的ESCRT調節因子の同定が有望な戦略として提示された。これは、将来的に抗ウイルス薬や抗菌薬の開発に繋がる臨床応用が期待される。ESCRT機能不全が神経変性疾患やがんの病態に関与する可能性は、新たな治療標的の探索につながる臨床的意義を持つ。
残された課題: 今後の検討課題として、(1) 膜切断の最終分子機構 (VPS4のサブユニット交換とフィラメント弾性エネルギー解放の相対的寄与)、(2) 各プロセスでの切断と多形ポリマーの関係の原子分解能解析、(3) ESCRT依存的膜動態に代替経路が一定割合で存在する理由 (TSG101ノックアウトでも部分的にILV生合成、細胞質分裂、形質膜修復が継続する事実の説明)、(4) CHMP4C A232T以外のESCRT変異とがんリスクの体系的評価、(5) ライソソーム損傷における具体的ESCRT動員シグナル (Ca2+仮説の確認または代替シグナルの同定) が挙げられる。ESCRTがarchaeaのCdv分裂機械と相同であることが示されており、細胞質分裂がESCRTの祖先的機能である可能性が生命進化的観点から興味深い。また、ESCRTの多機能性にもかかわらず、これまでに報告されているESCRT機能不全に関連する遺伝性疾患は限られているという知識ギャップが残されている。これは、ESCRTの広範な関与から、機能不全が生命と両立しないためである可能性が指摘されている。
方法
本総説はレビュー論文であるため、特定の実験的手法は用いられていない。代わりに、酵母、Drosophila melanogaster、Caenorhabditis elegans、哺乳類細胞、ヒト組織など、多系統にわたる既報の科学文献を体系的に統合・分析した。具体的には、ライブイメージング、電子顕微鏡、X線結晶構造解析、機能的ノックアウト/ノックダウン実験、生化学的再構成実験など、ESCRT複合体の構造、機能、動態を解明するために用いられた様々な研究手法によって得られた知見を網羅的に収集し、比較検討した。
文献検索は、PubMed、Embase、Web of Scienceなどの主要な学術データベースを用いて実施された。検索キーワードには、「ESCRT」、「ESCRT-III」、「VPS4」、「cytokinesis」、「neuronal pruning」、「plasma membrane repair」、「nuclear envelope」、「ILV biogenesis」、「exosomes」、「microvesicles」、「autophagy」、「viral budding」などが含まれた。検索期間はESCRTの発見から2019年半ばまでを対象とした。特に、ESCRTの各サブコンプレックスの構造と活性化メカニズム、多様な細胞プロセスにおけるESCRTのリクルートメントメカニズム、およびESCRTと他の細胞コンポーネントとの相互作用に関する論文に焦点を当てて分析を行った。文献の選択基準には、ピアレビューされたジャーナルに掲載された原著論文、総説、およびESCRTの機能的側面に関する主要な発見が含まれた。除外基準としては、ESCRTと直接関連しない細胞プロセスに関する研究や、予稿段階の論文などが挙げられる。
本総説では、ESCRT-IIIの構造変化と重合、VPS4 ATPaseによるESCRT-IIIフィラメントのリモデリングと解体、および各ESCRT依存性プロセスにおける特異的なESCRTターゲティング因子(例:CEP55、ALIX、CHMP7、ESCRT-0、ARRDC1、ウイルスGagタンパク質など)の役割について詳細に記述した。また、ESCRT機能不全が染色体不安定性や神経変性疾患、ウイルス感染に与える影響についても、関連する臨床研究やモデル生物研究の成果を統合して考察した。統計手法に関する記述は、個々の引用論文に依存するため、本総説自体で新たな統計解析は行っていない。本レビューの品質評価には、AMSTAR 2 (A Measurement Tool to Assess Systematic Reviews) などの標準的な評価ツールは用いられていない。