- 著者: Daan J. Kloosterman, Leila Akkari
- Corresponding author: Leila Akkari (Division of Tumor Biology and Immunology, Oncode Institute, The Netherlands Cancer Institute, Amsterdam)
- 雑誌: Cell
- 発行年: 2023
- Epub日: N/A
- Article種別: Review
- PMID: 36924769
背景
マクロファージは全身の組織に常在し、恒常性維持、炎症応答、組織修復という多面的な機能を持つ。これらの機能は、その高い可塑性により、広範な危険シグナルに応答し、組織の恒常性を維持するために不可欠であると認識されている。腫瘍微小環境 (TME) においては、腫瘍関連マクロファージ (TAM) として再プログラミングされ、腫瘍の免疫回避、増殖、浸潤、転移、治療抵抗性を多層的に支援する役割を担う。TAMは遺伝的に安定な細胞であることから薬剤耐性が生じにくいという理論的利点があり、治療標的として注目されてきた。しかしながら、近年のシングルセル技術はTAMの従来のM1/M2二分法では捉えきれない豊富な表現型多様性を明らかにし、それが治療標的化の困難さの本質となっている。例えば、高TMBグリオーマで免疫チェックポイント阻害剤 (ICB) が特に無効であることが示されたように、TAMが豊富なTMEでは腫瘍変異荷量の多寡によらずT細胞排除が起きうることが認識されるようになった McGrail et al. AnnOncol 2021。
がんの進化という概念は、当初は腫瘍細胞の適応度を支配する遺伝子変異の獲得のみを指していたが、現在では、これらの変異が腫瘍細胞と間質細胞や免疫細胞との局所的・全身的な相互作用における柔軟性をどのように駆動するかが、がん細胞のクローン性、増殖、生存の主要な推進力であると認識されている Anderson et al. Cell 2006。腫瘍細胞が常に曝される選択圧は、周囲とのコミュニケーションを形成する進化的特性の獲得を促し、結果としてTME内の細胞に適応的な表現型を強制する。その結果、固形腫瘍は、その生存と適応度が依存する多数の細胞型からなる相互接続されたシステムへと成長する。したがって、がんの進化的優位性は、特定の個々のサブクローンではなく、エコシステム全体の能力によって大きく決定される。この概念は、腫瘍細胞が微小環境と動的に共進化することを示唆している Polyak et al. TrendsGenet 2009。
数十年にわたるTMEダイナミクスの研究により、TAMは共進化するがんエコシステムの界面に位置づけられてきた。マクロファージと腫瘍細胞間のクロストークは、炎症を促進し、腫瘍増殖を促進し、血管新生と浸潤を促進するプロテアーゼと細胞外マトリックス (ECM) 成分の発現を含む、刺激と関連する応答を包含する。TAMの表現型可塑性の結果として、腫瘍とTAM集団は、全身的な手がかり、罹患臓器部位、局所的な栄養利用可能性など、多様な環境要因に応じて長期的に適応する。各集団の個別の変化に焦点を当てた詳細な研究は行われてきたが、腫瘍が進化するにつれて、それらの相互依存性を捉えるためにはさらなる洞察が必要である。さらに、これらの相互作用が組織および時間依存的に異なるがんエコシステムの進化をどのように駆動するか、または治療抵抗性にどのように関与するかは、まだ十分に未解明である。固形腫瘍における新規かつ効果的な骨髄系標的治療法の設計が次世代の免疫療法における到達すべきマイルストーンと見なされる時代において、この知識の不足は克服すべき主要なボトルネックである。
目的
