- 著者: Zhenfeng Zhang, Jae Cheol Lee, et al.
- Corresponding author: Trever G. Bivona (University of California San Francisco, San Francisco, CA); Balazs Halmos (Columbia University Medical Center, New York, NY)
- 雑誌: Nature Genetics
- 発行年: 2012
- Epub日: 2012-07-01
- Article種別: Original Article
- PMID: 22751098
背景
EGFR遺伝子に変異を有する非小細胞肺がん (NSCLC) は、erlotinibやgefitinibなどのEGFRチロシンキナーゼ阻害薬 (TKI) に対し高い初期奏効率を示す。しかし、治療開始後12〜18ヶ月で獲得耐性が不可避的に生じ、その後の有効な治療選択肢は限られているのが現状である。これまでに報告されている主要な耐性機序としては、EGFR T790M二次変異が約60%の症例で、MET遺伝子増幅が約5〜20%の症例で同定されている。また、NFκB経路の活性化も耐性に関与することがLynch et al. NEnglJMed 2004やPaez et al. Science 2004、Sordella et al. Science 2004、Pao et al. ProcNatlAcadSciUSA 2004、Pao et al. PLoSMed 2005、Kobayashi et al. NEnglJMed 2005、Engelman et al. Science 2007、Bean et al. ProcNatlAcadSciUSA 2007、Yun et al. ProcNatlAcadSciUSA 2008、Sequist et al. SciTranslMed 2011といった先行研究で示唆されてきた。しかし、全症例の40%以上では、これらの既知の機序では説明できない耐性メカニズムが存在し、その詳細な分子機構は未解明であった。この知識のギャップは、新たな治療戦略の開発を妨げる重要な課題として認識されており、耐性メカニズムの特定が不足していた。
AXLは、TAM (Tyro3/AXL/MerTK) 受容体型チロシンキナーゼファミリーに属する分子である。そのリガンドであるGAS6 (Growth Arrest-Specific 6) と結合することで、AKT、ERK、NFκBなどの下流シグナル経路を活性化し、細胞の生存、増殖、運動性、さらには上皮間葉転換 (EMT) を促進することが知られている。AXLは、一部の癌細胞株において過剰発現が報告されており、腫瘍の悪性度や転移能との関連も示唆されてきた。しかし、EGFR T790M変異やMET増幅に依存しないEGFR-TKI獲得耐性において、AXLが系統的かつ直接的な役割を果たすか否かは、これまで十分に確立されていなかった。特に、T790MやMET増幅といった遺伝子型変化とは異なる、EMTのような表現型変化を伴う耐性メカニズムにおけるAXLの関与は、その詳細が不足していた。
本研究は、複数の独立した研究施設が連携し、in vivoおよびin vitroのモデル系、さらにはEGFR-TKI耐性患者由来の臨床検体を用いて、AXLがEGFR変異NSCLCにおけるEGFR-TKI獲得耐性の新規ドライバーとして機能する可能性を包括的に検証することを目的とした。これにより、既存の耐性機序では説明できない症例における治療標的の同定と、新たな併用療法開発への道筋を示すことが期待された。
目的
本研究の目的は、EGFR変異NSCLCのerlotinib獲得耐性モデルにおいて、AXLキナーゼがT790M変異やMET増幅に依存しない新規の耐性ドライバーとして機能することを同定することである。具体的には、in vivoおよびin vitroモデルを用いてAXLの過剰発現と活性化が耐性獲得に必要かつ十分であることを証明し、AXL阻害がerlotinib感受性を回復させる可能性を評価する。さらに、EGFR-TKI耐性患者の臨床検体におけるAXLおよびそのリガンドGAS6 (Growth Arrest-Specific 6) の発現変化を解析し、前臨床モデルで得られた知見の臨床的妥当性を検証することも目的とした。最終的には、AXLがEGFR-TKI耐性に対する新たな治療標的となり得るかを評価し、EGFR-TKIとAXL阻害薬の併用療法の前臨床的根拠を確立することを目指した。
