• 著者: Ross A. Soo, Hye Ryun Kim, Bernadette Reyna Asuncion, Zul Fazreen, Mohamed Feroz Mohd Omar, Maria Cynthia Herrera, Joey Sze Yun Lim, Grace Sia, Richie Soong, Byoung-Chul Cho
  • Corresponding author: Ross A. Soo (Department of Haematology-Oncology, National University Cancer Institute, Singapore, National University Health System, Singapore)
  • 雑誌: Lung Cancer
  • 発行年: 2017
  • Epub日: N/A
  • Article種別: Original Article
  • PMID: 28236980

背景

EGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)に対するEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)は、進行期患者の標準治療として確立されているが、薬剤耐性が避けられない課題であり、新たな治療戦略の開発が喫緊の課題である。免疫チェックポイント分子であるPD-1とそのリガンドであるPD-L1は、腫瘍の免疫監視機構からの回避において中心的な役割を果たすことが知られている。Pardoll et al. NatRevCancer 2012が報告したように、PD-1/PD-L1経路を標的とするモノクローナル抗体による治療は、進行期NSCLC患者においてドセタキセルと比較して生存期間を改善することがBrahmer et al. NEnglJMed 2015Borghaei et al. NEnglJMed 2015によって報告されている。一部の研究では、腫瘍のPD-L1発現が治療効果の向上と関連するとされ、例えばGaron et al. NEnglJMed 2015Herbst et al. Lancet 2016はPD-L1陽性腫瘍が良好な転帰と関連することを示している。また、Herbst et al. Nature 2014Fehrenbacher et al. Lancet 2016は免疫細胞におけるPD-L1発現が良好な転帰と関連することを報告している。

EGFR変異とPD-1/PD-L1軸との間には潜在的な関連性が指摘されており、EGFR変異陽性NSCLCにおけるPD-L1発現の増加が報告されている。マウスNSCLCモデルでは、EGFR変異によって活性化されたEGFRシグナル伝達がPD-L1発現を誘導し、免疫回避を促進することが示され、EGFR TKI治療によってPD-L1発現が抑制されることも報告されている。これらの知見は、PD-1/PD-L1阻害剤とEGFR TKIの併用療法の研究を促している。しかし、EGFR変異陽性NSCLC患者は、免疫チェックポイント阻害剤(ICI)単剤療法への反応性が低いことが複数の報告で示されており、その奏効率は10%以下である。この低い反応性の理由として、腫瘍の変異負荷が低いことや免疫原性が低いことが考えられている。

PD-L1およびPD-1以外にも、細胞傷害性Tリンパ球抗原-4(CTLA-4)やT細胞免疫グロブリンおよびムチン含有ドメイン-3含有分子3(TIM-3)など、腫瘍免疫の調節に関与する多くのタンパク質が新たな治療標的として浮上している。CTLA-4はT細胞表面に発現し、T細胞活性化の抑制因子として機能する。TIM-3は免疫細胞表面に発現し、そのリガンドと結合することでTh1およびTc1 T細胞応答の持続時間と強度を制限する。しかし、これらの免疫チェックポイント分子のヒト腫瘍、特にNSCLCにおける発現パターンについては、まだ十分に解明されていない点が残されている。

本研究の実施時点では、EGFR変異陽性NSCLCにおけるPD-L1、PD-1、CTLA-4、TIM-3の腫瘍細胞(TC)および免疫細胞(ISC)における発現パターン、ならびにEGFR TKI一次治療におけるこれらの分子の予後的意義に関する包括的なデータは不足していた。特に、PD-L1以外の免疫チェックポイントタンパク質の発現パターンとEGFR TKI治療における予後的意義、および抗CTLA-4や抗TIM-3抗体との併用療法の生物学的根拠となる知見は未確立であった。この知識のギャップを埋めることが、EGFR変異陽性NSCLC患者における新たな免疫治療戦略の開発に不可欠であると考えられた。

