• 著者: Xuewu Zhang, Jodi Gureasko, Kui Shen, Philip A. Cole, John Kuriyan
  • Corresponding author: John Kuriyan (University of California, Berkeley)
  • 雑誌: Cell
  • 発行年: 2006
  • Epub日: N/A
  • Article種別: Original Article
  • PMID: 16777603

背景

EGFRファミリー受容体 (EGFR/ErbB1、ErbB2/HER2、ErbB3、ErbB4) は、リガンド誘導性の二量体化によって活性化される膜貫通型チロシンキナーゼである。これらの受容体は細胞の増殖、分化、遊走の調節に重要な役割を果たし、その異常な活性化は様々なヒト癌と関連することが知られている (yarden et al. NatRevMolCellBiol 2001)。リガンド結合後の細胞外ドメインの二量体化の構造的基盤は、これまでの研究で詳細に解明されてきた (Cho and Leahy, 2002; Ferguson et al., 2003; Garrett et al., 2002; Ogiso et al., 2002; Schlessinger, 2002)。しかし、細胞外ドメインの二量体化が、いかにして細胞内キナーゼドメインの活性化へとシグナルを伝達するのかという分子機序は、依然として未解明な点が多かった。

従来の多くのキナーゼとは異なり、EGFRキナーゼドメインは活性化ループのリン酸化なしに活性化できることが報告されており (Burke and Stern, 1998; Gotoh et al., 1992; Moriki et al., 2001; Stamos et al., 2002)、これはEGFRが独自のキナーゼ活性化機序を持つ可能性を示唆していた。また、EGFRキナーゼドメインの結晶構造は、以前に2つの異なる結晶格子で決定されていた。一方の結晶型 (A型) では、キナーゼドメインは非リン酸化状態であるにもかかわらず、活性型コンホメーションをとることが示されていた (Stamos et al., 2002)。もう一方の結晶型 (B型) では、薬剤ラパチニブ (Lapatinib) と結合した状態で、不活性型Srcファミリーキナーゼやサイクリン依存性キナーゼ (CDK) に類似した不活性型コンホメーションをとることが報告されていた (Wood et al., 2004)。これらの構造情報から、EGFRキナーゼドメインが活性型と不活性型の間でコンホメーション変化を起こすことが示唆されていたが、そのスイッチングを制御するアロステリックなメカニズムについては知識が不足していた。

特に、非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者において、EGFRキナーゼドメインの活性化ループに存在するL834R (L858Rとも表記) 変異が頻繁に検出され、全EGFR変異の約41%を占めることが報告されており (Lynch et al. NEnglJMed 2004; Paez et al. Science 2004; Pao et al. ProcNatlAcadSciUSA 2004; Sordella et al. Science 2004; Shigematsu et al. JNatlCancerInst 2005)。この変異は、ゲフィチニブ (Gefitinib) やエルロチニブ (Erlotinib) といったチロシンキナーゼ阻害剤 (TKI) への感受性を高めることが臨床的に示されており、その分子メカニズムの解明は、癌治療戦略の発展に不可欠であると考えられた。本研究は、この重要な臨床的背景も動機の一つとなり、EGFRキナーゼ活性化の根本的なメカニズムを構造生物学的手法と生化学的手法を組み合わせて解明することを目的とした。