本レビューの目的は、腫瘍エコシステムにおいてマクロファージが果たす多層的役割——正常生理機能の腫瘍への転用、表現型多様性の決定因子、がんの自然選択・代謝競合・転移・治療抵抗性との関係——を体系的にレビューし、次世代のTAM標的治療戦略の概念的基盤を提示することである。具体的には、TAMがどのようにして恒常性維持機能を腫瘍の進行に利用し、その表現型が内在性決定因子から全身・臓器・ニッチ・細胞間レベルの5階層でどのように制御されるかを詳細に解説する。また、TMEにおける代謝競合と協働の二面性、転移カスケードの全段階へのTAMの関与、および化学療法や免疫チェックポイント阻害療法に対する治療抵抗性増強のメカニズムを深く掘り下げる。最終的に、既存のTAM標的戦略の成功と限界を評価し、TAMの可塑性を標的とすることで腫瘍進行を阻止する新たな治療アプローチ、特に遺伝子操作されたマクロファージやナノ粒子送達技術を用いた次世代の治療戦略の概念的進歩と新しい治療経路を提案することを目的とする。
結果
恒常性機能の腫瘍への転用 — プログラムド細胞除去・炎症増幅・組織修復の3本柱: マクロファージの3大恒常性機能 (食作用・炎症増幅・組織修復/血管新生) はいずれも腫瘍に転用される。腫瘍細胞はCD47・PD-L1等の「don’t eat me」シグナルを高発現して食作用から逃れる。CD47はSIRPαに結合してマクロファージの食作用を阻害し、卵巣がんモデルではCD47がE-cadherin/N-cadherin制御を介してEMTを促進し転移・浸潤を増強することが示された。efferocytosis (アポトーシス体取り込み) に伴いAIM2がphagosomal tumor DNAを認識してPD-L1・IDOを上方制御し免疫抑制を誘導する。さらに脂質豊富なアポトーシスカーゴがLXR (liver X receptor)/RXR (retinoid X receptor) 活性化→TGF-β・IL-10産生増大を引き起こす。脂質豊富なTAMはMARCO (macrophage receptor with collagenous structure)/TREM2 (triggering receptor expressed on myeloid cells)/CD36を高発現し、scavenger receptor標的化やLXR阻害でTAM免疫抑制活性が低下することが実証されている。炎症増幅機能ではTAMがIL-1β (inflammasome活性化→caspase-1によるpro-IL-1β切断) の主要産生源となる。乳がん・肝がん・肺がんでTAMが主要なIL-1β産生源であり、IL-1βシグナル阻害が乳腫瘍増殖および肺転移を抑制することが示された。CANTOS試験 (動脈硬化症患者 n=10,061 を対象とした無作為化比較試験) ではIL-1β中和抗体 (カナキヌマブ 150 mg, 3か月毎投与) が肺がん発生頻度を約50%低下させ、肺がん関連死亡率も有意に減少した (HR約0.23, p<0.05相当と報告)。HCC壊死組織由来DAMPがIL-1β分泌→転移促進・予後不良と関連する臨床データも引用され、IL-1β軸の臨床的重要性が実証された。TNF-αはNFκBとSTAT3を活性化して腫瘍進行を促進し、肝がんでTNF-α産生肝臓マクロファージとHCC発生リスクの相関が示されている。PDAC細胞由来CCL2がTNF-α産生TAMをCCR2経由で動員する正のフィードバック機構も明らかにされた Qian et al. Nature 2011。組織修復経路では低酸素刺激によるHIF-1α/HIF-2α活性化がVEGF-A・ANG1 (angiopoietin-1)/ANG2 (angiopoietin-2)・TGFβ・PDGFの産生を促進し、さらにMMP2/9/13/14等のプロテアーゼによるECM分解が血管新生と浸潤を助ける。Tie2 (tyrosine kinase with immunoglobulin-like and EGF-like domains 2)+ TAMが血管周囲ニッチに蓄積しVEGF-Aを放出して腫瘍細胞の血管内侵入を支援することも示されている (Figure 1)。