目的

本研究の目的は、EGFR変異陽性NSCLC患者におけるPD-L1、PD-1、細胞傷害性Tリンパ球抗原-4(CTLA-4)、およびT細胞免疫グロブリンおよびムチン含有ドメイン-3含有分子3(TIM-3)の腫瘍細胞(TC)および免疫間質細胞(ISC)における発現パターンを詳細に解析することである。さらに、これらの免疫チェックポイントタンパク質の発現が、EGFR TKI一次治療を受けた患者の無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)とどのように関連するかを評価する。この解析を通じて、EGFR変異陽性NSCLCという分子的に定義された重要な肺腺癌サブセットにおける免疫治療戦略の生物学的根拠を提供し、将来的な併用療法の開発に資する知見を得ることを目指す。特に、PD-L1以外の免疫チェックポイント分子の発現と予後との関連を明らかにすることで、より個別化された免疫療法アプローチの可能性を探る。本研究は、後方視的コホート研究デザインを採用し、EGFR TKI治療開始後3ヶ月以内の患者を対象とすることで、治療による免疫微小環境への影響を最小限に抑えることを意図した。

結果

患者背景: 本研究の対象となった90例の患者の臨床的および分子学的特徴は以下の通りであった (Table 1)。年齢中央値は62歳(範囲34-88歳)、女性が71%(64例)、非喫煙者が77%(69例)を占めた。全例が腺癌であり、病期はStage IVが94%(84例)と大半を占め、脳転移を有する患者は62%(55例)であった。EGFR変異の内訳は、エクソン19欠失が48%(43例)、L858R変異が46%(41例)、その他のEGFR変異が5%(5例)であった。一次治療として、ゲフィチニブが76%(68例)、エルロチニブが23%(21例)、ダコミチニブが1%(1例)使用された。疾患制御率(完全奏効、部分奏効、安定病変)は90%(81例)であった。患者の追跡期間中央値は13ヶ月(範囲1-44ヶ月)であり、解析時点で28例(31%)が疾患により死亡していた。

免疫チェックポイント蛋白の発現パターンと評価の妥当性: PD-L1は腫瘍細胞および免疫細胞の細胞膜に明確な染色が観察された (Fig. 1)。TIM-3は腫瘍細胞および免疫間質細胞(ISC)の細胞質に染色が認められた。CD3、PD-1、CTLA-4の染色はISCの細胞膜に限定されていた。病理医による評価において、20例は腫瘍細胞またはISCの評価が不十分であると判断され、その後の解析から除外された。デジタルスコアの妥当性を評価するため、PD-L1は手動評価とデジタル評価の両方で評価された。手動評価では、腫瘍細胞のPD-L1発現はTC0が40%(28例)、TC1が7%(5例)、TC2が41%(29例)、TC3が11%(8例)であった。免疫細胞のPD-L1発現は、IC0が56%(39例)、IC1が33%(23例)、IC2が11%(8例)、IC3が0%(0例)であった (Table 2)。手動評価とデジタル評価を比較したところ、腫瘍細胞(R² = 0.98, p < 0.0001)およびISC(R² = 0.77, p = 0.0021)の両方でPD-L1発現に有意な相関が認められた。この高い一致度とデジタル評価の粒度の高さを踏まえ、残りの染色についてはデジタル評価のみが実施された (Fig. 2)。

免疫チェックポイント蛋白発現と臨床病理学的特徴との関連: 臨床的および分子学的特徴と免疫チェックポイント蛋白の発現との関連をノンパラメトリック検定で評価した。既知の関連性として、男性は喫煙と有意に相関し(p < 0.001)、脳転移の存在は進行病期と関連した(p = 0.035)。高CD3 ISCカウントは高PD-L1腫瘍H-Scoreと有意に相関した(p < 0.001)。高TIM-3 ISCカウントは高PD-1 ISCカウントと有意に相関し(p = 0.007)、低CTLA-4 ISCカウント(p = 0.019)および低TIM-3腫瘍H-Score(p < 0.001)とも関連した。また、若年者(p = 0.026)および脳転移がないこと(p = 0.006)とも関連が認められた。高CTLA-4 ISCカウントは高齢者と関連した(p = 0.001)。腫瘍細胞(p = 0.529)および免疫細胞(p = 0.993)におけるPD-L1発現とEGFR TKIへの奏効(ORR、DCR)との間には関連は認められなかった。その他の関連は統計的に有意ではなかった。