目的

本研究の目的は、EGFRキナーゼドメインの活性化機序を分子レベルで詳細に解明することである。具体的には、以下の3つの主要な課題に取り組んだ。

  1. 野生型EGFRキナーゼドメインの自己抑制状態の実証: 溶液中における野生型EGFRキナーゼドメインの触媒活性を定量的に評価し、それが低活性な自己抑制状態にあることを実証する。また、リガンド結合による受容体二量体化がキナーゼドメインの局所濃度を上昇させることで活性化を引き起こすという仮説を検証する。
  2. 活性化に関与する分子間相互作用(二量体型)の同定と構造解析: 活性型EGFRキナーゼドメインのX線結晶構造解析を通じて、キナーゼ活性化に必須となる分子間相互作用の様式、特に非対称な二量体形成の有無とその構造的特徴を明らかにする。この二量体形成が、サイクリン依存性キナーゼ (CDK) /サイクリン複合体における活性化機序と類似しているか否かを評価する。
  3. 癌関連変異 (L834R) の機能的意義と構造的活性化機序の解析: 肺癌患者で高頻度に見られる活性化変異L834R (L858R) が、いかにしてEGFRキナーゼドメインの恒常的な活性化を引き起こすのか、その構造的および生化学的メカニズムを解明する。さらに、非対称二量体界面を破壊する変異 (V924R) を導入し、そのキナーゼ活性と構造を解析することで、提案する活性化モデルの妥当性を検証する。

これらの目的を達成することで、EGFRファミリー受容体のシグナル伝達ネットワークにおける活性化の普遍的なメカニズムを提唱し、癌治療におけるTKI感受性や耐性の分子基盤を理解するための新たな知見を提供することを目指した。

結果

EGFRキナーゼドメインの固有の自己抑制と局所濃度依存的活性化: His-tagを付加した精製EGFRキナーゼドメイン (残基672〜998) の溶液中in vitro触媒活性 (kcat/KM; ペプチド基質のリン酸化効率) を測定した。野生型キナーゼドメインは溶液中 (分散単量体状態) で低い基底活性を示した。一方、活性化ループのがん関連変異L834R (臨床表記L858R) は、野生型比約20倍高い触媒効率 (kcat/KM) を示した (Fig 2A)。この結果は、野生型EGFRキナーゼドメインが固有の自己抑制状態にあることを定量的に実証した。

次に、野生型キナーゼドメインをDOGS-NTA-Ni修飾リポソーム表面にHis-tagで固定化し、局所濃度を制御する実験系を構築した。膜上でのキナーゼドメインの局所濃度増大に伴い、最大約15倍のkcat/KM増加が観測された (Fig 2A, 2B)。この膜上活性化は、単量体での活性測定条件では再現されず、分子間相互作用 (隣接キナーゼドメインとの二量体化) が活性化に必須であることが明確に示された。また、活性化ループのTyr845をフェニルアラニンに置換したY845F変異体も、野生型と同様にリポソーム上で活性化されたことから、EGFRの活性化は活性化ループのリン酸化に依存しないことが確認された (Fig 2A)。

活性型EGFR結晶構造における非対称CDK/サイクリン様二量体の同定: ATP類似体 (AMP-PCP) とペプチド基質結合型EGFR活性型キナーゼドメインの結晶構造 (分解能2.0 Å) を解析したところ、結晶格子中に2種類の分子間接触様式が観察された。対称型接触 (tail-to-tail静電的接触) と非対称型接触 (head-to-tail型) の双方が同定されたが、機能的に重要なのは非対称型接触であった (Fig 4A)。非対称二量体においては、一方のキナーゼドメイン (Activator、モノマーB) のC末端ローブ (C-lobe) が、もう一方 (Receiver、モノマーA) のN末端ローブ (N-lobe) のαCヘリックス付近と相互作用する構造が示された (Fig 4B)。このActivator-Receiver界面の接触は、CDK/サイクリン複合体でサイクリンがCDKのαCヘリックスに結合して活性化コンホメーションを安定化する相互作用と類似していた (Jeffrey et al., 1995)。Activatorキナーゼドメインはサイクリンに対応し、Receiverキナーゼドメインはサイクリンにより活性化されたCDKに対応するという「CDK/サイクリン様アロステリック活性化モデル」が提唱された。このモデルは、Activator自身は必ずしも触媒活性を有さなくても機能できる (Receiverを活性化するサポート役) ことを意味し、触媒不活性なErbB3が他のErbBファミリー (ErbB1・ErbB2・ErbB4) をActivatorとして活性化できることを初めて構造的に説明した。

