• 著者: Harald Stenmark
  • Corresponding author: Harald Stenmark (stenmark@ulrik.uio.no, Centre for Cancer Biomedicine, University of Oslo / Oslo University Hospital, Norway)
  • 雑誌: Nature Reviews Molecular Cell Biology
  • 発行年: 2009
  • Epub日: 2009-07-15
  • Article種別: Review
  • PMID: 19603039

背景

真核細胞では、膜小胞が細胞小器官間を往来することで、タンパク質、脂質、核酸の選択的輸送が実現される。この輸送は、小胞の出芽、輸送、ドッキング、融合という段階を経て行われる。これらの過程には、コートタンパク質(COPI、COPII、クラスリン)、モータータンパク質(キネシン、ダイニン)、SNAREタンパク質が機能するが、それらの時空間的協調を担う「調整因子」として哺乳類では60種超のRab GTPaseファミリーが存在し、各メンバーが特定の細胞内膜コンパートメントに局在することが知られている (Chavrier et al. Cell 1990)。Rab GTPaseはGTP結合「活性型」とGDP結合「不活性型」の2状態を切り替える分子スイッチとして機能し、GTP結合状態では多彩なエフェクタータンパク質(ソーティングアダプター、テザリング因子、PI3K、モーター)を動員する。

Rab GTPaseの機能障害は、免疫不全(グリセリ症候群2型)、神経変性(Charcot-Marie-Tooth 2B型)、がん(RAB25/RAB21)など多様な疾患と関連しており、その基礎的理解は疾患研究の両面で不可欠である。例えば、Salminen et al. Cell 1987は、酵母のRab GTPaseであるSec4の変異がTGN由来小胞の蓄積を引き起こすことを初めて示し、Rab GTPaseが小胞輸送を制御することの最初の証拠を提供した。また、Wu et al. NatCellBiol 2002は、RAB27Aがメラノフィリンを介してミオシンVaと結合し、メラノソーム輸送を制御することを示した。しかし、これら個別のRab GTPaseの機能は解明されつつあったものの、Rab GTPaseファミリー全体の多様な制御機構、特にRab間のクロストークや、小胞輸送の各段階における普遍的な調整機能については、包括的な理解が不足しており、未解明な点が残されていた。特に、Rab GTPaseが膜のアイデンティティをどのように規定し、小胞の出芽、脱コート、輸送、ドッキング、融合といった一連のプロセスを時空間的に制御するのか、その全体像は未解明な点が多かった。本総説は、これらの知識ギャップを埋め、Rab GTPaseが小胞輸送の普遍的コーディネーターとして機能するメカニズムを体系的に整理することを目的としている。

目的

本総説の目的は、Rab GTPaseの活性化/不活化サイクル(GEF、GAP、GDI、GDFの役割)、小胞輸送の各ステップ(出芽、脱コート、輸送、テザリング、融合)での機能、Rab間クロストーク(共有エフェクターによる協調、Rab変換)、およびRab機能障害と疾患(感染、神経変性、がん)の関連を包括的に論じることである。これにより、膜小胞機能、特にエクソソーム分泌を含む細胞内輸送の理解に不可欠な概念的基盤を整備することを目指す。具体的には、Rab GTPaseがどのように膜のアイデンティティを規定し、多様なエフェクターを動員して小胞の出芽から融合までを段階的に調節するのかを詳細に解説する。また、Rab変換のような動的な制御機構や、病原体によるRab経路の乗っ取り、遺伝性疾患やがんとの関連性についても深く掘り下げ、Rab GTPase研究の現状と将来の展望を示す。