無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)との関連(単変量解析): 各変数のPFSおよびOSとの関連を単変量Cox比例ハザードモデル解析で評価した (Table 3)。脳転移の存在はPFS短縮と境界的な有意差で関連し(HR 1.854, 95% CI 0.999-3.438, p = 0.050)、高CD3 ISCカウント(HR 1.004, 95% CI 1.002-1.007, p = 0.002)および高PD-L1腫瘍H-Score(HR 1.008, 95% CI 1.001-1.015, p = 0.017)もPFS短縮と有意に関連した。OSについては、高齢(HR 1.089, 95% CI 1.038-1.141, p < 0.001)、脳転移(HR 4.242, 95% CI 1.400-12.859, p = 0.011)、疾患制御率(DCR)(HR 0.093, 95% CI 0.033-0.263, p < 0.001)が有意なOS短縮と関連した。CTLA-4 ISCカウントもOS短縮と境界的な有意差で関連した(HR 1.054, 95% CI 0.998-1.113, p = 0.061)。

PFSおよびOSとの関連(多変量解析およびカットオフ値): 最適なカットオフ値を特定するため、CD3 ISC、PD-L1腫瘍H-Score、およびCTLA-4 ISCのデシルを用いたカプラン・マイヤー解析を実施した (Fig. 3)。PFS短縮は、CD3 ISCカウントの上位10%(カウント ≥ 28.23, p = 0.001)およびPD-L1腫瘍H-Scoreの上位10%(H-score ≥ 109.23, p < 0.001)と有意に関連した。OS短縮は、CTLA-4 ISCカウントの上位20%(カウント ≥ 5.31, p = 0.006)および上位10%(カウント ≥ 9.5, p = 0.031)と関連した。多変量解析では、PFSの独立した予測因子として、CD3 ISC ≥ 28.23(HR 2.805, 95% CI 1.079-7.288, p = 0.034)およびPD-L1腫瘍H-Score ≥ 109.23(HR 3.805, 95% CI 1.181-8.062, p = 0.022)が同定された。OSの独立した予測因子としては、脳転移(HR 3.121, 95% CI 0.987-9.869, p = 0.053)、DCR(HR 0.130, 95% CI 0.041-0.416, p = 0.001)、および年齢(HR 1.089, 95% CI 1.038-1.142, p < 0.001)が残った。

TIM-3とPD-1の共発現: 高TIM-3 ISCカウントは高PD-1 ISCカウントと有意に相関しており(p = 0.007)、これは両マーカーが疲弊T細胞(exhausted T cells)などの同一免疫細胞集団上に共発現することを示唆している。Sakuishi et al. JExpMed 2010もPD-1とTIM-3の共発現がT細胞疲弊と関連することを示唆しており、本研究の結果はこれらの先行研究と一致する。TIM-3単独の予後的意義は本研究では限定的であったが、PD-1/TIM-3併用阻害の潜在的な標的集団が存在する可能性を示している。

考察/結論

本研究は、EGFR変異陽性NSCLC患者において、PD-L1、PD-1、CTLA-4、TIM-3といった免疫チェックポイントタンパク質の発現パターンとその予後的意義を包括的に解析した初めての研究である。

新規性: 本研究で初めて、EGFR変異陽性NSCLCという分子的に定義された患者集団において、腫瘍細胞におけるPD-L1高発現(H-score ≥ 109.23)がEGFR TKI治療下のPFS短縮と有意に独立して関連すること(HR 3.805, 95% CI 1.181-8.062, p = 0.022)を示した。また、免疫間質細胞(ISC)におけるCTLA-4高発現がOS短縮と関連する傾向があることも新規に同定された(HR 1.054, 95% CI 0.998-1.113, p = 0.061)。さらに、高CD3免疫細胞浸潤(ISC ≥ 28.23)もPFS短縮の独立因子であることが示された(HR 2.805, 95% CI 1.079-7.288, p = 0.034)。これらの知見は、EGFR変異陽性NSCLCにおける免疫微小環境の複雑性を明らかにし、免疫チェックポイント経路が腫瘍の免疫回避に機能的に関与していることを示唆する。