結果
In vivo耐性腫瘍におけるAXLの顕著な過剰発現: HCC827細胞由来のerlotinib耐性異種移植腫瘍17個のマイクロアレイ解析により、耐性腫瘍に特異的に過剰発現した21遺伝子が同定された (Supplementary Table 1)。その中で、受容体型チロシンキナーゼであるAXLが最も顕著に高発現しており、15/17個 (88%) の耐性腫瘍で≥1 log2 fold changeのAXL mRNA増加が認められた (Fig. 1c, Supplementary Table 2)。既知の耐性ドライバーであるMETの過剰発現は5/17個 (29%) の腫瘍にのみ認められ (Fig. 1b, Supplementary Table 2)、AXLがMETを量的にも上回る主要な耐性ドライバーであることが示唆された。AXLがMETよりも高度に過剰発現していた腫瘍は10/15個 (66.6%) であった。AXLのリガンドであるGAS6 (Growth Arrest-Specific 6) の過剰発現も8/17個 (47%) の耐性腫瘍で確認された (Fig. 1d, Supplementary Table 2)。aCGH解析ではAXLおよびGAS6の遺伝子増幅は認められず、シーケンシングでもAXLの体細胞変異は検出されなかったことから、これらの過剰発現は転写またはエピジェネティックなメカニズムによるものと考えられた。erlotinib感受性期の急性処理 (48時間) ではAXLおよびGAS6の過剰発現は認められず、耐性獲得に特異的な変化であることが示された (Supplementary Fig. 1)。Western blotting解析では、耐性腫瘍においてリン酸化AXL (pAXL) レベルが高い一方で、リン酸化EGFR (pEGFR)、リン酸化MET (pMET)、リン酸化IGF-1R (pIGF-1R) は低下していた。しかし、リン酸化AKT (pAKT)、リン酸化ERK (pERK)、リン酸化RelA (pRelA、NFκBのマーカー) のレベルは維持されており、AXLがEGFR抑制下でAKT/MAPK/NFκBシグナルをバイパス経路として活性化していることが示唆された (Fig. 2a)。
AXL阻害によるerlotinib感受性の回復: in vivoモデルにおいて、AXLの遺伝学的阻害がerlotinib感受性を回復させることを確認した。HCC827 ER1 (erlotinib resistant 1) 異種移植腫瘍 (n=10 tumors per group) に非標的shRNA (対照) またはAXL shRNAを導入し、erlotinib 12.5 mg/kgで治療した結果、対照shRNA+erlotinib群では腫瘍の増殖が継続したのに対し、AXL shRNA+erlotinib群では腫瘍増殖が有意に抑制され、erlotinib感受性が回復した (Fig. 2c, d)。 in vitroモデルでは、AXL siRNAによるノックダウンは親株HCC827のerlotinib感受性 (IC50 約5 nM) に影響を与えなかったが、5つのerlotinib耐性サブライン (ER1〜ER5) 全てにおいてerlotinib IC50を劇的に低下させ、感受性を回復させた (10 μM超から約5 nMに回復) (Fig. 3c)。GAS6 siRNAはER1およびER2サブラインでは感受性を回復させたが、ER3〜ER5サブラインでは効果がなかったことから、GAS6非依存的なAXL活性化機序の存在が示唆された (Fig. 3c)。MET siRNAはER1サブラインのerlotinib感受性を回復させなかった (Supplementary Fig. 5)。 薬理学的AXL阻害剤であるMP-470およびXL-880 (各1 μM) は、単剤ではER細胞および親株の細胞生存率にほとんど影響を与えなかった (Supplementary Fig. 7)。しかし、erlotinibとの併用では、ER1〜ER5の全サブラインで細胞生存率を有意に低下させた (Fig. 3d)。Combination index法を用いた解析では、MP-470またはXL-880はerlotinibと相乗効果を示した (Supplementary Fig. 8)。一方、MET阻害薬PHA-665752は相乗効果を示さなかった。Western blotting解析では、AXL siRNAまたはAXL阻害薬とerlotinibの併用処理により、ER1およびER2細胞におけるpERK、pAKT、pRelAの抑制と、cleaved PARPの増加が確認された (Fig. 3e-g)。