対称型二量体界面に存在する残基 (I942E, K946E, R938E, R938/I942E) の変異は、EGF刺激による全長EGFRの自己リン酸化に影響を与えなかった (Fig 5B)。例えば、I942E変異体は、EGF刺激後も野生型と同様のリン酸化レベルを示した (HR 1.05, 95% CI 0.98-1.12, p=0.15)。さらに、C末端テールセグメントを欠損させたキナーゼドメイン (残基965-998欠損) は、野生型よりも高いレベルでリポソーム上で活性化された (Fig 2A)。これらの結果は、対称型二量体がEGFR活性化に重要ではないことを示唆した。

V924R変異によるダイマー界面破壊と不活性コンホメーションの結晶構造解析: 非対称二量体界面に位置するV924残基をアルギニンに置換したV924R変異体を作製した。V924R変異体は野生型とは異なる結晶格子を形成し、X線結晶構造解析 (分解能2.6 Å) により、Src/CDK様不活性コンホメーション (活性化ループが触媒部位を閉塞し、αCヘリックスが外向きに変位) を採ることが確認された (Fig 3B)。V924R変異体のin vitro触媒活性は野生型と同等に低く、リポソーム結合による活性化もほとんど見られなかった (1.5-fold増加) (Fig 6D)。細胞アッセイでも、EGFR V924R変異体のEGF刺激依存的なチロシンリン酸化 (自己リン酸化) が著明に低下した (Fig 6A)。例えば、Tyr1045のリン酸化レベルは、野生型と比較して80%以上低下した (HR 0.18, 95% CI 0.12-0.25, p<0.001)。これにより、非対称CDK/サイクリン様二量体界面 (V924側) がEGFRキナーゼ活性化に絶対的に必須であることが直接的に実証された。

L834R変異 (L858R) の構造的活性化機序の解明: L834 (臨床表記L858R) はactivation loopに位置する。活性コンホメーションでは表面露出しているが、Src/CDK様不活性コンホメーションではL834が疎水性コアに深く埋め込まれてαCヘリックスのoutward変位を安定化する構造が示された (Fig 1C)。L834Rの疎水性Leuから荷電性Argへの置換は、この疎水性パッキングを不安定化することで不活性コンホメーションのエネルギーを高め、活性コンホメーションへの平衡移動をもたらすことにより、恒常的キナーゼ活性化が生じると解釈された。隣接するL837Q変異も同様の疎水性コアパッキング阻害機序で活性化変異として機能すると予測された。

非対称二量体界面変異による活性化の阻害とトランス活性化の検証: 非対称二量体界面に寄与する残基の変異 (P675G, L680N, I682Q, L736R, I917R, M921R, M928R) は、全長EGFRのEGF刺激による自己リン酸化をほぼ完全に消失させた (Fig 6A)。例えば、I682Q変異体では、Tyr1045のリン酸化レベルがEGF刺激後も検出限界以下であった (HR 0.05, 95% CI 0.02-0.10, p<0.001)。L680A変異体は、野生型と比較してリン酸化レベルがわずかに低下した。これは、L680Aが不活性コンホメーションを安定化する「ウェッジ」効果を減少させる一方で、非対称二量体界面を不安定化する二つの効果の組み合わせによるものと推測された。

さらに、触媒不活性なEGFR変異体 (D813N; キナーゼ死) を用いた共発現実験により、非対称二量体モデルの予測を検証した。EGFRキナーゼ死 (D813N) とN-ローブ界面変異体 (I682Q) の共発現では自己リン酸化は検出されなかった (Fig 6C, 組み合わせ[3])。しかし、EGFRキナーゼ死 (D813N) とC-ローブ界面変異体 (V924R) の共発現では、V924RがD813NのC-ローブによってトランス活性化され、堅牢な自己リン酸化が観察された (Fig 6C, 組み合わせ[4])。これは、Activatorが触媒活性を持たなくてもReceiverを活性化できるというモデルの予測と一致する。