TAM表現型多様性の5階層決定因子と生物学的スケール統合: TAMの表現型は (i) 内在性決定因子 (性別・遺伝的背景・発生起源・訓練免疫)、(ii) 全身因子 (食事・肥満・運動)、(iii) 臓器因子 (組織常在マクロファージのエピジェネティックプログラム)、(iv) ニッチ因子 (低酸素・血管周囲・前転移ニッチ)、(v) 細胞間因子 (腫瘍細胞・T細胞・CAF・脂肪細胞との相互作用) の5層が統合的に制御する (Figure 2)。男性NSCLCではPPARγ (peroxisome proliferator-activated receptor gamma)・ECM改変経路を高発現するTAMが低IFN産生・抗原提示低下と関連し予後不良を示すという性差依存的TAM表現型が報告された。肥満ではcrown-like構造マクロファージを介してIL-6・TNF-α産生を誘導し、高脂肪食 (HFD) モデルで肝がんの腫瘍進行が促進されることが示されている。運動誘発性ミオスタチン全身放出がTAMの腫瘍促進活性を抑制し乳がん発生を遅延させることや、全身冷暴露によるTAMのCXCL5産生増大が白色脂肪組織の褐色化を促進する (腫瘍抑制特性を持つ細胞集団の活性化) ことも示された。β-グルカン粒子による「訓練免疫」を受けたマクロファージは腫瘍細胞への食作用・細胞傷害活性が増強され、肺転移を抑制することが示されている。エピジェネティック制御では乳がん由来エクソソームmiR-138-5pがKDM6B (H3K27me3脱メチル化酵素) 発現を阻害し、IL-6・TNF-α・IL-1βの転写抑制とIL-10・Arg1・TGFβ・VEGF-Aの発現増大による免疫抑制TAM表現型誘導が示された。PDAC由来IL-4/IL-13がTAMのVEGF・CCL18産生→腫瘍遊走・浸潤促進、膀胱がんモデルでエピジェネティック脱制御による腫瘍細胞のIL-6・CCL2分泌増大→CD206+ TAM蓄積という細胞間因子も示されている。
代謝競合と協働 — TAMはWarburg効果という通説に反してTMEの主要グルコース消費者: 従来はWarburg効果を示す腫瘍細胞がTMEのグルコースを主に消費すると考えられていたが、最新研究はTAMが実際にはTMEにおける最大グルコース消費者であることを示した。高い糖解活性を持つTAMによるグルコース競合は、CD8+ T細胞の代謝的排除とTreg蓄積を促進し、グルコース非依存的な代謝プログラム (グルタミン利用等) を持つ腫瘍クローンの選択的優位性を生む (前臨床マウスモデルで腫瘍内乳酸濃度は正常組織の2〜10倍に達する)。グルタミン除去実験ではグルタミン撤退が腫瘍細胞をグルコース消費へ回帰させ、TAMとの競合でTAMの免疫抑制機能が逆転することが示された。TAMはIDOによりトリプトファン→キヌレニン変換を行い、キヌレニンがAHR (aryl hydrocarbon receptor) のリガンドとして腫瘍細胞の増殖・運動性促進とエフェクターT細胞のアネルギーを誘導する。IDH変異グリオーマが産生する2-ヒドロキシグルタル酸はTAMのキヌレニン産生をさらに増強し免疫抑制TMEを強化する。また、TAM由来イタコン酸がCD8+ T細胞増殖と活性化を抑制することも報告されている。代謝協働として、TAMがアポトーシスカーゴから取り込んだ脂質 (コレステロール・コレステリルエステル) が腫瘍細胞に供給されるという相互依存的な代謝連関も示されている Goossens et al. CellMetab 2019 (Figure 4)。
転移カスケード全段階へのTAM関与 — EMT・ECMリモデリング・血管内外への移行支援: TAMは転移の全段階に深く関与する。EMT誘導ではIL-1β・IL-8・TNF-α・TGFβ産生によるNFκBおよびSMAD活性化を介してがん細胞の間葉系形質転換を促進する。pan-cancer解析では間葉系優位な腫瘍でTAM富化と免疫チェックポイント分子・TGFβ・IL-10の高発現が相関することが示されており、腫瘍細胞の間葉系表現型自体がTAMの腫瘍促進特性獲得と連動する。cathepsin/MMP7/MMP2/MMP9によるECMプロテアーゼ活性とCSF-1/EGFの腫瘍細胞-TAM間パラクリンループが腫瘍細胞を血管に誘導する。TMEM (transendothelial migration environment: 腫瘍細胞・TAM・血管内皮の三者共局在) 形成が血管内侵入の門として機能することが示された。循環腫瘍細胞 (CTC) はVCAM-1-α4インテグリン結合を介してマクロファージとtetherし、PI3K/Akt活性化によりTRAIL等のアポトーシス誘導因子から保護される。前転移ニッチではPDAC由来MIF含有エクソソームがKupffer細胞活性化→TGFβ産生→肝星細胞フィブロネクチン産生→単球集積という臓器特異的肝転移ニッチを形成し、XIST低発現乳がん由来エクソソームmiRNA-503がミクログリアを免疫抑制表現型へ転換して脳転移を促進することも示された Costa-Silva et al. NatCellBiol 2015。肝臓のKupffer細胞を枯渇させると結腸がんの肝転移結節数が増加し、食作用によるがん細胞排除という抗転移機能も存在する。
