• 著者: Liu SV, Reck M, Mansfield AS, Mok T, Scherpereel A, Reinmuth N, Garassino MC, De Castro Carpeno J, Califano R, Nishio M, Orlandi F, Alatorre-Alexander J, Leal T, Cheng Y, Lee JS, Lam S, McCleland M, Deng Y, Phan S, Horn L
  • Corresponding author: Stephen V. Liu, MD (Lombardi Comprehensive Cancer Center, Georgetown University, 3800 Reservoir Road NW, Washington, DC 20007, USA)
  • 雑誌: Journal of Clinical Oncology
  • 発行年: 2021
  • Epub日: 2021-01-13
  • Article種別: Original Article
  • PMID: 33439693

背景

広汎型小細胞肺癌 (ES-SCLC) は、診断時に患者の約3分の2が進展期にあり、非常に予後不良な疾患である。5年生存率は7%未満と報告されており、治療選択肢が限られていることが長年の課題であった。過去20年以上にわたり、エトポシド (ET) とプラチナ製剤 (カルボプラチン [CP] またはシスプラチン) の併用化学療法が標準治療として確立されてきたが、初回治療に対する奏効率は高いものの、ほとんどの患者が再発し、全生存期間 (OS) の中央値は9〜10ヶ月に留まっていた。このため、ES-SCLCの治療成績を改善するための新たな治療戦略の開発が強く求められていた。

近年、免疫チェックポイント阻害薬がES-SCLC患者の治療成績を改善する可能性が示され、注目を集めている。特に、抗PD-L1抗体であるアテゾリズマブは、ES-SCLCの一次治療において、CP/ETとの併用療法がプラセボとCP/ETの併用療法と比較して、OSおよび無増悪生存期間 (PFS) を有意に改善することが、無作為化二重盲検第III相IMpower133試験の初回解析で示された Horn et al. NEnglJMed 2018。この結果に基づき、アテゾリズマブとCP/ETの併用療法は、米国食品医薬品局 (FDA) および欧州医薬品庁 (EMA) によりES-SCLCの一次治療として承認された。また、同様に抗PD-L1抗体であるデュルバルマブも、第III相CASPIAN試験の結果に基づき、プラチナ製剤とETの併用療法との組み合わせでES-SCLCの一次治療としてFDAの承認を得ている Paz-Ares et al. Lancet 2019。さらに、非無作為化試験で持続的な奏効が観察されたことから、抗PD-1抗体であるニボルマブ Antonia et al. LancetOncol 2016 およびペムブロリズマブ Ott et al. JClinOncol 2017Chung et al. JThoracOncol 2020 も、ES-SCLCの三次治療としてFDAの迅速承認を受けている。

IMpower133試験の初回解析では、OS中央値がアテゾリズマブ併用群で12.3ヶ月、プラセボ併用群で10.3ヶ月であり、ハザード比 (HR) は0.70 (95% CI 0.54-0.91, p=0.007) と有意な改善が認められた。PFS中央値もアテゾリズマブ併用群で5.2ヶ月、プラセボ併用群で4.3ヶ月 (HR 0.77, 95% CI 0.62-0.96, p=0.02) と有意な改善を示した。しかし、これらの結果は追跡期間中央値13.9ヶ月時点のものであり、より長期的な追跡データに基づくOSの更新解析、疾患進行パターン、安全性、および探索的バイオマーカー (PD-L1発現、血中腫瘍変異負荷 [bTMB]) の評価は未解明な点が残されていた。特に、PD-L1発現がSCLCにおける免疫チェックポイント阻害薬の予測バイオマーカーとして機能するかどうかは、非小細胞肺癌 (NSCLC) とは異なる免疫生物学的な特性を持つSCLCにおいて、依然として議論の余地があり、確立された知見が不足していた。本更新解析は、初回解析から約9ヶ月追加した追跡期間中央値22.9ヶ月の成熟データを提供し、これらのギャップを埋めることを目的としている。