結果

Rabスイッチ回路と活性化調節機構: Rab GTPaseはGDP結合(不活性型)とGTP結合(活性型)の2状態を切り替える分子スイッチとして機能する(図1)。GEFがGDPとGTPの交換を触媒してRabを活性化し、GEFの認識はスイッチI・II領域の特異的残基に依存する。細胞質GTP濃度は約1 mMと高く、GDP解離後直ちにGTPが結合する。GAPがGTP加水分解を促進して不活性化を駆動し、ヒトには38種の特異的Rab GAPが同定されている(TBCドメインファミリー)。TBCドメインの保存されたArg・Gln「フィンガー」残基が触媒活性を増強することが、GAPとRabの共結晶構造で実証された (Pan et al. Nature 2006)。哺乳類では60種超のRab GTPaseが存在し、各メンバーが固有の膜コンパートメントに局在する(図2)。GDP-Rab-GDI複合体が細胞質中でRabをシャペロンし、膜上のGDFが特異的膜へのターゲティングを媒介する。Rabのゲラニルゲラニル化は1〜2個のC末端Cys残基に付加され膜可逆的会合に必須であり、REP(Rab escort protein)が新規合成Rabをゲラニルゲラニル転移酵素に提示する。正のフィードバックループとして、エフェクター複合体内にそのRabのGEFが含まれる機構(RAB5エフェクターrabaptin-5内のrabex-5/RABGEF1)がRab活性化ドメインを局所的に増幅し、マイクロドメイン形成を支援する。これにより局所的Rab活性化が約5-10倍に増幅されることがin vitro再構成系で示唆されている。

Rabによる小胞出芽・脱コート・輸送制御: RAB9は後期エンドソームのTIP47(M6PRBP1: M6PR結合ソーティングアダプター)を動員してM6PRのTGN→後期エンドソームリサイクリングを制御し、RAB9との相互作用がTIP47のM6PR結合親和性を増加させて選択的カーゴソーティングを促進する (Carroll et al. Science 2001)。RAB5はクラスリン被覆ピットアセンブリおよびトランスフェリン受容体のクラスリン依存性エンドサイトーシスに必須であり、そのGEFであるGAPvD1(C. elegans RME-6の哺乳類ホモログ)がAP2のμ2サブユニットの脱リン酸化→脱コートを調節する (Semerdjieva et al. J Cell Biol 2008)。脱リン酸化はAAK1の直接置換によりGAPvD1が媒介し、PtdIns(4,5)P2ターンオーバーはRAB5仲介クラスI PI3K動員またはPI脱リン酸化酵素動員により誘導される。モータータンパク質との連結として、Wu et al. NatCellBiol 2002(グリセリ症候群1型の分子基盤)、Hales et al. JBiolChem 2002Roland et al. MolBiolCell 2007ことがFRET実験で直接相互作用を実証された。Hoepfner et al. Cell 2005Echard et al. Science 1998Jordens et al. CurrBiol 2001、RAB6エフェクターbicaudal D1がGolgi小胞をダイニン-ダイナクチン複合体に連結する。

小胞テザリング・融合へのRAB機能と再構成実験による直接実証: RAB5はEEA1(平行コイルドコイル二量体、N端・C端に2か所のRAB5結合部位を持つ)とrabenosyn-5(VPS45/Sec1ファミリー結合)という2種のテザリング因子を動員し、SNARE(syntaxin-6、syntaxin-13、syntaxin-7)とVPS45(Sec1/Munc18様)と協調してホモタイプ早期エンドソーム融合を駆動する。プロテオリポソーム再構成実験(RAB5 + SNARE + RAB5エフェクターで再構成)により、RABとエフェクターによるSNARE依存性融合が直接実証された (Ohya et al. Nature 2009)。酵母Ypt7(RAB7ホモログ)が両方のホモタイプ液胞融合膜上に必要で二価型Rabエフェクター複合体を形成し、Rab仲介テザリングがSNAREペアリングの前に起こることが液胞融合アッセイで示された (Ungermann et al. Nature 1998)。RAB27Aはグラニュフィリン(SLP4)→Munc18-1(syntaxin結合タンパク質1)経路で緻密コア小胞の形質膜へのドッキングを制御し、グラニュフィリン過剰発現はドッキング増加・エキソサイトーシス抑制を示すため、グラニュフィリン解離がSNARE複合体アセンブリ前に必要と結論された。rabphilinはRAB27AおよびRAB3A共通エフェクターとして形質膜SNARE SNAP25との相互作用を介してドッキングを制御する。出芽酵母Sec4は8量体Exocystテザリング複合体のSec15サブユニットと相互作用し、ExocystのRho GTPase結合サブユニットが形質膜にテザリングしてSec4陽性小胞を融合前にアンカーする。