治療耐性増強と再発支援 — 化学療法・ICBいずれへの多様な耐性機序: 高TAM浸潤は固形がんの標準化学療法後予後不良と広く相関する (多癌腫で報告)。グリオブラストーマではOncostatin M (OSM) 高発現TAMがSTAT3活性化→間葉系転換→治療耐性と相互フィードバックループを確立し、相互にループを維持する。胃がんではCXCL5産生TAMがPI3K/AKT/mTOR経由で化学療法耐性を増強する。化学療法後の腫瘍壊死組織からDAMP/脂質「surge」がTAMを再活性化し腫瘍再増殖を支援する機序が卵巣がんモデルで示され、COX-2/sHE二重阻害による延命が実証された。乳がんではドキシサイクリン後残存がん細胞がCCL5を産生しTAMをCCR5経由で動員してコラーゲン沈着 (Pcolpe, Aspn) を促進し再発を支援することが示された。ICBに対してはTAMのPD-L1/PD-L2高発現・PD-1発現 (PD-1+ TAMがT細胞食作用とICBを阻害)・IL-10/TGFβ/アルギナーゼ産生・TregへのCD4 T細胞変換等によって外因性耐性が形成される Gordon et al. Nature 2017。マウス肝転移モデルではFasL+CD11b+F4/80+ MDMとFas+CD8+ T細胞の直接接触がT細胞アポトーシスを誘導してICB効果を減弱させることが示されている。CSF-1R阻害 (PLX5622等) がCD8+ T細胞の腫瘍浸潤を回復させICBと相乗効果を示した。注目すべきことに、肥満によるTAMへのPD-1誘導は逆説的にPD-1 ICBへの感受性を高め、肥満-炎症-TAM経路がICB奏効率の予測因子になりうる可能性を示した Ringel et al. Cell 2020 (Figure 5)。
考察/結論
本レビューは腫瘍細胞とTAMの共進化という概念を、(1) 恒常性機能の転用、(2) 5層の表現型多様性制御、(3) 代謝競合/協働の二面性、(4) 転移カスケード全段階への関与、(5) 化学療法・ICBいずれへの治療抵抗性増強という5軸の包括的枠組みとして再構築した点で重要な概念的貢献を行った。特に「TAMがWarburg効果的な腫瘍細胞ではなくTMEの実質的な最大グルコース消費者である」という反直感的な新規知見は腫瘍代謝研究のパラダイムをこれまでと異なり再考させるものであり、代謝競合と協働の二面性を持つ点は治療標的設計に重要な示唆を与える。
先行研究との違い: 先行研究ではTAMのM1/M2二分法が治療戦略の基盤であったが、本レビューはscRNA-seqが明らかにした連続スペクトラム状の多様性と、5つの生物学的スケールからの統合制御を体系化することで、このパラダイムの限界を明示した。現行TAM標的戦略 (CSF1R阻害によるTAM枯渇・CD47/SIRPα遮断による食作用回復・CD40アゴニストによる再プログラミング・TLRアゴニスト・TREM2阻害) の効果と限界が整理され、次世代アプローチとして代謝標的化 (LXR・IDO・グルコース経路)、エピジェネティック制御 (KDM6B・miR-138-5p)、CAR-M (キメラ抗原受容体マクロファージ)、空間・時間制御型ナノ粒子デリバリーが提示されている。
新規性: 本レビューは、TAMがTMEにおける最大グルコース消費者であるという新規な知見を提示し、従来のWarburg効果に関する理解を再構築する可能性を示した。また、TAMの表現型多様性が内在性決定因子から全身・臓器・ニッチ・細胞間レベルの5階層で統合的に制御されるという多層的決定因子を体系化した点で、これまで報告されていない包括的な枠組みを提供する。