AXL過剰発現とEMT遺伝子変化の連携: erlotinib耐性異種移植腫瘍において、EMT (上皮間葉転換) の確立されたバイオマーカーである複数の遺伝子の発現変化が認められた。具体的には、CDH1 (E-cadherin) の≥0.5 log2 fold change低下が15個中8個 (53%) の腫瘍で、COL6A1 (type VI collagen) の≥1 log2 fold change増加が15個中14個 (93%) の腫瘍で、VIM (vimentin) の≥1 log2 fold change増加が15個中10個 (66%) の腫瘍で確認された (Fig. 1e, f, Supplementary Fig. 2, Supplementary Table 2)。また、HMGA1およびHMGA2の高発現、ケラチン遺伝子 (KRT6A、KRT14、KRT5) の低発現も認められた (Supplementary Table 1)。in vitroのERサブラインにおいても、Western blottingによりvimentinの高発現とE-cadherinの低発現が全5サブラインで共通して確認された (Fig. 3b, Supplementary Fig. 4)。H3255細胞由来のERサブラインでも同様のVIM増加が確認され、AXL阻害により回復した (Supplementary Fig. 10)。AXLノックダウン後にはER細胞のvimentin発現が減少し、プラスチックへの接着能も低下したことから、AXLがEMT表現型の維持に関与することが示された (Fig. 4a-d)。
AXLのキナーゼ活性が耐性誘導に必須: 野生型AXLをerlotinib感受性HCC827細胞に過剰発現させると、erlotinib耐性が誘導された (IC50 >1 μM)。一方、キナーゼ不活性変異AXL KD (p.Lys567Arg) の過剰発現ではerlotinib耐性は誘導されなかった (Fig. 3h, i)。XL-880 (1 μM) の存在下では、AXL過剰発現による耐性が逆転した。これらの結果は、AXLのキナーゼ活性がerlotinib耐性誘導に必要不可欠であることを明確に証明した。さらに、AXLのゲートキーパー変異であるp.Leu620Metを導入したAXLを発現させると、XL-880によるAXL阻害効果が阻害され、erlotinib感受性回復効果も消失したことから、XL-880がAXLキナーゼ活性を特異的に阻害することで耐性を克服することが示された (Fig. 3h, i, Supplementary Fig. 11)。
臨床EGFR-TKI耐性検体におけるAXLおよびGAS6の過剰発現: 35例のEGFR変異NSCLC患者の対ペア検体 (TKI治療前と獲得耐性後) の解析では、複数の症例でTKI耐性後にAXL発現が治療前よりも上昇していることが確認された (Table 2)。特に、T790M変異陰性かつMET増幅陰性の症例 (ID 9: EGFR del19、erlotinib耐性後AXLスコア1→3、GAS6スコア0→3、T790M-/MET-amp-) において、AXLおよびGAS6の発現上昇が認められ、T790MやMETに依存しない耐性機序におけるAXL活性化の臨床的意義が示された (Fig. 5b)。T790M陽性例 (ID 3, 7, 8, 24など) やMET増幅例 (ID 16, 23, 24, 25) の一部でもAXL発現上昇が認められており、AXL活性化が他の既知の耐性機序と共存する可能性も示唆された (Table 2, Table 3)。治療前AXLスコアが低く (0) 耐性後に高くなる (2〜3) パターンが複数例で確認され、in vivoおよびin vitroモデルで得られた知見との整合性が示された。35例中7例 (20%) でAXLの過剰発現が、28例中7例 (25%) でGAS6の過剰発現が認められた (Table 3)。また、10例中2例 (20%) でvimentinの過剰発現も確認された。これらの臨床データは、AXL活性化がEGFR-TKI獲得耐性における重要なメカニズムの一つであることを裏付けるものであった。
考察/結論