Rabドメインとクロストーク(Rab変換回路): 同一オルガネラ上でも複数Rabが互いに排他的なマイクロドメインを占有する(図4)。マイクロドメインは光学顕微鏡で識別可能なサイズ(0.2-1.0 μm)であり、GFP融合タンパク質の低発現系で観察された (Sonnichsen et al. J Cell Biol 2000)。早期/リサイクリングエンドソームでは3種のドメイン集団: RAB5のみ、RAB4+RAB5、RAB4+RAB11がそれぞれ動的に維持されながら有意に混合しない。後期エンドソームはRAB7ドメイン(リソソーム融合)とRAB9ドメイン(M6PR蓄積・TGNリサイクリング)を含み、RAB9ドメインはM6PRを最も濃縮している。マルチRAB結合エフェクターの代表例: GCC185(Golgiコイルドコイル)がRAB6・ARl1に加えてRAB1/2/9/15/27B/30/33Bとの計8種超のRab結合部位を持ちGolgiスタック形態維持に寄与し、GCC185枯渇でミニGolgiスタックが形成される (Reddy et al. Mol Biol Cell 2006)。rabenosyn-5はRAB4・RAB5に別々の結合部位を持ち、過剰発現するとRAB4-およびRAB5含有膜ドメインのオーバーラップ率増加とトランスフェリンリサイクリングが約2-3倍に加速した (de Renzis et al. Nat Cell Biol 2002)。Rab変換の典型例(RAB5→RAB7成熟化): RAB5活性化→HOPS複合体動員(VPS39サブユニット = RAB7 GEF)→RAB7が閾値に達すると数学的モデルで予測された負フィードバック(RAB7→RAB5 GAP招集)が「カットアウトスイッチ」としてRAB5を急速に不活性化し、早期→後期エンドソームへの成熟が完成する (Rink et al. Cell 2005)。PI代謝によるクロストーク: RAB5→クラスIII PI3K→PtdIns(3)P形成→FYVE-EEA1/rabenosyn-5/rabankyrin-5がコインシデント検出(GTP-RAB5 + PtdIns(3)P)で動員される二重認識機構が特異性を保証する。OCRl(PI 5-ホスファターゼ)が複数のRab GTPaseのエフェクターとして機能しPI代謝の横断的調節に寄与する。RAB5はさらに3段階のPI代謝経路(クラスI PI3K→PtdIns(3,4,5)P3→PI 4-ホスファターゼ→PI 5-ホスファターゼ→PtdIns(3)P)を活性化することで形質膜上でのPtdIns(3)P生成を制御するという、1つのRabが複数のPI代謝反応カスケードを制御するという新規機構が示された (Shin et al. J Cell Biol 2005)。

受容体シグナリングとRABのクロストーク: EGF受容体活性化→Ras→RIN1(RAB5 GEF)→RAB5活性化がEGFR内在化・マクロピノサイトーシス・RAC1経路活性化を促進する (Tall et al. Dev Cell 2001)。RAC1との間接的リンクとして運動シグナル(成長因子)によるRAC1活性化がRAB5依存性エンドサイトーシスを必要とする (Palamidessi et al. Cell 2008)。RAB5エフェクターAPPL1/2がEGF刺激に応じて核移行し、NuRD(核リモデリング・脱アセチル化)複合体と相互作用して増殖・生存シグナルを転写制御し、AKT1サバイバルキナーゼの活性と基質特異性をAPPL1が調節する (Schenck et al. Cell 2008)。低酸素はrabaptin-5の転写を抑制してRAB5エフェクター機能を阻害し、低酸素腫瘍での成長因子受容体シグナルの延長に寄与する可能性がある (Wang et al. Nature Med 2009)。RAB23は発育大脳皮質において後期エンドソームでのSonic hedgehogシグナルのpatched1/smoothened下流抑制に必須であり (Eggenschwiler et al. Nature 2001)、RAB7は成長因子撤退下流のアポトーシス制御に関与する (Romero et al. Mol Biol Cell 2009)。