目的

本研究の目的は、IMpower133試験の更新解析として、進展型小細胞肺癌 (ES-SCLC) 患者に対するアテゾリズマブとカルボプラチン・エトポシド (CP/ET) 併用療法の有効性および安全性を、より長期の追跡期間 (中央値22.9ヶ月) で評価することである。具体的には、更新された全生存期間 (OS)、無増悪生存期間 (PFS)、奏効期間 (DOR) のデータを提供し、安全性プロファイルを再確認する。さらに、探索的バイオマーカー解析として、SP142アッセイを用いたPD-L1発現レベル (腫瘍細胞 [TC] および免疫細胞 [IC] の発現割合) 別のアテゾリズマブの有効性を評価し、PD-L1発現がES-SCLCにおける免疫化学療法の効果予測因子となり得るかを検討する。また、血中腫瘍変異負荷 (bTMB) とOSの関連についても更新された解析結果を報告し、これらのバイオマーカーがES-SCLCの治療選択において有用であるか否かを明らかにすることも目的とする。

結果

患者背景: 本更新解析のデータカットオフ日 (2019年1月24日) 時点で、初回解析からさらに9ヶ月間の追跡が継続された。OSの追跡期間中央値は、アテゾリズマブ+CP/ET群で23.1ヶ月 (範囲 0-29.5ヶ月)、プラセボ+CP/ET群で22.6ヶ月 (範囲 0-30.7ヶ月) であった。患者のベースライン特性は既報の通りであり、両治療群間で概ねバランスが取れていた。

Updated OS (主要解析): ITT集団におけるOSの更新解析結果は、アテゾリズマブ+CP/ET群でOS中央値12.3ヶ月 (95% CI 10.8-15.8ヶ月) であったのに対し、プラセボ+CP/ET群では10.3ヶ月 (95% CI 9.3-11.3ヶ月) であった。ハザード比 (HR) は0.76 (95% CI 0.60-0.95, 記述的p=0.0154) であり、アテゾリズマブの追加によるOSの持続的な改善が示された (Figure 2A)。12ヶ月時点のOS率は、アテゾリズマブ+CP/ET群で51.9%、プラセボ+CP/ET群で39.0%であり、12.9%の生存率増加が認められた。同様に、18ヶ月時点のOS率は、アテゾリズマブ+CP/ET群で34.0%、プラセボ+CP/ET群で21.0%であり、13.0%の差が認められ、長期生存における顕著な差が示された。初回解析で報告されたHR 0.70と比較してHRは若干変化したが、OSにおける優越性は維持された。ほとんどのサブグループにおいて、アテゾリズマブの追加によるOSベネフィットは一貫して観察された (Figure 2B)。

Updated PFS: ITT集団におけるPFSの更新解析結果は、アテゾリズマブ+CP/ET群でPFS中央値5.2ヶ月 (95% CI 4.4-5.6ヶ月) であったのに対し、プラセボ+CP/ET群では4.3ヶ月 (95% CI 4.2-4.5ヶ月) であった。ハザード比 (HR) は0.77 (95% CI 0.63-0.95) であり、アテゾリズマブの追加によりPFSも有意に改善された。RECIST定義による病勢進行は、アテゾリズマブ+CP/ET群で181例 (90.0%)、プラセボ+CP/ET群で194例 (96.0%) に発生した。

奏効持続性 (DOR) および奏効率 (ORR): ITT集団における確認済みORRは、アテゾリズマブ+CP/ET群で60.2% (95% CI 53.1-67.0)、プラセボ+CP/ET群で64.4% (95% CI 57.3-71.0, 記述的p=0.3839) であり、両群間で有意な差は認められなかった。しかし、DOR中央値はアテゾリズマブ+CP/ET群で4.2ヶ月 (95% CI 4.1-4.5ヶ月) であったのに対し、プラセボ+CP/ET群では3.9ヶ月 (95% CI 3.1-4.2ヶ月) であり、HR 0.67 (95% CI 0.51-0.88, 記述的p=0.0037) とアテゾリズマブ群で有意な改善が認められた。これは、ORRに差がないにもかかわらず、アテゾリズマブの追加が奏効の持続性を延長することを示唆している。