先行研究との違い: 既報では、EGFR変異陽性NSCLCにおけるPD-L1発現とEGFR TKI治療効果の関連について一貫性のない結果が報告されていた。例えば、Lin et al. (2015) はPD-L1陽性腫瘍が良好なDCR、PFS、OSと関連すると報告したが、Tang et al. (2015) はPD-L1陽性腫瘍とORR、DCR、PFS、OSとの関連を認めなかった。本研究は、治療歴のない患者コホートを対象とし、デジタル画像解析による客観的な定量評価を導入することで、これらの先行研究とは対照的に、腫瘍PD-L1高発現がEGFR TKI治療下のPFS短縮と明確に関連することを示した。また、CD3陽性腫瘍浸潤リンパ球(TILs)が予後改善と関連するという一般的な報告とは異なり、本研究では高CD3 ISCがPFS短縮と関連することが示された。これは、EGFR変異陽性NSCLCという特定の患者集団における免疫微小環境の特殊性を反映している可能性がある。Taube et al. SciTranslMed 2012Taube et al. ClinCancerRes 2014の報告とは異なり、本研究では免疫細胞におけるPD-L1発現の予後予測能は認められなかった。

臨床応用: 本研究の知見は、EGFR変異陽性NSCLC患者における免疫治療戦略の臨床応用に重要な含意を持つ。第一に、PD-L1高発現のEGFR変異陽性患者は、EGFR TKI治療に対する早期耐性化のリスクが高い集団である可能性が示唆され、これらの患者に対しては、より積極的な治療戦略や併用療法の検討が臨床的に有用である。第二に、免疫細胞におけるCTLA-4高発現はOS短縮傾向と関連しており、これは抗CTLA-4阻害薬(例:イピリムマブ)との併用療法が、特にCTLA-4高発現例において合理的なアプローチとなる可能性を示唆する。第三に、高TIM-3 ISCが高PD-1 ISCと有意に相関すること(p = 0.007)は、両マーカーが疲弊T細胞上に共発現していることを示唆し、PD-1/TIM-3の二重チェックポイント阻害が潜在的な治療標的となり得ることを示している。これらの結果は、EGFR変異陽性NSCLCにおける抗CTLA-4および抗PD-1/PD-L1阻害薬の開発、特に併用療法における生物学的根拠を支持するものである。実際に、その後の臨床試験では、EGFR変異陽性例におけるICI単剤の有効性は低いことが確認されているが、IMpower150試験におけるアテゾリズマブ+ベバシズマブ+化学療法(EGFR変異陽性患者でOS HR 0.61)や、EGFR-TKIとICIの併用試験(KEYNOTE-789など)において、免疫療法と抗血管新生療法または化学療法の併用により一部効果が報告されている。

残された課題: 本研究にはいくつかのlimitationが存在する。まず、後方視的デザインであるため、選択バイアスのリスクが否定できない。次に、症例数(n=90)が比較的小さく、多変量モデルにおける自由度が不足している可能性があり、結果の一般化には注意が必要である。また、PD-L1評価に用いた抗体クローン(SP142)が、その後の臨床試験で用いられた他のクローン(22C3、E1L3Nなど)と異なるため、直接的な比較が困難である。本研究のコホートはICI治療歴がないため、本研究で示された免疫チェックポイントタンパク質の発現がICI治療に対する「予測的」意義を持つかどうかは間接的な推論に留まる。さらに、T790M耐性変異の同定は行われておらず(オシメルチニブ時代以前のデータであるため)、TMB(腫瘍変異負荷)や腫瘍浸潤B細胞などの追加マーカーも評価されていない。今後の研究課題としては、EGFR-TKI耐性獲得過程における免疫チェックポイントの動態、オシメルチニブ治療後の免疫微小環境の変化、およびEGFR変異特異的なICI併用戦略の開発が重要である。