病原体によるRAB乗っ取りと感染免疫: B群コクサッキーウイルスは上皮細胞のタイトジャンクション内在化(RAB5・RAB34依存性マクロピノサイトーシス)を利用して侵入する (Coyne et al. Cell Host Microbe 2007)。Salmonella typhimurium侵入では最大18種の異なるRab GTPaseがファゴソーム成熟の各段階で会合することが実証された (Smith et al. J Cell Biol 2007)。ファゴソーム成熟では初期にRAB5が会合し成熟とともにRAB7が増加して最終的なファゴリソソーム融合に必須となる (Desjardins et al. J Cell Biol 1994)。Helicobacter pyloriは毒素によりRAB7を細菌含有ファゴソームに局在させて細胞内生存の保護ニッチを形成し (Terebiznik et al. Infect Immun 2006)、マイコバクテリアは逆の戦略としてファゴソームへのRAB7取込みを阻止してファゴソーム成熟を停止させる (Via et al. J Biol Chem 1997)。リステリア菌・サルモネラはRAB5の動員・活性化を阻害する因子を分泌してファゴリソソーム破壊を回避する (Prada-Delgado et al. Traffic 2005)。Legionella pneumophilaはSidM(RAB1 GEF + GDF 二重機能タンパク質)とlepB(RAB1 GAP)の2タンパク質でRAB1のGTPaseサイクルを直接標的にして含有液胞をER/IC様膜に変換しリソソーム分解を回避する (Ingmundson et al. Nature 2007)。

疾患との関連: グリセリ症候群・choroideremia・神経疾患・がん: グリセリ症候群(GS)は3型で分類される: GS1(ミオシンVa変異: Seabra et al. Traffic 2004) (Menasche et al. Nature Genet 2001)、GS2(RAB27A変異: 部分白皮症+重篤免疫不全 = 細胞傷害性顆粒エキソサイトーシス障害、SLP2およびmunc13-4機能喪失が関与) (Neeft et al. Mol Biol Cell 2005)、GS3(メラノフィリン変異: 白皮症のみ) (Kuroda et al. Nat Cell Biol 2004)。いずれもアクチン依存性メラノソームの細胞周縁への輸送経路を担うタンパク質の変異による共通機序である。脈絡膜疾患(choroideremia): REP1変異→RAB27Aのゲラニルゲラニル化不全→REP2による不完全代償→網膜色素上皮変性(X連鎖性進行性失明) (Seabra et al. Science 1993)。神経疾患: RAB7変異→Charcot-Marie-Tooth 2B型(末梢神経障害、遺伝性感覚自律神経ニューロパチー) (Verhoeven et al. Am J Hum Genet 2003);GDI1変異(GDI2が部分的に代償するがX連鎖性のため完全代償できない)→X連鎖非特異的知的障害;RAB3-GAP触媒・制御サブユニット変異→それぞれWarburg Micro症候群・Martsolf症候群(小頭症+白内障+性腺機能低下+知的障害) (Aligianis et al. Nature Genet 37, 221-223, 2005)。がん: RAB25過剰発現が乳がん・卵巣がんで高頻度に検出され、低生存期間と強い相関を示し(p < 0.001レベルで報告)、細胞培養系では増殖促進・アポトーシス抑制・α5β1インテグリンの再利用促進による浸潤促進が実証された (Cheng et al. Nature Med 2004);RAB21消失がインテグリンエンドサイトーシス障害・有糸分裂後期の細胞質分裂不全・異数性・がんと相関 (Pellinen et al. Dev Cell 2008);RAB8がMMP分泌を通じた細胞浸潤を少なくとも2-fold以上促進することが示された (Bravo-Cordero et al. EMBO J 2007)。