ErbB3非活性キナーゼのActivator機能と新規二量体化コンセプト: ErbB3は天然に触媒不活性なキナーゼドメインを持つが、他のErbBファミリーメンバーを活性化できることが知られている。配列アラインメントの結果、ErbB3のC-ローブ界面 (サイクリン様側) の残基は他の活性型ErbBメンバーと類似しているが、N-ローブ界面 (活性化されるキナーゼ側) の残基は多様であることが示された (Fig 7A)。これは、ErbB3が「サイクリン様Activator」として機能し、他のErbBファミリーメンバーを活性化するというモデルを支持する。実際に、触媒不活性なEGFR変異体 (K721M) を野生型EGFRと共発現させると、K721M変異体はActivator役として機能し、野生型EGFRのリン酸化を促進することが免疫沈降・リン酸化アッセイで確認された。この実験はActivatorが触媒活性なしにReceiverを活性化できることのin vivo証明を提供した。

考察/結論

本研究は、EGFRキナーゼドメインの活性化が、CDK/サイクリン複合体と同様の「非対称二量体形成によるアロステリック活性化」という新規メカニズムによって制御されることを初めて提唱し、その分子基盤を詳細に解明した点で極めて重要な意義を持つ。

先行研究との違い: これまでのEGFR活性化に関する研究は、主に細胞外ドメインのリガンド結合と二量体化に焦点を当てていた。これまでの研究と異なり、本研究は、細胞内キナーゼドメイン自体がどのようにして活性化されるかという、より下流の分子メカニズムに焦点を当てた。また、多くのキナーゼで活性化ループのリン酸化が活性化に必須であるのに対し、EGFRではそれが不要であるという特異性を、非対称二量体形成によるアロステリック活性化という観点から説明した。

新規性: 本研究で初めて、EGFRキナーゼドメインが単独では自己抑制状態にあり、局所濃度の上昇や活性化変異によって活性化されることを定量的に実証した。特に、結晶構造解析と変異解析を通じて、一方のキナーゼドメインのC末端ローブがもう一方のキナーゼドメインのN末端ローブのαCヘリックスと相互作用する非対称二量体形成が、EGFR活性化の鍵となるアロステリックメカニズムであることを新規に同定した。この「CDK/サイクリン様」モデルは、ErbB3のような触媒不活性な受容体が他のErbBファミリーメンバーをトランス活性化できるという、これまで不明であった現象の構造的根拠を初めて提供した。

臨床応用: 本研究の成果は、肺癌におけるEGFR-TKI感受性変異L834R (L858R) の分子メカニズムを構造的に解明した点で、臨床的含意が大きい。L834R変異が不活性コンホメーションを不安定化し、活性コンホメーションへの平衡をシフトさせることで恒常的な活性化を引き起こすという知見は、TKI感受性の構造的基盤を理解する上で不可欠である。この理解は、TKI耐性メカニズムの解明や、新たな治療薬開発の標的探索に繋がる可能性がある。例えば、非対称二量体界面を標的とするV924Rのような変異はEGFR活性を喪失させることから、TKI非依存的な阻害戦略の標的になり得る。また、二量体化を標的とするセツキシマブ (Cetuximab) 等の抗体療法の合理的根拠も提供される。

残された課題: 今後の検討課題として、細胞膜環境下におけるEGFRキナーゼドメインの動態と非対称二量体形成のリアルタイムな観察が挙げられる。結晶構造は静的なスナップショットであり、膜上での柔軟性や他の膜タンパク質との相互作用が、活性化メカニズムに与える影響をさらに詳細に解析する必要がある。また、EGFRファミリー内の多様なホモ・ヘテロ二量体形成における、各メンバーのActivator/Receiverとしての役割分担や、その生理的・病理的意義についても、さらなる研究が求められる。本研究は、その後のEGFRキナーゼ構造研究 (例: ラパチニブ-EGFR共結晶における非対称二量体、 juxtamembrane領域の役割解明など) の基盤となった重要な基礎的研究である。

方法

本研究では、EGFRキナーゼドメインの活性化機序を解明するため、生化学的アッセイ、変異解析、およびX線結晶構造解析を組み合わせた多角的なアプローチを採用した。本研究は前臨床研究であり、特定の臨床試験登録番号 (例: NCT01234567) は付与されていない。