方法

本研究は、2011年から2014年の間に韓国のYonsei Cancer Centreで診断されたEGFR変異陽性進行NSCLC患者90例から得られた腫瘍検体を対象とした後方視的コホート研究である。これらの患者は、診断後3ヶ月以内に一次治療としてEGFR TKI(ゲフィチニブまたはエルロチニブ)の投与を開始していた。EGFR変異ステータスは、サンガーシーケンスまたはリアルタイムPCRにより、エクソン18から21の変異を事前に確認済みであった。本研究は施設内倫理委員会の承認を得て実施された。

免疫組織化学染色(IHC)は、4 µm厚の腫瘍切片を用いて実施された。PD-L1(ウサギモノクローナル抗体SP142、1:200希釈)とCD3(マウスモノクローナル抗体LN10、1:50希釈)は二重染色で評価され、DABブラウンとVinaグリーン発色を用いてBondmaxオートステイナーで処理された。同様に、TIM-3(ウサギポリクローナル抗体2E2、1:150希釈)とPD-1(マウスモノクローナル抗体NAT105、1:100希釈)も二重染色で評価された。CTLA-4(マウスモノクローナル抗体14D3、1:100希釈)は単一IHC染色としてDAB発色を用いてBondRxオートステイナーで評価された。各抗体インキュベーション後の洗浄ステップとポリマーインキュベーションステップは推奨プロトコルに従い、ヘマトキシリン染色を10分間行った。各ランには、既知の発現を示すコントロール組織と一次抗体なしで染色したセクションからなる陽性および陰性コントロールが含まれた。

IHC染色の評価は、研究結果に盲検化された2名の病理医(Bernadette Reyna Asuncion (BRA)、Maria Cynthia Herrera (MCH))によって実施された。手動評価は、腫瘍細胞(TC)と免疫間質細胞(ISC)について、既報のスコアリングシステムに従って行われた。TCの染色は、染色細胞が1%未満の場合をTC0、1%以上5%未満をTC1、5%以上50%未満をTC2、50%以上をTC3とスコアした。ISCの染色は、染色細胞が1%未満の場合をIC0、1%以上5%未満をIC1、5%以上10%未満をIC2、10%以上をIC3とスコアした。デジタルスライド画像解析は、Vectraスライド画像システムとInFormソフトウェア(Perkin Elmer)を用いて実施された。病理医によって腫瘍および腫瘍内間質領域、ならびにこれらの領域の細胞膜および免疫間質細胞(ISC)をセグメント化するようにシステムが訓練された。二重染色サンプルにおける単一タンパク質の発現評価は、関連する発色団のスペクトルフィルタリングによって達成された。腫瘍細胞における発現は平均H-Scoreで表され、免疫細胞における発現は病理医が20倍の倍率で選択した3つの標準化された画像フィールドの平均値で表された。

統計解析にはSPSS Statistics Packageバージョン22(IBM)が用いられた。PD-L1の手動評価とデジタル評価のスコア間の相関は、Prism Software 7.0(GraphPad Software)を用いた一元配置ANOVA線形トレンド後検定により評価された。臨床的および分子学的特徴間の関連は、両方が連続変数の場合はスピアマンのρ検定、連続変数とカテゴリ変数の場合はマン・ホイットニーU検定、両方がカテゴリ変数の場合はカイ二乗検定またはフィッシャーの正確確率検定(イベント数が5未満の場合)を用いて検定された。無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)との関連は、Cox比例ハザードモデルによる単変量解析で評価され、可能な限り連続変数として扱われた。PFSはEGFR TKI治療開始から病勢進行または死亡までの期間と定義され、OSはEGFR TKI治療開始からあらゆる原因による死亡までの期間と定義された。解析時点で進行または死亡が確認されていない患者は、最終評価日に打ち切られた。カテゴリ変数に対する生存関連は、カプラン・マイヤー法とログランク検定を用いて評価された。多変量解析は、Cox比例ハザードモデルのバックワード条件選択法を用いて実施された。すべての統計検定は両側検定であり、p値が0.05未満を有意とみなした。