PD-L1サブグループ解析 (探索的): PD-L1 IHC BEPはITT集団の34% (アテゾリズマブ+CP/ET群64例 [32%]、プラセボ+CP/ET群73例 [36%]) で構成された。PD-L1発現は主にICで観察され、TCでの発現は限定的であった。PD-L1発現がTCおよびICで1%未満のサブグループでは、アテゾリズマブ+CP/ET群のOS中央値は10.2ヶ月 (95% CI 7.9-15.7ヶ月) であったのに対し、プラセボ+CP/ET群では8.3ヶ月 (95% CI 6.9-9.1ヶ月) であり、HR 0.51 (95% CI 0.30-0.89) とアテゾリズマブによるOSベネフィットが観察された (Figure 3A-3C)。PD-L1発現がTCまたはICで1%以上のサブグループでは、アテゾリズマブ+CP/ET群のOS中央値は9.7ヶ月 (95% CI 7.6-17.4ヶ月) であったのに対し、プラセボ+CP/ET群では10.6ヶ月 (95% CI 8.3-14.7ヶ月) であり、HR 0.87 (95% CI 0.51-1.49) と有意な差は認められなかった。PD-L1発現がTCまたはICで5%以上のサブグループでは、アテゾリズマブ+CP/ET群のOS中央値は21.6ヶ月 (95% CI 9.4-NE) であったのに対し、プラセボ+CP/ET群では9.2ヶ月 (95% CI 6.1-15.7ヶ月) であり、HR 0.60 (95% CI 0.25-1.46) と高PD-L1発現例で大きな利益傾向が示されたが、信頼区間が広かった。これらの結果は、PD-L1発現がES-SCLCにおけるアテゾリズマブの予測バイオマーカーとして限定的な有用性しか持たないことを示唆している。

血中腫瘍変異負荷 (bTMB) 解析: 既報のbTMB結果と同様に、更新解析でも、事前に規定されたbTMBカットオフ値 (10および16) を用いたbTMB高値および低値のサブグループの両方でOSベネフィットが示された (Figure 2B)。PD-L1高発現患者 (TCまたはICで1%以上) の55.9% (n=38/68) がbTMB高値 (bTMBスコア10以上) であったことから、bTMBとPD-L1発現は異なる患者集団を特定する可能性がある。

安全性 (Updated): 治療期間中央値は、アテゾリズマブ群で4.7ヶ月 (範囲 0-29ヶ月)、プラセボ群で4.1ヶ月 (範囲 0-26ヶ月) であった (Table 1)。投与回数中央値は、アテゾリズマブ群で7.0回 (範囲 1-39回)、プラセボ群で6.0回 (範囲 1-38回) であった。有害事象 (AE) および治療関連AEの発生率は、初回解析で報告された安全性プロファイルと類似していた。全グレードのAEはアテゾリズマブ+CP/ET群で100%、プラセボ+CP/ET群で96.4%に発生した。グレード3または4のAEは、アテゾリズマブ+CP/ET群で67.7%、プラセボ+CP/ET群で63.3%に発生し、両群間で類似の毒性率が認められた。免疫関連AE (全身性コルチコステロイド治療を要する免疫介在性メカニズムと一致する事象) は、アテゾリズマブ+CP/ET群で40例 (20.2%) に発生したのに対し、プラセボ+CP/ET群では11例 (5.6%) であり、アテゾリズマブ群で免疫関連毒性の増加が認められた (Table 1)。最も一般的な免疫関連AE (イベントに対する治療の有無にかかわらず) は、アテゾリズマブ+CP/ET群とプラセボ+CP/ET群でそれぞれ、皮疹 (20.2% vs 10.7%)、甲状腺機能低下症 (12.6% vs 0.5%)、肝炎 (7.6% vs 4.6%)、および注入関連反応 (5.6% vs 5.1%) であった。免疫関連肺炎は両群で5例 (2.5% vs 2.6%) に発生した。