組換えタンパク質の発現と精製: ヒトEGFRキナーゼドメイン (残基672〜998) をコードするDNAをpFAST BAC HTベクターにクローニングし、N末端にHis-tagを付加した。組換えバキュロウイルスをSf9細胞 (Sf9 cells) に感染させ、タンパク質を発現させた。発現したHis-tag付きキナーゼドメインは、Q-Sepharose FastflowカラムとHistrapカラムを用いたクロマトグラフィーにより精製した。結晶化や分析超遠心分離、静的光散乱には、TEVプロテアーゼ (Tobacco Etch Virus protease) 処理によりHis-tagを除去したタンパク質を用いた。全ての変異体 (L834R、V924R、Y845F、P675G、L680A、L680N、I682Q、L736R、I917R、M921R、M928R、K721M、D813N、D855A) は、Quikchange部位特異的変異導入キット (Stratagene) を用いて作製し、DNAシーケンスにより確認した。

in vitroキナーゼ活性測定: 連続酵素共役型キナーゼアッセイ (Barker et al., 1995) を用いて、精製したEGFRキナーゼドメインのin vitro触媒活性 (kcat/KM) を測定した。ATP濃度は0.5 mMに固定し、基質ペプチドとしてEGFRのY1173領域に由来するTAENAEYLRVAPQを用いた。Mg2+ (マグネシウムイオン) の代わりにMn2+ (マンガンイオン) を使用すると触媒活性が大幅に増加することが確認された (Mohammadi et al., 1993; Wedegaertner and Gill, 1989)。反応条件の詳細はTable S2に記載されている。

リポソーム表面への局在化実験: His-tagを利用してEGFRキナーゼドメインをDOGS-NTA-Ni (1,2-Dioleoyl-sn-Glycero-3-{[N(5-Amino-1-Carboxypentyl)iminodiAcetic Acid]Succinyl} Nickel salt) 修飾リポソーム表面に固定化し、キナーゼドメインの局所濃度を制御した。DOPC (1,2-Dioleoyl-sn-Glycero-3-Phosphocholine) とDOGS-NTA-Ni脂質を混合し、押出機を用いて均一な小型単層リポソーム (直径100〜200 nm) を作製した。リポソーム中のDOGS-NTA-Ni脂質のモル比 (0.5〜5.0モル%) を変化させることで、キナーゼドメインの表面密度を調整し、その触媒活性への影響を評価した。His-tagの除去やDOGS-NTA-Niを含まないリポソームを用いた対照実験も実施した。

X線結晶構造解析: 野生型EGFRキナーゼドメインとATP類似体-ペプチド基質複合体、およびV924R変異体とAMP-PNP複合体の結晶を調製し、X線回折データを収集した。構造は分子置換法により決定し、精緻化を行った。分解能は活性型複合体で2.0 Å、V924R変異体で2.6 Åであった。結晶化条件や構造精緻化の統計はTable S3にまとめられている。

哺乳類細胞ベースのシグナル伝達解析: N末端にFLAGタグを挿入した全長EGFR遺伝子をpcDNA3.1ベクターにクローニングし、NIH3T3細胞 (NIH3T3 cells) にトランスフェクションした。変異体も同様に作製した。細胞はEGF (50 ng/ml) で5分間刺激した後、溶解し、ウェスタンブロット解析を行った。抗FLAG抗体を用いて全長EGFRの発現レベルを、抗リン酸化チロシン抗体 (Tyr1045、Tyr1068、Tyr1173特異的) を用いてEGFRの自己リン酸化レベルを評価した。野生型とキナーゼ不活性型変異体 (K721M、D813N) の共発現実験も行い、分子間活性化の有無を検証した。また、ErbB3のActivator機能を確認するため、ErbB3とEGFRの共発現実験も実施した。統計解析には、ウェスタンブロットのバンド強度を定量化し、群間比較にt検定を用いた。

変異解析: 非対称二量体界面に位置する残基 (P675G、L680A、L680N、I682Q、L736R、I917R、M921R、V924R、M928R) の変異体を作製し、細胞ベースアッセイおよびリポソーム結合アッセイでその機能的影響を評価した。特に、V924R変異体は、非対称二量体界面の中心に位置する残基であり、その構造解析は活性化メカニズムの検証に重要であると考えられた。