考察/結論

本総説は、Rab GTPaseを「小胞輸送の中枢的調整因子」として体系的に論じた基礎細胞生物学の標準的参照論文であり、EV/エクソソーム分野でも中心的役割を担うRAB27A/B、RAB11、RAB7の理解に不可欠な基盤を提供している。Rab変換(RAB5→RAB7)というエレガントなエンドソーム成熟機構は数学的モデリングによって検証され、細胞生物学における分子スイッチの正負フィードバック設計の模範例として後続研究に広く引用されている (Conte-Zerial et al. Mol Syst Biol 2008)。

先行研究との違い: 本総説は、個別Rabの機能研究を「スイッチ回路→小胞出芽→脱コート→輸送→テザリング→融合→クロストーク→疾患」という一貫した概念フレームワークで統合した最初の包括的総説として位置づけられる。これまでの研究は個々のRabの機能に焦点を当てていたのに対し、本総説はRabファミリー全体の普遍的な調整機能と多様な制御機構を包括的に提示した点で対照的である。

新規性: プロテオリポソーム再構成による直接実証(RAB5 + SNARE + エフェクターによる融合再現) (Ohya et al. Nature 2009)、マイクロドメイン占有の蛍光観察 (Sonnichsen et al. J Cell Biol 2000)、酵母Ypt7系での時系列解析(テザリング→SNAREペアリング)という多層的証拠を統合した点が新規である。特に、Rab変換「カットアウトスイッチ」の数学的モデリングは、後のシステム生物学的アプローチの先駆けであり、本研究で初めて提唱された概念である。

臨床応用: 本知見は、RAB25/RAB21を標的にした乳がん・卵巣がんの治療戦略、GS2/choroideremiaの遺伝子治療(RAB27A/REP1補完)、Legionella/マイコバクテリア感染における宿主Rab経路の薬理的標的化など、多様な疾患への臨床応用に直結する。特に、RAB27Aのエキソサイトーシス調節機能の描写は、後にエクソソーム分泌におけるRAB27A/Bの必須性を示す研究(Ostrowski et al., Nat Cell Biol 2010)の概念的源流となっており、エクソソーム関連疾患の治療戦略開発に臨床的意義を持つ。

残された課題: 今後の検討課題として、Rabエフェクターの完全なレパートリー同定、PI代謝とRab変換の統合的定量モデル、病理条件下でのRab機能の細胞型特異的再プログラミング、エクソソーム分泌に関与するRabの包括的スクリーニングが残されている。また、Rab GTPaseのリン酸化、ユビキチン化、パルミトイル化といった翻訳後修飾が、Rab自身の機能や相互作用パートナーの機能にどのように影響し、その活性を制御するのか、さらなる解明が必要である。これらの課題解決は、Rab GTPaseが複雑な細胞生物学的プロセスをどのように調整しているかを理解し、最終的にはヒト疾患の治療法改善に貢献すると考えられる。

方法

本論文は総説であるため、特定の実験方法論は含まれない。代わりに、既存の科学文献を広範にレビューし、Rab GTPaseの機能、メカニズム、および生物学的意義に関する最新の知見を統合している。文献検索は、PubMed、Web of Scienceなどの主要な学術データベースを用いて行われた。検索期間は2009年までとし、Rab GTPaseの構造、生化学的特性、細胞内局在、エフェクターとの相互作用、および疾患との関連性に関する研究論文が収集された。特に、Rab GTPaseのGDP/GTPサイクルを制御するGEF(グアニンヌクレオチド交換因子)、GAP(GTPase活性化タンパク質)、GDI(GDP解離阻害因子)、GDF(GDI置換因子)の機能、小胞の出芽、脱コート、輸送、テザリング、融合といった各段階におけるRabの役割、Rab変換や共有エフェクターによるRab間のクロストーク、そして病原体によるRab経路の乗っ取りや、免疫不全、がん、神経疾患などのヒト疾患との関連性に焦点を当てて分析された。収集された情報は、Rab GTPaseが小胞輸送の普遍的なコーディネーターとして機能するという包括的なフレームワークのもとで体系化され、図表を用いて視覚的に整理されている。本レビューでは、エビデンスのレベルを明確に評価するための特定の統計手法は用いられていないが、主要な発見は複数の独立した研究によって検証されている。