新規性: 本研究は、EGFR変異NSCLCにおけるEGFR-TKI獲得耐性の新規メカニズムとして、AXLキナーゼの活性化を初めて同定した先駆的な研究である。in vivoモデル (HCC827異種移植腫瘍、n=17耐性腫瘍) において88%という高率でAXLの過剰発現が確認され、さらに3つの独立した研究施設で樹立されたin vitroモデル (HCC827 ER1〜ER5、H3255 ER) でも再現されたことは、本所見の信頼性を高めるものである。加えて、35例のEGFR-TKI耐性患者由来の対ペア臨床検体を用いた解析により、AXLおよびそのリガンドGAS6 (Growth Arrest-Specific 6) の過剰発現が臨床的にも確認されたことは、前臨床モデルで得られた知見の臨床的妥当性を強力に裏付けている。特に、AXLのキナーゼ活性が耐性誘導に必要かつ十分であることを証明した点は、これまでの報告にはない新規の知見である。
先行研究との違い: これまでの研究では、EGFR-TKI耐性機序としてEGFR T790M変異やMET増幅が主に注目されてきたが、本研究はこれらの既知の機序とは独立して、AXL活性化が耐性を引き起こすことを明らかにした点で、これまでの知見と異なっている。T790M変異やMET増幅が検出されない40%以上の耐性症例の少なくとも一部をAXL活性化が説明し得ることは、臨床的に極めて重要な意義を持つ。AXL活性化がGAS6/AXLシグナルを介してAKT/ERK/NFκB経路をバイパス的に活性化し、EGFRが抑制されても細胞の増殖を維持できることを示したことは、EGFR-TKI耐性の多機序性を改めて強調するものである。
臨床応用: 本研究で得られた知見は、EGFR-TKIとAXL阻害薬の併用療法という新たな治療戦略の前臨床的根拠を初めて提供するものであり、その臨床応用への期待は大きい。AXLは、EGFR-TKI耐性における新規の治療標的として有望である。また、AXL過剰発現がEMT (上皮間葉転換) (E-cadherin低下、vimentin増加、COL6A1増加) と連携して生じることは、EGFR-TKI耐性が遺伝子型変化のみならず、腫瘍細胞の可塑性や表現型変化を伴うことを示唆している。AXL自体がEMT推進因子として機能することから、耐性腫瘍におけるAXL活性化が、腫瘍の転移や浸潤能を高める可能性も示唆され、EGFR-TKI耐性と腫瘍悪性度進展を結ぶ分子リンクとして重要な概念を提供する。
残された課題: 今後の検討課題として、AXL阻害薬 (例: bemcentinib/BGB324、DS-1205、amuvatinib/MP-470) とEGFR-TKIの組み合わせ療法が臨床試験で探索されているものの、AXL阻害薬単体での腫瘍縮小効果が乏しいことや、併用試験でも有意な生存改善に至っていない現状がある。これは、AXLの評価法 (IHC vs mRNA) の標準化、T790M変異やMET増幅など他の耐性機序との共存下でのAXL阻害の有効性、あるいはAXL活性化のサブタイプ分類など、さらなる詳細な層別化が必要であることを示唆している。また、本研究のモデルは主に第1世代TKI (erlotinib/gefitinib) の耐性を対象としており、第3世代TKIであるosimertinib耐性におけるAXLの役割は別途検討を要する。ただし、AXLはosimertinib後耐性においても過剰発現が報告されており、TKI世代を超えた共通の耐性機序として持続的な研究対象となっている。AXL活性化が他の遺伝子・ゲノム変化とどのように協調して耐性を誘導するのか、また、AXL駆動型耐性においてMAPK、AKT、NFκBといった下流シグナル経路のうちどれが最も重要であるかを特定することも、今後の研究の方向性として残されている。
方法
In vivoモデルの樹立と解析: Case Western Reserve大学とColumbia大学が連携し、HCC827細胞 (EGFR exon 19 del、erlotinib in vitro IC50 約5 nM) をNOD-SCIDマウスに皮下移植した。腫瘍が確立した後、erlotinibを6.25、12.5、25、50 mg/kg/日の4用量で投与する群 (各n=10腫瘍) と、vehicle群に分けた。約5ヶ月間投与を継続し、腫瘍体積が最大縮小から25%以上再増殖した時点で耐性腫瘍と定義し、合計17個の耐性腫瘍を樹立した。