臨床応用: 臨床的には、CANTOS試験でのカナキヌマブ (IL-1β中和抗体) による肺がん発生抑制・死亡率低下という大規模ランダム化試験データ (HR約0.23, p<0.05相当)、男性NSCLCにおけるPPARγ高発現TAMと予後不良の相関、肥満誘発性TAMのPD-1発現とICB感受性増大という逆説的知見など、具体的な臨床エビデンスが基礎知見と有機的に統合されている点が本レビューの強みである。これらの知見は、TAMを標的とした臨床応用の可能性を強く示唆する。
残された課題: 今後の検討課題として、5つの生物学的スケールを統合した複合in vivoモデルの構築、TAMサブセット・疾患ステージ・治療フェーズに応じた精密標的戦略の開発、非固形がん (AML等) でのTAM共進化機構の解明、およびヒトTAMの多様性と機能を完全再現する新規ex vivoシステムの開発が挙げられる。これらの残された課題を解決することで、より効果的なTAM標的治療法の開発に繋がると考えられる。本レビューは、がん進化の主役が腫瘍細胞単体ではなく腫瘍-TAM-TME全体の共進化ユニットであるという認識を確立し、将来の多標的・複合的免疫療法設計の基盤を提供するものである。
方法
本レビュー論文は、腫瘍関連マクロファージ (TAM) ががんエコシステムの共進化において果たす多面的な役割に関する包括的な文献調査に基づいている。特定の実験プロトコルやデータ生成は含まれていない。文献検索は、PubMed、Embase、Web of Scienceなどの主要な医学・生物学データベースを用いて実施されたと考えられる。検索キーワードとしては、「tumor-associated macrophages (TAMs)」、「cancer co-evolution」、「efferocytosis」、「metabolic regulation」、「immune evasion」、「angiogenesis」、「metastasis」、「treatment resistance」、「CSF1R」、「CD47」などが用いられたと推測される。
レビューの構成は、まずTAMの恒常性機能がどのように腫瘍に転用されるか、次にTAMの表現型多様性を形成する内在性および外因性因子、そして代謝的および免疫学的観点から腫瘍とTME細胞との相互作用、最後に腫瘍の自然選択、転移、がん治療における進化的軌跡を議論する。既存のマクロファージ標的戦略の成功と限界を評価し、TAMの可塑性を操作して腫瘍進行を阻止する新しい治療アプローチについて詳述する。
本レビューでは、特に以下の点に焦点を当てて文献を統合している。
- マクロファージのプログラムド細胞除去、炎症増幅、組織修復といった恒常性機能が、腫瘍微小環境においてどのようにがんの進行に利用されるか。
- TAMの表現型多様性が、性別、遺伝的背景、発生起源、訓練免疫といった内在性決定因子、および食事、肥満、運動といった全身因子、臓器特異的環境、低酸素や血管周囲といったニッチ因子、腫瘍細胞やT細胞、CAFとの相互作用といった細胞間因子によってどのように多層的に制御されるか。
- TMEにおける栄養素の代謝競合(特にグルコースやトリプトファン)と代謝協働(脂質リサイクル)が、がん細胞の選択と進化にどのように影響するか。
- 上皮間葉転換 (EMT) 誘導、細胞外マトリックス (ECM) リモデリング、血管新生支援、循環腫瘍細胞 (CTC) 保護、前転移ニッチ形成といった転移カスケードの全段階におけるTAMの関与。
- 化学療法、放射線療法、免疫チェックポイント阻害療法 (ICB) に対する治療抵抗性増強および再発支援におけるTAMの多様なメカニズム。
これらのテーマについて、in vitro、in vivo (マウスモデルなど)、およびヒト臨床研究からのエビデンスを統合し、TAMの複雑な役割を解明し、将来の治療戦略開発に向けた概念的枠組みを提示している。統計手法の具体的な記述はないが、引用された研究では、生存分析にKaplan-Meier曲線とログランク検定、群間比較にt検定やMann-Whitney U検定などが用いられていると推測される。