考察/結論

IMpower133試験の更新解析は、進展型小細胞肺癌 (ES-SCLC) 患者に対するアテゾリズマブとカルボプラチン・エトポシド (CP/ET) 併用療法の有効性および安全性を、追跡期間中央値22.9ヶ月の長期データで確認した。本解析により、アテゾリズマブ併用群のOS中央値12.3ヶ月 (95% CI 10.8-15.8ヶ月) とプラセボ併用群の10.3ヶ月 (95% CI 9.3-11.3ヶ月) との間に、HR 0.76 (95% CI 0.60-0.95, 記述的p=0.0154) という持続的なOSの優越性が示された。18ヶ月時点のOS率もアテゾリズマブ群で34.0%、プラセボ群で21.0%と顕著な差があり、免疫化学療法がES-SCLC患者の長期生存に寄与することが裏付けられた。初回解析で報告されたHR 0.70から本更新解析のHR 0.76への変化は、追跡期間の延長に伴う自然な変動と解釈され、アテゾリズマブの臨床的利益の一貫性を示すものである。

本研究の最も重要な探索的知見は、PD-L1発現レベルがアテゾリズマブの治療効果を予測するバイオマーカーとして機能しない可能性が示唆された点である。PD-L1発現がTCおよびICで1%未満のサブグループにおいて、アテゾリズマブ群でHR 0.51 (95% CI 0.30-0.89) というむしろ大きなOSベネフィットが観察されたことは、PD-L1陰性例においてもアテゾリズマブの追加が有効であることを示している。この結果は、SCLCにおけるPD-L1バイオマーカーの予測的有用性の限界を示唆しており、非小細胞肺癌 (NSCLC) とは異なるSCLCの免疫生物学的特性を反映している可能性がある。同様に、血中腫瘍変異負荷 (bTMB) も、ES-SCLCにおける免疫チェックポイント阻害薬の予測因子としては確立されていない。これらのデータは、ES-SCLCの一次治療において、バイオマーカー選択なしに全ての患者に免疫化学療法を適用するという現在の治療戦略を支持するものである。

安全性プロファイルは、初回解析で報告されたものと一貫しており、アテゾリズマブの追加による新たな安全性シグナルは認められなかった。免疫関連有害事象の増加はアテゾリズマブ群で観察されたが、これらは既知の免疫チェックポイント阻害薬の副作用であり、全身性コルチコステロイドによる管理が可能であった。健康関連QOL (Quality of Life) の改善も以前に報告されており、アテゾリズマブの追加がCP/ET関連の毒性を増加させたり、症状負担を悪化させたりしないことが示唆されている。

先行研究との違い: 本研究のPD-L1サブグループ解析の結果は、SCLCにおけるPD-L1発現がNSCLCとは異なり、免疫チェックポイント阻害薬の予測バイオマーカーとして機能しない可能性を示唆している点で、これまでのNSCLCにおける知見と対照的である。CASPIAN試験やKEYNOTE-604試験でも同様に、PD-L1発現サブグループ間でデュルバルマブやペムブロリズマブのOSベネフィットに大きな差がないことが報告されており、SCLCの免疫生物学が他の癌種とは異なることが示唆される。

新規性: 本研究は、IMpower133試験の長期追跡データを提供し、ES-SCLCの一次治療におけるアテゾリズマブと化学療法の併用が、PD-L1発現状態にかかわらず全生存期間の改善を継続して示すことを新規に確認した。特に、PD-L1陰性患者においてもアテゾリズマブの臨床的利益が認められたことは、SCLCにおける免疫療法の適用範囲を広げる重要な知見である。

臨床応用: 本知見は、ES-SCLCの一次治療におけるアテゾリズマブとCP/ET併用療法が、新たな標準治療として確立されたことを長期データで裏付けるものであり、臨床現場での治療選択に直接的な影響を与える。PD-L1発現やbTMBステータスにかかわらず治療効果が認められることから、これらのバイオマーカーによる患者選択は現時点では不要であるという臨床的意義を持つ。

残された課題: 本研究のPD-L1 IHC解析は、バイオマーカー評価可能集団がITT集団の34%に限定されていたというlimitationがある。これは、組織品質の悪さ (圧挫アーチファクトなど) や、細針吸引などの検体採取方法が組織構造を破壊し、IHC解析を制限する可能性に起因する。今後の検討課題として、SCLCにおける免疫チェックポイント阻害薬のより信頼性の高い予測バイオマーカーを特定するための追加研究が必要である。また、脳転移を有するSCLC患者における免疫療法の役割についても、さらなる試験が残されている。