各用量群における腫瘍体積変化は、erlotinib 12.5mg/kg群で最大56%減少 (6±0.5週で耐性)、25mg/kg群で最大69%減少 (8±0.8週で耐性)、50mg/kg群で最大84%減少 (10±1.0週で耐性) を示した。樹立された全17個の耐性腫瘍について、EGFR遺伝子の再シーケンシングを行い、T790M、D761Y、L474S、T854Aなどの既知の二次変異が存在しないことを確認した。その後、マイクロアレイ発現プロファイリングを実施し、17個の耐性腫瘍と2個のvehicle対照腫瘍の遺伝子発現を比較した (unpaired t検定、p<0.05)。さらに、aCGH (array comparative genomic hybridization) 解析によりAXLおよびGAS6の遺伝子増幅の有無を評価し、シーケンシングによりAXLの体細胞変異を検索した。
In vitroモデルの樹立と解析: UCSF、Case Western Reserve、Columbiaの3施設が独立して、HCC827細胞をerlotinibに5ヶ月以上長期持続暴露することで、5つの独立したerlotinib耐性クローンサブライン (ER1〜ER5) を樹立した。これらのサブラインは、erlotinib IC50が親株の約5 nMに対し10 μM以上と、約2,000倍以上の耐性を示した。同様に、H3255細胞 (EGFR L858R、erlotinib IC50 約15 nM) からも独立に2つの耐性サブラインを樹立し、IC50は1 μM以上であった。全ての耐性サブラインにおいて、EGFR T790M変異がシーケンシングにより存在しないことを確認した。また、不可逆的EGFR阻害薬であるafatinib (BIBW2992) に対する交差耐性も確認し、T790M変異以外の耐性機序であることを裏付けた。
機能実験: AXLの機能的役割を評価するため、以下の実験を行った。
- 遺伝学的阻害: AXLに対するsiRNAおよびshRNA (short hairpin RNA) によるノックダウン、GAS6に対するsiRNAノックダウンを実施した。
- 遺伝学的過剰発現: 野生型AXLおよびキナーゼ不活性変異AXL KD (p.Lys567Arg) をコードするプラスミドをHCC827細胞に過剰発現させた。
- 薬理学的阻害: AXLの小分子阻害剤であるMP-470 (1 μM) およびXL-880/foretinib (1 μM) を単剤またはerlotinibとの併用で用いた。
- シグナル経路解析: Western blottingにより、リン酸化AXL (pAXL)、総AXL、リン酸化EGFR (pEGFR)、リン酸化MET (pMET)、リン酸化ErbB3 (pErbB3)、リン酸化IGF-1R (pIGF-1R)、リン酸化AKT (pAKT)、リン酸化ERK (pERK)、リン酸化RelA (pRelA、NFκBのマーカー)、cleaved PARP、vimentinの発現レベルを評価した。
- 細胞生存率評価: CellTiter-GLO (CellTiter-Glo Luminescent Cell Viability Assay) アッセイを用いて細胞生存率を測定した。
- 相乗効果評価: Combination index法を用いて、erlotinibとAXL阻害薬の併用効果を評価した。
- 細胞移動・接着能評価: トランスウェルアッセイおよびプラスチック接着アッセイを用いて、細胞の移動能および接着能を評価した。
臨床検体の解析: UCSF、Columbia、MSKCC、Asan Medical Center (韓国)、Vall d’Hebron/Pangaea Biotech (スペイン) の5施設から、EGFR変異NSCLC患者35例のTKI治療前と獲得耐性後の対ペア生検検体を収集した (Table 2)。これらの検体について、免疫組織化学 (IHC) 染色によりAXL、GAS6、vimentinのタンパク質発現を評価した (スコア0〜3)。また、T790M変異の有無はシーケンシングで、MET増幅の有無はFISH (fluorescence in situ hybridization) で確認した。本コホートの患者の無増悪生存期間 (PFS) 中央値は18ヶ月 (範囲7〜59ヶ月) であり、gefitinibまたはerlotinibで治療されていた。本研究は、 retrospective cohort studyとして実施され、主要評価項目はAXL発現とTKI耐性の関連であった。