方法

本研究は、国際共同無作為化二重盲検プラセボ対照第I/III相試験であるIMpower133 (ClinicalTrials.gov識別子: NCT02763579) の更新解析として実施された。試験デザインおよび初回解析結果は既報である。本試験は、GCP (Good Clinical Practice) およびヘルシンキ宣言に準拠して実施され、各施設で独立倫理審査委員会または治験審査委員会からプロトコル承認を得た。全ての患者は書面によるインフォームドコンセントを提出した。

患者選択: 対象患者は、組織学的または細胞学的に確認された未治療のES-SCLC患者で、ECOG Performance Status (PS) が0または1であった。スクリーニング時に頭部CTまたはMRIスキャンが必須とされた。治療済みの無症候性脳転移を有する患者は適格とされたが、活動性または未治療のCNS転移を有する患者は除外された。患者は性別、ECOG PS (0 vs 1)、および登録時の脳転移の有無 (あり vs なし) によって層別化された。

治療プロトコル: 患者は1:1の比率で無作為に2群に割り付けられた。

  1. アテゾリズマブ+CP/ET群: アテゾリズマブ1200mg (静脈内投与、各サイクル1日目) と、カルボプラチン (AUC 5 mg/mL/min、静脈内投与、各サイクル1日目) およびエトポシド (100mg/m²、静脈内投与、各サイクル1-3日目) の併用療法を21日サイクルで4サイクル実施した。その後、病勢進行、許容できない毒性、または臨床的利益の喪失までアテゾリズマブ単独による維持療法を継続した。
  2. プラセボ+CP/ET群: プラセボ (静脈内投与、各サイクル1日目) と、カルボプラチンおよびエトポシドの併用療法を21日サイクルで4サイクル実施した。その後、病勢進行、許容できない毒性、または臨床的利益の喪失までプラセボ単独による維持療法を継続した。 病勢進行後も臨床的利益が認められる場合、治療継続が許可された。

エンドポイントと評価: 主要エンドポイントは、ITT (intention-to-treat) 集団におけるRECIST version 1.1に基づく治験責任医師評価のOSおよびPFSであった。初回中間解析において、これらの主要エンドポイントは統計学的に有意な結果を示した。主要副次エンドポイントは、RECIST 1.1に基づく治験責任医師評価の全奏効率 (ORR)、奏効期間 (DOR)、および安全性であった。

探索的バイオマーカー解析:

  • PD-L1発現: PD-L1発現は、バイオマーカー評価可能集団 (BEP) において、Ventana BenchMark ULTRA自動染色プラットフォームを用いたPD-L1免疫組織化学 (IHC) SP263アッセイにより評価された。腫瘍組織スライド (スライド作成後1年以内) がSP263解析に用いられた。PD-L1検査は登録の必須条件ではなかった。PD-L1発現は、腫瘍細胞 (TC) または腫瘍浸潤免疫細胞 (IC) のいずれかでPD-L1が1%以上発現している場合に陽性と定義された。SCLCにおけるPD-L1 IHCの検証済みカットオフ値が存在しないため、非小細胞肺癌 (NSCLC) のPD-L1 IHCカットオフ値に沿って、TCまたはICの1%以上、5%以上、25%以上、50%以上という段階的なカットオフ値でPD-L1発現の頻度が評価された。本研究で観察されたPD-L1発現の頻度が限られていたため、探索的OS解析はTCまたはICの1%以上および5%以上のカットオフ値で評価され、PFSおよびORRはTCまたはICの1%以上のカットオフ値で評価された。
  • 血中腫瘍変異負荷 (bTMB): bTMBは既報の方法で評価され、事前に規定されたカットオフ値 (10および16) を用いて、bTMB高値および低値のサブグループにおける有効性が評価された。

安全性評価: 少なくとも1回以上の治験薬投与を受けた患者が安全性解析の対象とされた。有害事象 (AE) は、NCI-CTCAE (National Cancer Institute Common Terminology Criteria for Adverse Events) version 4.0に従って評価された。治験責任医師がAEと治験レジメンとの関連性を判断した。

データカットオフ: 本更新解析のデータカットオフ日は2019年1月24日であり、OSの追跡期間中央値は22.9ヶ月であった。この時点で302例の死亡が確認された。